概要・あらすじ
核戦争後の乱世を恐怖で統治しようとした拳王が救世主ケンシロウの手で倒され、数年が過ぎた。世界は法による秩序を取り戻したが、貧富の差による新たな苦しみが生じていた。そんな中、北斗七星の旗を掲げて圧制に抗うレジスタンスがあった。
先頭に立つのは、かつてケンシロウと旅を共にし、今はたくましく成長したバットとリン。天帝の威光を借りた軍と戦う2人が窮地に陥ったとき、救世主は再び姿をあらわすのだった。
登場人物・キャラクター
ケンシロウ
無敵を掲げる暗殺拳・北斗神拳第64代目正統伝承者。世紀末の覇者を目指したラオウを倒した後、恋人ユリアと静かな生活を送った。病でユリアが早逝するのを看取った後、バットとリンの危機を察知してレジスタンスに合流。 天帝軍に属する元斗皇拳の拳士たちや修羅の国の羅将など新たな強敵と戦う。寡黙ながら非常に情け深く、そのぶん弱者を虐げる悪党には容赦がない。
ヒョウ
修羅の国の修羅たちを束ねる3人の羅将の1人。北斗の源流にあたる家系の血を引くが北斗神拳伝承者候補になる資質が足りず、修羅の国に残され北斗琉拳を学んだ。カイオウの陰謀によって記憶に混乱をきたし、本来は手厚く出迎えるべき相手であるケンシロウと死闘を繰り広げることになる。 カイオウの妹と婚約している。
ハン
修羅の国の修羅たちを束ねる3人の羅将の1人。北斗琉拳の使い手。影すら見えない高速の拳を駆使する。野心的な者を好み、自分の命を狙う修羅をすすんで部下につけている。ケンシロウの血筋の源が修羅の国にあることを教え、それに関係して第二の羅将ヒョウには勝てないだろうと予言した。
アイン
賞金稼ぎ。ケンシロウの首にかけられた報酬につられて勝負を挑むもあっけなく返り討ちにされ、反撃の機会をうかがう。なりゆきでバットが帝都軍の砦を落とす作戦につき合わされ、身のふり方を考え直す転機を得る。 腕っぷしの強さに任せた喧嘩スタイルで敵を打ちのめす。幼い養娘の幸せを願う、キザだが気のいい男。
修羅 (しゅら)
『北斗の拳2』に登場する称号。修羅の国の男子が過酷な修練と試験を通して鍛え上げられた末になる拳士。12歳から15歳の間に100回の死闘をおこない、生きのびた者だけが修羅として名を得ることができる。 修羅になる前の少年でも、海賊たちの一団を1人で殲滅するほどの力を備えている。
カイオウ
修羅の国の修羅たちを束ねる3人の羅将の1人。北斗琉拳の使い手。全身から吹き出る禍々しい闘気を抑制するため分厚い鎧を常時着用する。兜を脱いだ素顔はケンシロウが倒したラオウと酷似している。 北斗琉拳を極めた者が陥る邪悪な境地に染まっており、実の妹さえ陰謀の犠牲にする。ケンシロウとヒョウを殺し合わせ北斗の正統な血筋を滅ぼそうとする。
バット
少年時代にケンシロウと共に旅をして、その戦いを見届けた過去をもつ若者。ケンシロウが去った後もその生き様を敬って心身ともにたくましく成長し、北斗七星をシンボルとするレジスタンスの筆頭としてリンと共に戦う。 不良少年だった頃の素行の悪さは影をひそめ、ケンシロウから1人の男、1人の戦士と認められるほどになった。レジスタンスではリハクの後見を受けている。
ファルコ
天帝に忠誠を誓う軍団の幹部にして、元斗皇拳の継承者。反体制者を無慈悲に抹殺する猛将軍として知られるが、部下からは本来とても情の厚い人物として敬われている。かつて故郷にラオウが侵攻してきたさい、己の右脚を切り落として差し出し、素通りさせた。 現在の右脚は義足。リンの出生の秘密を知る人物。
シャチ
修羅の国においてどの派にも属さず修羅たちを倒していく男。修羅を喰らう羅刹という通称で恐れられている。元は海賊の息子で、少年時代に修羅の国へ取り残されて以来からくも生きのびてきた。 弱肉強食の国で愛を人に説く女と出会い、危ういその身を守ってやるため北斗琉拳を学んだ。羅将の首を獲るため、ケンシロウを誘導する。
リン
少女時代にケンシロウと共に旅をして、その戦いを見届けた過去をもつ娘。ケンシロウが去った後、バットと共に心身ともにたくましく成長し、北斗七星をシンボルとするレジスタンスの中心的存在として戦う。 その出生には天帝と深く関わる秘密があるが、リン本人はそれを知らずにいる。レジスタンスではリハクの後見を受けている。
帝都軍 (ていとぐん)
『北斗の拳2』に登場する組織。本来は天帝の意を汲んで社会秩序を守る軍隊だが、代理の総督が己の欲望を満たすため勝手に指示を下して動かしている。反体制者を取り締まるさい、賞金をかけて賞金稼ぎたちに追わせることもある。
羅将 (らしょう)
『北斗の拳2』に登場する称号。修羅の国の制度を敷いたカイオウおよびヒョウ、ハンの3人を指す。いずれも北斗琉拳の継承者。戦闘力、政治権力すべての意味で修羅たちの上に君臨する存在。
リハク
もとは北斗神拳と対をなす南斗聖拳の将を守る軍団長だった。当時の異名は海のリハク。ケンシロウが去った後、成長したバットとリンの率いるレジスタンスで後見人のような立場について2人を見守り、アドバイスを与えている。
場所
修羅の国 (しゅらのくに)
3人の羅将によって統治される、選りすぐりの戦闘者たちの国。修羅と呼ばれる拳士を生み出すための制度によって、男子の生存率はわずか1%となっている。この国で虐げられる弱者たちの間では、ケンシロウではなくラオウが救世主として到来を待ち望まれていた。
その他キーワード
北斗琉拳 (ほくとりゅうけん)
『北斗の拳2』に登場する拳法。北斗神拳の約2000年におよぶ歴史の中で生じた分派。修羅の国に伝わり、3人の羅将とシャチが継承している。北斗神拳と戦闘法はよく似ているが、野心、憎しみ、怒りなど負の感情に溺れやすくなり、邪悪な気に満ちた魔界という精神状態に陥る特色がある。 魔界に落ちた者は重力すら変動させる強大な力と引き換えに、愛する者を殺すのもためらわない悪鬼と化す。
元斗皇拳 (げんとこうけん)
『北斗の拳2』に登場する拳法。高熱または極低温の闘気を放射して刃のように敵を斬る。元斗の技は細胞レベルで敵の肉体を滅殺するとされ、これを極めた拳士の手はまばゆい光を放つようになる。正統な伝承者はファルコだが、同じ流派の使い手として複数の人間が帝都軍の将軍となっている。 本来は天帝を最も近いところで守護するための拳。
北斗神拳 (ほくとしんけん)
『北斗の拳2』に登場する拳法。シンボルは北斗七星。人体各所のツボを突いて体内へ気を送り込み、敵の肉体を操作あるいは爆散させる暗殺拳。極めれば自分の肉体の潜在能力を最大まで引き出すことが可能となる。 継承は一子相伝だが、約2000年におよぶ歴史の古いところで分派が生じており、修羅の国には北斗琉拳が伝わっている。
天帝 (てんてい)
『北斗の拳2』に登場する称号。北斗神拳、南斗聖拳、元斗皇拳が本来守護すべき尊い存在。当人は長いあいだ人前に姿を見せておらず、その代理を自称する総督が権勢をふるっている。
クレジット
原作
北斗の拳 (ほくとのけん)
核戦争の後、暴力が全てを支配する無秩序状態になった世界。北斗神拳の伝承者であるケンシロウは、そんな世紀末世界を恐怖と力で支配しようとする義兄・ラオウに立ち向かう。原作は武論尊。 関連ページ:北斗の拳