釘師サブやん

釘師サブやん

釘師のサブやんが、美球一心や北海の無法虎などのパチプロたちと対戦。ときにはパチプロとの友情を芽生えさせながら、成長していく姿を描く。パチンコ業界に対する描写が、フィクションも交えて詳細かつ丁寧で、当時の業界の実態を描きだしている。

正式名称
釘師サブやん
漫画
原作
ジャンル
パチンコ・パチスロ
レーベル
竹書房文庫(竹書房)
巻数
全5巻完結
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概要・あらすじ

昭和30年代。渋谷のパチンコ店第一ホールで、茜三郎こと天涯孤独のサブやんは、祖母の遺言を胸に秘め、たったひとりで上京し、パチンコ台の釘の傾きを調整する釘師をしていた。「釘師の神様」と呼ばれていた根岸佐助に師事し、目指すは日本一の釘師である。そんなある日、パチプロ美球一心が来店。サブやんが釘を締めて玉を出なくしていたパチンコ台を、秘打正村昇り竜を使って玉1個だけでいとも簡単に攻略していた。これに挑発されたサブやんは、美球一心に金札勝負を挑む。

サブやんはこれがきっかけで、全国のパチプロたちから敵視される存在となり、さまざまな試行錯誤を繰り返して、パチプロやゴト師たちと戦っていく。 狙ったパチンコ店は必ずつぶすという、恐怖のゴト師グループ・神竜組や悪名高いゴト師・やらずの竜をサブやんは秘策で迎え撃つ。しかし、 やらずの竜に扇動された客たちが店内で暴れだし、店はメチャメチャに壊されてしまった。右手に深い傷を負い、店を追い出されたサブやんは放浪しながら 行商人・ガブ六の辰と共に札幌にたどり着く。そこではパチプロのスカウト市である穴市勝負が開かれていた。

穴市勝負の会場をのぞいたサブやんは、釘師を敵とみなしているパチプロたちに捕まり立川一家の大幹部・機関銃のマサと勝負することになる。右手を負傷しているサブやんに代わりパチプロ・美球一心がハンマーを握るが サブやんと機関銃のマサの決戦の地は、立会人のボス・三田源の裁定により名古屋となった。

名古屋の王様会館で、伝説の釘師・釘師宗家の茜正村が審判となり決戦が行われたが、その結果、 釘師としての将来を断たれたサブやんは、愚庵和尚の寺で精神修行に打ち込む。しかし、パチプロたちの挑戦は止まず、とうとうまた勝負を受けることになる。パチプロの地獄の裏場で、五寸釘の小鈴を相手に命をかけた大勝負が始まる。

登場人物・キャラクター

茜 三郎 (あかね さぶろう)

第一ホールの専属釘師。関西弁を話す、そばかすだらけの男。赤ん坊の頃、両親がおたふく風邪にかかって死んだため、祖母に育てられた。成長後、祖母が死んだため上京。釘師の神さまと呼ばれる根岸佐助と出会い、釘師になる。警察と坊主が嫌い。祖母の遺言から、茜正村を祖父と思い込む。 美球一心の秘打・忍球玉バサミに勝つため、玉ふぶきという釘調整をあみだす。後に、究極の秘伝、玉おきのハンマーを使うが、これは禁じ手だったため、佐助から破門される。

美球 一心 (みたま いっしん)

一匹狼のパチプロ。和服姿。プロ生活15年。秘打正村、忍球玉バサミ、秘打正村昇り竜といった秘打によって、パチンコ台から玉を多く出すことができる超一流のパチプロ。サブやんの釘師技術の結晶である玉ふぶきと、忍球玉バサミを競い合う金札勝負をした。サブやんの腕にほれ込み、生涯のライバルとする。 金札勝負以降、奇妙な友情に結ばれ、穴市勝負では2人が共同して戦った。美球の師匠である桜十三は、サブやんの師匠・根岸佐助とかつて金札勝負をした間がら。つまり弟子師匠二代に渡って金札勝負をしたのだった。

根岸 佐助 (ねぎし さすけ)

サブやんの釘師の師匠。禿げ頭の老人。釘師の神さまと呼ばれたが、現在は釘師を引退し、たい焼き屋をしている。美人の娘、里美がいる。上京直後、悪い奴に騙されて有り金を全部取られてしまい、上野公園で途方に暮れていたサブやんに声をかけたのが、佐助だった。パチンコ界の神さまと呼ばれる茜正村の弟子。 秘技・玉おきのハンマーを正村から伝授されているが、よほどのことがない限り使ってはならないと禁じ手にされていた。それをサブやんにも伝授してしまい、結果的にはサブやんを追い詰める。白ハンマーを愛用。

根岸 里美 (ねぎし さとみ)

サブやんの師匠・根岸佐助の一人娘。ロングヘアーの美女。佐助が反対していた金札勝負をしたため、サブやんは破門になるが、その後も家の中にかくまったり、力になろうとした。サブやんの負債を、佐助がかぶったときも、黙って結婚資金の入った預金通帳を佐助に渡す。サブやんに好意を持っている。 穴市勝負では、釘調整に苦しむサブやんに、父の愛用していた白ハンマーを渡して、応援した。

茜 正村 (あかね まさむら)

サブやんの師・根岸佐助の師匠で伝説的な人物。サングラスをかけ和服姿の老人。サブやんの祖母のウソにより、サブやんに祖父と思い込まれていた。近代パチンコの始祖と呼ばれる正村竹一がモデル。もともと板に釘を刺しただけの子供の遊びだったパチンコに、スタンダード六穴という釘配列をあみだし、今日のパチンコ台となった。 この釘配列は、現在のパチンコ台にも流用されていることがほとんど。正村流釘術(まさむらりゅうちょうじゅつ)の宗家で、正村流釘術奥義書を書き残す。サブやんと機関銃のマサが戦った穴市勝負では立会人となり、禁じ手の玉おきのハンマーを使ったサブやんを、パチンコ界から追放した。 だがそれは、パチンコの本質(お客様あってのパチンコである)をサブやんに教えたいがための行為であった。

三田 源 (みた げん)

鼻の穴が大きな、禿げ頭の体の大きな男。茜正村を師匠に持つ元釘師で、根岸佐助とは兄弟弟子。正村には弟子が2人だけで、佐助と同様に玉おきのハンマーを伝授される。正村流釘術の継承者になるため、佐助と玉おきのハンマー勝負をするが、立会人の正村は両者とも未熟として勝負を流した。 その後、パチプロに転向し、人からは会長と呼ばれるまでにのし上がる。全日本競指市(通称穴市)でサブやんと出会い、穴市勝負の立会人となるが、三回戦でサブやんが玉おきのハンマーの技を使用したため、自分では判断できないと、その勝負の行方を名古屋へ移し、師匠正村に決着をゆだねた。

やらずの竜 (やらずのりゅう)

ゴト師組織の神竜組の首領。本名竜二。黒い帽子に黒いコートと、黒い右目の眼帯をした男。非情な男で、人を信じず、近寄ってきた赤ちゃんを足で蹴るような男。ゴト師仲間では知らないものはなく、天竜、金竜、銀竜、剣竜、雲竜、黒竜、白龍らを弟分として従える。 ゴト行為(いかさま)によってパチンコ台から多くの玉を出し、その店をつぶすことを目的とする。サブやんの務める第一ホールも、太田黒謙三の依頼によって、神竜組がつぶす対象にしていた(第一ホール総攻撃。または黒い玉作戦)。サブやんは彼らのゴト行為を見破って対抗するが、次々に神竜組の刺客が襲いかかる。 神竜組本部の地下には、ゴト師研究所がある。死打釘殺しの秘打を使う。

ウインキーの友子 (ういんきーのともこ)

パチプログループの阿佐ヶ谷一家に所属する女パチプロ。実は神竜組の女幹部でやらずの竜の妹。ハデなコートに身をくるんだ美女。第一ホールでサブやんが釘を締めたパチンコ台から、玉を出した凄腕のパチプロでもある。彼女からウインクされてサブやんは照れていたが、これは釘師に対する挑戦状でもあった。 友子がウインクして潰れなかったパチンコ店はないといわれる。神竜組本部が2階に入ったビルで、1階のスーパー神竜というスーパーマーケットで店員をしている。

佐千子 (さちこ)

サブやんが務める第一ホールの事務員。周囲からは美人と呼ばれる、少し地味な女性。美球一心との金札勝負で、自室にこもって試行錯誤していたサブやんに、毎日せっせと食事を届けた。サブやんに好意を持ち、サブやんも彼女のことが気になっていたが、本当は忍び竜と呼ばれた神竜組の女スパイだった。 やらずの竜、ウインキーの友子の妹で、サブやんに真実を知られてしまうと、日記を残して姿を消す。

白龍 (はくりゅう)

ゴト師組織の神竜組に所属する。禿げ頭の盲目で、体格のいい男。サブやんの務める第一ホールをつぶす計画である第一ホール総攻撃の第一陣を、雲竜、金竜とともに実行した。ゴト師技、神竜白糸がえしで、パチンコ台の金枠をこじ開けて、玉を大量に出した。のちにサブやんに捕まって、黒幕を白状するように迫られると、白状するので警察に突き出してほしいと懇願。 解放されると殺されるからと、組織からの報復を何より恐れた。

雲竜 (うんりゅう)

ゴト師組織の神竜組に所属する。サングラスに角刈りの男。第一ホール総攻撃の第一陣を、白龍、金竜ともに実行した。ゴト師技、神竜四方固めによって、打った玉を目的の入賞穴に落として、大量の玉を出した。

金竜 (きんりゅう)

ゴト師組織の神竜組に所属する。鼻が赤く大きい、背の低いサル顔の男。第一ホール総攻撃の第一陣を、白龍、雲竜とともに実行した。ゴト師技、金蛇(かなへび)の術でピアノ線を自由に操り、パチンコ台から大量の玉を獲得した。

太田黒 謙三 (おおたぐろ けんぞう)

神竜組に第一ホールをつぶすことを依頼した人物。サングラスに和服、オールバックで葉巻をくわえた男。黒姫コンツェルンの会長で、乗っ取り黒(ブラック)とも呼ばれる。黒姫グループの一角である黒姫電鉄は、東京の私鉄大手の1つで、渋谷に大きなレジャービルを設置する計画を立てていた。 そのビルの1階にパチンコ店を作る予定で、商売敵の第一ホールが邪魔だった。やらずの竜も、彼の前では冷や汗をかくほどの人物。

北海の無法虎 (ほっかいのむほうとら)

北海道の早打ちの名人でパチプロ。右目に眼帯を付けたひげ面の男。スプートニク1号という秘打を持つが、サブやんの玉ふぶきに敗れた。寝込んだ師匠のため現金が必要となり、自らのパチプロの腕を全日本競指に売り出す。このとき秘打暗闇二段打ちで、目隠ししたまま2個の玉を打って、いずれも穴に入れている。

ガラガラ蛇の定 (がらがらへびのさだ)

パチプログループの阿佐ヶ谷一家に所属するパチプロで、実力は低い。名前の由来は、彼の親指がガラガラ蛇の頭のように、三角形になっていることから。ウインキーの友子をあねさんと呼んで慕う。

御子神 紋次 (みこがみ もんじ)

黒い手袋をつけているが、勝負の時ははずす。盛岡のパチプロ。打ち止めの鉄が美球一心に負けたため、一心に戦いを挑んだ。夜の12時、パチンコ店横綱会館で美球一心とパチンコ対決をする。秘打チューリップ二連流しの秘技を持つ。

打ち止めの鉄 (うちどめのてつ)

盛岡のパチプロ。紋次より格下。美球一心が盛岡のパチンコ店で大量の玉を出していたため、店からの要望で彼が一心に勝負をしかけた。一心の出玉と、店側の10万円をかけた勝負をするが、鉄が負けてしまう。鉄は兄貴と呼んで慕う御子神紋次に、美球一心と戦ってかたき討ちしてほしいと依頼した。

盤石愚庵 (ばんじゃくぐあん)

体格のいい坊主。金札勝負の15番目の相手で、パチンコ台の前で念仏を唱える。穴破経(けっぱきょう)の巻物をサブやんに見せると、サブやんは戦意喪失してしまう。美球一心の師匠、桜十三の弟弟子にあたり、一心からはオジキと呼ばれる。秘打正村昇り竜を使うことができる。 パチプロを引退して山寺の坊主をしていたが、金札勝負に刺激されてやってきた。のちに、茜正村によってパチンコ界追放されたサブやんが、愚庵の山寺で修業するようになる。

機関銃のマサ (きかんじゅうのまさ)

パチプログループの立川一家に所属する幹部パチプロ。13年前、美球一心とトラブルがあり、いつか報復したいと思っていた。全日本競指会にサブやんが乱入し、それがきっかけで美球一心との当時の宿怨がよみがえり、穴市勝負をしかけた。機関銃釘殺しの秘打を使う。

五寸釘の小鈴 (ごすんくぎのこすず)

パチプログループの立川一家に所属する女幹部パチプロ。和服姿で、鈴のついた五寸釘を髪留め替りにさしている。刑務所から出所したばかりで、機関銃のマサでさえ低姿勢で出迎え、小鈴ねえさんと呼んで恐れた。サブやんが最初で最後の裏場勝負をした人物で、実は神竜組の1人だった。 鈴地獄という釘調整の秘技を持つ。サブやんが神竜組と最後の対決をする相手。

林 大明 (りん たいめい)

禿げ頭で、口髭と太鼓腹の男。中国人。第一ホールの経営者で、パチンコ店のほか、キャバレー、サウナ風呂、ボーリング場なども経営している第一産業株式会社の社長。釘師のサブやんの実力に惚れ込んでいたが、神竜組や、全国のパチプロに狙われるようになってから第一ホールの売り上げは転落していた。 そのため、釘師を山本健一に替えようとした。

出目松 (でめまつ)

鼻の頭が赤い、帽子をかぶった男。第一ホールの店員で、サブやんの友人。いろいろヘマなことをするが、サブやんが根岸佐助に破門されても、茜正村にパチンコ界から追放されても、ずっと後を追い、支え続けた人物。一応パチプロと言っているが、最大に出した玉は1箱半。玉ふぶきの最初の試し打ちをした。

陳太 (ちんた)

サングラスをかけた中肉中背の男。第一ホールの店員で、サブやんの友人。出目松の先輩で、いつもいっしょに行動している。そのため、サブやんがパチンコ界から追放されたあとも、出目松とともにサブやんを支え続けた。

角和 大禄 (かくわ だいろく)

ネクタイをしめた一見サラリーマン風の男。根岸佐助の弟子であり、サブやんとは2人っきりの兄弟弟子。修業時代から寝食を共にした仲で、サブやんからは角さんと呼ばれ慕われていた。サブやんが挑んだ金札勝負の立会人となる。

山本 健一 (やまもと けんいち)

サブやんの替りに第一ホールで釘師を務めることになる男。根岸佐助は彼のことを、パチンコ屋を食い物にする渡り鳥の釘師と語っている。黒いハンマーを愛用し、人からは「黒ハンマーの健」とも呼ばれている。

ゴト師 (ごとし)

『釘師サブやん』の登場人物やらずの竜が率いる神竜組が得意とするパチンコ店つぶしを行う人々。パチンコ台の盤上に並んだ釘をゴト行為(イカサマ行為で違法)で、曲げたり折ったりして、入賞穴に玉を入れやすくする。違法行為なので、神竜組の白竜がゴト師技をサブやんにやぶられて捕まったとき、解放されて組織の報復を受けるより、警察に突き出されることを選んだ。 神竜組は依頼などによって狙ったパチンコ店をつぶすことが専門であり、ゴト師仲間では有名だった。神竜組に所属するゴト師は、独自にゴト師技を持つ。ゴト師技の鍛錬や、新人ゴト師の育成などのためゴト師研究所が設けられている。場所は、神竜組本部があるビルの地下で、1階にはスーパー神竜というスーパーマーケットがカモフラージュのため存在する。 本部はそのビルの2階。

場所

金札勝負 (きんふだしょうぶ)

『釘師サブやん』で、主人公のサブやんとパチプロ美球一心が戦った勝負。美球一心だけでなく、全国から北海の無法虎などのパチプロが挑んできた。それに対して、サブやんは、美球一心の使う忍球玉バサミに対して考案した、玉ふぶきという釘調整で戦った。勝負のルールは、持ち時間1人30分。パチプロの持ち玉は50個。 30分後、50個より多ければパチプロの勝ちで、少なければ釘師の勝ち。変らなければ引き分けとなる。

全日本競指会 (ぜんにほんきょうしかい)

日本遊技技術連盟が主催し、パチプロたちの腕をセリによって、パチプログループにスカウトされていく会。パチプロの新人発掘や、グループ内のパチプロのトレードなども行っている。年に一度開催される。穴市とも呼ばれ、ここで行われるのが穴市勝負。 本来は、1人のパチプロに複数のグループが手を挙げたとき、どちらが取るか決める勝負だった。

穴市勝負 (あないちしょうぶ)

『釘師サブやん』の主人公サブやんとパチプロ機関銃のマサが戦う勝負。三番勝負。全日本競指会会場のステージにある9台のパチンコ台から3台を択び、3戦を行う。両者の持ち時間は10分。持ち玉は10個で、10分後持ち玉が増減したかで勝敗を決める。このとき、サブやんは右手を痛めており、代わりに美球一心が、サブやんの指示のもと釘の調整をした。 立会人は三田源。

裏場勝負 (うらばしょうぶ)

『釘師サブやん』の主人公サブやんと、ゴト師五寸釘の小鈴が戦う勝負。通常のパチンコ店を平場というのに対し、地下の勝負組織のことを裏場といった。1台のパチンコ台に対して、2人の裏場者が釘師とパチプロの立場に分かれて対戦する。この勝負では、五寸釘の小鈴が釘の調整を行い、サブやんがパチプロとして玉を打った。 持ち時間はそれぞれ1分。使用する玉は1個。

第一ホール

『釘師サブやん』の主人公サブやんが働くパチンコ店。佐千子、出目松、陳太のほか、数人が働いている。金札勝負が行われた会場でもある。社長の林大明は中国人で、他にも上野、新橋、池袋、新宿、浅草でもパチンコ店を経営していた。舞台となったパチンコ店は渋谷店。平和通商店街の中にある。

ゴト師研究所 (ごとしけんきゅうじょ)

『釘師サブやん』の登場人物やらずの竜が作ったゴト師専用の施設。神竜組が2階に入っているビルの地下に設けられた極秘の研究所。カモフラージュのため、1階にはスーパー神竜というスーパーマーケットがある。ゴト師研究所では、パチンコ台の徹底研究を行う。パチンコメーカーが行うような、パチンコ台にボールを当てて耐久性を調査したり、玉が流れる傾向、打つ人間の脳波のチェックまで行い、パチンコ台の弱点を探し出して、そこをついたゴト師技を日々研究している。 また、この研究所にはコンピュータがあり、全国2千人いるといわれる神竜組構成員からもたらされた各地のパチンコ情報や、構成員の成績などが記録されている。

その他キーワード

玉ふぶき (たまふぶき)

『釘師サブやん』の主人公茜三郎が使う、釘調整の秘技。美球一心の忍球玉バサミに対抗するために編み出した。パチンコ台の釘にこの秘技を使って調整すると、打ち出された玉が釘にふれるだけで勢いよく盤内の外へ流れていくため、入賞穴にはかすりもしない。

秘打正村昇り竜 (ひだまさむらのぼりりゅう)

『釘師サブやん』の登場人物美球一心が使う秘打。この秘打を使うと、パチンコ台で打った玉は一度盤内の下まで落ちて、右側へ昇っていく。そしてそのまま天釘に落ちて、入賞穴に入り、玉を出すことができる。サブやんと初めて会ったときに、脅かすつもりで放った秘打正村は、パチンコの盤の下にある釘から大きく跳ねた玉が、中央の入賞穴に入っている。

忍球玉バサミ脳天逆落とし (にんきゅうたまばさみのうてんさかおとし)

『釘師サブやん』の登場人物美球一心が使う秘打。忍球玉バサミは、打った玉が釘と釘の間の空中に浮かぶ秘打で、美球一心は一度に数発の玉でこの秘打が使える。これは、玉が釘と釘の間で高速振動するため、見た目は空中に浮いているように見えていた。脳天逆落としは、忍球玉バサミをしたあと、玉が直下して穴に入る秘打。

玉おきのハンマー (たまおきのはんまー)

『釘師サブやん』の主人公茜三郎が使う、釘調整の秘技。茜正村、根岸佐助も使用できる。正村が編み出した秘技だが、よほどのことがない限り使ってはならないと禁じ手にしていた。これは、パチンコ台の釘に、波のようなくねりを入れていく秘技で、盤内に並ぶ300本以上の釘に対して行う必要がある。そして秘技を施した後、盤内に打ち出された玉は、釘にふれると内側のガラスにぶち当たりひびが入る。 2発目、3発目と続けて玉を打つと、玉はガラスを破って外に飛び出し、ガラスの破片とともに打っているプレイヤーを傷つけるという禁断の技だった。この技は序の打、二の打、詰めの打、Мの心、蔭の打の5つによって成っていたが、根岸佐助でさえ詰めの打までしか伝授されず、そのため、サブやんもМの心、蔭の打を知らされていなかった。

チューリップ二連流し (ちゅーりっぷにれんながし)

『釘師サブやん』の登場人物、御子神紋次が使う秘打。2個の玉をほぼ同時に打ち出し、同じ軌道で飛ばす。その後、2個そろってチューリップに入れる技。通常開いたチューリップに玉を1個入れると閉じてしまうが、2個ほぼ同時に入れることで開いたままの状態にしておける。ただこれは、最初の玉にバターを塗っていたイカサマ技だった。

死打釘殺し (しだくぎごろし)

『釘師サブやん』の登場人物やらずの竜が使うゴト師技。トゲの付いたパチンコ玉を1個を打ち出し、戻ってきたところを再度タイミングよく打つ。これを続けていくと、しだいに玉にスピードと回転力が増していく。そのあとパチンコの盤内に打ち出すと、玉にふれた釘がことごとく曲がっていく技。ふれたあともさらに玉は威力が増し、いずれは盤内の釘を折ったりして、ボロボロに変えていく。

神竜白糸がえし (じんりゅうしらいとがえし)

『釘師サブやん』の登場人物で神竜組の白龍が使うゴト師技。パチンコ台の金枠をこじ開け、その隙間にセルロイドのテープを入れて打った玉が入賞穴へ流れるように道をつくる技。細工をすると、警報機が鳴るようパチンコ台を改良したサブやんに捕まってしまった。

神竜四方固め (じんりゅうしほうがため)

『釘師サブやん』の登場人物で神竜組の雲竜が使うゴト師技。パチンコ台の金枠と、ガラスの間に将棋の駒のようなものを挟んで、ガラスを圧迫。すると打ち出された玉の跳ね返りを軽減して、玉を目的の入賞穴へ入れることができる。

金蛇の術 (かなへびのじゅつ)

『釘師サブやん』の登場人物で神竜組の金竜が使うゴト師技。ピアノ線をパチンコ台の盤内に潜り込ませ、並んでいる釘を曲げたり、引き抜いたりする技。釘の林を潜り抜けるさまは蛇のようで、つかんだものはガラスびんさえも持ち上げ、割ってしまうほどの力がある。

機関銃釘殺し (きかんじゅうくぎごろし)

『釘師サブやん』の登場人物機関銃のマサが使う秘打。打った玉を正確に同じ釘へ当てて、釘を曲げてしまう技。マサは目的の釘を、玉7個を連発させて曲げることができる。かつてマサはこの技を、20メートル先に置いた針に玉を当てる特訓によって習得していた。

鈴地獄 (すずじごく)

『釘師サブやん』の登場人物五寸釘の小鈴が使う釘師の秘技。小鈴はこの秘技を使うと、パチンコ台の上に鈴の付いた五寸釘を刺すことを恒例にしていた。この秘技で釘調整されたパチンコ台で玉を打つと、その玉は盤内を何周もまわり続ける。勝負に制限時間があれば、それを超えるまで回り続けるし、小鈴が五寸釘を抜けば、玉は盤下のアウト穴へ入れることができる。 やらずの竜直伝の秘技。実はパチンコ台の盤内に、モーターと磁石がしこんであり、この磁石にくっついた玉が盤内を何周もしていたというゴト師技でもある。

釘師 (くぎし)

『釘師サブやん』の主人公サブやんの職業。パチンコ台の盤上に並んだ釘を、ハンマーで軽く叩いて傾かせ(釘調整)、その台から玉があまり出ないようにしたり(釘を締める)、多く出るようにする(釘を開ける)ことができる。優れた技術を持つ釘師には自分だけが持つハンマーがあり、根岸佐助なら白ハンマー。山本健一なら黒ハンマー、茜正村は金色のハンマーを持っていた。 最初の頃、サブやんは変哲のないハンマーを使っていたが、成長していくことで、師匠の白ハンマーを手にしている。

パチプロ

『釘師サブやん』の登場人物美球一心、北海の無法松、御子神紋次などの職業。どんなパチンコ台でも、玉を大量に出すテクニックを持ち、とくに優れたパチプロは独自の秘打を持っている。パチプロは美球一心のような一匹狼は珍しく、多くは機関銃のマサのように、立川一家のようなグループに所属している。 ちなみにパチプログループは4~5人で構成され、阿佐ヶ谷グループや浅草グループなど、15以上あった。また、基本的にパチプロは玉を出すことが商売なのに対し、釘師は守備が基本。これによって、釘師とパチプロは常に敵対する存在となる。

正村流釘術 (まさむらりゅうちょうじゅつ)

『釘師サブやん』の登場人物茜正村が考案した釘調整の技術。正村が宗家であり、象徴として金色のハンマーを持つ。かつて正村の弟子だった根岸佐助と三田源が、次の宗家継承の座を競い合ったが、正村に未熟と称されて試合は流れた。正村流釘術奥義書は、正村の持つ技術や秘伝が書き記されたもので、全三巻からなる。

書誌情報

釘師サブやん 全5巻 竹書房〈竹書房文庫〉 完結

第1巻

(1996年3月発行、 978-4812400746)

第2巻

(1996年3月発行、 978-4812400753)

第3巻

(1996年3月発行、 978-4812400760)

第4巻

(1996年3月発行、 978-4812400777)

第5巻

(1996年3月発行、 978-4812400784)

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