保健室のせんせい。

保健室のせんせい。

保坂健輔は、全国でも珍しい男性の養護教諭という事で、勤務先の小学校で腫れ物に触るような扱いを受けていた。そんな環境にもめげずに、さまざまな悩みを抱えている児童と対話して寄り添っていく保坂の姿を描いたヒューマンドラマ。「コミックブリッジ オンライン」で2018年7月から配信の作品。

正式名称
保健室のせんせい。
ふりがな
ほけんしつのせんせい
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
BRIDGE COMICS(KADOKAWA)
巻数
既刊2巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

ある日、保坂健輔一ノ瀬がケガをしたにもかかわらず、養護教諭が男性だからという理由だけで治療を拒む様子を目撃してショックを受ける。そこで保坂は、保健室に書類を届けにやって来た一ノ瀬に心を開いてもらうために、なぜいつもマスクをしているのかと声を掛ける。しかし一ノ瀬は何も語る事なく、保健室を出ていく。そんな中、体育の授業中にマスクを着けたままの一ノ瀬は酸素欠乏症に陥り、保健室へと運ばれてくる。目を覚ました一ノ瀬に対して保坂は、なぜマスクを外さないのかとあらためて質問すると、一ノ瀬は塾で他校の男子からブスだと再三からかわれたトラウマを静かに語り始める。(第1話「呪いと魔法と」。ほか、5エピソード収録)

登場人物・キャラクター

保坂 健輔 (ほさか たかすけ)

公立子鴨(こがも)小学校の養護教諭として勤務する男性。年齢は20代。幼い頃に父親の仕事の都合で転校が続き、強いストレスから一時的に言葉を発する事ができなくなった過去を持つ。その時に寄り添ってくれた小学校の養護教諭の花園に感銘を受け、自分も同じように悩める児童の力になりたいと養護教諭を志した。全国に約4万人いるとされる養護教諭や助教諭の中で、男性はわずか100人程度と少ないため、偏見の目で見られる事も少なくない。児童一人一人に親身になる心優しい性格ながら、生まれつきやや目つきが悪いため、威圧感を与える事が多い。子供の些細な変化やサインを見逃さない鋭い感性の持ち主ながら、整理整頓が苦手。

福井 (ふくい)

公立子鴨(こがも)小学校に勤務する若い男性教師。空手教室で先生をしている妻がおり、自身も日焼けした肌に屈強な体を持つ。ブスと言われたトラウマからマスクを外せなくなった一ノ瀬の力になりたいと努力しているものの、心を開いてもらえなかった。のちに一ノ瀬が、保坂健輔のおかげでマスクを外して生活できるようになった事を知り、それをきっかけに保坂と頻繁に会話を交わすようになる。食べる事が大好きで、過去に撮った写真はすべて口に何かを含んでいるものばかり。ちなみにかっこよくセットした無造作ヘアに見えるが、実はすべて寝ぐせ。

一ノ瀬 (いちのせ)

公立子鴨(こがも)小学校に通う高学年の女子。塾で他校の男子から再三ブスとからかわれており、マスクなしでの生活ができずにいる。同時に男性を避けるようになり、ケガをしても養護教諭が男性の保坂健輔だった事から保健室に行こうとしなかった。体育の授業中にマスクをしていたせいで酸素欠乏症に陥り、保健室に運ばれた。その際に保坂と会話を交わした事で、マスクを外して生活できるようになる。武藤とクラスメート。

武藤 (むとう)

公立子鴨(こがも)小学校に通う高学年の女子。保坂健輔に好意を抱き、何かにつけて保健室を訪ねている。一ノ瀬とクラスメート。

早羅 (さら)

公立子鴨(こがも)小学校に通う5年生の女子。琉亜の双子の姉。精神的にも外見的にも大人びており、琉亜が寂しさを覚えている事には気づいていない。暗闇で光るパジャマに喜ぶなど、子供っぽい一面もある。

琉亜 (るあ)

公立子鴨(こがも)小学校に通う5年生の男子。早羅の双子の弟。最近、早羅が精神的にも外見的にも大人びてきた事に寂しさを覚えている。精神的に子供っぽいところがあり、いつまでも早羅と楽しく遊びたいと考えている。

三井 純 (みつい じゅん)

公立子鴨(こがも)小学校に通う4年生の女子。アメリカからの帰国子女。日本語でのコミュニケーションは問題ないが、これまでの環境と大きく変わった事へのとまどいから登校拒否になる。しかし三井純自身は悲観的になっておらず、あくまで「自分が積極的に行かない選択をしている」と前向きに考えている。母親と担任の青葉からの話を受け、まずは保健室登校からスタートする事を決意した。これまで通っていたアメリカの学校には「養護教諭」という先生がいなかったため、保坂健輔に興味を抱いている。同じクラスの四谷蘭とはそりが合わず、顔を合わせると喧嘩ばかりをしている。

四谷 蘭 (よつや らん)

公立子鴨(こがも)小学校に通う4年生の男子。青葉が担任を務める。根は優しい性格ながら、斜に構えた発言が多く、自分の感情を表に出す事は少ない。母親から平日休日問わずに習い事をさせられており、それを最優先にしている。そのため、学校の行事に参加できない事が多い。同じクラスの三井純とはそりが合わず、顔を合わせると喧嘩ばかりをしている。

青葉 (あおば)

公立子鴨(こがも)小学校に勤務する女性教師。三井純と四谷蘭の担任を務める。純が不登校になっている事を気にかけており、たびたび家庭訪問を行っている。

七瀬 (ななせ)

公立子鴨(こがも)小学校に勤務するベテラン男性教師。学年主任を務めており、児童だけでなく先生に対しても厳しく接する。男性養護教諭の保坂健輔に対しては懐疑的で、女子児童とトラブルを起こさないかとチェックしている。

吹雪 和歌子 (ふぶき わかこ)

公立子鴨(こがも)小学校で事務員を務める若い女性。冷え性で、保健室に余っている湯たんぽや暖房器具を狙っている。

花園 (はなぞの)

かつて小学校の養護教諭として勤務していた高齢の女性。保坂健輔の恩師でもある。現在は退職しているが、今も凛とした雰囲気を漂わせている。父親の都合で転校が続き、強いストレスから一時的に言葉を発する事ができなくなった保坂と向き合った過去を持つ。公立子鴨(こがも)小学校では、女子児童対象の性教育のボランティアとして活動している。福井からは「花ちゃん」と呼ばれている。

天雲 (てんうん)

東海原(ひがしうなばら)医院で小児科医として勤務している男性。公立子鴨(こがも)小学校の学校医も務めている。養護教諭は児童が安心する女性であってほしいという個人的な感情から、保坂健輔に対して試すような言動を繰り返している。両親、兄弟共に医師の家系に育つ。クールな美男子ながら、子供を怖がらせないためにネコのキャラクターがプリントされたグッズなど、かわいいものを積極的に身につけている。

書誌情報

保健室のせんせい。 2巻 KADOKAWA〈BRIDGE COMICS〉

第1巻

(2019-02-08発行、 978-4040654553)

第2巻

(2019-09-06発行、 978-4040640945)

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