概要・あらすじ
主人公の絃は小学4年生の女の子。高校2年生の千遥とは家が近所で、お互いの家を行き来するほど仲が良い幼なじみ。いじめっ子から守ってくれたり、宿題を見てくれたり、一緒に寝たりと、絃にとって千遥は優しいお兄ちゃんのような存在だった。乱暴な同級生男子とは違い、優しくて包容力のある千遥のことを、しだいに意識し始める絃。そんな中、治療できない重い病にかかっていた千遥は、治療薬が開発されるまで人工冬眠(コールドスリープ)することになる。絃が寂しい思いをしないか心配だと言い残し、眠りについた千遥。ショックから千遥に声をかけることも、自分から会いにいくこともできなかった絃は、弱く泣き虫な自分と決別し、強く誇れるような人物になって、千遥に再会することを決意する。
7年後、病気が完治し、千遥は長い眠りから目を醒ます。そこには眠る前の千遥と同じ歳に成長した17歳の絃がいた。小さい女の子を探しているという千遥に、自分がその女の子だと告白し、2人は再会を果たす。人工冬眠(コールドスリープ)により、成長が止まっていた千遥は、絃と同じクラスに復学し、新たに高校生活をスタートさせた。
登場人物・キャラクター
岩永 絃 (いわなが いと)
高校2年生の女の子。17歳。小学4年生の時に大好きだった幼なじみのお兄さん、日下千遥が病気のため、人工冬眠(コールドスリープ)してしまう。それまでは泣き虫で、か弱い女の子だったが、千遥が目を醒ましたときに、誇れるような強い自分になるため努力する。千遥が人工冬眠(コールドスリープ)している7年間、変わらず千遥を一途に思い続けていた。
日下 千遥 (くさか ちはる)
岩永絃の家の近所に住む幼なじみ。優しくて包容力があり、綺麗な男の子。高校2年生で17歳の時に、病気のため人工冬眠(コールドスリープ)し、7年後に目を醒ます。戸籍上は24歳だが、眠っている間、成長は止まっているため、身体も心も記憶も17歳の時のまま。絃のことは、守ってあげなくてはいけない大切な女の子だと思っている。 絃と同級生になった今も、小さい子を連れているように、人目を気にせず手をつないでしまう。
沖 弥太郎 (おき やたろう)
岩永絃の同級生で幼なじみの男の子。17歳の高校2年生。小学生時代は不器用で乱暴な男の子だった。当時は絃が好きなものの、ついいじわるをしてしまい、後悔するからやめておけ、と日下千遥から注意されていた。高校2年生になり、絃とは良い友人関係を築いている。絃が大好きな千遥が再び現れたので、絃を奪われるのではないかと危機感を感じている。
川井 (かわい)
日下千遥の1学年後輩の女の子。高校生の頃、自分から告白して、千遥と少しの間付き合っていた。千遥は病気で休学するから、と一度は断ったが、短い期間でも思い出が欲しいと食い下がり、付き合うことができた。行動力のあるハキハキとした女の子。23歳になった今は、結婚して旦那と1歳になる息子がいる。
樋口先生 (ひぐちせんせい)
岩永絃、日下千遥、沖弥太郎の担任の男性教諭。千遥の同級生で24歳。明るい性格で、千遥との再会を喜んでいる。戸籍上は24歳だが、中身はピチピチの17歳だから、と千遥のことを生徒に紹介する。
その他キーワード
人工冬眠 (こーるどすりーぷ)
カプセルの中で体温を下げて長い眠りにつくこと。眠っている間は歳をとらず、病気の進行も止められる。昔はSFの世界の話だったが、現在は実用化されて医療現場で役立っている。主に特効薬のない難病患者が人工冬眠して、新薬が開発されるのを待つために使用される。日下千遥も7年間人工冬眠して、新薬が開発されたため、病気が完治した。