紛争でしたら八田まで

紛争でしたら八田まで

田素弘の初連載作品。現代の国際社会を舞台に、地政学リスクコンサルタントの八田が世界各地の紛争を解決していく物語。ミャンマーでの労使紛争、タンザニアの魔女狩り問題、ウクライナの民主化組織への支援など、実在する地理的・政治的背景に基づいた事例が次々と登場する中で、八田は「チセイ(地政及び知性)」と「腕力(得意のプロレス技)」を組み合わせた独自の手法で交渉を行い、対立する当事者を和解へと導いていく。本作は、地政学をテーマにした青年漫画。国際政治や地域紛争といった複雑な問題を漫画という媒体で描写し、専門的な内容に大衆的なプロレス要素を組み合わせることで、硬軟両面のバランスを図っている。インド・カルナータカ州のカースト問題、アメリカ・オハイオ州のネイティブアメリカン居留地問題、マリのトゥアレグ問題など、各地の固有の課題がエピソードの題材として取り上げられ、それぞれの地域の文化的・歴史的背景と共に描かれている。講談社「モーニング」2019年51号から2021年42号まで連載後、同社「Dモーニング」2021年46号から連載。

正式名称
紛争でしたら八田まで
ふりがな
ふんそうでしたらはったまで
作者
ジャンル
その他軍事・戦争
レーベル
モーニング KC(講談社)
巻数
既刊18巻
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作品の概要

基本情報

田素弘の初連載作品。

要旨と舞台設定

現代の国際社会を舞台に、地政学リスクコンサルタントの八田百合が世界各地の紛争を解決していく物語。政治的対立や民族間の衝突、宗教問題などさまざまな地政学的課題に対し、八田が専門知識を駆使して解決に取り組む姿が描かれる。

ストーリー展開

物語は、イギリスの会社に所属する八田が、依頼に応じて世界各地の紛争地帯を訪れる形で展開される。作中には、ミャンマーの労使紛争、タンザニアの魔女狩り問題、ウクライナの民主化組織への支援など、実在する地理的・政治的背景に基づいた事例が次々と登場する。八田は「チセイ(地政及び知性)」と「腕力(得意のプロレス技)」を組み合わせた独自の手法で交渉を行い、対立する当事者を和解へと導いていく。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、地政学をテーマにした青年漫画。国際政治や地域紛争といった複雑な問題を、漫画という媒体で分かりやすく伝える点、また専門的な内容に大衆的なプロレス要素を組み合わせることで、硬軟両面のバランスを図っている点が特徴となっている。

作品固有の表現技法と特徴

物語では、実在する国や地域の地政学的背景が詳細に描写され、民族間の対立や歴史的経緯などが具体的に説明されている。これらの説明は主人公や関係者の会話を通じて自然に提示され、読者は物語を楽しみながら国際情勢に関する知識を得ることができる構成となっている。

世界観の構築と設定

世界観は現実の国際社会に極めて近く、実在の国々や民族間の関係性が忠実に反映されている。インド・カルナータカ州のカースト問題、アメリカ・オハイオ州のネイティブアメリカン居留地問題、マリのトゥアレグ問題など、各地の固有の課題がエピソードの題材として取り上げられ、それぞれの地域の文化的・歴史的背景と共に描かれている。

連載状況

講談社「モーニング」2019年51号から2021年42号まで連載後、同社「Dモーニング」2021年46号から連載。

あらすじ

舞台は世界中の紛争地域

フリーの地政学リスクコンサルタントを務める美女・八田百合が世界各国を回り、各地で起こる紛争を解決していく地政学活劇が、軍事や歴史などを交えて展開される。エピソードごとに舞台が変わり、その大半はミャンマーやタンザニアなど、漫画の題材としてあまり扱われることのない国が多い。いずれも民族対立や政治的混乱といったリアルな問題を抱えており、すでに紛争に発展し、銃弾の飛び交う危険地帯と化している国もある。

紛争を解決する日本人女性

主人公の八田百合は、依頼を受けた国の言語はもちろん文化・歴史・政治・軍事・経済をはじめとするあらゆる知識を習得したうえで依頼に臨んでいるが、どの国でも周囲から浮いてしまい、現地住民から異端視されることも多い。時には命の危険すら伴う争いやトラブルに巻き込まれる苦労人な一面を持つ百合は、メールや電話だけで依頼してくる謎多きボス、同居人で情報屋のアレックス、溺愛する妹の八田幸など、個性的な人物に支えられている。

知性と地政を駆使する主人公の活躍

いつも危険な依頼を受けているにもかかわらず、銃火器の扱いに長けているわけでもない八田百合の最大の武器は「チセイ」。このチセイには「知性」と「地政」の二つの意味があり、百合は状況に応じてこれらを駆使し、人々との出会いや交流を重ねながら、さまざまな問題を解決に導いている。新たな国を訪れるたびに珍しいローカルフードを試食するグルメ要素や、時折登場するプロレス技を楽しみながら、百合の活躍をとおして混沌とした国際情勢や異国の文化を知ることができる。

登場人物・キャラクター

八田 百合 (はった ゆり)

地政学リスクコンサルタントを務める日本人の女性。ロングヘアの美女で、眼鏡をかけている。以前はイギリスの「セントポールズアシスタンス(SPA)」に勤めていたが、現在はフリーランス。各地の言語や歴史、政治などに造詣が深く、専門の地政学に基づいた知見を仕事に生かし、ボスや友人の依頼を受けて世界中の紛争や事件を解決している。プロレス愛好家で、特技もプロレス技。日本に住んでいる妹の八田幸を溺愛している。

ボス

八田百合が勤務していた「セントポールズアシスタンス(SPA)」社員の男性。百合にさまざまな仕事を依頼しており、その中には危険を伴う仕事も多い。百合との連絡は電話かメールを使い、姿を見せないが、それなりに利益を上げている様子でオフィスはどんどん豪華になっている。妻には頭が上がらず、尻に敷かれている。

書誌情報

紛争でしたら八田まで 18巻 講談社〈モーニング KC〉

第1巻

(2020-03-23発行、978-4065189207)

第2巻

(2020-06-23発行、978-4065194775)

第3巻

(2020-09-23発行、978-4065207796)

第4巻

(2020-12-23発行、978-4065217603)

第5巻

(2021-03-23発行、978-4065225561)

第6巻

(2021-06-23発行、978-4065235560)

第7巻

(2021-09-22発行、978-4065247839)

第8巻

(2022-01-21発行、978-4065265840)

第9巻

(2022-04-21発行、978-4065275733)

第10巻

(2022-08-23発行、978-4065288757)

第11巻

(2022-11-22発行、978-4065298152)

第12巻

(2023-03-23発行、978-4065311141)

第13巻

(2023-07-21発行、978-4065323953)

第14巻

(2023-12-21発行、978-4065340127)

第15巻

(2024-05-22発行、978-4065355824)

第16巻

(2024-10-22発行、978-4065371671)

第17巻

(2025-03-21発行、978-4065388426)

第18巻

(2025-09-22発行、978-4065406830)

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