概要・あらすじ
大阪に住むチンピラの我良は、自分より強そうな相手にケンカで勝つことにしか興味がない少年。とあるヤクザに拉致された兄貴分の椿原(バッキー)を助けるため、我良は一人でヤクザの事務所に乗り込み、そこにいたヤクザたちを全員殴り倒してしまう。ところが、ヤクザの一人から「もっと強いやつを知っている」と教えられ、興味を持った我良は、案内されるままに潰れた映画館に向かう。
そこで我良たちは、巨大な恐竜たちが人間を捕食しているところを目撃してしまう。我良は、苦戦しながらもなんとか恐竜を倒すことに成功する。人間に擬態して生活している古代の生物擬態生物たちがいることを知った我良は、怖がるどころか「もっと大きなヤツがいるはずだ」と、より強い相手との対面に期待するのだった。
一方、擬態生物たちは、我良に仲間が殺されたことを知り、紅獅子会の組長の家を襲撃する。たまたま組長宅を訪れていた我良たちは、再び擬態生物との戦いに身を投じるが、その時椿原の体に変化が現れるのだった。
登場人物・キャラクター
我良 (がら)
ケンカ好きで、地上最強を目指すことにしか興味がない少年。小柄だが異常な身体能力を持ち、さまざまな格闘技や武器術に精通している。自分より体格がはるかに勝る格闘技のチャンピオンや裏社会の殺し屋などを、真正面からケンカで倒してきた経験を持つ。天真爛漫で、誰を相手にしてもまったく物怖じしない性格の持ち主だが、お化けの類は苦手。 もともとは孤児だったが、椿原とともに紅獅子会というヤクザの組長に拾われ、現在は紅獅子会の構成員という立場。しかし、ほかの組のヤクザとケンカ目当てでトラブルを起こすことも多く、また他人の指示はまったく聞かないので同じ紅獅子会のヤクザの人間からも厄介もの扱いされている。
椿原
我良の兄貴分の男性。紅獅子会の構成員の一人。もともとは孤児で、我良とともに紅獅子会に拾われてヤクザになったという経緯を持つ。我良と比べるとはるかに常識的な性格で、我良の奔放な行動には困らされることも多い。ケンカは苦手らしく、我良からは「弱い」と言われている。自分では気づいていないが、両親のどちらかが擬態生物であったらしく、赤黒い尻尾を持つ何かに変身しかけている。
スピノサウルス
擬態生物の一人。巨大な背びれを持つ大型の肉食恐竜。潰れた映画館で人間を捕食していたところで我良たちと遭遇する。人間に擬態しているときは太った中年男性の姿をしている。我良と椿原も捕食しようとするが、我良の蹴りで背びれごと背骨を破壊されて死亡する。
組長
紅獅子会の組長を務めるヤクザの男。額から右目にかけて大きな傷を持つ。孤児だった椿原と我良のことを気に入り、引き取って構成員にしている。我良の奔放な行動にも寛容で、甘やかしていることを自認している。我良がほかのヤクザとトラブルを起こし、紅獅子会の内部でもよく思われていないことを知って、ほとぼりが冷めるまで二人に沖縄へ行くように持ちかけるが、その直後に自宅を襲撃してきた擬態生物たちによって殺害される。
アンドリューサルクス
擬態生物の一人。巨大な顎を持つ哺乳類で、体長は最大で4メートルにも達する。スピノサウルスが殺されたことに激怒し、紅獅子会の組長宅を襲撃する。人間に擬態しているときは全身に骸骨のようなタトゥーが入った若い男性の姿になる。頭部や足など、体の一部だけを人間の姿に擬態したり、本来の姿に戻したりすることで、相手に間合いをつかませない戦い方を得意とする。 我良の異常な身体能力を目の当たりにし、不意をついて倒そうとするが、手刀で頭蓋骨を破壊されて死亡。
ティタノボア
擬態生物の一人。体長15メートルにも及ぶ巨大な蛇。人間に擬態しているときは、スーツをきたオールバックの男性の姿になる。スピノサウルスを殺害したのが紅獅子会の構成員であることを突き止め、アンドリューサルクスとともに組長宅の襲撃に参加する。椿原が何らかの擬態生物であったことを知り、その正体に興味を持つ。 アンドリューサルクスが我良に敗北したため、椿原と組長の孫娘を人質にとり、逃亡する。
その他キーワード
擬態生物 (ぎたいせいぶつ)
人間の姿に擬態して生活している、古代の恐竜や大型哺乳類などの総称。人間とまったく同じ知能を持ち、普段は人間として生活を送っている。人目につかない廃墟などを「“食堂”(ダイナー)」と呼び、そこで人間を殺害して捕食している。擬態生物同士では、いくつかのコミュニティに分かれて連携を取り合っているが、コミュニティに属さないものも多いらしく、完全に人間社会に溶け込み、人間とハーフの子供を産んでいるものもいるらしい。