あらすじ
52歳の公務員の屯田林憲三郎は、子供を助けるためにトラックに轢かれ、気がつくと公爵家の令嬢、グレイス・オーヴェルヌの姿になっていた。グレイスは、乙女ゲーム『マジカル学園ラブ&ビースト』に登場する主要キャラクターである。なぜ憲三郎がそんなことを知っているかというと、1か月ほど前、仕事から帰宅した際、リビングで娘がそのゲームをプレイしていたからだった。その時画面に映っていたのがグレイスで、娘の解説によると、主人公の前に立ちはだかって邪魔をしてくる悪役令嬢だった。なぜ、乙女ゲームの世界に転生したのか不明だが、今の自分はグレイス・オーヴェルヌであり、今日から王立魔法学園の生徒になったことは理解した。校門に目をやると、主人公アンナ・ドールが、駆け足でやって来るや否や盛大に転んだ。ゲームだと、ここでグレイスが立ちはだかり、平民出身のアンナを侮辱する場面である。アンナは悔し涙を流し、魔法の勉強で見返す決意を固めるというシナリオだ。それを知っていた憲三郎は、アンナに近づき、自分の役割を果たそうとする。しかし、子供を持つ親の身であるため、つい親目線になってしまい、アンナに優しい言葉をかけてしまう。こうして52歳の公務員である林憲三郎の、悪役令嬢としてのちょっとチグハグな生活が始まった。
登場人物・キャラクター
屯田林 憲三郎 (とんだばやし けんざぶろう)
52歳の公務員で妻子ありの男性。バーコード禿げに黒縁メガネが特徴。ある日、子供を助けるために道路に飛び出し、車にはねられる。気がつくと、乙女ゲーム『マジカル学園ラブ&ビースト』の公爵令嬢、グレイス・オーヴェルヌに転生していた。
グレイス・オーヴェルヌ
乙女ゲーム『マジカル学園ラブ&ビースト』の主要キャラクターの一人。王家に次ぐ権力を持つオーヴェルヌ公爵家の令嬢で、王立魔法学園の女生徒。縦ロールの金髪と手に持った扇が特徴。キツイ性格で、役柄としては、ゲームの主人公であるアンナ・ドールの邪魔をする悪役令嬢である。異世界転生してきた屯田林憲三郎が憑依してからは、親目線で他人を見るなど、優しい性格になる。
アンナ・ドール
乙女ゲーム『マジカル学園ラブ&ビースト』の主人公キャラクター。王立魔法学園の女生徒で、平民の身分でありながら、学園に主席で合格。本来は貴族でなければ入れない学園に入学する。
書誌情報
悪役令嬢転生おじさん 7巻 少年画報社〈YKコミックス〉
第3巻
(2022-04-05発行、 978-4785971144)
第4巻
(2022-12-28発行、 978-4785973087)
第5巻
(2023-06-05発行、 978-4785974060)
第6巻
(2024-01-04発行、 978-4785975784)
第7巻
(2024-08-05発行、 978-4785977269)