ファントム無頼

ファントム無頼

百里基地でファントムに搭乗する、神田鉄雄二尉と、栗原宏美(くりはらひろよし)二尉。ルール無視の危険なコンビだが、ハイジャックや領空侵犯などの空の事件は、ファントムに乗って荒っぽく解決していく。そんな2人の日常を描いた、戦闘機アクション。原作者・史村翔の自衛官時代の経験をもとに制作された。

正式名称
ファントム無頼
ふりがな
ふぁんとむぶらい
原作
作画
ジャンル
軍隊・軍人
レーベル
書籍扱いコミックス単行本(小学館)
巻数
既刊2巻
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概要・あらすじ

航空自衛隊の百里基地に所属する、パイロットテクニックが超一流の神田鉄雄二尉。同僚のナビゲーターとファントムに乗ると、その乱暴な操縦によって必ずナビゲーターが失神するため、神田には決まったナビゲーターがいなかった。そこへ、ファントムはナビゲーターが動かすもの、パイロットは人形という持論を持つ、栗原宏美(くりはらひろよし)二尉が百里基地に転属される。

当然2人は衝突。ファントムに同乗すると、お互いの実力を見せ合い、しだいにお互いを認め合うようになる。

登場人物・キャラクター

神田 鉄雄 (かんだ てつお)

百里基地所属の航空自衛隊隊員。二尉。F-4ファントム680号のパイロット。音速の世界を飛ぶ腕前は、超一流。米軍空母サミットへ初めての試みで着艦できるほど。操縦が常人離れしており、ファントムの後部席に乗るナビゲーターはいつも失神していた。そこへ栗原宏美(くりはらひろよし)が、三沢基地から転属し、いろいろあったものの意気投合し、百里基地名物のカンクリコンビの結成となる。 パイロットになったきっかけは、尊敬する父親も航空自衛隊のエースパイロットだったから。基地内のミスター・レディ・コンテストでは女装して出場し、チャイナドレスで美脚を見せながら大変な美人に化け、一等賞に輝いている。 昔からお子さまランチが好物。

栗原 宏美 (くりはら ひろよし)

百里基地所属の航空自衛隊隊員。二尉。F-4ファントム680号のナビゲーター。サングラスをかけた美男。青森の三沢基地から転属してきた隊員で、ファントムはナビゲーターが動かすもので、パイロットは人形であるというのが彼の持論。その証拠として、コクピットから外を見えなくした状態で神田鉄雄とともにファントム680号を飛ばし、栗原の指示通りに操縦すると、基地に帰還することができた。 そうしたことから、神田と一時は衝突するが、すぐに意気投合。百里基地の名物、カンクリコンビと呼ばれるようになる。母親は元芸者。母親の異なる弟と妹がいる。

横山 久美子 (よこやま くみこ)

パイロット志望の美女。ファントムにあこがれていて、百里基地にたびたび見学に来ていたところを、神田鉄雄やほかの隊員たちが、「今日もあの美女が来ている」と基地内の話題としていた。ファントムは今まで見た戦闘機の中で、もっともスマートでセクシーだという。のちに、航空自衛隊に入隊し、パイロット練習生になる。 空士長。

太田 (おおた)

百里基地の司令官。鼻の下にヒゲをはやし、腹の出た背の低い中年男性。いつも命令無視をして、勝手にF-4ファントム680号を飛ばす、神田鉄雄と栗原宏美(くりはらひろよし)には頭を痛めているが、彼らの実力もしっかり認めている。和服の似合う奥さんと、美人の娘の鷹子がいる。 鷹子は好奇心が強く、神田や栗原に接近するようになり、その点でも頭を痛めている。

太田 鷹子 (おおた たかこ)

百里基地の太田司令官の娘。腰まである長いストレートの黒髪を持つ美女。アカシア女子大文学部仏文科一年。パイロットが嫌いで、理由はフライトに出ると、妻や子は心配で笑顔になれないから。これは、パイロット時代の父と、当時の母のことであり、司令官になった今は母の笑顔が見られると、鷹子自身喜んでいる。 そして、そういう生活はしたくないと思っているが、神田鉄雄や栗原宏美(くりはらひろよし)とは、会うたびに親しくなっていく。

ジョーイ=ヨハンセン

米軍第七艦隊、空母サミット所属。攻撃飛行第16戦隊のパイロット。中尉。ファントムでナビゲーターとともに飛んでいたら、ナビゲーターが失神して空母の場所を見失って迷子状態だった。そのため、百里基地に一時着陸することに。そこで、神田鉄雄と出会い、日本人パイロットは遊園地で遊んでいろとバカにした発言をする。 神田はジョーイを後部座席に乗せて、空母サミットまで飛び、初めての空母着艦を成功させて日本人パイロットの意地を見せた。それ以来、2人は親友同士になる。

伊達 五郎 (だてごろう)

もと航空自衛官で、ファントム乗りだったが、現在は民間旅客機L10のキャプテン。航空自衛隊千歳基地で、栗原宏美(くりはらひろよし)とコンビを組んでいた。パイロットとしての腕は良かったが、美女好きで、スチュワーデスのお尻を触ってからかっている今が楽しいという。妻の直子も、元スチュワーデス。 子供あり。

近藤 貞人 (こんどう さだひと)

『ファントム無頼』「パイロットの資格」に登場する人物。航空自衛隊百里基地の元パイロット。神田鉄雄とは同期の間柄。ファントム626号のパイロットだったが、電気系統の故障で飛行不可能となり、途中で脱出した。そしてファントムは民家のすぐそばに墜落している。このことから、地上勤務を命じられ、しばらくしたのちに退官した。 元二尉。現在は美人の妻と寿司店を経営しているが、近くに大日航空の独身パイロット寮があり、飛行機の話題がひんぱん出て、空を思い出すことが多くなってきた。だが、神田は自分の死んだ父のことを引合いにだし、近藤がパイロット失格であることを告げる。

今井 (いまい)

『ファントム無頼』「最高速で飛べ」に登場する人物。航空自衛隊百里基地の整備班班長。もうすぐ定年の、鼻の下にヒゲを生やした男。ファントムが事故を起こす夢を見て、ファントムがさびしがっているのだろうと、寝袋を使って一緒に寝るという職人気質の人物。ファントムを、グラマーな美人だとも語る。若手の整備員に厳しいので、嫌われている存在。 神田鉄雄と栗原宏美(くりはらひろよし)は、そんな今井の整備したファントムなら安心して飛べるという。今井の夢は、自分の整備したファントムが、マッハ2.6で飛ぶというもの。現実にはかなり難しいが、神田たちはそれにチャレンジする。

場所

百里基地 (ひゃくりきち)

航空自衛隊の基地。神田鉄雄、栗原宏美(くりはらひろよし)、太田司令官が所属する。「タクシー・ウェー」(誘導路)がくの字型の滑走路は、この基地だけの特色。

その他キーワード

ファントム680号

『ファントム無頼』に登場する乗り物。航空自衛隊百里基地に配備された戦闘機。神田鉄雄の愛機で、F-4ファントム。約30トンの機体だが、音速の2倍以上の速さで飛ぶことができる。耐用年数の限界によって引退となった日、神田と栗原宏美(くりはらひろよし)が搭乗して飛んだ。このとき、トラブルが発生して空中分解しかけるが、直前に勝手に脱出装置が働いて2人は脱出。 その後空中分解しながら海の中へ消えていった。

原子力空母シュミット (げんしりょくくうぼしゅみっと)

『ファントム無頼』に登場する空母。米太平洋艦隊所属。艦番71。総排水量9万トン。全長830m、全幅76m。収容戦闘機は二個中隊と、攻撃機三個中隊。そのほか、電子対戦攻撃機、対潜ヘリ偵察、各一個中隊の総勢約100機を保有する空母。乗員は約5500名。航続距離は190万マイル。13年間核燃料の補給なしで航行が可能。 攻撃破壊力は、全地球の85%。艦長はブラッドショー。艦長いわく、この空母一隻だけで、どんな国家とも戦闘ができる。核弾頭の直撃がないかぎり、止めることはできないという。神田鉄雄と栗原宏美(くりはらひろよし)が、ファントムでアメリカへ行ったとき、トラブルにあったアメリカ大統領を救出。 そのお礼として、ファントムごとこの空母で日本へ送られた。

書誌情報

ファントム無頼 完全版 2巻 小学館〈書籍扱いコミックス単行本〉

第1巻

(2024-08-01発行、 978-4091794543)

第2巻

(2024-10-03発行、 978-4091794550)

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