概要・あらすじ
高校入学を目前に控えていた黒田文治は、怪しげな人物からもらった飲み物を飲んだところ、猫に近づくと自分も猫になってしまうという不思議な体質になってしまった。これを理由に文治は不登校になってしまうが、秋を迎える頃には、ようやく学校に通うことができるようになる。そして学校で、猫になった文治をもとに戻すことのできる体質の持ち主である、皆川街香と出会う。
登場人物・キャラクター
黒田 文治 (くろだ ぶんじ)
高校1年生の男子。高校入学前の春、偶然出会った小埜柴太に飲まされた薬の影響によって、3メートル以内に猫が近付くと自分も黒猫になってしまう体質になった。放っておけばいずれもとに戻れるが、皆川街香ならば一瞬で猫になった文治をもとに戻すことができる。街香と関わるうちに、少しずつ恋愛感情を抱くようになっていく。自分を「Bunjy」と呼ぶ山田みけこのことは、嫌いではないまでも苦手に思っている。
皆川 街香 (みながわ まちか)
高校1年生の女子。黒田文治のクラスメイトでクラス委員を務めている。猫嫌いのオーラを発散しており、そのオーラによって猫になった文治をもとに戻すことができる能力を持つ。小埜柴太に想いを寄せていたが、告白の末あっけなく玉砕してしまう。
小埜 柴太 (おの しばた)
黒田文治の高校の男性教師で、担当は化学。年齢は不詳だが見た目は若い。親であり校長である小埜善之介のコネで教師をやっているが、普段の言動はマッドサイエンティストそのもの。主に人間を動物に変える薬品を作成しているが、もとに戻る手段や時間などはその時次第で、本人にもコントロールすることはできない。猫が大好きで、黒猫になった文治を懐かせようとするが、ことごとく失敗している。
小埜 弥太右衛門 (おの やたえもん)
高校1年生の男子。黒田文治のクラスメイトで、クラス委員を務めている。小埜柴太の弟だが、兄の奇行には手を焼いている。面倒見のいい性格で、主に猫となった文治のために色々な小物などを作成している。山田みけこのことが好きだが、本人にはまったく相手にされていない。
山田 みけこ (やまだ みけこ)
高校2年生の女子。校内の猫を管理する、ねこ委員会の委員長を務めている。黒田文治に一目惚れし、文治と同じ体質になろうと小埜柴太の作った薬を飲み、三毛猫に変身できる体質となる。文治とは違って自らの意思で猫に変身でき、いつでももとに戻ることができる。小埜柴太とは実は親が決めた許嫁同士だが、異性としては特に何とも思っていない。
来過 常朗 (らいか つねお)
高校1年生の男子。黒田文治のクラスメイトで、文治、小埜弥太右衛門と並んで3人組の友達グループを形成している。やや病的なほどの猫好きで、飼いたくなった猫を捕まえて連れ去るための「どこでもネコ拉致ぶくろ」なるものを持ち歩いている。
小埜 善之介 (おの ぜんのすけ)
黒田文治の通う学校の校長。小埜柴太、小埜弥太右衛門の父親。病的なまでの猫好きで、校長室に猫ドアを設けたりしている。柴太が問題児であることを昔から理解はしていたが、それでも割と好き放題にやらせているところがあり、問題解決の役には立たない困った人物。
おやぶん
黒田文治の通う学校の周囲を縄張りにしている、野良猫たちのボス。アビシニアンの血が混じったオス猫で、左頬にある傷が特徴。猫になった姿の山田みけこを好きになり、小埜柴太の作った薬によって、10分間だけ人間の姿になれる能力を得た。
その他キーワード
文治のいえ (ぶんじのいえ)
学校内に猫が多いせいですぐ猫に変身してしまう黒田文治のために、教室の片隅に設けられた段ボール製の猫ハウス。文治は自分の体質に悩んではいたものの、それはそれとしてクラスメイトに文治のいえを用意してもらったことについては喜んだ。のちにグレードアップし、ねこ用のテントが用意されるようになる。
持ち歩き制服ぶくろ (もちあるきせいふくぶくろ)
猫に変身するとその場で服が脱げ、人間の姿に戻る時は全裸になってしまっている黒田文治のために小埜弥太右衛門が作った、その名の通り制服を入れて持ち歩くための袋。猫の体でも、首から下げることで持ち運べるようになっている。のちに、携帯用おやつ袋というものも作られた。