概要・あらすじ
日本独自の数学である「和算」は、江戸時代に隆盛を極めていた。和算家の父に育てられた少女・米倉律は、三度の飯より問題を解くのが大好き。ある日、南町奉行同心の中年男・深井転は、算額の解き方を巡り言い争っている律と侍の仲介に入るのだが、律の全く悪びれない態度に呆れ果て、これ以上関わらないと誓う。
しかしその翌日、例の侍が殺害されたというニュースが深井の元に届き、疑いをかけられた律の無罪を証明するよう御奉行様に命じられてしまうのだった。
登場人物・キャラクター
米倉 律 (よねくら りつ)
和算家の父に育てられた算術家の少女。頭脳明晰で気が強く、怖いもの知らず。普段は算術塾で和算を教えている。算術を使って江戸の町で起こる様々な事件を解き明かしていく。失踪した父親が残した算額を解くため、独学で日々算術の腕を磨いている。広いオデコが特徴。
深井 転 (ふかい うたた)
主人公・米倉律の相棒。南町奉行同心の中年男。ひょんな事から律と出会い、江戸で起こる様々な事件をともに解決していく事になった。普段はボケっとして頼りないが、洞察力に優れ、いざという時に頭が切れる。御奉行のお節介により、律の算術塾で和算を習っている。
米倉 円 (よねくら まどか)
主人公・米倉律の実父。和算家。人並み外れた算術の才能を持ちながら、どの流派にも属さず、独自の算術の世界を築き上げた男。10年前、自分の研究ノートを律に残し、旅に出たまま行方不明になっている。
御奉行 (おぶぎょう)
深井転の上司で、主人公の米倉律をヒイキにする人物。律の算術の腕を見込み、江戸で起こる難事件の解決を依頼してくる。深井を律の塾に入塾させコンビを組ませるなど、何かと深井を振り回している。優しくおちゃめな性格で、律にかなり懐かれている。
建部 彦次郎 (たけべ ひこじろう)
和算最大の流派「関塾」の塾頭。どこの塾にも属さない米倉律を関塾に誘うも、いつも断られている。律が生み出す独特の算術世界に魅了されながらも、その浮世離れした才能に恐怖を感じている。
関 孝和 (せき たかかず)
和算最大の流派「関流」をつくった人物で、算聖と称される。米倉律に自分の正体を明かさずに、算術が得意なただの通りすがりとして、何かとヒントを与える。モデルは実在の和算家・関孝和。
有馬 (ありま)
米倉円を知る大名。主人公・米倉律の算術の腕に目を留め、「天元術」の技比べに招待する。実は律の父・米倉円をよく知る人物で、円から律へのメッセージを託されていた。算術家として挫折している律を呼び出し、父の言葉を伝える。
ヤン・ゼンデン
長崎・出島の和蘭陀商館の最高責任者。江戸参府のため長崎からやってくるが、惚れた女性を探しだすため行方をくらます。その途中で律に出会い、互いの国の数学について語り合う。実は長崎で律の父親に会っており、その時譲り受けた物差しを律にプレゼントした。
光圀 (みつくに)
主人公・米倉律を誘拐し、律の塾生である子供たちを人質に算術の腕試しをする。見事にお題をクリアした律に感銘し、水戸や江戸を騒がしている天狗の正体を突き止めるため、協力を求める。モデルは水戸黄門こと徳川光圀。
クレジット
- 脚本
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中川 真
- 監修
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根上 生也