呪いの黒十字

呪いの黒十字

古い教会の神父が謎の言葉を遺して亡くなった後、教会に関わった村人たちが次々に不審な死を遂げていく。変わった形の十字架に秘められた真の意味を知った少女が、現代に復活した悪魔に立ち向かう姿を描く作品。「なかよし」昭和61年10月号から昭和62年8月号に掲載された。

正式名称
呪いの黒十字
ふりがな
のろいのくろじゅうじ
作者
ジャンル
ホラー
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概要・あらすじ

アデル=ホワイトアーデン=ホワイトの兄妹は、父親であるホワイト神父と共に、変わった形の十字架が付いた古い教会に住んでいた。ある日、ホワイト神父が「黒の十字架にふれてはだめだ」という言葉を遺して亡くなってしまう。しかし兄妹にとっては身に覚えのない言葉だった。ある夜、アデルとアーデンが物音を頼りに教会の地下へ行ってみると、そこにいたのは無残な姿のジェフリーと、気のふれたライアンだった。

そして、兄妹はそこに黒の十字架を見つける。ジェフリーの死が黒の十字架に無関係ではないと感じた兄妹は、教会や父について疑問を持ち始める。やがてアデルは、レナン=ダンドリッジに出会い、黒の十字架に秘められた真の意味を知るのだった。

登場人物・キャラクター

アデル=ホワイト (あでるほわいと)

ホワイト神父の娘であり、アーデン=ホワイトの妹。家族や友達想いの優しい少女。父が亡くなってからは、村人から疎外され続け、いつも孤独な状態となっていた。そんな折に出会ったレナン=ダンドリッジに対して、初めは警戒心をむき出しにするも、次第に心を開き、彼に惹かれていく。

アーデン=ホワイト (あーでんほわいと)

ホワイト神父の息子であり、アデル=ホワイトの兄。体が弱く、内向的で若干わがままに感じられるところがあるが、妹のアデルを大切にしている。顔の右半分に広く傷を負った跡があり、髪の毛で隠して生活している。そんな自身を醜いと感じ、コンプレックスを抱いている。

ホワイト神父 (ほわいとしんぷ)

アデル=ホワイトとアーデン=ホワイトの父親であり、6年前に変わった形の十字架が付いた古い教会に移り住んできた神父。穏やかで優しい紳士だが、何かを隠している様子。ひき逃げに遭って村はずれで倒れているところを発見され医者に診てもらうも、手遅れで帰らぬ人となる。

ジェフリー

アデル=ホワイトのクラスメイトの少年で、村の村長の息子。教会の歴史について亡き祖父から話を聞いており、詳しい様子。地元に執着はなく、お金さえあればいつでも村を出ていく心づもりでいた。教会の地下に財宝があると考え、地下室へ侵入し、無残な姿で発見される。

ライアン

アデル=ホワイトのクラスメイトの少年で、ジェフリーと仲がいい。ジェフリーと共に教会の財宝を探すために地下へ侵入するが、彼を死に至らしめた何者かを見たことで正気を保てなくなり、恐怖により精神がおかしくなってしまう。

リズ

アデル=ホワイトのクラスメイト。自分の家族や村の人々がアデルを敵視しようとも、彼女だけはアデルと変わらずに親友として接する姿勢を貫いた。芯が強く、友達想いで明るい活発な女の子。

レナン=ダンドリッジ (れなんだんどりっじ)

ホワイト神父が亡くなった頃からアデル=ホワイトの前に姿を現し始めた男性。村はずれのホテルに宿泊している旅行者で、以前ホワイト神父に会ったことがあると話している。しかし、アデルの名前を知っていたりと何かと謎の多い人物。

デスティ=トレビック (ですてぃとれびっく)

村の教会に新しい神父が来るまでの準備をするために司教区から派遣され、やってきたと自称する男性。以降、アデル=ホワイトとアーデン=ホワイトと共に、教会で生活することになる。しかし、花瓶を投げつけ部屋の鏡を割るなど、教会関係者とは思えない行動もあり、謎が多い。

村長 (そんちょう)

ジェフリーの父親で、アデル=ホワイトたちが住む村の村長を務める男性。息子のジェフリーが教会で死んだことにアデルたち兄弟が関わっているに違いないと考え、さまざまな手を講じて復讐をとげようとする。

警部 (けいぶ)

ジェフリーの事件を始めとして、その後も続く事件を担当し詳細を調査している男性警察官。ジェフリーの遺体の様子を見て、この殺人が人間によるものではないと直感する。そのほかにも、事件の核心にふれる事柄を感じ取ることが多い人物で、アデル=ホワイトに対し、村を出るように言い含める。

場所

教会 (きょうかい)

アデル=ホワイトとアーデン=ホワイトがホワイト神父と共に6年前から住んでいる、司教区が所有する建物。造られてから300年以上は経っているという歴史の古い建造物だが、尖塔の十字架が折れて、先がなくなったような特殊な形をしている。村人によれば、村では300年前に魔女狩りが行われていたという。しかしそれは名目上のことであり、実際には村人たちにとって都合の悪い者に魔女のレッテルを貼り、神の名のもとに処刑を行うことでその者の財産を奪ったとされている。 この教会の十字架は、その時に雷に打たれて折れ、村人たちはそれを神の怒りだと恐れたという言い伝えがある。

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