概要・あらすじ
異世界・天和国では、統治者である秘女王を継承する儀式がおこなわれる時期となっていた。しかし一族には女子がおらず、長老の老婆マカリは孫の少年アラタを女装させて儀式にのぞませる。しかし儀式の最中、秘女王を守るはずの十二神鞘の1人カンナギが乱入して秘女王に斬りつけ、その罪をアラタになすりつける。
逃亡するアラタは禁忌とされる神開の森へと入り込む。一方、現代世界の高校生・日ノ原革は、いじめにあい絶望していた。失意のなか革は、謎の声に誘われるように、路地にできた暗い空間に入り込む。そして2人が意識を取り戻すとアラタは現代世界に、革は天和国にいた。革はアラタに仕えるコトハから古ぼけた剣を受け取る。
時を同じくしてカンナギがアラタを追ってやってくる。わけもわからず抵抗するなかで、古ぼけた剣から神の力・劍神がほとばしる。革はカンナギ達同様に劍神を従える鞘の才能を持っていたのだ。カンナギは革を捕らえるが殺さず流刑にする。その途中で命を取りとめていた秘女王と神通力で交信した革は、友人に裏切られた元の世界のことを思い出し、自分を信じてくれる秘女王を助けることを誓い、流刑地の支配者ツルガをはじめとするさまざまな敵との戦いに身を投じていく。
登場人物・キャラクター
日ノ原 革 (ひのはら あらた)
いじめにあい、友人にも裏切られ絶望してふらついていたところで神開の森に入りこんでしまい、天和国のアラタと入れ替わってしまった少年。当初は秘女王殺しの嫌疑をかけられ、刺客の到来におびえているだけだったが、巻きこまれた戦いのなかで劍神“創世”に目覚め、劍神の使い手である鞘となり、秘女王を救うため天和国を旅するようになる。 自分をいじめていた者に対しても嫌いになりきれないなど優しい性格をしているが、正義感は強く、弱者を虐げる者や仲間を傷つける者には怒りをあらわにして、どんな相手だろうと立ち向かっていく勇気を持つ。旅の途中でも、自らの使命を果たすため鍛錬を怠らない真面目な人物だが、同行する少女コトハを意識して照れるなど、思春期特有の少年の一面も持つ。
アラタ
天和国で十二神鞘による秘女王への反逆事件が起きた際、秘女王殺しの嫌疑をかけられた少年。追手から逃走するうちに神開の森へ迷い込み日ノ原革と入れ替わって現代世界に来てしまう。そんな異常事態にあってもさほど動じることなく現代の生活になじめる適応力の持ち主。 天和国との交信で革が秘女王を救う旅に出たことを知り、彼に命運を託してその行程を見守っていたが、後にアラタの両親を殺害したハルナワが門脇将人と入れ替わって現代世界にやってくると、彼を食い止めるために戦うようになる。
コトハ
アラタの従者として育てられた、癒しの力を持つ優しい少女。秘女王殺しの嫌疑をかけられたアラタと共に秘女王を救う旅に出る。当初はアラタが日ノ原革と入れ替わったことに気づいていなかったが、後にその事実を知る。アラタを慕っていたが、旅を続けるうちに傷つきながらも懸命に世界を救おうと戦う革にも好意を寄せるようになった自分に気づき、葛藤する。
カンナギ
天和国を実質的に統治している十二神鞘の一人でカグツチの国を治めている青年。炎を操る劍神“ホムラ”の持ち主。秘女王に反逆し、彼女を斬った後その罪をアラタに押し付け、彼が逃走するとこれを追うようになる。アラタと入れ替わった日ノ原革と戦ううちに、彼と劍神“創世”の力を知って己の過ちを認め、以後は仲間となって、そもそもの元凶である六ノ鞘打倒に力を貸すようになる。
門脇 将人 (かどわき まさと)
日ノ原革とはかつて友人だったが、彼に自尊心を傷つけられて復讐心を燃やし、革をいじめていた少年。革がアラタと入れ替わったことに気づかずちょっとかいを出した結果、一蹴される。それからさらに革を憎悪するようになり、その心につけこまれてハルナワと入れ替わり天和国へとやってくる。 当初は、憎しみのままに革を追っていたが、“創世”の光に触れたことで憎悪と決別し、純粋に革を越えたいという気持ちを持つようになる。
ハルナワ
秘女王への反逆を企てた黒幕六ノ鞘の1人。秘女王の後継者となる女児を暗殺し続けてきた人物で、女子として育てられた幼いころのアラタとも出会っており、その際に彼の両親を殺害している。人の命を顧みない性格で門脇将人と入れ替わって現代世界にやってきた後も、自分の障害となる人物を殺すことに何のためらいも持たない。 織部実名を現代で見つけてからは彼女の抹殺を目論み、アラタと対立する。
織部 実名 (おりべ いみな)
日ノ原革と同じ高校に通う女子生徒。コトハによく似た容貌をしており、革とアラタの入れ替わりにも気づく。実は秘女王の血を引いた人物で、かつて秘女王の血の抹殺を目論むハルナワから逃げて天和国から現代世界に来ており、門脇将人と入れ替わってやってきたハルナワに狙われるようになる。
キクリ
天和国における当代の秘女王。秘女王継承の儀の場において、反乱を起こしたカンナギによって斬られ、とっさにその場にいたアラタに劍神を託す。アラタが日ノ原革と入れ替わったあとも同様に彼とアラタを信頼し、神通力で仮死状態となった自身の命が尽きる前に劍神を彼女のもとに届け、“創世”の力でもって天和国を平定してくれるよう依頼する。
ミクサ
アラタとは対照的に男児として育てられた少女。日ノ原革を秘女王殺害の犯人と思い襲ってくるが、誤解が解けたあとは仲間として同行するようになる。やがて革を世界を救うものとして敬うようになり、同時に個人的な好意を寄せるようになる。彼女の生い立ちから、秘女王の血を絶やそうとするハルナワから逃げた織部実名と入れ替わりに、幼いころ天和国にやってきたのではないかと革に推測されている。
劍神 (はやがみ)
『アラタカンガタリ ~革神話~』に登場する剣の形をした神。“神意”と呼ばれるさまざまな能力を持っており、巨大な炎を起こす、地面を切り裂くほどの衝撃波を発生させる、といった超常的な武力を持つ。劍神に認められ、その力を引きだせる者は剣を収める鞘であることから鞘(しょう)と呼ばれる。天和国では特に強大な劍神に選ばれた12人の鞘が十二神鞘として実質的な統治権限を持っている。
アニメ
アラタカンガタリ~革神語~
中学時代にいじめられ、不登校になっていた主人公の日ノ原革は、高校に入学してできた友達にも裏切られ、その絶望の中、異世界・天和国に迷い込む。一方で天和国の少年アラタは、国を治める女王の暗殺計画を企てた罪... 関連ページ:アラタカンガタリ~革神語~
書誌情報
アラタカンガタリ~革神語~ リマスター版 18巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2013-07-18発行、 978-4091243997)
第2巻
(2013-09-18発行、 978-4091244116)
第3巻
(2014-04-18発行、 978-4091246882)
第4巻
(2014-10-17発行、 978-4091254801)
第5巻
(2015-01-16発行、 978-4091257178)
第6巻
(2015-09-18発行、 978-4091264091)
第7巻
(2016-06-17発行、 978-4091272690)
第8巻
(2017-06-16発行、 978-4091276469)
第9巻
(2018-04-18発行、 978-4091281999)
第10巻
(2018-11-16発行、 978-4091287175)
第11巻
(2019-05-17発行、 978-4091292261)
第12巻
(2019-11-18発行、 978-4091294999)
第13巻
(2021-05-18発行、 978-4098506064)
第14巻
(2021-10-18発行、 978-4098507481)
第15巻
(2022-04-18発行、 978-4098511426)
第16巻
(2022-09-15発行、 978-4098513611)
第17巻
(2023-05-18発行、 978-4098521364)
第18巻
(2023-12-18発行、 978-4098531059)