あらすじ
社長の同伴者が俺にだけ冷たい
効率を何より愛する効率厨の高校生、大星明照は、表では平凡な学生として振る舞っているが、裏ではクリエイター集団「5階同盟」を率い、ゲームを作っていた。彼らの作ったゲームは業界でも注目されるほど話題となるが、5階同盟の面々は誰もかれもが曲者(くせもの)ぞろい。明照はそんな特殊な事情をかかえる仲間たちのため、5階同盟を丸ごと大手エンターテイメント企業「ハニーブレイズワークス」に雇ってもらおうと考える。ハニーブレイズワークスの社長、月ノ森真琴は、明照の伯父(おじ)であるため、そのツテを使って交渉を開始。明照は真琴に自分たちの作品を認めさせるが、真琴は5階同盟を雇う交換条件として、明照に娘である月ノ森真白の偽彼氏になることを要求する。難しい事情を抱える真白は、明照の学校に転校することとなり、その真白のボディーガードを明照にしてもらいたいというものだった。明照にとって真白は幼なじみで知らぬ関係ではなかったが、再会の際の出来事がきっかけで一気に二人の仲は険悪になってしまう。明照は真白と偽の恋人関係となったが、学校でも真白は塩対応で、明照は大いに困ることとなる。明照は親友の小日向乙馬の妹、小日向彩羽に相談する。彩羽は人当りのよい性格をしているため、彼女の手腕に期待するが、結果は逆効果。二人にからかわれていると思った真白はますます不機嫌となり、周囲に壁を作っていくのだった。
友達の妹は友達の敵にウザい
大星明照は仲間たちを集めて打ち合わせを行う。美少年プログラマーの小日向乙馬、その妹で声優の小日向彩羽、教師兼イラストレーターの影石菫、そしてディレクターを担当する明照は同じマンションの5階に住んでいる縁で、「5階同盟」を結成していた。そして同じマンションの5階に月ノ森真白が引っ越して来たものの、真白の明照への印象は最悪で、一向に距離は縮まらずにいた。明照はそんな真白を見かねて5階の住人に相談し、一計を案じる。そして明照は、真白に真正面から向き合い説得。仲間たちが用意したサプライズパーティに彼女を無事に迎え入れ、彼女の頑(かたく)なだった心を解きほぐすのだった。真白は無事に5階同盟の輪の中に入り、彩羽とも友人となるが、彩羽は真白と明照の距離が縮まるのを警戒していた。5階同盟はみんなで買い物にいくこととなったが、菫と乙馬がドタキャンして、明照、彩羽、真白の三人だけで出かけることとなる。真白と彩羽がアプローチ合戦してカオスな状況となるが、そこに真白の過去のクラスメイトと遭遇。実は真白は過去にクラスメイトからいじめを受けており、それが原因で不登校となっていた。再会した元クラスメイトにそのトラウマを刺激された真白は深く落ち込むが、明照の励ましで再び立ち上がる。また彩羽は真白を深く傷つけた元クラスメイトに逆襲。声優として培った演技力を使い、彩羽が元クラスメイトを追い払った姿を見たことで、真白は改めて仲間たちとの絆(きずな)を深めていく。そして事態はひと段落となったかに思われたが、そこに明照のもとに一つのメールが届く。
俺の周りの連中が俺にだけおかしい
大星明照が月ノ森真白から受け取ったメールには、彼女の愛の告白がつづられていた。小日向彩羽もそれを偶然、目にしてしまったため、三人の関係はぎくしゃくしたものとなってしまう。しかもそれはゲーム制作の進行にも影響を及ぼす。彩羽は真白との友情を大切にしたいと思いつつも、真白に嫉妬してしまい、苦悩を抱える。その結果、真白に張り合って清楚(せいそ)キャラを演じるようになるが、そのせいで声優としての演技も清楚キャラに引っ張られ、まともに演技ができなくなってしまう。また、折しも5階同盟の最後のメンバーである「巻貝なまこ」もスランプに陥っていた。なまこはシナリオライターでゲームの新たなシナリオを書いていたが、その内容はキラキラの恋愛脳とも言うべきもので、見た人全員に不評だった。想定外のトラブルに明照は翻弄されるが、彩羽の事情を知る音井にアドバイスされ、明照は初心を思い出し、トラブルに一つ一つ向き合うことを決める。そして明照は、まず真白からの告白に返事をすることを決める。一方、真白は5階同盟との出会いを思い返す。実は「巻貝なまこ」は真白のペンネームで、真白は今まで直接会わないことで、彼らに正体を隠しつつ、仲間として接していた。正体を明かす勇気は持てないものの、自分の力を必要としてくれた明照に、真白は淡い思いを抱くようになる。その思いは告白の一件を境に日増しに強くなっていくが、やる気だけが空回りし、シナリオも迷走していたのだ。そんな中、明照からの連絡を受け、真白も明照との関係に向き合う。
演劇部の特訓に俺たちが強い
大星明照は月ノ森真白の告白に誠実に向き合い、その返事をしようとする。しかし真白は、明照が自分を振ろうとするのを察し、その告白の返事を拒絶。真白は明照にアプローチをして改めて明照を振り向かせると宣言する。また、明照は小日向彩羽との関係にも向き合い、彼女の中のわだかまりを解消する。しかしそこに影石菫が、自分が顧問を担当する演劇部を立て直してほしいと新たなトラブルを持ってきてしまう。演劇部は演劇大会を控えていたが、菫の妹である影石翠が部長を務める演劇部は、まともな演技もできない大根役者ぞろいだった。明照は頭を抱えるが、このトラブルが現在抱える5階同盟のスランプを解消するのに利用できると考える。彩羽に部員たちの演技指導、「巻貝なまこ」に脚本を担当させ、残りの5階同盟メンバーもそのサポートを全力で行う。その甲斐(かい)もあり、演劇部は着々と成長していくが、演劇大会当日トラブル続きで主役が参加できなくなってしまう。そこで明照と彩羽が代役として大会に参加し、演劇大会を無事に乗り切るのだった。実は明照はこの劇を巻貝なまこに見せるという計画を企てており、真白は実際に自分の劇を見て、その脚本のあまりの出来にあ然とする。客観的に見たことで、恋愛脳な脚本を作ってしまったことを自覚し、明照の狙いどおりスランプを脱することに成功する。
関連作品
小説
本作『友達の妹が俺にだけウザい』は、三河ごーすとの小説『友達の妹が俺にだけウザい』を原作としている。SBクリエイティブ「GA文庫」から刊行され、イラストはトマリが担当している。卓越した才能を持ちつつも、それぞれの事情から社会に馴染(なじ)めないクリエイター集団「5階同盟」が、恋や青春をしながら夢を目指す姿を描いている。
テレビアニメ
2021年1月に、本作『友達の妹が俺にだけウザい』の原作小説版『友達の妹が俺にだけウザい』のテレビアニメ化が発表された。キャストは、大星明照を石谷春貴、小日向彩羽を鈴代紗弓、月ノ森真白を楠木ともりが演じる。
登場人物・キャラクター
大星 明照 (おおぼし あきてる)
とある高校に通う2年生の男子。冴(さ)えない顔立ちをした影の薄い少年ながら、効率を何より愛する「効率厨」で、無駄なことを極端に嫌い、最小限の労力で目的を果たそうとする。影の薄さからまともな同性の友人は小日向乙馬しかいないが、人間関係の希薄さも効率追求に便利だからと前向きにとらえている。小日向家のとなりの「502号室」で暮らしている。乙馬の妹、小日向彩羽から好意を寄せられているが、彩羽はふだんうざ絡みしているため、好意を寄せられいることには気づいていない。実は学生活動の傍ら、創作活動集団「5階同盟」の実質的なリーダーを務める「AKI」として活動している。自分には誇れるような特技は何もないと思っており、みんなのサポートができる立場に就くことで、仲間たちの力を引き出している。効率を求めるあまり、過去に「人の心がない」と言われたのがトラウマとなり、仲間たちに対しても一歩引いた立場を取るところがある。一方で、目的を果たすためには全力を尽くすタイプで、5階同盟としての目的も結果的に仲間たちのためになると信じている。月ノ森真琴とは伯父の関係で、そのツテを使って、難しい事情を抱える5階同盟のメンバーを、丸ごとハニーブレイズワークスに雇ってもらうことを目論んでいる。しかしその交換条件として、真琴の娘である月ノ森真白のボディーガードをすることとなり、それを隠すために真白と偽の恋人関係となる。真白からは再会時に自分のミスで、彼女のあられもない姿を見たため嫌われており、塩対応で接せられる。真白の問題に真正面から向き合い、その解決に奔走するが、それも当初の目的を達成するのに真琴のご機嫌を取る部分が大きく、自分でも下心ありきの行動を最低だと思っている。新人ラノベ作家の「巻貝なまこ」の大ファンで、彼が書いた物語とあとがきに書いた理不尽な現実世界への反骨精神に共感している。ファンレターにダメ元で5階同盟へのスカウトをしたためて送った。なまこの正体に気づいていないが、信頼できる仲間として接している。
小日向 彩羽 (こひなた いろは)
大星明照と同じ高校に通う1年生の女子。小日向乙馬の妹。茶色の髪をセミロングヘアにしている。スタイル抜群で、容姿端麗。明るく人当りのいい性格から、「学校一の美少女」と人気を集めている。人前では優等生ぶっているが、兄の友人である明照にだけは思わせぶりな態度を取っては興味を引こうとする、うざ絡みをしている。明照のとなりの「503号室」で暮らしをしているが、明照が兄に渡した合鍵を勝手に使って、明照の部屋に入り浸っている。5階同盟には名前を伏せ、謎の声優として所属している。実は素人ながら変幻自在な声色と、類まれな演技力を持ち、たった一人で「黒き仔山羊の鳴く夜に」のキャラクター全員の声を担当している。ゲームユーザーたちからは、複数の声優が担当していると思われているほど、演じ分けをみごとに行い、その演技力の高さを見せた。ただ親の教育方針から、芸能やテレビにかかわるものを避けられているため、名前を隠して声優活動は秘密にしている。親の事情は知らないが、薄々何があったか察している。小さい頃に、ごっこ遊びをしているうちに演技に夢中になり、次第にプロの声優になることを夢見るようになる。親と夢の板挟みになって苦しんでいたが、明照が夢を後押ししたことで、声優を志すのを決める。声優の道を歩ませてくれたことに感謝しており、ふだんはうざ絡みしているが内心では彼を一途に思い続けている。学校での優等生然とした姿も演じている部分があり、明照にうざ絡みしている方が「本当の自分」と思っている。
月ノ森 真白 (つきのもり ましろ)
大星明照と同じ高校に通う2年生の女子。真っ白な髪をボブカットヘアにし、前髪を右目が隠れるようにセットしている。月ノ森真琴の娘で、明照とはいとこ同士。明照とは幼い頃からの知り合いで、憎からず思っていたが、最悪な形で再会したため、明照への好感度が一気に低下した。それ以降、明照に対してはあからさまな塩対応で接している。名門と知られるお嬢様学校に通っていたが、いじめに遭って不登校となっていた。そのため、明照の学校に転校することとなり、明照が真琴との取引の結果、表向きは明照と付き合うこととなる。もともとおとなしい性格のうえに、いじめを受けたことがトラウマとなっており、積極的に人と接することができない。嫌われるのを恐れて人付き合いすることに壁を作り、転校してからは明照と同じマンションの「501号室」に引っ越して来るが、ご近所付き合いもほとんどできずにいた。しかし、明照と小日向彩羽に接することで過去のトラウマを乗り越え、勇気を出して彼らとの関係に一歩踏み込んでいく。実は明照たちですら気づいていないが、その正体は5階同盟の一人である「巻貝なまこ」その人。3年ほど前にUZA文庫の新人賞で大賞を受賞した超大型新人作家で、受賞作はシリーズ累計300万部超えの大ヒットを記録している。ただし小説家として活動していることは周囲に秘密にしているうえに、その小説をクラスメイトにバカにされたことがきっかけで心に深い傷を負ってしまう。明照からファンレターが届いたのはそんな傷心の真っただ中で、彼の言葉に心癒されたため、5階同盟への勧誘を受けた。5階同盟の仲間を気の合う仲間と思っているが、正体を表に出す勇気を持てず、彼らに対しては「社会人の男性」として接している。一人称もふだんは「真白」だが、なまこの時は「オレ」を使い、電話もボイスチェンジャーを使うという徹底ぶりで、明照たちはその正体に気づかずにいる。ふだんは明照に対して塩対応なのも、実は照れ隠しな部分が大きく、内心では彼に対して強い愛情を抱いている。
小日向 乙馬 (こひなた おづま)
大星明照と同じ高校に通う2年生の男子。小日向彩羽の兄。爽やかな雰囲気を漂わせた美少年で、才気にあふれつつも人当りがよく、男女問わず非常に人気がある。明照とはお互いを唯一無二の親友として認めている。5階同盟にはプログラマー「OZ」の名で所属しており、明照からは「オズ」の愛称で呼ばれる。小学校時代、数学オリンピックで圧倒的な成績を叩(たた)き出した天才で、プログラムにおいても圧倒的な計算能力と発想を見せつける。一方で明照と出会うまでは、その能力を持て余し気味で、高すぎる自分の能力を「病気」と嫌っていた。現在はゲームのプログラム作りが肌に合っていたようで、5階同盟での活動を楽しんでいる。また、ラブコメの主人公ばりに女性にモテるが、頭がよすぎるため、一部の人間としか満足にコミュニケーションが取れないという欠点がある。そのため不特定多数の人間と接するのに苦痛を感じており、恋愛に興味がなく、趣味のプログラム作りに没頭している。
影石 菫 (かげいし すみれ)
大星明照の通う高校の教師を務める女性。明照のクラスの担任でもある。年齢は25歳。菫色の髪をストレートロングに伸ばした美女ながら、眼光が鋭く、厳格な雰囲気を漂わせている。当初はクールビューティーとして人気を集めたが、その冷酷ともいえる指導姿勢と毒舌から、生徒たちからは「猛毒の女王」と評され恐れられている。実は裏では「紫式部」のペンネームで同人活動をしており、アニメや漫画が大好き。美少年と女性の絡みが特に好きな変態で、明照からは「おねショタ作家」呼ばわりされている。ふだんの冷酷な女王然とした態度は、一応、クラスの秩序を守るため、わざときつめのキャラクターをロールプレイしているが、若干楽しんでやっている節もある。ただし、本性はかなりルーズであるため、教師で説教した内容はほぼ自分にブーメランとして返ってきている。イラストレーターを探していた明照に偶然、同人活動がバレ、秘密にするのと引き換えに5階同盟に入る。なんだかんだで5階同盟の活動を楽しんでいるが、一度も締め切りを守らないため、明照に毎回怒られている。演劇部部長の影石翠は妹で、演劇部の顧問を務めている。イラストレーターとしての腕は天性のもので、圧倒的な描画能力を持つ。しかし実家が教師一家であるため、教師の道に進まざるを得ず、創作活動をしているのを家族にも秘密にしている。
音井 (おとい)
大星明照と同じ高校に通う2年生の女子。頭にバンダナを巻き、制服を着崩しているダウナー系な雰囲気を漂わせている。気まぐれな性格で、語尾を伸ばす特徴的なしゃべり方をする。学生ながら個人で音楽スタジオを作り、音楽制作の仕事を引き受けている。明照と同じ学校に通っており、5階同盟のゲーム制作にも協力している。5階同盟とはあくまで協力関係で、正式に所属していないため、気分によっては彼らの仕事を断る。そのため明照はご機嫌取りのために、仕事の際には毎回、好物のチュパドロ(飴)と高級スイーツをチップとして渡している。気分屋だが仕事に関してはプロ意識が高く、自負するほどに耳がいい。しかし耳がいいだけに、自分に演奏家や歌手になる才能がないことを痛感している。それでも音楽への夢を捨てられず、音楽制作という形で音楽にかかわるのを選んだ。それだけに小日向彩羽の才能に惚(ほ)れこんでおり、彩羽の事情を知り、彼女の正体を隠すのにも協力している。一方で彩羽がスランプに陥った際には、怒りつつも明照にアドバイスし、彼らの関係改善に一役買っている。
影石 翠 (かげいし みどり)
大星明照と同じ高校に通う2年生の女子。影石菫の妹。翡翠(ひすい)色の髪をポニーテールにし、快活な雰囲気を身にまとっている。首席入学して以来、全教科で学年首位を取り続けている秀才中の秀才。演劇部の部長を務めており、成績優秀で品行方正なため、教師からの信頼も厚く、部員たちからも慕われている。ただし、努力家ながら演劇ではその努力が実を結んでおらず、とんでもない大根役者。部員たちも同レベルで、まともな演劇の体を成していない。菫は生徒の自主性に任せるという大義名分で部活を放任していたが、なんの実績も残せず、気づけば廃部寸前となっていたため、菫は慌てて演劇部の立て直しのため、影石翠と明照を引き合わせた。明照を敏腕プロデューサーとして紹介されるが、信用しておらず、彼を敵視する。また、潔癖症なのを変にこじらせてむっつりスケベと化しており、男女の関係を妙に勘繰っては、勝手に妄想にひたるという悪癖がある。姉を尊敬しているが、彼女の裏の顔は知らないため、変に妄想をこじらせる姿は姉妹でそっくり。姉が酔っぱらった姿を見た際には、そのあまりの豹変っぷりに同一人物だと気づかなかった。当初はまともに演技ができなかったが、小日向彩羽の演技指導によって着々と成長し、それに伴って明照への態度も軟化していく。演劇大会本番では人命にかかわるレベルのトラブルに立て続けに遭遇という不運に見舞われ欠席。明照と仲間たちに謝罪しつつ、劇の代役をお願いした。
月ノ森 真琴 (つきのもり まこと)
大手エンターテイメント企業「ハニーブレイズワークス」の社長を務める男性。月ノ森真白の父親で、大星明照の伯父。ヒゲを生やしたダンディな中年紳士で、軽い態度が目立つが、経営者としては優秀。大手企業をまとめる切れ者として業界にも名が通っている。明照の5階同盟を無試験、無面接、無条件でハニーブレイズワークスに雇うという交渉を持ち掛けられる。5階同盟の実力は認めるが、その条件と引き換えに、娘の真白の転校のサポートを依頼した。親バカで、娘に悪い虫が付かないように、明照に真白の偽彼氏になるように命じている。また偽の恋人になることを命じつつ、明照に本気になるなと脅しを掛けている。しかし娘を大事にしつつも、気に入った女性をナンパするなど節操がない。一方で仕事に関しては非常に鋭く、「黒き仔山羊の鳴く夜に」の声優が一人であることも見抜いている。
天地 乙羽 (あまち ひなた)
世界的に有名なゲーム会社「天地堂」の社長を務める女性。小日向彩羽と小日向乙馬の母親で、本名は「小日向乙羽」。結婚前から仕事上で名をはせた業界人であるため、結婚後も仕事では「天地」の旧姓を名乗っている。彩羽に似た容姿の妙齢の美女で、上品な身なりをしている。天地堂はもともとコンシューマ系のゲームでシェアを獲得していたゲーム会社だったが、スマホの普及に伴って凋落(ちょうらく)する。しかし、天地乙羽が新社長に就任してからはその辣腕で会社に改革を行い、一気に業績を回復させた。だが、そのやり方は業績のみを追求した無機質なもので、自分でも「つまらない仕事」と評価を下し、会社のクリエイターたちからもその手腕は嫌われている。大星明照と同じく効率厨だが、自分の仕事や作品に愛着を持っているか否かが最大のスタンスの違いになっている。自分の仕事になんの誇りも持っていないため、子供たちにも仕事に関して話していない。また、子供たちが娯楽関係の仕事に興味を持つのを快く思っておらず、テレビや芸能関係のものを家に置かないようにしている。ビジネスでは張り付けたような笑みを浮かべ、淡々と仕事をこなすが、素の性格は彩羽と同じで、プライベートで見せるその独特のうざ絡みは彩羽とそっくり。
集団・組織
5階同盟 (ごかいどうめい)
謎のクリエイター集団。ネット上で活動するアマチュアサークルで、彼らが作ったゲーム「黒き仔山羊が鳴く夜に」は口コミだけで100万ダウンロードを達成するヒット作となっている。メンバーはプロデューサー兼ディレクターの「AKI」こと大星明照をリーダーに、シナリオ担当の超大型新人ラノベ作家「巻貝なまこ」、プロ顔負けのデザインセンスを持つイラストレーター「紫式部」、天才プログラマーの「OZ」で構成されている。また、本人の希望でゲームのキャラクターに声を当てている声優はクレジットを拒否しており、正体不明の声優が所属しているとされる。
クレジット
- 原作
-
三河 ごーすと
- キャラクター原案
-
トマリ
書誌情報
友達の妹が俺にだけウザい 8巻 スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックスUP!〉
第1巻
(2020-08-06発行、 978-4757567542)
第2巻
(2020-11-07発行、 978-4757569294)
第3巻
(2021-06-07発行、 978-4757572980)
第4巻
(2022-01-07発行、 978-4757575509)
第5巻
(2022-07-07発行、 978-4757580114)
第6巻
(2023-02-07発行、 978-4757583887)
第7巻
(2023-09-07発行、 978-4757587700)
第8巻
(2024-07-05発行、 978-4757592889)