乙女怪獣キャラメリゼ

乙女怪獣キャラメリゼ

感情が高ぶると体の一部が怪獣のように変化してしまう女子高校生の赤石黒絵は、同級生の南新汰に恋をしたことで症状が悪化し、全長100メートルの大怪獣「ハルゴン」に変身するようになる。戸惑いながらも、新汰や周囲の人々との関係を通じて精神的に成長していく黒絵の姿を描く、学園変身ラブストーリー。「コミックアライブ」2018年4月号から連載の作品。

正式名称
乙女怪獣キャラメリゼ
ふりがな
おとめかいじゅうきゃらめりぜ
作者
ジャンル
モンスター・異生物
 
ラブコメ
レーベル
MFコミックス アライブシリーズ(KADOKAWA)
巻数
既刊7巻
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あらすじ

第1巻

高校1年生の赤石黒絵は、感情が高ぶると体の一部が怪獣のように変化してしまう、謎の奇病に悩まされている。この病気のために失恋し、友人からも恐れられるようになったため、黒絵は今ではこの病気を隠し、誰とも親しくしない孤独な日々を送っていた。そんなある日、黒江はクラスの人気者の南新汰に声を掛けられる。新汰は人気者であるがゆえに一人になれる場所を探しており、その途中で偶然に黒絵を見かけたのだという。しかし黒絵は、それは贅沢な悩みだと新汰を叱る。この一件から、すっかり新汰に気に入られてしまった黒絵は、戸惑いつつも彼との交流を深めていく。だが、ある日の帰り道、新汰が黒絵の手をにぎったことで、黒絵はかつてないほどに感情を高ぶらせ、そのまま全長100メートルもの巨大生物に変身。そして黒絵は、自分でもこれが夢か現実かよくわからないまま徘徊し、東京都を大混乱に陥れるのだった。その後、黒絵は新汰にケガをさせてしまったことを除けば、周囲に特に被害を及ぼすこともなく元の姿に戻り、母親の赤石凛子に保護される。しかし、その変身地点が晴海であったことから、謎の大怪獣「ハルゴン」として、怪獣になった姿だけが有名になってしまうのだった。

第2巻

赤石黒絵南新汰と順調に交際を続けており、いっしょに東京デスティニーランドに遊びに行くことになった。しかし黒絵は当日、これまでに新汰との接触が原因で二度も「ハルゴン」化してしまったことに不安を感じ、つい素っ気ない態度を取ってしまう。一方その頃、黒絵がハルゴンになってしまう原因を薄々察していた赤石凛子は、こっそり黒絵と新汰のあとをつけていた。そんな中、突然新汰に触れられたうえ、それを嫌がっていると誤解されて動揺した黒絵は、体の一部が怪獣化。両手は大きく硬く変化し、頭には角、お尻からは大きなしっぽが生えてしまう。黒絵は慌てて逃げ出すが、この姿ではあやまりに行くこともできずに絶望する。そして、捜しに来た凛子の言葉も聞かず、いっそのこと東京デスティニーランドを破壊してしまおうと広場に出るのだった。しかしそこに現れた新汰は、現在の黒絵の姿を見てもまったく驚く様子もない。新汰をはじめとする園内の人々は、黒絵が人気キャラクターの「ジョニー」のコスプレをしているとカンちがいしていたのである。こうして事なきを得た黒絵は、先ほどの誤解を解き、今日をとても楽しみにしていたという、素直な気持ちを新汰に打ち明ける。

第3巻

赤石黒絵南新汰は、野外音楽フェスでの一件がきっかけで、ついに交際を始めた。そして迎えた新学期、黒絵は自分と交際しているのをクラスメートに知られたら、新汰の学校での評判が落ちるのではないかと不安を覚える。しかし新汰は、そんな理由で失う人気なら必要ないと黒絵を励まし、黒絵は以前よりも少し前向きになるのだった。その直後、黒絵は新しいクラスメートの河野来夢と親しくなる。来夢は完璧な容姿の人気者だが、実は化粧を落とすと別人で、中学時代はそれをゴリラのようだと評され、恋愛もうまくいかずにいた。そこで一念発起し、メイク技術を身につけて現在の容姿を手に入れたのである。そんな来夢の生き方に感動した黒絵は、自分もメイクの勉強をしたいと打ち明け、すっかりなかよくなった二人は校外学習でもいっしょに過ごすようになる。しかしそこで、来夢は意外な人物と再会する。それは、他校に進学した中学時代の来夢の思い人である岡田だった。さらに岡田は、来夢がかつての友人であることに気づかず、一目ぼれしたとアプローチしてくる。その後、黒絵は岡田が女性にだらしない遊び人であることを知るが、来夢はそうとは知らずに岡田とデートに行ってしまう。

登場人物・キャラクター

赤石 黒絵 (あかいし くろえ)

銀十字高校に通う1年生の女子。のちに2年C組に進級する。前髪を目の上で切りそろえ、お尻の下まで伸ばした黒のロングヘアで、頭には二本の角のような寝癖がある。釣り目と釣り眉が特徴。奇病によって全身が怪獣と化してしまったときは「ハルゴン」、クラスメートからは「メンヘラたん」、母親の赤石凛子からは「クロたん」、響野光太郎からは「クロ」と呼ばれている。まじめで心優しい性格ながら、不器用でコミュニケーション下手。ややぶっきらぼうなところがあり、男性のような口調で話す。生まれつき体の一部が、まるで怪獣のように醜く変形するという世界的にも例のない遺伝子疾患に悩まされており、原因は不明でさらに治療法も見つからないまま16歳になった。この病気によって初恋の男性には怖がられ、友人にも遠巻きにされた過去がある。そのため、病気のことは周囲に隠し、親しい友達も作らないという孤独な日々を送っていた。しかしある日、南新汰の不誠実な態度を叱ったことで彼に気に入られ、いっしょに過ごすようになり、新汰に思いを寄せるようになる。だが、これが原因で症状が悪化。体の一部どころか、全身が全長100メートルもの大怪獣に変化するようになってしまう。好きな食べ物はパンケーキで、好きな音楽のジャンルはメタル。特技は絵を描くこと。症状が軽いときは、好きな音楽を聴きながら、好きな食べ物のことを考えるという方法でおさめている。それでもおさまらないときは服で隠すようにしているが、ハルゴンになるとお手上げで、自らをコントロールすることさえ難しくなってしまう。

南 新汰 (みなみ あらた)

南最愛の兄で、銀十字高校に通う1年生の男子。のちに2年B組に進級する。前髪を目が隠れるほど伸ばした、金色のふんわりとした短髪にしている。イケメンで長身なうえに、誰にでも分け隔てなく親切に接する明るい性格の持ち主。そのため男女問わず非常に人気があり、南新汰といっしょの写真をSNS上にアップすると、3000件以上もの「いいね」がつくほど。しかし本来は太りやすい体質で、中学時代までは別人のように太っていた。さらに、当時は自分に自信が持てず、友人もいなかった。そのため、また太ってしまったり、自信のない性格に戻ってしまったりすると、誰も見向きもしなくなるのではという不安をつねに抱いている。今もあまりお菓子は食べないようにするなど、つねに体形に気を遣っている。ある日校内の非常階段で、絵を描いていた赤石黒絵と出会う。その際、黒絵のまじめな人柄に触れて気に入り、よく声を掛けるようになる。やがて黒絵に思いを寄せるようになるが、黒絵と親しくなった頃から「ハルゴン」が出現するようになり、その正体が黒絵なのではないかと薄々察している。

友里 真夏 (ともさと まなつ)

銀十字高校1年B組に在籍する女子。のちに2年C組に進級する。前髪を目の上で切り、頭の両サイドに小さなお団子を二つ作った、薄紫色のウエーブボブヘアにしている。たれ目のたれ眉で、小柄な体形ながら胸が大きい。穏やかな性格で、おっとりしている。しかし、やや天然気味で思い込みが激しいところがあり、不可解な言動をすることが多い。また、丁寧なお嬢様口調で話す。家族の仕事柄、子供の頃から怪獣作品や怪獣グッズに囲まれて育ち、怪獣全般が大好き。しかし、怪獣はあくまで虚構の存在であることを寂しく感じていた。そんなある日、東京都墨田川に出現した「ハルゴン」のことを知り、あこがれと恋愛感情を抱くようになる。そこで、ハルゴンを間近で見ていた南新汰に声を掛けたり、墨田川で張り込みをするようになる。しかしそこへ、なぜかハルゴンに詳しい赤石黒絵が現れたことで、黒絵がハルゴンと心を通わせられる、巫女のような存在なのではないかとカンちがいする。同時に黒絵が新汰に思いを寄せていることを知り、片思いをしている者同士として親近感を抱き、友人として付き合うようになる。ハルゴンには何をされてもいい、むしろ積極的にひどい目に遭わされたいと願っており、冷たい目で見られたり、踏み潰されたりしたいと考えている。

赤石 凛子 (あかいし りんこ)

赤石黒絵の母親。癖のある前髪を目が隠れるほど伸ばして真ん中で分け、胸の下まで伸ばしたロングウエーブヘアを、頭の高い位置でポニーテールにしている。背が高く胸が大きくて、両耳にピアスをしている。歌手の浜崎まゆみの大ファンで、つねに彼女の「M」のロゴマークが入ったジャージと、ヘアアクセサリーを見につけている。明るい性格で、黒絵のことを溺愛している。また、黒絵の病状をいつも気にかけており、黒絵の心身の機微に敏感である。黒絵がある日から症状が激しくなり「ハルゴン」化したことで、すぐさまその原因が南新汰と親しくなったことであると気づく。そこで、変装して二人のデートを尾行したり、黒絵に簡単にハルゴン化しないように気をつけろと、くぎを刺すようになる。かつては学者として、希少生物の研究をしていた。後輩の響野光太郎とは当時ペアを組んで行動しており、いっしょに世界を飛び回っていたが、現在は黒絵の子育てを最優先に暮らしている。黒絵は何もしなくても十分かわいらしいと考えており、黒絵が化粧をすることには否定的である。

響野 光太郎 (ひびきの こうたろう)

生物学者の若い男性で、赤石凛子の後輩。前髪を鼻の真ん中の高さまで伸ばして真ん中で分け、右側は下ろして左側は上げて額を見せた、ツートンカラーのウルフカットヘアにしている。顎ひげを唇の真下の部分だけ雷の形に整えて伸ばし、右目は完全に前髪に隠れていて見えない。明るい軟派な性格で、女性全般が大好き。希少生物を追って世界中を飛び回っており、赤石黒絵が「ハルゴン」化するようになった直後、ハルゴンの噂を聞きつけて東アフリカから帰国。ハルゴンの最初の出現地点である東京都晴海に住み、調査を始めるようになる。また、この時に凛子のもとへあいさつに行き、もう一度ペアを組まないかと持ち掛けたが断られてしまう。黒絵とは非常に仲がよく、おじと姪のような関係を築いている。好きな音楽はヘヴィメタルで、黒絵にメタルのよさを教えたのも響野光太郎である。帰国当初は、ハルゴンが女性らしいということは理解しつつも、その正体が黒絵だということには気づいていなかった。しかし黒絵が高校1年生の春休み、いっしょに野外ロックフェスに行ったのがきっかけで、黒絵こそがハルゴンであることを知る。

南 最愛 (みなみ もあ)

小学生の女子で、南新汰の妹。前髪を目の上で切りそろえ、胸の下まで伸ばしたロングヘアを巻いて、頭の高い位置でツインテールにしている。明るく元気な性格で、非常に礼儀正しい。新汰とは仲がよく、新汰が高校2年生の春、新汰に恋人ができたことを知り、どんな女性なのかと強い関心を持つようになる。赤石黒絵とはその頃に知り合うが、黒絵こそが新汰の恋人であることは知らない。

河野 来夢 (こうの らいむ)

銀十字高校2年C組に在籍する女子。赤石黒絵たちが2年生になってから知り合ったため、学年は同じ。前髪を目が隠れそうなほど伸ばして左寄りの位置で斜めに分け、胸の下まで伸ばして、毛先にかけてグラデーションの入ったロングウエーブヘアをハーフツインにしてまとめている。背が高く、胸が大きい。派手なギャル系のファッションと、ヤシの木やバナナといった南国系のモチーフを好む。あだ名は「らいりー」。明るい性格で、面倒見がいい。高いメイク技術とファッションセンスで、SNSではお勧めの化粧品や化粧方法を投稿しており、非常に人気がある。しかし、化粧を落とすと別人のようになり、素顔がゴリラに似ていることから中学時代は「ゴリらいりー」と呼ばれ、からかわれていた。それでも明るく振る舞っていたところ、中学3年生のある日、岡田に一目ぼれする。やがてお笑いコンビを組むほどに親しくなるが、岡田に恋愛対象としては見られていないどころか、陰で笑われていることを知って激怒。彼に仕返しをしたのち、疎遠になった。しかし、これをきっかけに自分を変えようと一念発起し、現在の容姿になった。顔立ちに自信のない女性でも、努力で克服できると考えており、将来は自分の化粧品ブランドを立ち上げたいと考えている。

岡田 (おかだ)

高校2年生の男子で、河野来夢の中学時代の友人。前髪を目が隠れそうなほど伸ばして斜めに流した、癖のある刈り上げにしている。たれ目で背が高く、耳にはいくつものピアスをしている。中学時代の恋人からは「ゆう君」と呼ばれていた。一見明るく爽やかな性格で、女性から非常に人気がある。しかし、実際は裏表のある身勝手な性格で、女性を容姿で判断する差別的なところがある。中学3年生のある日、河野来夢と親しくなり、お笑いセンスがある彼女といっしょにコンビを組めば、もっと人気者になれるのではないかと考える。そこで来夢とお笑いコンビを組んで、表面上は非常になかよくしていたが、本心では来夢を見下している。しかしある日これがばれて、来夢に激怒されて疎遠になった。その後、来夢とは別の高校に進学するが、高校2年生の春に校外学習の開催地であるキャンプ地で、別人のように美しくなった来夢と再会。彼女が来夢であることには気づかないまま、アプローチする。その後、一度はいい雰囲気になるが、中学時代の来夢を馬鹿にした発言をしたことで愛想を尽かされた。また、この直後、周囲の女性にも本性を知られて「スケベキノコ」と呼ばれるようになってしまう。

書誌情報

乙女怪獣キャラメリゼ 7巻 KADOKAWA〈MFコミックス アライブシリーズ〉

第1巻

(2018-06-23発行、 978-4040699141)

第2巻

(2019-01-23発行、 978-4040652498)

第3巻

(2019-08-23発行、 978-4040658025)

第4巻

(2020-03-23発行、 978-4040643793)

第5巻

(2021-03-23発行、 978-4040659596)

第6巻

(2022-01-21発行、 978-4046810267)

第7巻

(2023-03-23発行、 978-4046822451)

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