概要・あらすじ
北海道札幌市にある、本・レンタルDVDの店「メビウス」インター店では、かつて2階にあった「炎プロダクション」も今は閉ざされて店の一部になっている。かつて多くの連載と格闘していた熱血漫画家の炎尾燃も、今は月刊連載1本に絞り、「メビウス」インター店の代表経営者となっていた。時代の流れもあってか、店はなかなか黒字展開に至らず、そろそろ店を閉めようかと考えていた矢先の、2018年9月6日。北海道胆振東部地震により、店の内部は壊滅状態になってしまう。借金をして新しく棚を揃え、スタッフとともに店を片付けていく炎尾。そのかいあって、ようやく復旧にこぎつけるが、客数が増えることもなく苦しい経営状態が続いてしまう。そんな中、漫画誌の編集長が、人気漫画家のワダチ充、覇王山豪将、ぽこ山ピューじを連れて応援にやってくる。巨匠たちに店の壁にラクガキをしてもらえば、お客さんが集まるだろうという計画だった。こうして完成した見事なラクガキを、炎尾はSNSで発信。するとそのSNSを見た、炎尾の宿敵の富士鷹ジュビロは「自分のいないところで、こんな楽しそうなことをするのは許さん」と激怒。飛行機で札幌市へと旅立つのであった。(第1話 メビウスより愛をこめて)
登場人物・キャラクター
炎尾 燃 (ほのお もゆる)
漫画家兼会社経営者の男性。北海道在住で、常にラグビーのヘッドギアを着用している。かつては多くの連載を抱えていたが、現在は月刊連載1本に絞り、漫画よりも家業(フランチャイズ事業・店舗経営)に時間を取られている。しかし、ひとたびペンを握れば、昔通り命がけで魂を燃やす熱血漫画家に変貌する。作者である島本和彦をモデルとしている。
富士鷹 ジュビロ (ふじたか じゅびろ)
人気漫画家の男性。炎尾燃の宿敵にして盟友で、オールバックのロングヘアーと無精髭(ひげ)、鼻の先に丸い玉をつけたピエロのような外見が特徴。炎尾に負けず劣らずの熱血漢で、常に読者と向き合い、ストーリー漫画家として自分の作品にベストを尽くすことを信条とする。実在の漫画家、藤田和日郎をモデルとしている。
前作
燃えよペン (もえよぺん)
熱血漫画家炎尾燃と、彼のプロダクションのアシスタント達が、命を賭けて、時に失敗もしながら作品を創りだす姿を描く、一話完結の連作短編。 関連ページ:燃えよペン
吼えろペン (ほえろぺん)
炎プロで常に〆切に追われる漫画家炎尾燃がアシスタント達と共に、編集者が持ちかける無理難題や降りかかるトラブルを乗り越えていく。『燃えよペン』の続編に当たるが、アシスタントの顔ぶれは一新されている。小学... 関連ページ:吼えろペン
新吼えろペン (しんほえろぺん)
漫画家である炎尾燃の執筆活動や彼の信念を、暑苦しさを感じさせる熱量で描いた『吼えろペン』の続編。主人公の炎尾は、作者の島本和彦がモデルで、彼の自伝のような作品。作中に出てくる編集者やアシスタントも、実... 関連ページ:新吼えろペン