燃えよペン

燃えよペン

熱血漫画家炎尾燃と、彼のプロダクションのアシスタント達が、命を賭けて、時に失敗もしながら作品を創りだす姿を描く、一話完結の連作短編。

正式名称
燃えよペン
ふりがな
もえよぺん
作者
ジャンル
作家・漫画家
レーベル
KADOKAWA
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

炎尾燃は月刊連載を三本持つ中堅漫画家。彼とアシスタント達が働く炎プロダクションでは熱血をテーマとする漫画が次々と生み出される。そんな炎プロダクションで、編集者の強引な要求、新人アシスタントの苦悩、創作の苦しみや徹夜続きといった漫画家ならではの戦いが次々と描かれる。

登場人物・キャラクター

炎尾 燃 (ほのお もゆる)

「熱血」を信条とする27歳の漫画家。常にラグビーのヘッドギアを着用している。普段の言動から熱い男で、納得いく作品のためには大切な物を破壊し恋人との関係を壊すことも辞さない。その反面、編集者に押し切られて無理なスケジュールを通す時など、熱い口調で屁理屈を唱え、アシスタント達を困らせることも多い。 作者である島本和彦自身の実体験や経歴がしばしば投影されるが、作者自身とは独立した人格として描かれている。

大野 暁子 (おーの きょうこ)

新人アシスタントとして炎プロダクションで働く女性。最初は描いた背景にリテイクを繰り返され、炎尾燃の熱血すぎる創作姿勢にうろたえるばかりだったが、次第に馴染んでいく。

森林 (もりばやし)

炎プロダクションのチーフアシスタントを勤める青年で、炎尾燃の新人時代から原稿描きを手伝っている。自らも漫画家を目指し作品を描いているが、芽が出ないでいた。しかし炎尾が火災で入院した際、連載の穴埋めとしてデビューを果たす。

うかつ 賢二 (うかつ けんじ)

炎尾燃と互いにライバル意識を持ち合う漫画家。『少年シンバ』で炎尾と同じ野球漫画の連載を始め、読者人気を競い合った。しかし、競争がエスカレートするうちにお互いが無理を重ね、共倒れのような形で双方同時に一年間の連載を終えた。実在の漫画家、中津賢二がモデル。

川中島 (かわなかじま)

梅書房が発行する『月刊少年シンバ』および『週刊少年シンバ』の編集者で、炎尾燃の担当。常に炎尾のやる気を保つよう手を尽くすが、時には口約束を反故にしたり、勝手に新連載の予告を誌面に載せたりと、調子の良さが目立つ。

愛沢 うらら (あいざわ うらら)

急病で倒れた川中島の代理として炎尾燃の前に現れた、女性編集者。コケティッシュな魅力を持っており、連載を止めようとしていた炎尾を誘惑して、継続を約束させる。翌月、川中島が炎尾の担当に復帰し、彼女は別の漫画家を訪ねていた。

森型 似里 (もりかた にさと)

炎尾燃がファンとなった、長い黒髪とシャープな雰囲気が特徴の人気女性アイドル。当初は炎尾が漫画のキャラクター作りに取り入れる程度だったが、次第にファン意識がエスカレートし、川中島に頼み込んで直に会えるよう熱望するようになった。

伊藤 準 (いとう じゅん)

フリーのアシスタントで、炎プロダクションにも出入りしていた青年。自らの作品として恋愛漫画を描くが、炎尾燃の批評を受けて描き直すうちに、自分の女性関係をストーリーに投影してしまう。そして漫画内の女性関係を安易に解決しようとして、炎尾の怒りを買う。

ワダチ 充 (わだち みつる)

大手出版社の忘年会で炎尾燃と遭遇した漫画家。炎プロダクションの面々と記念写真を撮った際、感激のあまり泣き出す者まで出るほどの人気を持つ。実在の漫画家のあだち充がモデルと思われる。

石島 克彦 (いしじま かつひこ)

炎尾燃の代表作「嵐の転校生」のアニメ化にあたり、監督を務めた男。当初は冷笑的な態度で炎尾と衝突したが、製作が進むうち、互いに認め合うようになる。『炎の転校生』アニメ版の監督、西島克彦がモデルとされている。

集団・組織

炎プロダクション (ほのおぷろだくしょん)

『燃えよペン』に登場する組織。東京都内にあり、漫画家炎尾燃が大野暁子や森林などのアシスタントと共に、漫画作りに勤しんでいる。企業としての形態は不明。常に過酷なスケジュールに追われている上、しばしばトラブルに見舞われ、何日も徹夜作業が続くことがある。

梅書房

『燃えよペン』に登場する架空の出版社。漫画雑誌『月刊少年シンバ』や『週刊少年シンバ』を発行しており、炎尾燃がよく仕事をする馴染みの出版社である。

その他キーワード

嵐の転校生 (あらしのてんこうせい)

『燃えよペン』に登場した、炎尾燃の初期の代表作とされる学園アクション漫画。石島克彦監督によりアニメ化される。『燃えよペン』の時点では5年前に完結しており、読み直した炎尾燃はその未熟ぶりを大いに恥じ入った。アニメ版の出来は炎尾を満足させたが、レーザーディスクのみのソフトという特殊な販売形式となる。 島本和彦の漫画『炎の転校生』、およびそのアニメ化の顛末がモチーフとされている。

ワイルドピッチ

『燃えよペン』で炎尾燃が梅書房の『週刊少年シンバ』で連載した、主人公たちが甲子園を目指すという内容の野球漫画。小中学生の支持を得て、うかつ賢二の『白球ナイン』と一二を争う人気連載となったが、主人公のケガとその克服で人気を稼ぐ展開が限界となり、人気絶頂ながらも完結を迎えた。

続編

吼えろペン (ほえろぺん)

炎プロで常に〆切に追われる漫画家炎尾燃がアシスタント達と共に、編集者が持ちかける無理難題や降りかかるトラブルを乗り越えていく。『燃えよペン』の続編に当たるが、アシスタントの顔ぶれは一新されている。小学... 関連ページ:吼えろペン

新吼えろペン (しんほえろぺん)

漫画家である炎尾燃の執筆活動や彼の信念を、暑苦しさを感じさせる熱量で描いた『吼えろペン』の続編。主人公の炎尾は、作者の島本和彦がモデルで、彼の自伝のような作品。作中に出てくる編集者やアシスタントも、実... 関連ページ:新吼えろペン

吼えろペンRRR (ほえろぺんあーるあーるあーる)

いくつもの連載を抱えていた熱血漫画家の炎尾燃も、今や月刊連載は1本。家業を引き継ぎ、漫画家兼経営者として忙しい日々を送っていた。炎尾燃を主人公とした『燃えよペン』『吼えろペン』『新吼えろペン』の新シリ... 関連ページ:吼えろペンRRR

書誌情報

燃えよペン KADOKAWA

(1999-11-05発行、 978-4889919677)

SHARE
EC
Amazon
logo