概要・あらすじ
戦国時代に現れた雑賀孫一率いる最強の銃の使い手集団雑賀衆。傭兵として参じた戦で、百姓に扮した木下藤吉郎秀吉に男気を見初められた雑賀孫一は織田信長と会うことになる。「南蛮(龍)から日ノ本を守る」という目的の下、様々な英傑を探し導く八咫烏の天命を背負い、全国行脚の旅が始まる。
登場人物・キャラクター
雑賀 孫一 (さいか まごいち)
銃の名手を集めた戦国最強と噂される雑賀衆の若頭。雑賀衆からは「若」と呼ばれ、自らを八咫烏の化身と名乗っている。豪快で情を重んじる性格。幼い頃に南蛮人に拉致されそうになった過去を持つ。戦国時代の実在人物、鈴木孫一がモデルとなっている。
鶴首 (つるくび)
『戦国八咫烏』の登場人物で雑賀衆の参謀。端正な顔立ちの青年で里の女性たちからの人気が高い。常に冷静沈着で、50間(約90m)以上の狙撃の命中率は雑賀孫一よりも上。かつて盗人を80間(約145m)の距離から狙撃し、取り返した壺「鶴首」からその異名で呼ばれるようになった。
但中 (たんちゅう)
雑賀衆一の豪腕で、雑賀孫一でも放てない程の火力の三十匁筒(通常の数倍重たい弾を放てる)を使いこなすことができる。単純で短気でがさつな性格で、おだてにすぐ乗りすぐ裸になる。たらこ唇の大男。
お澄 (おすみ)
『戦国八咫烏』の登場人物で雑賀孫一の幼馴染で辰蔵の妹。里の者達からは「べっぴん」と言われている美しい女性。孫一と両思いではあるが勝ち気な性格が災いし孫一と顔を合わせれば口喧嘩をしている。諸国を動き回る孫一の無事を祈っている。
織田 信長 (おだ のぶなが)
尾張の国を治める大名。烏天狗を模した面を付け、恐ろしい圧力を放つ。数十万の民を背負うその姿は明智光秀からは「名君」を超える「天下人」の器だと言われる。雑賀孫一には何度も家臣の申し入れをするが断られている。戦国時代の実在人物、織田信長がモデルとなっている。
木下 藤吉郎 秀吉 (きのした とうきちろう ひでよし)
織田信長の配下の武将で、信長と雑賀孫一を出会わせた人物。小柄で信長からは「ネズミ」と呼ばれている。自分に何の才も無いとよく言うが、敵も味方も惹きつけてしまうような、人の心を掴んで離さない魅力の持ち主。戦国時代の実在人物、豊臣秀吉がモデルとなっている。
竹中 半兵衛 (たけなか はんべえ)
美濃国を治める斎藤家の本城・稲葉山城をたった16名の兵で一夜にして落とした天才軍師。美濃国の追手から雑賀孫一に助けられ、雑賀孫一を明智光秀に紹介する。戦国時代の実在人物竹中重治がモデルとなっている。
明智 光秀 (あけち みつひで)
「金狼」の異名を持つ武将。民から慕われている。美しい顔立ちで金髪、ポルトガル語混じりの日本語が特徴。戦国時代の実在人物、明智光秀がモデルとなっている。
上杉 輝虎 (うえすぎ てるとら)
越後国を治める大名。甲斐の武田信玄と並び「軍神」と称される。勝利のためには万策を尽くすのが信条。戦国時代の実在人物、上杉謙信がモデルとなっている。
段蔵 (だんぞう)
上杉家の軒猿(忍)。南蛮の刺客に襲われていたところを雑賀孫一に助けられる。自分を初めて人として扱った上杉輝虎の影武者・長実に忠誠を誓っており、彼が死んだ時には涙を見せた。
ルイス・フロイス (るいすふろいす)
南蛮人で将軍、足利義輝暗殺の黒幕。松永久秀率いる新生幕府軍と手を組み、日ノ本を牛耳るべく暗躍する。松永久秀との関係を知られないために、将軍暗殺後しばらくは堺で宣教師をしていた。戦国時代の実在人物、ルイス・フロイスがモデルとなっている。
ミシェル
四国出身の日本人と南蛮人との間に生まれた少女。赤い髪が特徴。南蛮人の血を引いているために蔑まれ投獄されていたが、雑賀孫一の計らいで雑賀衆に引き取られる。夜目が非常に利くことから戦地で活躍する。
八咫烏 (やたがらす)
『戦国八咫烏』に登場する空想上の生物で三本足のカラス。日本神話で神武天皇を大和平定へと導いたとされる必勝の神使。英傑を導くことが天命とされる。作中では雑賀衆の旗印として登場し、雑賀孫一は自らを八咫烏の化身と名乗っている。
集団・組織
雑賀衆 (さいかしゅう)
『戦国八咫烏』に登場する、雑賀孫一の率いる鉄砲部隊。銃の名手を集めた戦国最強と噂される部隊。どの大名にも対等に接し、どの国にも属することがない。三本足の烏・八咫烏を旗印とし、頭領は背中に八咫烏が染めてある赤い羽織をまとっている。現在の和歌山県紀ノ川下流域を本拠地とする。