破壊魔定光

平行宇宙論をテーマに、主人公椿定光がエイリアンである流刑体と戦う様子や、その数奇な運命を描くSF作品。中平正彦の代表作。

概要・あらすじ

ひょんなことから随行体と呼ばれるデータ生命体通称ポンコツと出会った不良高校生の椿定光は、ポンコツと共に地球に飛来する凶悪なエイリアン流刑体たちと戦うはめに。しかし、流刑体との戦いを通して、定光は自分の出生にまつわる秘密と、その運命を知ることになるのだった。

登場人物・キャラクター

椿 定光 (つばき さだみつ)

不良グループ尸會に所属して日々喧嘩に明け暮れている不良高校生。偶然流刑体を追いかけてきた電子生命体ポンコツと出会い、破損したポンコツの体「ユマノイドデバイス」に変わってポンコツを着装し、流刑体と戦うことになる。戦いの中で完全な予知能力に目覚め始めるが、それが数多の可能性からなる平行宇宙を崩壊させる要因となっており、破壊魔定光という呼び名はそこから付けられている。 地球に流刑体が送られるのは、崩壊の原因となっている自分を倒すためであり、戦うことに苦悩を覚え始めるが、平行宇宙から来た自分の母親神代やよいの危機もあり、平行宇宙を救いながらも自分の住む宇宙を助けるための方法を探すために、迷いを捨てて戦いを続ける。 父親から武術を教わり、日常的に喧嘩を続けていたこともあって、木刀などを用いた接近戦等は得意だが、射撃にはまるで才能がない。神代やよいが自分の母親であることに戸惑いながらも、次第に恋愛感情を持ち始めていく。

ポンコツ

自分たちをディジットと名乗る電子生命体であり、ヘルメットのような頭部ユニットに収められたデータがその本体。「ユマノイドデバイス」という体を持ち、流刑体を回収する任務で地球を訪れたが、「ユマノイドデバイス」が破損したことから椿定光の協力を求めることになる。ポンコツという名前はその際に定光によって名付けられた。 重力素子を操る技術を利用した武装や障壁を持ち、定光の戦闘をサポートするが、何度かの破損と改修によって装備や機能には変遷がある。冷静沈着で融通の効かない性格だが、定光と触れ合うことで次第に人間味を帯びた性格を持ち始める。

神代 やよい (かみしろ やよい)

椿定光の学校に突然転校してきた少女。ヴァルチャーと呼ばれる小型宇宙船を操り、高い戦闘能力を持つ。ポンコツと同じく流刑体を追っているが、「回収」ではなく「殺害」することが目的なので流刑体からは忌み嫌われている。その正体は、定光が過酷な運命にあることを、TFPによって知った定光の母親椿やよいが、定光を守るために生み出した平行宇宙から送りこまれた存在。 肉体的には椿やよいの17歳当時の姿と人格を持つ。しかし、次第に椿やよいからかけ離れていき、「変質」が始まってしまう。それを止めるべく定光と共に平行宇宙へ旅だった。

流刑体 (るけいたい)

『破壊魔定光』に登場するエイリアン。地球以外の惑星で重罪を犯して追放され、ディジットの管理の元、宇宙をさまよい続けている犯罪者たちの総称。軌道計算のミスにより、地球に二千万体の流刑体が降り注ぐことになった。個体ごとに出身の惑星が違うため、それぞれ異なった形態を持ち、性格も様々。殺戮や破壊活動を好むものもいれば、人間社会に適応するものもいる。 正体は平行宇宙に住む椿定光で、同一の宇宙に同一のものは存在できないという法則から「変質」を起こしている。数多の平行宇宙を崩壊へ導く、完全な予知能力者である椿定光を殺害するという目的があるが、全ての流刑体がその記憶を失っている。個別に活動していたが、物語中盤では結束し、流刑体王国として独立しようとし始める。

(てき)

学ラン姿と特攻服姿のふたりの椿定光。平行宇宙に存在する多くの椿定光たちが、精神だけ一同に介することができる空間チャットルームを取り仕切っている。平行宇宙の定光自身であるため、定光とそのものの姿をしている。平行宇宙の崩壊を止めるため、定光のいる宇宙に流刑体を送り込み、定光を殺害させようとしていた。 「変質」を防ぐため定光のいる宇宙には現れず、黒い木の根のようなものを介して流刑体たちを操ることで、直接定光に干渉しようとした。

天斬 (てんざん)

『破壊魔定光』に登場するエイリアン。巨大なサーフボードのような体を持つ。高速で空中を飛行する能力を持つが、航空事故を起こして流刑体に指定される。陽気な性格で特に悪人ではないが、地球に落ちた直後は敵に操られて暴走していた。それを椿定光に助けられたことで、定光の弟分になる。その後、定光の移動手段として活躍する。

丞炎 (じょうえん)

『破壊魔定光』に登場するエイリアン。人型の体を持つが、顔はエビにそっくり。地球に降りてからは大阪府警の刑事となり、椿定光やSATたちとともに流刑体王国との戦闘を行った。戦闘に長け、予知能力に頼りがちだった定光の格闘訓練を行う。たこ焼きが好物で、たこ焼き用の鉄板を首から吊るして持ち歩いている。

コオネ・ペーネミュンデ

ナチスの人体実験によって生み出された超能力少女。様々な超能力者から臓器移植を受けて生み出され、超能力を強化されている。ナチス崩壊後は計画がイギリスに引き継がれ、流刑体を体に移植されている。予知能力を持ち、自分が60年後出会う椿定光に恋をする。元々の人格はその後死亡しているが、定光と出会うために超能力を使って体の機能を保たせ続けており、肉体の成長は止まっている。 サイコキネシスや人体の修復、テレポーテーションなど、強力な超能力を持つ上、流刑体の肉体も身につけている。殺人を遊びのように教えられて育ち、最終的には流刑体対策のための生体兵器とされていたが、紆余曲折を経て自由の身となり、定光の父椿明信の養女となる。

ノウム・ペーネミュンデ

コオネ・ペーネミュンデと同じく、ナチスの人体実験によって生み出され、流刑体の体を移植された超能力者。CIAエージェントとしての呼び名狗隠は、移植された流刑体の名称である。ナチス崩壊後はCIAに所属しており、定光と対立することになる。コオネに好意を抱いており、コオネが予知能力で定光のことを知った時から定光に敵対心を抱いている。 そうした経緯から定光の母椿やよいの暗殺を実行した。自分の遺伝子をコントロールして、他の生物と融合する能力を持つ。それを利用して、予知能力によって「変質」を起こし始めた定光に成り代わり、コオネを手に入れようと目論む。

椿 定光【女】 (つばき さだみつ)

平行宇宙における椿定光のひとり。定光と同じ名前を持つが、性別は女でレディースをしている。流刑体のいない平行宇宙に暮らしていたが、平行宇宙の座標を示した書き置きをチャットルームを介してアノンから託されたために、敵から狙われることになる。

椿 定・光 (つばき じょう・ひかり)

平行宇宙における椿定光。双子の兄妹であり、敵の本来の姿。他人の精神のみを別の平行宇宙に飛ばす能力を持っており、平行宇宙の自分たちを定光のいる宇宙へ移動させ、流刑体へと転生させていた。平行宇宙の崩壊を止める方法が、TFPの実験以前に椿やよいを殺害することだとアノンから示され、椿やよいの処遇を巡って定光と対立する。 最初に登場した時は中学生であったが、その後TFP実験が行われる前の平行宇宙で定光たちと出会った際には、TFPの開発に時間がかかったことで20代になっている。

アノン

平行宇宙の椿定光のひとり。「チャットルーム」に我が物顔で出入りしていたことから敵によって「匿名」の意味を持つアノンと呼ばれている。自分の宇宙では天才的な物理学者であり、平行宇宙の崩壊を防ぐために独自に活動しているが、自分の住む平行宇宙は崩壊寸前になっている。女定光を介して椿定光と出会い、敵のいる平行宇宙の座標を定光に教え、また平行宇宙の崩壊を救う唯一の方法が椿やよいの殺害であると定光たちに伝えた。

椿 やよい (つばき やよい)

天才物理学者で、平行宇宙を観測する装置TFPの開発に成功し、自ら実験の被験者となる。その時には椿定光を妊娠していたが、実験が終わって定光を出産した数年後、交通事故に遭って死亡している。

その他キーワード

TFP

『破壊魔定光』に登場する計画。正式名称を「Time Fragmentation Project」と言い、重力素子を利用して数多にある平行宇宙を観測するという実験計画であり、その装置の名称としても使われている。物語後半では、この装置を利用することにより、他の平行宇宙へと移動することが可能になり、タイムマシン的に扱われるようにもなる。 またポンコツの出身地に当たる惑星では一般化された技術であり、ワープ航法を可能にする装置としても利用されている。

アニメ

破壊魔定光

河原でケンカしていた椿定光たちは、突如乱入してきた異形の流刑体ムザンに襲われる。ムザンを回収するために追ってきた随行体は、すきを突かれてボディをバラバラにされる。随行体に助力を求められた定光は、頭部だ... 関連ページ:破壊魔定光

書誌情報

破壊魔定光 全12巻 〈ヤングジャンプコミックス・ウルトラ〉 完結

第1巻

(2000年2月発行、 978-4088758893)

第2巻

(2000年5月発行、 978-4088760155)

第3巻

(2000年10月発行、 978-4088760803)

第4巻

(2001年3月発行、 978-4088761428)

第5巻

(2001年10月発行、 978-4088762111)

第6巻

(2002年8月発行、 978-4088763392)

第7巻

(2003年1月発行、 978-4088763958)

第8巻

(2003年8月発行、 978-4088764962)

第9巻

(2004年4月発行、 978-4088766027)

第10巻

(2004年10月発行、 978-4088766942)

第11巻

(2005年5月発行、 978-4088768038)

第12巻

(2005年12月発行、 978-4088770062)

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