概要・あらすじ
侯爵令嬢ツェツィーリア・クラインは、卒業パーティーの前夜、突然前世の記憶を取り戻す。彼女は学校とバイトに明け暮れていた女子大生。そしてここは、彼女がやり込んでいた乙女ゲームの世界だった。ツェツィーリアは、ヒロイン・ミアに嫌がらせをする悪役令嬢であり、パーティーで第二王子フェリクスに婚約破棄を言い渡される。それがわかっていても、すでに断罪日前夜ではどうしようもなかった。ツェツィは婚約破棄されたあと、実家とは絶縁。その後、フェリクスは彼女を愛妾にしようとするが、ミアがそれを察知。宰相家の息子に泣きついて、ツェツィを高級娼館に追いやった。こうして高級娼婦として迎えた最初の夜。ツェツィのもとにやって来たのは、「蒼薔薇の騎士」の二つ名を持つ絶世の美男子ルカス・ヘアプスト公爵子息だった。「ツェツィーリアを一晩買った」というルカスにツェツィは恐れおののく。ルカスとミアは兄妹のように育った幼なじみであり、二人の絆は固い。ルカスはミアの敵には容赦がない鬼畜キャラで、相手を半死半生にしたり、廃人にしたりということを平気でするのだ。一晩中、どんな恐ろしいことをされるのか。死すら覚悟するツェツィだったが、ルカスは彼女に愛をささやき、ひたすら彼女の体を貪り続ける。じつは、13歳の時ツェツィに一目惚れしたルカスは、彼女を自分のものにするために策略を巡らせ、やっと今日という日を迎えたのだ。
登場人物・キャラクター
ツェツィーリア・クライン
クライン侯爵家の令嬢。第二王子フェリクスの元婚約者で、飴色のロングヘアと緑色の眼が特徴。愛称は「ツェツィ」。10歳の時にフェリクスの王子妃候補となり、帝王学、ダンスなどさまざまな教育を受ける。また、父に教えてもらって治癒魔法を習得。後に、兵士の傷を治癒して回ったことで評判を上げ「虹の乙女様」と呼ばれるようになった。伯爵令嬢のミアに意地悪をしたことで、彼女のことが好きなフェリクスに嫌われ、卒業パーティーで婚約破棄を言い渡される。その後ミアの提言により、高級娼館に追いやられた。娼婦として初めての夜、ルカス・ヘアプスト公爵子息に買われ、彼の館に連れていかれる。前世は「学校とバイトに明け暮れていた女子大生」であり、卒業パーティー前夜にその記憶を取り戻している。
ルカス・ヘアプスト
王族付きの近衛騎士団副団長。ヘアプスト公爵家の次男。母親が王妹で王位継承権を持つが、次男ゆえに騎士の道を選ぶ。夜明けの空のような明るい紺色の髪、蜂蜜のような金色の瞳が特徴の絶世の美男子。幼少時より、喜怒哀楽はあるのに情動が起こらないという、感情の欠陥がある。成績優秀で、ずば抜けた武芸の才能を持つ。10歳の時、当時の近衛騎士団副団長アンドレアス・ヴェーバーに師事。過酷な訓練を受ける。13歳の時、騎士団を見学に来た、第二王子フェリクスの婚約者である少女、ツェツィーリア・クラインと対面。生まれて初めて感情を強く動かされ、彼女に一目惚れ。ツェツィを自分のものにする決意を固める。時が経ち、幼なじみの伯爵令嬢ミアとフェリクスの浮気を利用し、フェリクスの失脚を画策。自分が第二王子の座につき、ツェツィと結婚しようとする。おおむね思惑通りにいくが、ミアが宰相家の息子を通じて、ツェツィを高級娼館に追いやってしまう。そのため、ツェツィの最初の客となり、その後自宅に連れ帰った。愛称の「ルキ」は、王家の身分を隠し、騎士団で鍛錬していた時の名前が由来。
フェリクス
第二王子で、ツェツィーリア・クラインの元婚約者。傲岸不遜で色事が大好きという、どうしようもない男。ツェツィという侯爵家令嬢の婚約者がいながら、伯爵令嬢のミアと浮き名を流す。卒業パーティーでは、ツェツィに婚約破棄を言い渡すが、侯爵家との婚約を一方的に破棄したことから第二王子の座を退くことになる。
ミア
マイアー伯爵家の令嬢。ルカス・ヘアプストとは兄妹のように育った幼なじみ。金髪と花の髪飾りが特徴の天真爛漫な少女で、夜会に赴くたびに名家の子息たちを虜にし、その伝手で第二王子フェリクスと会う機会を得る。侯爵家の婚約者(ツェツィーリア・クライン)がいるフェリクスとの色恋が問題になるが、周囲の諫めも聞かず、マイアー伯爵家を危機に陥れる。念願が叶い、卒業パーティーでフェリクスは、ツェツィに婚約破棄を宣言。しかし彼は、ツェツィを愛妾としようとしたため、宰相家の息子を通じて、彼女を高級娼館に追放する。
クレジット
- 原作
-
猫田
- キャラクター原案
-
旭炬
書誌情報
悪役令嬢と鬼畜騎士 3巻 一迅社〈ZERO-SUMコミックス〉
第1巻
(2022-01-31発行、 978-4758037044)
第2巻
(2022-10-31発行、 978-4758038096)
第3巻
(2023-10-31発行、 978-4758039505)