古代戦士ハニワット

古代戦士ハニワット

長野県長野善光寺市に突如現れ、町を破壊し始めた謎の土偶「ドグーン」の進撃を止めるべく、土の鎧を身にまとう「埴輪土」が立ち上がる。往年の特撮ヒーローの戦いを思わせる超古代伝奇ヒーロー伝で、作中には『仮面ライダー』や『ゴジラ』などの特撮作品のオマージュが散りばめられている。「漫画アクション」で2018年7月17号から連載の作品。

正式名称
古代戦士ハニワット
ふりがな
こだいせんしはにわっと
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
バトル
レーベル
アクションコミックス(双葉社)
巻数
既刊10巻
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あらすじ

真具土、現前す(第1巻~第3巻)

ある日、長野県長野善光寺市に謎の土偶「ドグーン」が出現した。邪魔するものすべてを破壊して、ただひたすらに移動するドグーンに町は大混乱。町の有志が押しとどめようとするが、圧倒的な力を持つドグーンの反撃で次々と死に、犠牲者が増えていた。ドグーンが町で暴れ回っているのを知ったは、柔里玉池コトを連れ、ドグーン対策のために戸隠神宮に向かう。戸隠神宮では各地でドグーンが現れて以降、ひそかにその対策の準備が進められていた。埴輪徒である仁は、儀式を行って「埴輪土」に己の魂をより憑(うつ)し、ドグーンと対峙。ドグーンを鎮めるための「蚩尤(しゆう)収め」の儀式を始める。しかし、仁の力はドグーンには通じず、仁はドグーンに完膚なきまで叩きのめされるのだった。埴輪土の損傷はそのまま埴輪徒へと伝わるため、仁は大ケガを負って戦闘不能となってしまう。一方、埴輪土に勝利したドグーンは受けた損傷を即座に再生し、再び町を破壊しながら移動を開始。仁が敗れたことで、ヤヨイ・オグナ真具土の埴輪徒である久那戸凛を戸隠神宮に派遣する。真具土の埴輪徒である凛は、柔里や戸隠神宮の者たちと共に準備を整え、ドグーンとの戦いに赴く。

登場人物・キャラクター

久那戸 凛 (くなと りん)

涼しげな風貌の青年。真具土の埴輪徒で島根の美保神宮にいたが、仁が敗れたドグーンに対処するため、長野県に派遣される。謎が多く、かつては玉池コトの先輩で「日向凛」と名乗っていたが、なんらかの事情で名前を変えている。柔里との出会いやコトとの再会になんらかの運命じみたものを感じており、コトを「蚩尤(しゆう)収め」の同行者に指名している。

柔里 (ゆり)

権宮司の娘で、美努内(みのち)の巫女。黒い髪を長く伸ばし、神事の際には長い髪を結んでひとまとめにしている。仁とは兄妹同然に育った仲で、「蚩尤(しゆう)収め」の儀式では巫女として仁の手伝いを行う。また仁には幼なじみ以上の恋心を抱いており、玉池コトからも仁との恋を応援されているが、一歩を踏み出せずにいる。長野に現れたドグーンに、仁と共に蚩尤収めをするが失敗。その後、久那戸凛の主巫女に選ばれ、とまどいつつもその役目をまっとうする。

玉池 コト (たまいけ こと)

神道学部の史学科に在籍する女子大学生。おかっぱ頭で眼鏡を掛けており、小柄なために年齢より幼く見られがち。明るい性格ながら好奇心旺盛で、古代史やオカルト関係の情報にはかなり詳しい。4年前、東日本古代史研究会に姉の玉池クスと共に所属していたが、合宿中の事故で姉を失った。事故の際には離れた場所にいたため、玉池コト自身は難を逃れたが、その際にドグーンの姿を目撃。それ以降、事件の真相を探るべくオカルト関係の情報を集めている。久那戸凛は研究会時代の先輩で、再会に運命を感じた凛に「蚩尤(しゆう)収め」を見届ける役割を課せられる。

(じん)

布留(ふる)の埴輪徒の役目を担う青年で、野性味のある風貌をしている。休みの日にたまたま長野県のドグーンの出現に居合わせ、避難を呼びかける。あえてデマを交えた情報を流し、住民の危機感をあおって避難を迅速に行わせるなど、臨機応変な対応をする行動派。クマリを主巫女とし、「蚩尤(しゆう)収め」の際には彼女の力を借り、仮具土の埴輪土となる。埴輪土となって長野のドグーンと戦うが敗北。埴輪土は壊され、仁自身も大ケガを負ってしまう。

ヤヨイ・オグナ

謎の青年で、黒い髪を肩まで伸ばした美丈夫。「弥生縄」とも呼ばれる。戸隠神宮にドグーン対策の指示を出しており、仁が敗れたあと、久那戸凛の長野派遣を決定。自らも凛と共に長野を訪れる。真具土に近い性質を持っており、若々しい見た目をしているが、その齢は70歳を超えるとされる。戦前から各地に目撃情報があるため、オカルト界隈では「不老不死の美青年」という都市伝説でその存在を語られている。

権宮司 (ごんぐうじ)

戸隠神宮の権宮司を務める高齢の男性。柔里の実父。ドグーン対策チームの長を務め、ヤヨイ・オグナの指示を受けつつ、仁たちの指揮を執る。ドグーンに関しては多くを知らないため、背負うべき責任と重圧に苦しんでいる。

その他キーワード

ドグーン

謎の怪物で、巨大な土偶のような姿をしている。「ドグーン」は便宜上のコードネームのようなもので、戸隠神宮の者からは「蚩尤(しゆう)」と呼ばれる。複数存在し、静岡や熊野にもかつて出没していた。権宮司たちが関連する古文献や口伝を解読中だが、解読が遅々として進んでいないため、その目的および能力などの詳細は不明な部分が多い。現在、ドグーンは複数のタイプが存在することがわかっており、「剣技型」や「光撃型」と呼ばれるものが確認されている。長野県長野善光寺市に出現したドグーンは、変形してタイプを変える新種のタイプだったため「自在型」と呼ばれるようになる。ドグーンは埴輪土を用いた特殊祭祀を行って鎮める必要があり、その祭事は「蚩尤収め」と呼ばれる。

真具土 (まぐづち)

伽耶系オグナの持つ秘法。特殊神事で埴輪徒の魂を土くれにより憑(うつ)す「仮具土(かぐづち)」の埴輪土に対して、最初から土くれの体を持つのが真具土の埴輪徒とされる。ふだんは人間の姿に擬態しており、人間時は飲食や排泄が可能で、人間と同じ生活ができる。その一方で真具土の埴輪徒は年を取ることがなく、真具土と同じ性質の肉体を持つヤヨイ・オグナも若々しい外見で70歳を超えるとされる。特殊神事を行うことで、変身して本来の埴輪土神としての姿に戻ることができる。神事を行わなくても単独で変身そのものは可能だが、その場合、気力体力を大幅に消耗してしまう。戦闘では真具土の埴輪徒の体には九つの硬玉が埋め込まれており、それぞれの玉にある神霊の力を引き出して戦う。ただし、神霊の力を引き出すためには相応の力が必要なため、万全を期すためにも神事による変身は必要となっている。

埴輪土 (はにわど)

ドグーンを鎮めるための儀式で使う土の鎧。選ばれた埴輪徒の魂を土の鎧「埴輪土」により憑(うつ)すことで、埴輪徒の魂は埴輪土と一体化し、その土の体を自在に動かせる。埴輪土としての姿は鎧をまとった戦士の人間大の姿をしており、「埴輪土神」とも呼ばれる。埴輪土を使う儀式は「特殊祭祀」と呼ばれ、埴輪徒と巫女が行う特別な儀式とされている。埴輪土は複数存在しているが、ほとんどは「仮具土(かぐづち)」の埴輪土で、仮具土の埴輪土で対応できないと判断された場合、最後の手段として真具土の埴輪徒が派遣される決まりとなっている。

書誌情報

古代戦士ハニワット 10巻 双葉社〈アクションコミックス〉

第9巻

(2022-06-28発行、 978-4575857313)

第10巻

(2023-01-26発行、 978-4575858068)

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