あらすじ
第1巻
室木おすしが3歳か4歳の頃、住んでいる街に大雪が降った。おすしをはじめ、当時同じ団地に住んでいた子供たちが近所の広場に集まり、雪遊びに興じる中、誰が言い始めたわけでもなく、それぞれが雪だるまを作ることになる。集まっていた子供たちの中では一番幼いおすしだったが、周囲に負けたくない気持ちから一生懸命に雪だるまを作る。(第1話「子供が見る世界」。ほか、8エピソード収録)
登場人物・キャラクター
室木 おすし (むろき おすし)
イラストレーターを生業にする男性。昭和の終わりに小学生時代を過ごし、平成の終わりに結婚した。現在は娘のほかに二人の子供を持つ3児の父親となった。何気ない日々の出来事と娘の言動から、幼い頃の自分と周りを取り巻いていた家族や友達のことを思い出していく。実在の人物、室木おすしがモデル。
娘 (むすめ)
室木おすしの幼い娘。年相応の幼さとかわいらしさで、娘の何気ない言動によって、おすしが子供時代の自分を思い出すことも多い。
父 (ちち)
おすしの父親。室木おすしの回想に登場する。回想の中では会社員で、生真面目な性格をしている。趣味はテレビゲームで、好きなソフトは「がんばれゴエモン」。当時のおすしには理解するのが難しいゲームだったが、息子とコミュニケーションを図るためにいっしょにやらないかと誘う。
S君 (えすくん)
小学1年生の少年。室木おすしの回想に登場する。入学してすぐにおすしのとなりの席になり、周囲が緊張する中、マイペースで突拍子もない言動を繰り返す。いっしょにファミリーコンピュータで遊ぼうとおすしを誘い、自宅でも奇行に走る。
ビデオポーカーの達人S君 (びでおぽーかーのたつじんえすくん)
小学校6年生の少年。室木おすしの回想に登場する。近所にできたゲームセンターに、おすしやクラスメイトたちと連れ立って遊びに行き、ビデオポーカーで引きの強さを発揮する。しかし、勝負に出て失敗することもあり、大損することもあった。
T (てぃー)
小学5年生の少年。室木おすしの回想に登場する。おすしと親しく、下校時はいっしょに帰宅している。ある日、下校途中で見かけたエロ本をあとで拾おうと思い、日が沈んでから一人で取りに戻ると、同じことを考えていたおすしと遭遇してしまう。
Y (わい)
小学4年生の少年。室木おすしの回想に登場する。自分にも他人にも厳しいリーダー気質の持ち主。おすしとクラスメイトたちが下校する際、細かなルールを設定し、厳守させようと奮闘する。己の信じたものを貫くためには、先生に怒られることも厭わない。