口が裂けても君には

口が裂けても君には

梶本あかりの代表作。人間と同棲することになってしまった消滅寸前の口裂け女・みろくと、彼女の婚約者となった茶乃紅一が織りなす婚約生活を描いた日常系ホラーラブコメディ。現代日本が舞台で、口裂け女をはじめとする逸話・怪異・都市伝説を題材にしている。人々から存在を忘れられた怪異は力を失い、最終的には消滅したり、逸話を管理する人間たちがいたりと、独特の世界観をもとに、逸話から生まれた怪異と人間のあいだに生まれる恋愛模様が、ホラーとファンタジー要素を交えながらもコミカルに展開される。集英社「少年ジャンプ+」で2020年11月10日から連載。

正式名称
口が裂けても君には
ふりがな
くちがさけてもきみには
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊11巻
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怪異が人間に管理される現代社会

舞台となるのは、怪異を管理する人間たちが存在する現代日本。怪異とは、逸話や都市伝説から生まれた人ならざるものの総称だが、人々に認知および記憶されているかどうかは怪異の力によるところが大きい。このため、人々から忘れられた怪異は力を失っていき、中には消滅してしまうものもいる。逸話を管理することで古くから怪異に影響を与えている人間も存在し、その一族「茶乃家」の現当主の高校生と、逸話から生まれた口の裂けた女性が、本作の主人公とヒロインとして登場する。

茶乃家の少年と婚約を交わした怪異の王道ラブコメ

人々に忘れ去られた口裂け女・みろくが、男子高校生の茶乃紅一と出会い、失った力を取り戻すために婚約を交わしたことから物語が始まる。なぜか結婚に乗り気の紅一は、さまざまなアプローチを仕掛け、人間にとっては恐怖の対象であるはずのみろくは翻弄され続ける。そんな二人の日常と恋愛模様が、ホラーや和風ファンタジーを交えながら展開される。また、実は以前にみろくと出会っていた紅一の過去や、謎の多い茶乃家の秘密も物語が進むにつれて明らかになる。

恋に落としたいイケメン×恐怖に落としたい口裂け女

ヒロインのみろくはかつて「逸話モノの女王」と呼ばれるほどの力を持っていたが、現在は人々から忘れ去られ、存在そのものが危うくなっている。みろくは何とかして口裂け女の存在と威厳をこの世に知らしめるべく、茶乃紅一との婚約を交わすが、一つだけ条件を申し出る。それは一年以内に一度でも紅一を怖がらせることができたら、婚約を解消するというものだった。だが、みろくは紅一を恐怖に陥れようと試行錯誤するもののうまくいかず、結局は振り回されることとなる。一方、紅一は幼少期から怪異を認識していたため、みろくをまったく怖がらないどころか、彼女を褒め称えて愛を囁いている。恐怖に落としたいみろくと、恋に落としたい紅一の攻防も本作の見どころとなっている。

登場人物・キャラクター

茶乃 紅一 (さの こういち)

男子高校生で、クールな性格で大人っぽい雰囲気を漂わせた美少年。年齢は17歳。怪異などの逸話を代々管理している人間の一族「茶乃家」の現当主であり、口裂け女のみろくと婚約を交わすことで、彼女が存在を保つことに協力している。この際に、みろくが茶乃紅一自身を一度でも怖がらせることができれば、婚約を解消するという条件を提示した。

みろく

時代の変化により、力を失ってしまった口の裂けた女性。昔は長い黒髪に透き通るような白い肌と美しい顔を持ち、耳までいびつに裂けた口で、老若男女その名を知らない者はいなかったほどの都市伝説。しかし現在は、口裂け女の伝説が人々の記憶や噂話から薄れてしまったため、その存在が危うくなっている。そのため、自分の存在感の保持と力を取り戻す目的で茶乃紅一と婚約を交わすが、予想外のアプローチをしてくる紅一に翻弄されている。

書誌情報

口が裂けても君には 11巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2021-03-04発行、 978-4088826196)

第6巻

(2022-08-04発行、 978-4088831695)

第7巻

(2022-12-02発行、 978-4088833590)

第8巻

(2023-03-03発行、 978-4088834771)

第9巻

(2023-07-04発行、 978-4088836294)

第10巻

(2023-11-02発行、 978-4088837413)

第11巻

(2024-04-04発行、 978-4088837611)

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