あらすじ
第1巻
5年前に起こった「東北動乱」を境に、日本には多数のテロリストが浸透し、首都トーキョーではテロや犯罪が多発していた。それを受けて多数のPMC(民間軍事会社)が作られ、正規軍に代わって戦闘や要人警護、軍事教育などの軍事的サービスを展開していた。武多いちかもPMC「カイムジャパン」の社員として、部下の宇井ひまわり、セリーナ・ライブラリーとチームを組んで、トーキョーの平和と会社の利益のために命を懸けていた。ある日、いちかはテロリストが映画館を占拠する現場にたまたま出くわす。映画館に取り残されている姉を助けてほしいと女の子に頼まれたいちかは、正式な依頼を受けるまで動かないようにと厳命する部長の指示を無視して、ひまわりと二人で映画館へ強行突入を決行する。セリーナが映画館のシステムをハッキングしているスキに二人はテロリストたちを打ち倒し、人質たちの救出に成功する。(第1話。ほか、3エピソード収録)
第2巻
首都トーキョーで、対戦車擲弾発射機「RPG-7」を使うテロリストが異常なほど増加していた。その生産現場と黒幕の捜査協力を依頼された武多いちかは、過激派グループの女子大生に扮して、単身潜入捜査を開始する。潜入早々、いちかは黒幕と思わしき堺田邦彦と接触し、堺田はRPG-7を作っているのは自分だとあっさりと白状する。デイトレーダーとしての成功をおさめ、金にはまったく不自由しない堺田がRPG-7を作る理由は、トーキョーで戦争が起こると面白いからという狂ったものだった。その後、いちかがPMC(民間軍事会社)の傭兵だと見抜いていた堺田は、いちかの身柄を拘束。そこへ宇井ひまわりがいちかの救出に現れ、RPG-7の飛び交う銃撃戦が始まる。(第5話。ほか、4エピソード収録)
登場人物・キャラクター
武多 いちか (たけだ いちか)
PMC(民間軍事会社)「カイムジャパン」の社員の一人。年齢は20歳前後と思われる女性。ポニーテールの髪型で、Yシャツにネクタイ、ミニスカートという高校の制服のような服装を身につけている。正義感あふれる性格だが、それ故に顧客に対して親身になりすぎてしまう傾向にあり、業務成績は非常に悪い。現場での判断は素早く正確で度胸もあり、部下の宇井ひまわりと共に数々の修羅場を潜り抜けている。一人称は「俺」。ひまわりからは「センパイ」と呼ばれている。武多いちか、ひまわり、セリーナ・ライブラリーのチームは「BLACK COMPANY'S」の通り名を持つ。
宇井 ひまわり (あざい ひまわり)
PMC(民間軍事会社)「カイムジャパン」の社員の一人で、年齢は17歳の女性。ショートカットの髪型で、高校の制服と思われるブレザーを身につけている。武多いちかの後輩にあたる。冷静沈着をモットーとし、クールな性格をしている。遠距離からの狙撃が得意で、その腕前は超一流。戦闘でもプライベートでも、いちかの理不尽な言動に付き合われることが多い。
セリーナ・ライブラリー
PMC(民間軍事会社)「カイムジャパン」の社員の一人。年齢は16歳の女性で、米国出身。語尾に「デース」を付ける怪しい日本語をしゃべる。地面に付くほどの長いツインテールの髪型で、下着姿や裸にYシャツだけを身につけていることが多い。武多いちかたちのナビゲーション役を担当している。ドライバーを務めることもあるが、基本的には現場には出向かずに情報収集やハッキングを主な任務としている。ハッキングに関しては天才的な才能を発揮する。
部長 (ぶちょう)
PMC(民間軍事会社)「カイムジャパン」で部長を務める女性。武多いちかたちの上司でもある。営業成績はトップながら、損害が利益を上回っているために営業利益がワーストないちかのことが悩みのタネで、よく彼女を叱責している。
桜木 真乃 (さくらぎ まの)
結成から3年目を迎え、人気急上昇中のアイドルグループ「ファンタジスタ!」でセンターを務める女性。5年前に発生した「東北動乱」と呼ばれる戦争で、牧場を経営する実家が壊滅的な被害を受けた。戦争で傷ついた両親や地元のみんなを元気づけ、笑顔になってもらうために東京でアイドルとしてがんばっている。ライブ中にテロリストによる襲撃を受け、テロリストの顔を見たために命を狙われており、身辺警護を武多いちかたちに依頼する。
沙彩 (さあや)
桜木真乃と同郷の女性で、親友。「東北動乱」で実家が被害を受けた真乃と同じ境遇で、真乃と二人でアイドルになろうと約束を交わしている。真乃が所属するアイドルグループ「ファンタジスタ!」のライブも観客席から応援しており、真乃の心の支えとなっている。
川崎 霞 (かわさき かすみ)
警視庁の特別捜査官を務める女性。テロリストたちが使う対戦車擲弾発射機「RPG-7」が首都トーキョーで生産されているという情報をつかみ、その生産現場を探索して黒幕を逮捕するため、一人で捜査している。黒幕と接触するための囮操作を、武多いちかたちに依頼する。
堺田 邦彦 (さかいだ くにひこ)
やり手の個人投資家の男性で、100億円もの資産を持つ。数年前まではフリーターだったが、仮想通貨の投資で成功をおさめて、一躍有名人となった。最近ではテレビやトークショーにも出演しており、著書も多数あることからネットを中心に話題を呼んでいる。その正体は首都トーキョーでRPG-7を生産している黒幕で、トーキョーで戦争を起こしたいともくろんでいる。
クレジット
- 原作
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内田 弘樹
書誌情報
傭兵ガールのお仕事! 全2巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉
第1巻
(2019-11-27発行、 978-4049128673)
第2巻
(2020-03-26発行、 978-4049131109)