概要・あらすじ
たまこは引っ込み思案で自己主張が苦手な新人デザイナー。パチンコ業界専門のデザイン事務所P-デザインでの就職面接中、ほかに有望な人材がいる中、社長のツルのひと声で採用された。事務所での仕事は長時間で過酷だったが、ハワイへの社員旅行を目標に働き続ける。やがて上司の堂本に惹かれ、次第に事務所に愛着を持つようになっていく。
登場人物・キャラクター
小倉 たまこ (おぐら たまこ)
小柄で眼鏡をかけている。オシャレに興味はなく、男の子に間違われることもある。引っ込み思案で、自分の思いを相手に伝えるのが苦手。富山県出身。パチンコ業界専門のデザイン事務所P-デザインの新入社員でデザイナー。上司の堂本に初恋する。
堂本 (どうもと)
ロン毛でヘビースモーカーの男性。P-デザインでたまこや数人のデザイナーをまとめるチーフデザイナー。面倒見がよくやさしいが、仕事が絡むとキビシイ一面も見せる。元同僚の真野とつきあっている。
七瀬 ももこ (ななせ ももこ)
セミロングの女性。P-デザインで働くたまこの先輩デザイナー。もともとはイラストレーターを目指していた。たまこの堂本に対する恋愛感情に最初に気がつき、傷つくのではないかと心配している。自身は遠距離恋愛をしている。前作『午前3時の無法地帯』の主人公。
宮下 (みやした)
P-デザインに仕事を発注しているパチンコ店ベガスのイケメン店員。昔は太っていたが苦労の末、今の容姿を獲得した。人の見た目についてかなりウルサく、自分のかつての容姿にコンプレックスを持つ。たまこがベガスに研修に来たときに知り合った。たまこの初めての男友達で、恋愛の相談相手。
アキホ
パチンコ店ベガスで働く元キャンギャル。スタイル抜群の美女。宮下のことが好き。気さくな性格だが、宮下に近づく女性をすべて敵視している。たまことも仲良くなったが、宮下がたまこを好きになるのではないかと心配している。
真野 (まの)
スラリとした美人。かつてP-デザインで経理をしていたが、税理士事務所に転職している。堂本の恋人。七瀬ももこと仲がよく、時々P-デザインにも遊びに来る。やさしくてしっかり者。
輪島 (わじま)
ガチガチに髪を固めたコワモテの男性。P-デザインで営業を担当している。キレやすく、すぐ怒鳴るが、たまこの恋愛を裏で心配している。たまこたちがウンザリするほど大量の仕事をとってくる。たまこがパチンコ店ベガスで研修するきっかけを作った。
瀧 (たき)
メガネをかけた男性。P-デザインで働く先輩デザイナー。事務所で深夜まで働いているときは、なぜかズボンを脱いで作業している。恋バナが大好きで、彼に知られると、たちまち事務所中にウワサが広がってしまう。たまこをからかうのが好き。
田辺 (たなべ)
おっとりしたやさしい男性。P-デザインで働く先輩デザイナー。料理と散髪が得意。よく会社に手作りのお菓子を持ってきて、社員にご馳走したりする。曲者ぞろいのP-デザインの中では貴重な常識人。
西岡 (にしおか)
『午前3時の危険地帯』に出てくる人物。パチンコ店ベガスで働く存在感の薄い男性店員。ほかの店員に名前を覚えてもらえないでいる。過去に新人女性店員にストーカーした経歴を持つ。店に研修に来たたまこを好きになり、ストーカーになってしまう。
多賀谷 (たがや)
『午前3時の危険地帯』に出てくる人物。ガッチリした体格の優しい男性。ももこの恋人。もともとP-デザインと同じビルに入っていた別の会社で働いていたが、社内の異動で、現在は岐阜で働いている。時々ももこの様子を見に帰ってくる。
社長 (しゃちょう)
『午前3時の危険地帯』に出てくる人物。P-デザインの社長で、初老の男性。キャバクラ好き。新人採用の面接に出てくると、フィーリングで採用を決めてしまうが、彼の見込んだ新人は定着率が低いので、社員には不評。あまり現場には出てこない。
集団・組織
P-デザイン
『午前3時の危険地帯』に出てくるデザイン事務所。たまこが働いている。主な仕事の内容は、パチンコ店で使用するチラシやPOPのデザイン。労働環境は劣悪で、長時間労働、休日出勤も当たり前。常に忙しいので、耐えられず辞めていく社員があとを絶たない。
場所
ベガス
『午前3時の危険地帯』に出てくるパチンコ店。P-デザインに仕事を発注している。女子店員はルックス重視で美人が多い。たまこはパチンコについて予備知識がないので、この店で研修することになった。