概要・あらすじ
199X年、核戦争で人類社会は瓦解。食糧と水をめぐり強者が弱者を暴力で虐げる地獄が地上を覆った。そこへ最強の暗殺拳・北斗神拳の使い手ケンシロウが現れ、かつて恋人をさらった宿敵・シン率いるKING軍など他流拳法の勢力、そして世紀末覇者を目指す兄弟子ラオウの軍へ挑み、民衆に希望を与えていく。
登場人物・キャラクター
ケンシロウ
暗殺拳法・北斗神拳第64代目正統伝承者。核戦争後の動乱のなか恋人ユリアをシンに奪われ、復讐のため生きていた。シンとの決着後はなりゆきで南斗の内紛に関わり、さらに乱世を暴力で平定しようとする拳王を止めるため戦い、人々を救う旅を続ける。 弱者への情に厚いぶん悪党には容赦ない。胸にはシンが北斗七星の形に刻んだ7つの傷痕が残っている。北斗4兄弟の末弟。
ヒューイ
南斗最後の将直属の護衛軍団長南斗五車星の1人。風のシンボルを司り、偵察や敵のおびき出しを主な役割とする。拳王軍の侵攻を足止めするためラオウへ挑む。
バット
世知に長けた孤児の少年。リンが暮らしていた村でケンシロウが行き倒れたさい、同じ牢に入れられたのを機に知り合う。はじめは拳法の達人であるケンシロウのそばにいれば食うに困らないだろうという狙いで旅に同行していたが、北斗と南斗の男たちの死闘を見届けるうち成長していく。 口も態度も悪い不良だが、養親の負担を減らすため自分の育った村を離れるなど根は優しい。
ジュウザ
南斗最後の将直属の護衛軍団長南斗五車星の1人。雲のシンボルを司り、何者にも縛られない自由な暮らしを謳歌していた。はじめは南斗最後の将の要請を断り続けていたが、その素性を知って考えを翻し、拳王軍の侵攻を阻止すべくラオウの前に立ちふさがる。 ユリアとの間に秘められた縁をもつ。
トキ
北斗の先代伝承者が養子にとった4人の後継者候補の次兄。長兄ラオウとは実際の血縁がある。拳法の天才だが、暴力へ走った兄とは逆に、北斗神拳の人体への作用を医療に応用して病傷者を救う人格者。 戦う相手にさえ苦痛を与えない技を用いる。核戦争で身体を死の灰に蝕まれ、余命わずか。背中には少年期のケンシロウを助けてついた傷跡がある。
シュレン
南斗最後の将直属の護衛軍団長南斗五車星の1人。炎のシンボルを司り、燐を使って拳足に火をまとい攻撃する技を用いる。拳王軍の侵攻阻止と同胞ヒューイの仇討ちのためラオウへ挑む。
マミヤ
ケンシロウたちが旅の途上で出会った女性の戦士。ヨーヨーや長針を武器に戦う。水の豊かな村を守るため、村民の先頭に立って野盗を追い払っている。ユダに家族を殺されたうえ拉致されて暴行を受けた過去があり、幸福を諦めていた。 肩にはユダの紋章「UD」の字をかたどった焼き印がある。死期が近いと予見されたが、レイの献身で運命が変わる。ユリアに似た面影をもつ。
ジャギ
北斗の先代伝承者が養子にとった4人の後継者候補の三男。拳法を道具としか考えず、銃や隠し武器による闇討ちも躊躇しない。見下していた末弟ケンシロウが伝承者となり不満を抱き、襲撃するも返り討ちにあい頭部を醜く変形させられた。 復讐のためケンシロウの名を騙って悪事を働き、さらにシンをそそのかした。頭の歪みを抑えるため全面のヘルメットをかぶっている、。
シン
民衆を苦しめるKING軍の首領。北斗神拳と対をなす南斗聖拳の使い手。南斗六星のうち愛に殉じる星の宿命をもつ。ジャギにそそのかされ、ケンシロウを襲撃して胸に7つの傷をつけた。ユリアをさらった後は、己の愛を証明するためサザンクロスの都市を築くほど手厚く遇するも、心をつかむことはできなかった。 復讐に燃えるケンシロウと再び対決する。
ユダ
南斗聖拳の一派で、高速でくりだした手刀からの衝撃波で敵を切り裂く南斗紅鶴拳の使い手。南斗六星のうち妖艶なふるまいで人を裏切り、撹乱する星の宿命をもつ男。自らの美に絶対の自信をもつナルシストだが、かつてレイの南斗水鳥拳の動きに見惚れた自分を許せず、レイを陥れようと策謀を巡らせる。 マミヤを拉致し、その心身に深い傷を負わせたことがある。
ユリア
ケンシロウの恋人。核戦争後、シンの襲撃を受けて倒れたケンの命を救うため、シンについていくことを宣言させられ、拉致される。慈母の性質を司る星の宿命を背負って生まれた女性で、殺しも盗みも厭わない荒くれ者だったフドウをまたたくまに改心させた幼少期の逸話がある。 ケンシロウやシンだけでなくラオウやトキもその魅力に惹かれていた。北斗と南斗の動乱の鍵を握る存在。
ラオウ
世紀末の覇者、拳王を名乗る男。北斗の先代伝承者が養子にとった4人の後継者候補の長兄。トキとは実際の血縁がある。その野心を恐れて拳を封じようとしてきた師を殺害し、乱世の頂点に立つべく大軍を率いて各地へ侵攻、民衆を力と恐怖で支配する。 北斗神拳の習得に留まらず、他流派から奥義を強奪している。剛力を誇る巨漢で、その体格に合う巨大な黒馬に騎乗する。
サウザー
南斗聖拳最強の流派南斗鳳凰拳の使い手。南斗六星のうち他者を省みず己のみを頼りとする帝王の星の宿命をもつ。防御の構えをとらず前進、圧倒するのが基本戦法。養親でもある師を自らの手で殺す継承の試練を経験したことで愛情を捨てた。 聖帝と自称し、自軍の支配下に置いた人々へ苦役を課している。北斗の技が通じない肉体の秘密をもち、ラオウさえも警戒する男。
リン
ケンシロウが行き倒れた村で知り合った少女。目の前で身内を殺されて声を失っていたが、ケンシロウが北斗神拳を応用して治るきっかけを与えた。バットと共に旅に同行し、北斗と南斗の男たちの死闘を見届けることになる。 おとなしく気の優しい性格だが、暴力に脅かされても精神的に屈しない勇敢な姿をみせてしばしば周りの大人たちに感銘を与えていく。
南斗五車星 (なんとごしゃせい)
『北斗の拳』に登場する集団。南斗最後の将のために戦う5つの軍勢。各軍は1つずつ自然のシンボルを掲げている。風のヒューイ、炎のシュレン、山のフドウ、雲のジュウザ、海のリハクがそれぞれの長。
レイ
南斗聖拳の一派で、敵すら見惚れるほど流麗な動きで刃物のように鋭い斬撃をくりだす南斗水鳥拳の使い手。南斗六星のうち自己犠牲の星の宿命をもつ。胸に7つの傷をもつ男にさらわれた妹を探す旅の途上でケンシロウと出会う。 妹の救出に助けをもたらしたケンに恩義を感じ、なりゆきでラオウに挑むも惨敗、余命数日となる。残された時間は愛するマミヤのため命をかけて戦う道を選んだ。
シュウ
南斗聖拳の一派で、多彩な蹴り技を主体とする南斗白鷺拳の使い手。南斗六星のうち、深い情けを司る星の宿命をもつ。ケンシロウが南斗との練習試合に挑んで敗れたさい、助命を仲間へ請うた。その時に代償として自分の両眼を潰している。 南斗六星分裂後、暴君と化したサウザーへの抵抗勢力として民衆と共に戦ってきた。成長したケンシロウと再会、サウザーを打倒する希望を託す。
リハク
南斗最後の将直属の護衛軍団長南斗五車星の1人。海のシンボルを司る。高い戦闘能力はもたないが、知略を得意とする智将。南斗最後の将の居城で指揮をとり、拳王軍の侵攻を阻止してケンシロウを将に引き合わせるため尽力する。
アミバ
天才を自称する拳法家。トキに逆恨みしてその名を騙り、治療を求めてやってきた人々を使って自己流にアレンジした北斗神拳の実験を繰り返していた。レイの調べによって素性を暴露される。
フドウ
南斗最後の将直属の護衛軍団長南斗五車星の1人。山のシンボルを司る。通常人のふたまわり以上大きな身体をもつ、力持ちの巨漢。親に捨てられた子供たちを集めて面倒を見る愛情深い男。かつて人命を無慈悲に奪う姿でラオウにすら恐怖を与える悪漢だったが、幼少期のユリアから命の価値を教わり、改心した過去をもつ。
南斗六聖拳 (なんとろくせいけん)
『北斗の拳』に登場する集団。108の流派がある南斗聖拳を統括する、特に有力な6流派とその伝承者たち。天帝の門の守護者とも言われる。六聖拳それぞれが己の生き様を定める星を宿命づけられており、南斗六星とも称する。 核戦争後に乱世の覇権を狙う者とそれに反対する者とで分裂を起こした。劇中ではシン、レイ、ユダ、サウザー、シュウ、南斗最後の将が該当。
場所
サザンクロス
ケンシロウからユリアを奪い去ったシンが、ユリアの歓心を引くためだけに築き上げた栄華の都。大勢の犠牲の上に作られたことでかえってユリアを悲しませることになった。
その他キーワード
南斗最後の将
およびその称号。南斗聖拳の正統な血統を引く者。全身に甲冑をまとって顔を隠している。その素性を知ったジュウザは即座に自らの宿命を引き受けたほか、ケンシロウとラオウのいずれが先に会うかで天下の行方が変わるとされるほど影響力のある存在。 他の南斗六星は本来、この将を守る役割をもっていた。
経絡秘孔 (けいらくひこう)
『北斗の拳』に登場する人体の急所。体内を巡る生命エネルギーの流れの要点を示す、いわゆるツボ。ケンシロウが継承した北斗神拳では708個の経絡秘孔に対応した技が編み出されているほか、アミバが独自に新たな秘孔を発見している。 強く突けば人体を破壊するが、適度な刺激であれば自然治癒力を高め、視力聴力の回復や病気の治療、筋力増強などが可能になる。
南斗聖拳 (なんとせいけん)
『北斗の拳』に登場する拳法。象徴は南十字星。一子相伝の北斗に対して南斗は総勢108流派あり、戦闘スタイルはシンプルに拳のみを使うものから砲台を使って空中へ飛び上がるものまで多種多様。外部からの破壊を主とし、多くの流派で手刀は刃物のような切れ味と貫通力を備えている。 108派の頂点に立つ有力な6派の伝承者たちを南斗六聖拳と呼ぶ。
北斗神拳 (ほくとしんけん)
『北斗の拳』に登場する拳法。象徴は北斗七星。2000年の歴史をもつ暗殺拳。肉体の潜在能力を最大まで引き出せる。経絡秘孔を突き敵の体を操作または爆散させる。内部破壊を主とする北斗神拳と外部破壊を主とする南斗聖拳は陰陽の対極として共に歩んでいたが、核戦争の動乱でバランスが崩れた。 一子相伝で、継承者が選定される際に他の候補者は記憶や拳を封じられる場合がある。
クレジット
原作
北斗の拳 (ほくとのけん)
核戦争の後、暴力が全てを支配する無秩序状態になった世界。北斗神拳の伝承者であるケンシロウは、そんな世紀末世界を恐怖と力で支配しようとする義兄・ラオウに立ち向かう。原作は武論尊。 関連ページ:北斗の拳