あらすじ
北神宮高校に通う日ノ輪泊は、放課後になるといつも一軒の家に向かうようになっていた。その家はだれも住んでおらず、泊にとっても何の関係ない場所なのだが、泊はここに来るとなにか大事な事を思い出しそうな感覚に陥っていた。ある日、いつものように家に行くと、家の中にいた金之祇尊と出会う。尊が自分と同じような事を感じていると知った泊は、翌日以降もこの家で会うようになる。(エピソード「人外さんの嫁はいない」。ほか、6エピソード収録)
登場人物・キャラクター
日ノ輪 泊 (ひのわ とまり)
北神宮高校に通う1年生の男子。自分が住む街が製薬会社の実験事故によって隔離されている事に対して、生活に困らないのならその方がいいと考える合理主義者。学校から離れた無人の家を行くと、自分とは何の関係もない家なのに、なにか大事な事を思い出しそうな感覚に陥るため、放課後に立ち寄る事を日課としている。この家で出会った金之祇尊が自分と同じ感覚を持っている事を知り、交流を重ねていく。
金之祇 尊 (かねのぎ みこと)
南九壇高校に通う男子高校生。街で一番大きな製薬会社「金之祇製薬」の創業者一族の御曹司。金之祇製薬の実験ラボが事故を起こして街全体が隔離されてしまったため、街の人間から恨まれながら日々つらい生活を送っている。自身は事故と直接かかわりがない事から、暴行を振るわれる事は理不尽なものだが、金之祇尊は無抵抗にすべてを受け入れている。隔離された街から逃げ出す事もできるが、大事なものが見つかるような予感がする家にこだわって街に居続けている。そんな中、家の中で日ノ輪泊と出会い、自分と同じ事を感じている泊と交流を重ねる。高校卒業後は郊外の大学の薬学部に進学し、幼なじみの土清世徹司と再会する。
土清世 徹司 (つちきよせ てつし)
北神宮高校に通う男子高校生。生徒会長を務めている。成績優秀で人当たりもよく、ほかの生徒達からの信頼も厚い。しかし、両親をはじめとした周囲に流されるような生き方をしているため主体性が欠けている。ある日、六と七から求婚され、地域の慣習「人外の嫁取り」により双子の嫁と三人で暮らしている。高校卒業後は郊外の大学の医学部に進学し、幼なじみの金之祇尊と再会する。
六と七 (ろくとなな)
顔の大部分を占める一つ目と背中から生えた黒い翼が特徴の双子の人外。土清世徹司のかけているメガネに惚れ、徹司が生まれた日に求婚する。六と七の外見は少女に近くて徹司は男性だが、地域の慣習「人外の嫁取り」により、六と七が夫で徹司が嫁となる。ちなみに六と七は「二人で一人前」なため、二人と結婚しても重婚にはならない。
月江田 佳乃 (つきえだ よしの)
意志はあるが言葉を発しない椅子、下神楽の嫁となった女子高校生。年齢は15歳。入籍直後はなにをすればいいかもわからず、帰る家も家族もいなかった事から下神楽の家に居続ける。ある夜、下神楽に座ると不安な気持ちが安らいでいくのを感じると、下神楽に座る回数が増えていき、いつしか家にいる時はつねに下神楽に座るようになる。
下神楽 (しもかぐら)
椅子の人外。月江田佳乃の夫。意志を持ち人語も理解できるが、言葉をしゃべる事や自ら動く事はできない。しかし戸籍もあり、広い自宅も持っている。佳乃からアルバムを見せられ、自分の運命の人間と一目で感じて求婚する。入籍後も佳乃の事を一途に想い続ける。
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人外さんの嫁 (じんがいさんのよめ)
相川有、八坂アキヲ両作者の代表作。舞台は北神宮高校およびその周辺と、ふつうの男子高校生・日ノ輪泊と正体不明の謎生物・カネノギが暮らす一軒家。ふさふさ、もふもふの魅惑の毛並みを持った謎生物・カネノギと、... 関連ページ:人外さんの嫁
人外さんの嫁 宵町の巫女 (じんがいさんのよめ よいまちのみこ)
八坂アキヲの漫画『人外さんの嫁』の未来を舞台にした、人間と人あらざるものの異種間恋愛を描いた作品。「人外さんの嫁」で原作を担当した相川有が作画、作画を担当した八坂アキヲが原案協力と、『人外さんの嫁』と... 関連ページ:人外さんの嫁 宵町の巫女