概要・あらすじ
ごくふつうの大学生の平沢一希は、気がつくと、自身がやり込んだテレビ用ゲームソフト『Brave Hearts』の悪役キャラ、ハロルド・ストークスに憑依していた。目の前にはストークス家当主のヘイデンと、その前に跪(ひざまず)いて命乞いをする使用人クララ・アメレールがいる。これは、ゲーム中の回想イベントの一つであった。メインヒロインであるコレットの母クララが、ちょっとした不注意から処刑されるイベントだ。ハロルドになった一希の体は勝手に動き、ゲームシナリオどおりに父を制止。覚えたての魔法の練習台に、クララを使用したいと申し出る。ヘイデンはそれを快諾し、クララは地下牢に放り込まれた。自分の部屋に戻り、一希は冷静に現状を分析した。ハロルドは、悪逆非道、傲岸不遜で『Brave Hearts』屈指の嫌われ者であり、数年後には、死に至る運命にある。なぜ自分がハロルドになってしまったのかと落ち込んでいると、クララの減刑を求めて、執事のノーマンが部屋にやって来た。もちろん一希は、クララの命を奪うつもりはない。しかし、クララの命を救うと、娘のコレットが、主人公ライナーと出会う流れもなくなってしまう。主人公のパーティーが弱体化すれば、世界はラスボスによって破滅してしまうだろう。とはいえ、このまま何もしなくても、ハロルドは死亡してしまう。一希はハロルドの好感度を下げないようにしながら、大まかなシナリオは変えず、まともな結末に誘導することを決意した。そのためには、原作の流れを汲みながら、自分の死亡フラグを叩き折っていくことが必要である。一希は、クララを殺したふりをして、彼女とコレットをブローシュ村に逃がす計画を立てた。そこは、ライナーが暮らしている村で、コレットとライナーが出会う確率が高い場所だった。
登場人物・キャラクター
ハロルド・ストークス
テレビ用ゲームソフト『Brave Hearts』内のキャラクター。ある日突然、大学生の平沢一希が憑依することになった悪逆非道、傲岸不遜の嫌われキャラ。選民思想の強い貴族「ストークス家」の長男で、黒髪に赤い瞳が特徴の10歳ぐらいの少年。クロスタイが付いた、白のピンタックブラウスに茶色のジャケット、ハーフパンツといった服装をしている。一希が丁寧な言葉を使おうとしても、自動的に横柄な口調に変換されてしまう。全般的にハイスペックで、戦闘能力が高い上、魔法を使うこともできる。
ノーマン
テレビ用ゲームソフト『Brave Hearts』内のキャラクター。ストーク家に仕える執事で、白髪、メガネ、口ひげが特徴の男性。「ストークスの良心」といわれるほどの良識人。平沢一希が憑依したハロルド・ストークスの変化に気づく。これまでのクズ行為とは異なる様子を見て、ハロルドはストークス家の希望の光かもしれないと考え、彼に寄り添い助けることを心に誓う。
エリカ・スメラギ
テレビ用ゲームソフト『Brave Hearts』内のキャラクター。ハロルド・ストークスの許嫁。王国の建国に尽力した貴族の一つ、スメラギ家の子女。経済支援と引き換えに、ストークス家へ差し出される。黒髪と和服が特徴の少女。モンスターにまで涙するほど情け深い性格だが、唯一ハロルドにだけは嫌悪感を抱く。後に主人公パーティーの貴重な回復役になる存在。
クレジット
- 原作
-
泉
- キャラクター原案
-
Aちき
書誌情報
俺の死亡フラグが留まるところを知らない 6巻 宝島社〈このマンガがすごい! comics〉
第4巻
(2022-06-14発行、 978-4299030566)
第5巻
(2022-12-15発行、 978-4299037626)
第6巻
(2024-06-27発行、 978-4299056139)