京は瑠璃いろ、浪漫色

京は瑠璃いろ、浪漫色

舞台は昭和初期の京都にある下宿屋。そこで働く両親を亡くした孤独な少女の瑠璃と、若き日本画家の奥山弥鹿が少しずつ惹(ひ)かれ合う姿を描いたラブストーリー。「ザ花とゆめホワイトラブ」2021年3/1号から掲載の作品。

正式名称
京は瑠璃いろ、浪漫色
ふりがな
みやこはるりいろ ろまんいろ
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あらすじ

弥鹿に心惹かれる瑠璃

瑠璃は天涯孤独の身の上で、日本とイギリスのハーフである故にその容姿から差別を受け、孤独な毎日を送っていた。しかし、自分を引き取って大切に育ててくれている藤代のためにも、早く大人になって自立したいと考えていた。そんな中、若き日本画家で下宿屋に滞在している奥山弥鹿は、何かと瑠璃を子供扱いすることから、瑠璃は彼に苦手意識を抱いていた。しかし、同じ屋根の下で過ごしていくうちに、コンプレックスである自分の容姿をほめてくれたり、知らなかった世界をいろいろと教えてくれる弥鹿に対し、瑠璃は少しずつ心を開き始める。

アメリアとの出会いと瑠璃の選択

ある日、下宿屋にイギリス人のアメリア・レミントンが訪れ、瑠璃は通訳を依頼される。アメリアは美術の勉強のために来日し、ギャラリーで奥山弥鹿の作品と出会って興味を持ったという。アメリアは芸術家の支援も行なっており、弥鹿の才能を見極めるためにも、彼に睡蓮(すいれん)の絵を依頼したいと告げる。ほかに著名な作品も存在する睡蓮の絵に苦戦する弥鹿だったが、瑠璃の何気ない一言からヒントを得て、完璧な作品を完成させる。その作品を見たアメリアは、弥鹿を支援することに決め、瑠璃は引き続き通訳をすることとなる。その後も弥鹿の仕事は順調そのもので、瑠璃も自分のことのように嬉しく感じていた。そんなある日、瑠璃の叔母(おば)だと名乗る女性が現れ、アメリアを通してイギリスでいっしょに暮らさないかと瑠璃に伝えられる。

登場人物・キャラクター

瑠璃 (るり)

京都にある下宿屋で働いている少女。年齢は15歳。10年前に両親が亡くなり、母親の知り合いだった藤代に引き取られ、彼女が経営する下宿屋で恩返しのために働いている。父親がイギリス人、母親が日本人のハーフで、父親譲りの髪色と瑠璃色の瞳を持つ。そのため幼い頃から、その外見のせいでいじめを受けてきた過去がある。また、同じ年頃の子供たちが楽しそうに学校に通ったり、恋愛をしたりする様子を見てひそかにあこがれているが、身寄りがないことから叶(かな)わずにいる。つねに孤独感を抱えているものの、表には出さずに明るく振る舞う頑張り屋さん。藤代に迷惑をかけずに自立するため、早く大人になりたいと願っている。また、生前の父親から英語を習っていたため、語学を活かせる職業を希望している。そんな中、制作のために下宿屋に滞在している若き日本画家の奥山弥鹿に、淡い恋心を抱くようになる。

奥山 弥鹿 (おくやま みろく)

日本画家を生業にしている青年。瑠璃が働く下宿屋に長期滞在している。自分の身の回りの世話をしてくれる瑠璃をかわいがっているが、彼女からは子供扱いしてほしくないと避けられていた。しかし、次第に瑠璃も心を開くようになり、彼女との距離を縮めていく。芸術界からは大いに期待されている存在で、若いながらも至る所から作品制作の依頼が来ている。また、見た目も美しく整った顔立ちで、若い女性のファンも多い。

藤代 (ふじよ)

瑠璃が働く下宿屋を経営している女性。10年前に瑠璃の両親が死去し、瑠璃の母親と知り合いだったことから彼女を快く引き取った。下宿屋を積極的に手伝ってくれる瑠璃には感謝しつつも、もっと子供らしい時間を優先してほしいとも思っている。また、ずっと瑠璃に下宿屋を手伝ってもらうつもりはなく、彼女が早く将来を見据えてくれることを願っている。

アメリア・レミントン

美術の勉強のために日本にやって来たイギリス人の若い女性。ギャラリーで奥山弥鹿の作品を見て気に入り、彼に会うために瑠璃が働く下宿屋を訪れる。英語しか話せないため、瑠璃に通訳を依頼したことで知り合いになる。イギリスでは有名な貴族であるレミントン家の出身で、非常に裕福な家庭に育ったこともあり、やや高飛車な性格をしている。才能のある芸術家を育てたい気持ちが強く、そのためには援助を惜しまない。弥鹿の才能を見極めるため、睡蓮の絵を描いてほしいと依頼した。

ウィリアム・ローレンス

イギリスの貿易会社で働くイギリス人の若い男性。日本人と仕事をする機会があり、多少日本語が話せることから、アメリア・レミントンに依頼され、彼女の来日をサポートしている。アメリアが日本画家の奥山弥鹿に興味を抱き、瑠璃が働く下宿屋を訪れたことで瑠璃と知り合いになる。明るい社交的な性格で、瑠璃に対しても友好的に接している。瑠璃が弥鹿に心惹かれていることを見抜いており、からかうことも多い。

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