水戸黄門漫遊記

水戸黄門漫遊記

講談や映画で世に知られた水戸黄門の勧善懲悪の旅を、ギャグ漫画界のワン・アンド・オンリーである杉浦茂独自の手法で面白おかしく描いた時代劇ゆかいまんが。十二のエピソード(事件)で構成されている。昭和32(1957)年、単行本が出版された。児童向けであったため、登場人物の名前などの多くがひらがなで表記されている。

正式名称
水戸黄門漫遊記
ふりがな
みとこうもんまんゆうき
作者
ジャンル
時代劇
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概要・あらすじ

江戸時代、隠居して静かに暮らしていた水戸のとくがわみつくに(徳川光圀)こと水戸黄門は、ある日気楽な旅がしたくなり、家来のささきすけさぶろう(佐々木助三郎)とあつみかくのじょう(渥美格之丞)の二人だけを連れて、町人姿で屋敷を出た。三人は行く先々で事件に出会うが、黄門さまの知恵と威厳、すけさんかくさんの武術で見事に問題を解決していくのであった。

登場人物・キャラクター

とくがわ みつくに

天下の副将軍、徳川光圀。長いあごヒゲと口ひげをはやし、八の字眉の優しそうな老人の姿で描かれている。水戸の西山の屋敷で質素な隠居生活をしていたが、ある日思い立って旅に出る。「気楽な旅がしたい」と思い、家来二人だけを連れ、町人姿で出かけた。黄門さまの服装は、頭巾をかぶり、旅装束の上に道行(みちゆき。 和服のコート。易者などが着る四角い襟が付いている上着)をはおり、杖を付いている。三人は行く先々で事件に出会うが、黄門さまの知恵と威厳と二人の家来の武術で、問題はたちどころに解決されるのだった。昭和32(1957)年に発表された作品なので、テレビドラマで確立された「印籠の葵の御紋を見せて身分を明かす」という形式はまだ一般的ではなく、この作品では黄門さまはただ名乗るだけでその土地の役人があわててかしこまる、という形になっている。 歴史上の実在の人物、徳川光圀がモデル。

ささき すけさぶろう

佐々木助三郎、助さん。水戸黄門の家来二人のうちの一人。横に長い楕円形の輪郭の顔にどんぐり眼。いつも縞模様の着物を着ている。家来二人とも剣術の達人だが、作中ではプロレス技やパンチなどで戦うことが多い。テレビドラマでは、助さんが剣術の達人で、格さんが柔術の達人という設定だが、この作品は昭和32(1957)年に発表されたので、まだそのような戦いかたの違いはない。 歴史上の実在の人物、佐々宗淳がモデルと思われる。

あつみ かくのじょう

渥美格之丞、格さん。現在では渥美格之進の名前が一般的だが、講談などでは渥美格之丞を用いることもあり、このような命名になったと思われる。水戸黄門の家来二人のうちの一人。縦に長い、角の丸い四角形の輪郭の顔。家来二人とも剣術の達人であるが、プロレス技やパンチなどで戦うことが多い。 歴史上の実在の人物、安積澹泊がモデルと思われる。

まめすけ

4つ目のエピソードに登場する少年。剣術道場を開いていた父を悪い武芸者じゃがいもはなのすけに卑怯な方法で殺され、道場まで奪われてしまった。仇討に行くが、大勢の弟子にやられてしまう。そのため入水自殺をしようとしていたところを、水戸黄門一行に助けられる。若衆まげでおでこが大きく、横に長い楕円形の鼻という人相。 黄門さま一行の手助けにより、仇の卑怯な武器は無力化され、大勢の弟子も助さんと格さんが倒してしまったため、本懐を遂げることができた。

じゃがいも はなのすけ

4つ目のエピソードに登場する悪い武芸者。名前の通り、ジャガイモのようなブツブツのついた大きな鼻をしている。鉄球が発射されるように細工がされている木刀を用い、剣術道場主(まめすけの父親)を殺し、道場を大勢の弟子とともに乗っ取った。黄門さま一行の援助を受けたまめすけによって討ち取られる。

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