僕のジェラシー物語。

僕のジェラシー物語。

過去のトラウマから男性を大の苦手としている花村春が、大企業の御曹司で文武両道なパーフェクト美少年の加蓮龍三郎と初めての恋に落ちていく様子を描いた作品。龍三郎との恋を通じ、男性を一方的に拒絶していた春が次第にトラウマを克服し、周囲の男性とかかわりを持ちながら成長していく姿も同時に描かれる。小学館「ベツコミ」2017年4月号から2018年4月号にかけて連載された。

正式名称
僕のジェラシー物語。
ふりがな
ぼくのじぇらしーものがたり
作者
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あらすじ

第1巻

花村春は、私立潮見沢高等学校に入学する事になり、衣料品店で制服の試着をしていた。その際、春が試着した制服のファスナーに不具合が起き、春は偶然来店していた加蓮龍三郎にファスナーを上げてほしいと願い出る。春は龍三郎を女性だと勘違いしていたのである。そして入学式の日、男子生徒に囲まれた春は、トラウマから気分が悪くなり保健室へ向かう。その後、保健室から入学式会場へ戻ろうとする中、春は龍三郎と再会し、彼が男性である事を知る。一方の龍三郎は、初めて会った時から花が好きだったと告白。春は龍三郎を受け入れる事ができるか不安を覚えながらも、彼の気持ちを受け止めて、二人の交際がスタートする。そして迎えた新入学生を交えたオリエンテーション合宿で、同じ班の男子生徒達に馴染めない花は、ウォークラリー中に山中で一人迷子になってしまう。そこへ助けに来たのが龍三郎で、男子が苦手なはずの花は、自然と龍三郎を頼るのだった。こうして春と龍三郎は順調に距離を縮めていくが、ある日、二人が親密そうに寄り添っている写真が学校内に張り出される事件が発生。実は龍三郎は国を支える財閥の御曹司であり、これが不純異性交遊として大問題に発展してしまう。

第2巻

加蓮龍三郎の恋愛スキャンダルは私立潮見沢高等学校内だけでなく、インターネット上でも騒がれる事となり、花村春は窮地に追い込まれてしまう。そんな中、龍三郎は事実を包み隠さず正式に春と交際している事を宣言。そして、世間からも二人の交際は純愛として好意的に受け入れられるのだった。こうして春と龍三郎は順調に交際を続けていくが、ある日、龍三郎に手作り弁当を届けようとした春は清条院梓に絡まれてしまう。龍三郎の介入によりその場は収まったものの、春は梓が龍三郎の許嫁だと知らされ、さらに親密そうな二人の関係に戸惑い苦悩する。その後、春は龍三郎と距離を置くために水泳部のマネージャーとなるが、そんな春のもとに梓が現われる。そして、二人そろってプールに転落し、溺れてしまう。そこに現れた龍三郎に二人は助けられるが、その際、目の前で春と龍三郎の絆を見せつけられ、梓は二人の関係を受け入れる。さらに梓は春に対し、自分が男であると告白する。以降、梓は春と親友になりたいと思うようになるが、龍三郎は面白くない。春は梓と友達になれたと喜ぶが、一方の梓は次第に春を異性として意識し始めてしまう。そんなある日、龍三郎と春が散歩をしていると、目の前に春を知る男性が現れる。

第3巻

花村春はとなりの家に住む幼なじみの揺木葉と再会し、同時に幼稚園生の時に唐突に大嫌いだと言って、春を傷つけた相手が加蓮龍三郎だと知らされる。春は過去のトラウマがよみがえり、龍三郎の考えている事がわからなくなってしまう。すると春の男性に対する苦手意識も復活し、龍三郎の関係にすれ違いが生じる。しかし、春は龍三郎がなぜ大嫌いと突き放したのかという真相と、今の春に対する純粋な気持ちを知って、龍三郎を受け入れ、二人の関係はさらに深まっていく。このまま幸せな毎日が続くかと思われた矢先、春は備前祐悟から龍三郎は来年から1年間留学をする事が決まっている事を知らされる。すぐに事実を確かめに行った春に対して龍三郎は、本当の事だと打ち明け、春は大いに動揺する。

登場人物・キャラクター

花村 春 (はなむら はる)

私立潮見沢高等学校に通う1年生の女子。身長は165センチ。幼稚園生の時になかよくしていた男子から唐突に大嫌いと言われた事がトラウマになり、小中学校は女子校に進学した。男性とのかかわりを拒絶した事から、ますます男性が苦手になる。逆にかわいい女性は大好きで、好みの容姿の女性を見るとテンションが上がってしまう。高校入学前に町の衣料品店で制服を試着している際、ファスナーが上がらなくて困っているところを加蓮龍三郎に手伝ってもらった事で、龍三郎と知り合う。 その際は中性的な顔立ちをしている龍三郎を女子だと勘違いした。自分が思い描く理想の容姿をしていた龍三郎の事が忘れられず、ずっと再会を望んでいた。入学式では男子生徒に囲まれて気分が悪くなって保健室で休み、再び入学式会場に戻って龍三郎と顔を合わせた。 その後、龍三郎から告白されて交際がスタートする。当初は男子の龍三郎の前に緊張していたが、次第に心を開いていく。

加蓮 龍三郎 (かれん りゅうざぶろう)

私立潮見沢高等学校に通う2年生の男子。付属の幼稚舎から進学している。現在は生徒会長を務め、学校内のイベント全般を取り仕切っている。初登場時、身長は158センチと、やや小柄でかわいらしい中性的な顔立ちをしている事から、初対面の花村春から女性だと勘違いされていた。高校入学前に町の衣料品店で制服を試着していた春のファスナーを上げた事がきっかけで、春に好意を抱くようになった。 入学式で再会してすぐに春に交際を申し込む。見た目はか弱そうに見えるが、文武両道を地で行く。空手部やテニス部、サッカー部、剣道部、華道部の主将を務め、それぞれの部活動では全国大会で優勝するなど優秀な成績を収めている。さらに加蓮財閥の御曹司でもある。幼い頃から次期加蓮財閥の当主として厳しい教育を受けて来た。 春は初めて自分の意思で愛しいと感じた人でもある。

備前 祐悟 (びぜん ゆうご)

私立潮見沢高等学校に通う1年生の男子。付属の幼稚舎から進学している。初登場時、身長は175センチ。ミステリアスな雰囲気を漂わせた美男子で、周囲からの人望もあるが、実は嫉妬深い性格の持ち主。目立つ人物が大嫌いで、以前から加蓮龍三郎の事を面白くない奴だと認識している。そのため、龍三郎と交際している花村春にちょっかいを出して、龍三郎の心を乱すといった行動を繰り返している。

唐沢 滋 (からさわ しげる)

私立潮見沢高等学校に通う1年生の男子。唐沢あかりの従弟。明るく朗らかな性格の持ち主で、女兄弟に囲まれて育っているため、男子が苦手な花村春も気を使わずに話ができる唯一の人物。好きな食べ物はドライカレー。水泳部の主将を務めている。

唐沢 あかり (からさわ あかり)

私立潮見沢高等学校に通う1年生の女子。花村春の親友で、唐沢滋の従姉。花とは中学時代からの付き合いで、男子が苦手な事も知っているため、フォローをする事が多い。好きな食べ物はパチパチしたわたあめ。清条院梓とは折り合いが悪いが、口喧嘩をしながらもそれなりに親しくしている。

鷲宮 東 (わしのみや あずま)

私立潮見沢高等学校に通う2年生の男子。付属の幼稚舎から進学している。加蓮龍三郎に陶酔しており、過剰な尊敬の念を抱く。なにか不祥事を起こすたびに切腹すると言い出す。性格はまじめなしっかり者ながら天然気味で、なにかとコメディタッチで描かれる事が多い。花村春を龍三郎に近づく悪女だと警戒し、二人を引き放そうと画策するものの、結果として春のアシストをしてしまうなど詰めが甘い。

清条院 梓 (せいじょういん あずさ)

私立潮見沢高等学校に通う2年生の男子。ふだんは女装をしているが性別は男で、それを知る者は学校内では花村春、加蓮龍三郎、鷲宮東の三人だけ。スタイル抜群の落ち着いた雰囲気を漂わせた美男子で、「AZUSA」の名義でモデルを務めており、海外のショーを中心に活躍している。実家は代々伝わる舞の家柄で、古くから龍三郎の家柄とはかかわりがある。 そのため、親同士の策略によって龍三郎の許嫁になっている。親が決めたとはいえ龍三郎に恋心を抱いており、春に激しい対抗意識を燃やしていたが、唯一の弱点である泳げない事をかわいいと褒められてから春と和解した。その後は春の自宅やクラスに押しかけるなど、一方的に友情を深めようと迫っている。しかし、最初は女友達として親睦を深めていたものの、次第に春を異性として意識するようになっていく。 唐沢あかりとは折り合いが悪いが、口喧嘩をしながらもそれなりに親しくしている。

揺木 葉 (ゆるぎ よう)

私立潮見沢高等学校に転校して来た2年生の男子。これまでは海外に留学していた。幼い頃から花村春の自宅のとなりに住んでおり、春からは「お兄ちゃん」と呼ばれて慕われていた。春が幼稚園生の時に、男子からかけられた言葉にトラウマを抱いている事も知っている。

場所

私立潮見沢高等学校 (しりつしおみざわこうとうがっこう)

花村春や加蓮龍三郎らが通う男女共学の高等学校。幼稚舎から一貫教育校で、もともとは男子校だった。近年共学になった事から、未だに学校内の男女比は7:3と男子生徒が多い。男子は大企業の子息など裕福な家庭で育った者が多い。

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