概要・あらすじ
永禄2(1559)年、織田上総介信長は、父・織田信秀の死を機と見て巻き返しを図る諸勢と戦っていた。彼は尾張守護・斯波義銀を追放して尾張を掌握した後、他国との激しい戦に突き進んでいく。桶狭間の合戦では、定石破りの奇策で今川治部大輔義元を討ち取った。美濃攻めでは側近・岩室長門守を死なせた悲しみから孫子を学び、戦術家として成長。
永禄11(1568)年には近江を従えて京都へ入り、足利左馬頭義昭を担いで上洛を果たす。朝倉左兵衛督義景、浅井備前守長政らとの戦いでは敵に寝返った妹・お市の采配に苦しめられるが、姉川の合戦で大勝。朝倉軍を小谷城に追い詰めた。
登場人物・キャラクター
織田 上総介 信長 (おだ かずさのすけ のぶなが)
実在の歴史人物。永禄2(1559)年、尾張国主に。豪放磊落で型破りだが、家臣への情に厚い。早い頃から気晴らしに庶民に紛れて遊び回るなどの行動で側近をやきもきさせる。「是非もなし」が口癖。数々の戦を経て「戦乱の世を終わらせるため、いかなる戦も厭わぬ」との決心に至り、天下布武を掲げて天下統一を目指すように。 作中では上総介、尾張守、弾正忠など、相手と時代によってさまざまな呼ばれ方をする。
岩室 長門守 (いわむろ ながとのかみ)
実在する歴史上の人物で、織田上総介信長の側近。お忍びで遊ぶ信長を、生真面目に諫めたりしていた。家中で軍才への評価が高かったが、小口城攻撃で戦死。信長は自分の采配で殺してしまったと苦悩する。
池田 勝三郎 恒興 (いけだ かつざぶろう つねおき)
実在する歴史上の人物で、織田上総介信長の側近。実母が信長の乳母で乳兄弟にあたる。お忍びで街中を遊び回る信長にいつもついて回った。織田家のため弟・織田勘十郎信勝を手にかけた信長の覚悟に敬服、忠誠を誓っている。
丹羽 五郎左衛門 長秀 (にわ ごろうざえもん ながひで)
実在する歴史上の人物で、織田上総介信長の側近。信長が家督を継ぐまで小姓として仕えた。後に織田軍随一の知将として米五郎左の異名を轟かせる。信長の養女と結婚して義息となった。
柴田 修理進 勝家 (しばた しゅりのしん かついえ)
実在する歴史上の人物で、織田家の上席家老を務める。いかめしく見るからに勇猛な外見の武将。家中随一の猛将として織田上総介信長を支える。
佐久間 右衛門尉 信盛 (さくま うえもんのじょう のぶもり)
実在する歴史上の人物で、織田家の次席家老を務める。勇猛な柴田修理進勝家と対照的に、堅実慎重タイプ。
今川 治部大輔 義元 (いまがわ じぶたいふ よしもと)
実在する歴史上の人物で、駿河、遠江、三河の三国を領有する東海道一の弓取りとして知られる。織田上総介信長の実力を見抜いて早くから警戒していた。桶狭間の合戦で信長を追い詰めるが、定石破りの猛追撃で討ち取られる。
武田 徳栄軒 信玄 (たけだ とくえいけん しんげん)
実在する歴史上の人物で、軍神と恐れられる老練な甲斐の武将。織田上総介信長を見事な器と見抜いている。大軍を率いて井口城を包囲した信長に迫るが、織田十郎左衛門信清を人質として武田家に引き渡すことなどを条件に信長に和平を申し入れた。
織田 十郎左衛門 信清 (おだ じゅうろうざえもん のぶきよ)
実在する歴史上の人物で、織田上総介信長の従兄である。犬山城主だったが、斎藤道三の後ろ盾を失った信長を見限って離反していた。信長の美濃攻めに呼応していったん出陣したものの、裏切って撤退する。
松平 蔵人 元康 (まつだいら くらんど もとやす)
実在する歴史上の人物で、後の徳川家康である。三河全域を支配する野望を燃やしていた。永禄5(1562)年、織田上総介信長を内心疑いつつも清洲城で不可侵条約を締結。信長は元康の資質を見抜いて惚れ込んでいる。
木下 藤吉郎 (きのした とうきちろう)
実在する歴史上の人物で、後の豊臣秀吉である。猿のような風貌の小男。浅井隊の小十人頭をしていた頃、初めて織田上総介信長と出会う。それまで猿の物まねをしておどけることで世渡りしていたが、百姓出身の自分でも平等に接する信長に感銘を受け、武将としての才覚に目覚める。 実務能力では織田家の家臣中で群を抜き、金ヶ崎の退き口で武功を立てた。
明智 十兵衛 光秀 (あけち じゅうべえ みつひで)
実在する歴史上の人物で、足利左馬頭義昭からの支援要請の使者として織田上総介信長を訪ねた。初対面の際、信長から額が金柑のようだとからかわれる。戦乱で我が子を亡くしたことで、この世から戦をなくそうと決意。そのため戦を終わらせると言う信長に尽くそうとする。
お市 (おいち)
実在する歴史上の人物で、織田上総介信長の妹。巨乳美女。幼い頃、信長の弟・織田勘十郎信勝にかわいがられて育った。そのため勘十郎を殺めた信長と織田家に恨みを抱いている。嫁ぎ相手の浅井備前守長政を焚きつけて信長への競争心を煽り、織田家に反旗を翻すよう誘導。 長政以上の知略家であり、小谷城の戦いではお市が率先して戦略を立てる。
浅井 備前守 長政 (あざい びぜんのかみ ながまさ)
実在する歴史上の人物で、織田上総介信長の妹・お市を娶った。信長を畏怖していたが、お市に唆されて対抗心を燃やすように。朝倉左兵衛督義景と通じて信長抹殺の陰謀に加担する。姉川の合戦で織田勢に大敗し、小谷城に追い詰められた。
朝倉 左兵衛督 義景 (あさくら さびょうえのかみ よしかげ)
実在する歴史上の人物で、越前国主。織田上総介信長の上洛要請を拒否するため、口実として偽の謀反の情報を流す。だがこれは信長打倒の計略であり、謀反討伐のため越前に出兵した織田勢を攻撃した。
クレジット
- その他
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藤原京