概要・あらすじ
江戸時代。17歳のおぬいの父は、江戸一番の善人が集まると噂される長屋の差配(管理人)。善人長屋の看板娘と呼ばれるおぬいだったが、そんな評判を耳にするたびに、彼女の心はチクチクと痛んだ。それは、おぬいの長屋が、本当は善人の集まりではなかったからだ。父の儀右衛門は、裏で盗品の売買を行う商人。店子達も「情報屋」「美人局」「巾着切り」といった裏稼業を持つ人間ばかりだった。そんな善人長屋に、ある日新しい店子がやってきた。儀右衛門の話では、魚屋だが裏の稼業は押し込み(強盗)だという。いくらなんでも、強盗はいやだと反対するおぬいだったが、世話になった親分からの頼みで断れないと、儀右衛門はいう。しかたなしにやってきた魚屋の忠四郎を迎え入れるおぬいだったが、どうも彼から悪人の匂いがしない。それもそのはず、忠四郎は、ちょっとした手違いから引っ越してきた真っ当な魚屋だった。善人長屋で唯一人底抜けに正直な忠四郎が持ち込む面倒事の解決に、悪党達はそれぞれの特技を活かして手を貸す事になる。
クレジット
- 原作
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西條 奈加