創造者の罠

創造者の罠

チェルノブイリ原子力発電所で起こった原発事故を背景に、その跡地で起こる事件に巻き込まれた米軍特殊部隊と日本自衛隊の戦いを描く。「原子力」という技術を手に入れたことは、人類にとって「罠」だったのではないか、という提起のもと、物語が展開される。「週刊ヤングジャンプ増刊」で1997年から1999年にかけて連載された。

正式名称
創造者の罠
作者
ジャンル
軍人、軍隊
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
全2巻
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あらすじ

チェルノブイリ炉心へ(第1巻)

日本の自衛隊は、国連を通し、チェルノブイリ原子力発電所の跡地でテロリストを排除するPKO活動を要請された。すでに作戦展開していた米軍特殊部隊、USSOCと共に現地へ向かった宮代能活ら自衛隊は、この作戦がテロリストの排除ではなく、裏に別の思惑があると気づく。その後、先行したニコラス率いるUSSOCのメンバーは、チェルノブイリ原子力発電所の跡地内部で、ゾンビと化した国連軍の戦闘員と遭遇し、メンバー内に死傷者を出してしまう。宮代ら自衛隊はそれを追って、ウクライナ人の言語学者、カリーナ・キンスキーらとチェルノブイリ原子力発電所の跡地内部へと入っていき、内部で起こっている異変を感じつつも、炉心へと近づいていく。炉心で米軍と合流した宮代達だったが、そこで彼らが見たものは、原子炉をエネルギー源とする謎の巨大生命体と、その周囲を取り囲む碑文であった。

炉心での激闘(第2巻)

チェルノブイリ原子力発電所跡地の炉心にいた謎の巨大生命体は、放射性物質を吐き出し、高い復元力と強靭な外殻、そして自己進化が可能であった。この恐るべき生命体を前に、自衛隊と米軍特殊部隊、USSOCの隊員達は次々と倒されていく。そんな中、ニコラスは原子炉から巨大生命体へ供給されるエネルギーを絶ち、かろうじて巨大生命体の撃滅に成功する。しかし、死んだと思われた巨大生命体の中から別の個体が出現。USSOCの隊員であるマーベリックの犠牲により、その個体を撃破したものの、さらにその中から、天使を思わせる姿の生命体が出現する。言語学者であるカリーナ・キンスキーが炉心内部にあった碑文を解読した結果、その新たなる生命体の正体が、人類を生み出した創造者であることが発覚。生き残った宮代達は、創造者に対して必死の抵抗を試みる。

登場人物・キャラクター

宮代 能活

放射線物理学者の男性。日本政府からの要請を受けて、チェルノブイリ原子力発電所の跡地での作戦にオブザーバーとして参加する。かつて防衛大学校では森勝也の後輩だった。防衛大学校の卒業後は任官せず、物理学者としての道に進むが、銃火器の扱いにも長け、優れた戦術眼を持っている。

森 勝也

自衛隊の指揮官を務める男性。日本政府からの要請を受けてチェルノブイリ原子力発電所の跡地での作戦指揮を執る。自衛隊の中でも精鋭部隊を率いるエリートで、専守防衛を旨とする自衛隊において、旧日本軍さながらの昭和の軍人魂を持っている。

カリーナ・キンスキー

ウクライナ人の女性言語学者。36か国語を操る才媛で、外国の軍隊に抑圧されてきた自身の祖国の現状により、軍人を嫌っている。ウクライナ政府からチェルノブイリ原子力発電所の跡地で発見された碑文の解読を要請され、宮代能活ら自衛隊と共に作戦に参加する。

東郷

自衛隊で森勝也の副官を務める男性。顔に傷のある精悍な風貌で、自衛隊内部では恐れられている立場だが、子供が生まれたばかりで、家族を愛するよき父親でもある。指揮官である森と連携し、自衛隊の任務を遂行する。

米内

自衛隊で小隊を率いる男性。森勝也の部下。軍備が増強されながらも戦争行為ができない自衛隊に対し、一種のもどかしさを感じており、本当の戦場で戦ってみたいとの葛藤を抱いている。つねに冷静沈着だが、自身の願望と現実のジレンマに悩む一面も見せる。

広瀬

自衛隊で小隊を率いる男性。森勝也の部下。チェルノブイリ原子力発電所の跡地に入った際、部下を率いて自衛隊の前衛を務めた。初対面の宮代能活ともすぐに打ち解ける、気さくで明るい性格の持ち主。

ニコラス

米軍特殊部隊、USSOCを率いる男性指揮官。階級は大佐で、湾岸戦争ではイラク軍の総本部まで攻め込んだ歴戦の勇士。指揮官としても優秀で、いかなる戦局であっても冷静に任務を遂行する能力を持っている。前線に身を置いて指揮を執る姿は、隊員達からも信頼されている。

マッコーレ・フェアチャイルド

米軍特殊部隊、USSOCの男性隊員。階級は中尉で、主に自衛隊など他国軍との折衝を担当する。家族は代々軍人の家系であり、つねに優秀な兄と比較されて育ったことがコンプレックスとなっている。宮代能活や森勝也とは学生時代からの知人で、インターネットを通して模擬戦を行っていた親しい間柄。

バックス

米軍特殊部隊、USSOCの男性隊員。USSOCでは小隊長を務め、湾岸戦争をはじめとする世界中の戦場で戦ってきた兵士。長身の黒人で、普段は明るくシンプルな性格だが、戦闘指揮では冷静な判断力を見せる。同僚のマーベリックとは親友同士。

マーベリック

米軍特殊部隊、USSOCの男性隊員。夜間での奇襲やナイフを使った近接戦闘など、ゲリラ戦を得意とする兵士。幼い頃から孤独な生活を強いられており、一人で死ぬことを何よりも恐れていた。同僚のバックスとは親友同士。

メイスン

米軍特殊部隊、USSOCで、ニコラスの副官を務める男性。USSOCのNo.2で、元イギリス陸軍特殊部隊の出身。湾岸戦争をはじめとするさまざまな戦場を戦い抜いてきた歴戦の兵士であり、優秀な軍略家でもある。豊富な戦闘経験を持ち、ニコラスに適切な助言を与える。

ジャクスン

米軍特殊部隊、USSOCの男性隊員。湾岸戦争など多くの戦場で戦功をあげて退役していた。家族と買物中に、妻と子供をカージャック犯人に殺害され、再び戦場へと舞い戻って来た。USSOC隊員の中ではチェルノブイリ原子力発電所の跡地で最初に炉心に到達し、巨大生命体と遭遇した。

巨大生命体

チェルノブイリ原子力発電所の炉心内部で、原子炉からの放射性物質をエネルギー源とする生命体。およそ5メートルほどの体躯を持ち、米軍の銃撃を受けても損傷を受けない強靭な外殻と再生能力を有する。口に相当する部分からは、人間を即死させるほどの致死量を持った放射性物質を吐き出す。

創造者

チェルノブイリ原子力発電所の炉心内部にいた巨大生命体の体内に潜んでいた存在。背中の翼や頭上の輪など、天使を思わせる外観を持ち、太古の昔に遺伝子操作で人類を創造したと語る。「検体」としての人類を破棄するという目的で、チェルノブイリ原子力発電所で封印が解かれる時を待っていた。

集団・組織

USSOC

ニコラスが隊長を務める、米軍内で組織された特殊部隊。少数精鋭の部隊であり、対テロリストのスペシャリスト集団。平時の訓練でも実弾を使用して練度を高めている。装備の選択から部隊の編成に至るまでを自由に決定できるなど、米軍内でも相当の権限が与えられている。

場所

チェルノブイリ原子力発電所

旧ソ連のウクライナにある原子力発電所。1986年に原発事故を起こしたため、現在はコンクリートで建物全体が覆われており、その外見から「石棺」とも呼ばれている。カリーナ・キンスキーは、この地では1960年... 関連ページ:チェルノブイリ原子力発電所

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碑文

チェルノブイリ原子力発電所の炉心内部に、十数枚ほど設置されている黒い石板。カリーナ・キンスキーは、その碑文の解読を政府から要請されて派遣された。カリーナの解読によれば、人類の歩みが詳細に記録されており、碑文を書いたのは創造者ではないかと推測されている。

書誌情報

創造者の罠 全2巻 〈ヤングジャンプコミックス〉 完結

第1巻

(1999年9月発行、 978-4088758312)

第2巻

(1999年10月発行、 978-4088758374)

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