君と100回目の恋

君と100回目の恋

2017年に公開された同名映画のコミカライズ作品。恋人の死の運命を回避するために時間を戻し続ける青年と、そんな彼と共に同じ時間を生きようとする恋人の物語。「週刊ヤングジャンプ」2016年22・23合併号から2017年10号にかけて連載された。

正式名称
君と100回目の恋
ふりがな
きみとひゃっかいめのこい
原作者
Chocolate Records
漫画
ジャンル
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あらすじ

第1巻

大学生の日向葵海は、幼なじみの長谷川陸達と共にバンド「ストロボスコープ」を結成し、夏祭りでのライブに向けて練習を重ねていた。葵海は幼い頃から陸に対して思いを寄せていたが、なぜか最近陸の態度がそっけない事に心配していた。その矢先、葵海はバンド仲間の松田直哉から告白される。直哉の気持ちにまったく気づいていなかった葵海は大きく取り乱し、そのうえ友人の相良里奈が直哉の事を好きだという事を知ってさらに動揺する。まともではない精神状態のままで、夏祭りのライブに臨んだ葵海だったがまるで演奏ができず、葵海はその場を逃げ出してしまう。その直後、葵海はトラックにはねられて命を落とす。次に葵海が気がついた時、どういうわけか夏祭りの1週間前に戻っていた。驚く葵海の前に陸が現れ、彼女の身になにが起こっているのかを語り出す。

第2巻

夏祭りの日に一度は死んだはずの日向葵海は、気がついたら夏祭りの1週間前に戻っていた。そんな葵海に長谷川陸は「時を戻すレコード」の存在を教え、何度も過去に戻って葵海の死を回避しようとしていた事を話す。にわかには信じられない葵海だったが、実際に陸と共に「時を戻すレコード」を使って過去に戻った事で陸がこれまで自分を守って来た事を知る。なぜ自分を守っていたのかと尋ねる葵海に対して陸は、葵海が好きだからと答え、葵海もまた陸の気持ちに応えて二人は付き合う事になった。「時を戻すレコード」でさらに1年前に戻った葵海と陸は、そのあいだに互いの絆を深めていく。それから時は流れ、葵海が死んだ夏祭りの日がやって来た。実は陸は葵海が夏祭りの日に命を落とす瞬間を何度も見ており、葵海を救うために何度もやり直して来たのだった。そして夏祭りの日、葵海から離れず過ごした陸だったが、そんな彼の願いも虚しく葵海は突如心不全に陥り彼の目の前で命を落とす。

第3巻

夏祭りの日、長谷川陸の前で死亡した日向葵海は、「時を戻すレコード」によって再び死ぬ1週間前に戻って来る。だが葵海が死ぬ運命を変える事ができない陸は焦りを募らせていた。それでも葵海が死ぬ事を回避するための方法を考え続ける陸だったが、答えが出ないまま時間だけが過ぎていく。葵海は陸が自分が死ぬ瞬間を何度も見ており、そのたびに時を戻していた事に気づき、陸のもとへと走る。陸から改めて自分に対する気持ちを聞かされた葵海は、「時を戻すレコード」を壊し、もう二度と時を戻れないようにする。理由を尋ねる陸に対して葵海は、これまで自分が生きてきた時間は大切なものであり、二度と戻らないから尊いのだと答える。そして迎えた夏祭りの日、陸は葵海を助けたいという気持ちに区切りをつけ、彼女の死の運命を受け入れるのだった。

登場人物・キャラクター

日向 葵海 (ひなた あおい)

イギリスへの留学を控えた女子大学生。長谷川陸達と共にバンド「ストロボスコープ」を結成している。陸とは幼なじみであり、子供の頃から思いを寄せていた。バンド仲間の松田直哉に告白されために取り乱してしまい、交通事故に遭い死亡する。しかしその直後死ぬ1週間前に戻り、同じ時を何度も繰り返している事に気づく。歌唱力に優れ、バンドではボーカルを担当している。

長谷川 陸 (はせがわ りく)

日向葵海と同じ大学に通う男子大学生。つねに他人に対して隙を見せる事がなく、トラブルが発生してもそれを事前に知っていたかのような行動を見せる。実は「時を戻すレコード」を所有しており、それによって何度も時を戻していた。夏祭りの日に葵海が死ぬ事を知り、時を戻して葵海を助けようとするが何度戻しても葵海が死ぬ運命を変える事ができずにいる。バンドではギターを担当している。

松田 直哉 (まつだ なおや)

日向葵海と同じ大学に通う男子大学生。不器用だが真っ直ぐな熱血漢であり、葵海に対して思いを寄せていた。葵海が長谷川陸の事を好きだという事実を知りながらも、彼女に告白するが結果的にバンドの内部分裂を引き起こしてしまう。過去に戻ったあとは、同じ大学に通う相良里奈といい関係になり、葵海と陸の恋を応援する側へと回る。バンドではベースを担当している。

中村 鉄太 (なかむら てつた)

日向葵海と同じ大学に通う男子大学生。葵海や長谷川陸とは同じ学年ながら大人びた性格で、周囲からも「鉄太君」と君付けで呼ばれている。バンドの中ではドラムを担当しており、メンバーの抑え役として頼りにされている。葵海の陸に対する思いや、松田直哉が葵海の事を好きだという事を彼らの持つ空気から察するなど洞察力にも優れており、彼らのためにできる事はないかをつねに考える仲間思いの性格。

相良 里奈 (さがら りな)

日向葵海と同じ大学に通う女子大学生。葵海の友人だが葵海達のバンドには参加しておらず、美術部としてバンドの広告や看板などを制作している。松田直哉の事が好きで、直哉が葵海に対して告白した際には自分を選んでもらえなかった不満を葵海にぶつける。過去に戻った世界では直哉に告白し、その気持ちを受け入れた直哉と付き合うようになる。

長谷川 俊太郎 (はせがわ しゅんたろう)

長谷川陸の叔父。喫茶店を経営しており、陸を下宿させている。幼い陸にギターと「時を戻すレコード」の存在を教えた男性であり、自身もまた「時を戻すレコード」で何度も時間を戻していた。日向葵海の死ぬ運命を回避しようとする陸に対して、かつて自分も同じように好きな人を助けようとしていた事を語り、「先輩」として陸をいい方向へと導こうとする。

小原 遥 (おばら はるか)

日向葵海と同じ大学に通う女子大学生。物理学を専攻しており、葵海の死ぬ運命を変えるための方法を探す長谷川陸から物理学の観点からのアドバイスを求められる。当初は陸に対して好意的に接していたものの、陸があまりにもしつこいため次第に嫌悪感を抱くようになっていき、やがて陸の名前を聞いただけで露骨に嫌な表情をするようになる。

日向 裕斗 (ひなた ゆうと)

日向葵海の弟。口が悪く、葵海とはつねにケンカをしているが姉の事は気にかけており、ケンカをするのも姉にかまってほしい気持ちの裏返しでもある。外見にこだわりが強く、いいと思ったファッションや髪型はとりあえず何でも試してみたくなる性分。

その他キーワード

時を戻すレコード (ときをもどすれこーど)

長谷川俊太郎の家の物置にあった不思議なレコードで、音楽ではなく時間が記録されている。レコードプレイヤーにかけて回転を戻す事でかけた人の意識や記憶はそのままに時間を戻す事ができる。長谷川陸はこのレコードを利用して、日向葵海が死ぬ運命を回避しようと考える。

クレジット

原作

Chocolate Records

構成

イナバセリ

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