地縛少年花子くん

かもめ学園に住む怪異である花子くんが、女子高校生の八尋寧々達とともに、怪異にまつわる事件を解決していく。レトロホラー要素を含むハートフルコメディ作品。「月刊Gファンタジー」2015年1月号から連載の作品。

あらすじ

第1巻

かもめ学園では、女子トイレに住む「トイレの花子さん」を呼び出すと願いを叶えてもらえるという、奇妙な噂が流れていた。かもめ学園に通うオカルト少女の八尋寧々は自分の願いを叶えるため、トイレの花子さんに呼び掛けるが、そこに現れたのは怪異の少年、花子くんだった。寧々は自分の恋を叶えるために、花子くんのアドバイスを受けながら奮闘するが、縁結びの力に惹かれて「人魚の鱗」を飲み込み、魚になる呪いにかかってしまう。人魚の呪いを発動してしまった寧々は、花子くんに救われて元の姿に戻るが、その代償として彼と契約し、助手として働く事になる。こうして花子くんと寧々の二人は、かもめ学園に潜む怪異が起こす事件を、次々と解決していく事となる。

第2巻

花子くんの助手となった八尋寧々は、彼にこき使われながら、怪異の事件を解決する日々を送っていた。そんな中、かもめ学園の2番目の七不思議「ミサキ階段」に関する噂が流れ始める。寧々は怪異の事件に巻き込まれて行方不明となった親友の蒼井茜を救うべく、花子くんと祓い手の少年、源光と共に、ミサキ階段に潜入する事となる。花子くん達はさまざまな難関を乗り越え、ミサキ階段の弱点となる依代を探して奥へ進むが、最深部に現れたのは和服をまとった女性だった。

第3巻

花子くんを知る七峰桜との出会いをきっかけに、彼の秘密が気になり出した八尋寧々は、源光と共にかもめ学園の5番目の七不思議「16時の書庫」へと向かう。その書庫にある本では、生徒の過去、そして未来までもがわかるという。そこで土籠と遭遇した寧々は彼の案内を受け、土籠の依代に宿った過去を通して、花子くんの過去を目にする。そこには花子くんの生前の姿、柚木普と、彼の担任である土籠の姿があった。

第4巻

人間である自分は、怪異花子くんとわかり合えないと悩む八尋寧々は、人魚の眷属に遭遇する。寧々を「おひいさま」と呼ぶ彼らの目的は、寧々を人魚にして次代の長にする事だった。一方、祓い手の少年、源光は、かもめ学園中等部の昇降口でイタズラをしている、謎の幽霊と遭遇する。その幽霊はかもめ学園の元写真部の少年、ミツバだった。光はミツバの未練を晴らし、ミツバが成仏するための手伝いをする事になる。しかしその裏では、思わぬ人物の影が潜んでいた。

第5巻

日向夏彦に謎のお茶会へ誘われた八尋寧々は、夏彦とつかさにさらわれてしまう。目が覚めた寧々の前には、夏彦とつかさ、そしてつかさと契約を交わした少女の七峰桜の姿があった。警戒をしながらも桜とのお茶会を楽しむ寧々だったが、突然拘束され、夏彦と共に謎の世界に落とされてしまう。花子くんと連絡を取った寧々は、彼の助言に従い、元の世界に戻るための扉を探す事になる。

第6巻

かもめ学園の1番目の七不思議「時計守」の一人、ミライが逃げ出した事により、かもめ学園のあちこちで時が進み、大混乱に陥る。花子くん達はかもめ学園の平和を守るため、時計守の一人である蒼井茜と手を組み、ミライを捕まえて事件を解決しようとする。そして寧々の作戦により、何とかミライを追い詰めた花子くん達だったが、不意をつかれ、ミライが寧々に接触してしまう。そしてその瞬間、寧々の未来に関する重大な秘密が明らかになる。

第7巻

花子くんの目の前で、突然鏡の中から出て来た謎の手に引きずり込まれた八尋寧々は、目覚めた先でミツバと出会う。寧々が引きずり込まれたのは、かもめ学園の3番目の七不思議「カガミジゴク」の境界だった。そして寧々とミツバの二人は、カガミジゴクの脅威に巻き込まれてしまう。そんな中、つかさが現れて二人を助け出す。一方、消えた寧々を助け出そうとする花子くんと源光は、ヤコの力を借りてカガミジゴクへと乗り込む。

第8巻

かもめ学園の3番目の七不思議「カガミジゴク」でミツバと出会った八尋寧々だったが、つかさの策略によって、ミツバが新たなカガミジゴクの主となってしまった。ミツバによって強制送還され、寧々達が帰還してから3日が経とうとしていた。つかさといっしょにいるミツバを心配する寧々だったが、同時に友人のミツバに忘れられてしまった源光の事も気になっていた。ミツバと再会して以来元気がなくなった光を励ますために、寧々は境界で開催される七夕祭りに、彼を誘う。花子くんと光と共に祭りを楽しむ寧々だったが、50年前の世界に迷い込んでしまう。

登場人物・キャラクター

花子くん

かもめ学園七不思議における七番目の怪異である、「トイレの花子さん」を名乗る少年。女子トイレに住み着いている。他の怪異からは、「七番」と呼ばれている。八尋寧々の願いを叶えようとするが、「人魚の鱗」を飲み込み呪いにかかった寧々を助けたことをきっかけに、彼女を助手として雇う。その後は学園に起こる怪異事件を解決するため、寧々をこき使っている。

八尋 寧々

かもめ学園高等部1年生の女子で、園芸部に所属している。幼児体型で足首が太く、コンプレックスを抱いている。惚れっぽい性格で、先輩の源輝との恋愛成就を願うため、女子トイレで「トイレの花子さん」こと花子くんを呼び出した。しかし「人魚の鱗」を飲み込んだことで呪いにかかってしまい、その呪いを解いてもらう代償として、花子くんの助手となる。 現在は花子くんの助手として日々トイレ掃除をしながら、学園に起こる怪異事件の解決を手伝っている。

人魚

千歳(ちとせ)を生きる人面魚の怪異。同じ人魚の鱗を飲んだ者同士は、強い縁で結ばれるという伝説がある。この鱗を飲み込んで呪いにかかった八尋寧々を連れ去ろうとしたが、花子くんによって追い払われる。面倒見がいい性格で、多くの魚を眷属として従えている。

源 光

稀代の祓い手・源頼光の子孫である、源家の少年。源輝の弟。かもめ学園中等部3年生で、先輩の八尋寧々を慕っている。先祖が残した退魔具の1つ「雷霆杖」を所有しており、花子くんを悪霊扱いして祓おうとする。

源 輝

稀代の祓い手・源頼光の子孫である、源家の少年。源光の兄。かもめ学園高等部2年生で、生徒会長を務めている。八尋寧々の憧れの人物で、他の女子生徒からの人気も高い。霊力を強い雷に変える霊刀を武器としており、光が祓い損ねた花子くんを自らが祓おうと試みる。

勿怪

かもめ学園の怪異の1つ。「ようせいさん」とも呼ばれる。盗み癖があり、生徒の持ち物をしばしば持ち去っていた。これに尾ひれが付き、気づかないうちに物を盗んで行く「ようせいさん」の姿を見てしまうと、命まで奪われるという噂にまで発展し、その噂どおりの危険な怪異となってしまう。花子くんと八尋寧々によって噂が改変されたことで、無害な存在となる。

土籠

かもめ学園の男性教師で、源光のクラス担任を務めている。その正体は、かもめ学園の七不思議における五番目の怪異である、「十六時の書庫」と呼ばれる、土蜘蛛の姿をした怪異。生徒たちの過去や未来が書かれた本を、書庫に所有している。生前の花子くんである柚木普の元担任であり、花子くんの過去を知る数少ない存在でもある。

柚木 普

生前の花子くんその人で、つかさの双子の兄。天体観測が趣味の少年で、宝物の「月の石」を大切に持っていたが、担任の土籠に託していた。毎日のように何者かから暴力を受けていたため常に怪我をしており、授業もよくサボっていた。

赤根 葵

かもめ学園高等部1年生の女子で、園芸部に所属している。八尋寧々のクラスメイトにして親友でもある。かもめ学園の噂に敏感で、怪異にまつわる奇妙な噂が立つたびに寧々に伝えている。穏やかで優しい性格なため男子からの人気が高く、特に幼なじみの蒼井茜には何度も告白されているが、そのたびに振っている。

蒼井 茜

かもめ学園高等部1年生の男子で、生徒会副会長を務めている。八尋寧々のクラスメイトで、赤根葵の幼なじみ。誰にでも優しく、クラスメイトからも頼りにされる存在だが、幼い頃から葵に熱烈な恋心を抱いており、寧々には「葵のことになるとネジが緩む」と評されている。

つかさ

柚木普の双子の弟。何らかの理由で兄の普に殺害され、現在は「つかさ」を名乗るかもめ学園の怪異となり、花子くんとなった普と対立している。無邪気な性格だが、残忍な一面を持つ。七峰桜と契約を交わし、彼女や日向夏彦と行動をともにしている。

日向 夏彦

かもめ学園高等部2年生の少年。趣味は釣りとカラオケ。七峰桜を「お嬢」と呼び慕っているがその想いは一方的で、彼女からは「空気みたいなもの」と言われ冷たくされることが多い。桜の命令で八尋寧々をお茶会に誘う。

七峰 桜

かもめ学園高等部3年生の少女。つかさと契約を交わし、彼の助手を務めている。無表情でクールな性格だが、わがままで無邪気なつかさには手を焼いている。日向夏彦からは「お嬢」と呼ばれている。つかさの命令で八尋寧々を謎の空間に落とし、消そうとする。

ミライ

時計守の一人で、「未来」を司る役割を持った少女。手に触れた物や人の時間を進める事ができる。知能は低いが、体が小さく身軽ですばしっこい。食い意地が張っており、毛づくろいが好き。好きなおやつは寒天ゼリー。

カコ

時計守の一人で、「過去」を司る役割を持った老人。嘴のある仮面をつけ、ローブを着ている。時計守のリーダーであり年長者。時間を戻す力を持つ。

ミツバ

源光がかもめ学園の校舎昇降口で捕まえた怪異の少年。中性的な外見をしており、ミツバ自身はそんな自分の姿にコンプレックスを抱いている。光の助けを借りながら、「撮りたかった写真を撮ること」で現世への未練を解消しようとしていたが、本当の未練は「みんなの記憶に残ること」であった。さらにそれを叶えるため、実は光と出会う前からつかさと契約を交わしていた。 生前は「三葉惣助」という大人しく目立たない少年で、入学時は光と同じクラスだった。

ヤコ

ミサキ階段の管理人をしている狐妖怪。狐の姿をしているが、和服の女性に化ける事もある。元は神社の稲荷像で、密かに慕っていた教師・岬を取り戻し、その媒体を作るために生徒をさらっていた。花子くん達に依代を破壊されてからは、ミサキ階段の管理権を失い弱体化する。空間を司り、かもめ学園内であれば自由に移動ができる。 好きなおやつはシベリア。

集団・組織

時計守

かもめ学園の1番目の七不思議で、時をあやつる力を持つ怪異。かもめ学園にある大きな古時計の守人で、ミライとカコ、彼らと契約を結んだ蒼井茜の三人組になっている。ミライは未来を、茜は現在を、カコは過去を司る。

場所

かもめ学園

八尋寧々たちが通っている学園。源光たちが所属する中等部と、寧々たちが所属する高等部に分かれている。花子くんをはじめとする七不思議を中心とした、複数の怪異が住み着いている。

ミサキ階段

かもめ学園の七不思議の一つで、2番目の怪異。美術室前にある階段の4段目を踏むと、何者かに死者の世界に連れさられ、その身を引き裂かれてしまうという噂がある。連れ去られた人間は、この世から存在そのものが消滅してしまう。その噂どおり、八尋寧々の親友である赤根葵をはじめとした複数の生徒が行方不明になる。ヤコによって管理されていたが、のちに寧々がまったく別の噂を流した事で、恋愛のパワースポットとなる。

彼岸

死んだ人間が行くあの世であり、怪異が生まれ、住んでいる世界。彼岸と対になっている世界でもあり、両世界のあいだには境界が存在する。

此岸

人間が住む現世、この世の事。人間以外にも怪異が存在するが、怪異として生まれた者は人間として此岸に住む事は許されない。土籠のように、此岸の人間に噂を流す事で、怪異としての存在を保とうとする者もいる。

境界

あの世とこの世にある境界線にあたる世界。彼岸と此岸をつなぐ海でもあり、地面のあちこちに水がある。かもめ学園の七不思議にもそれぞれ境界が存在し、怪異にとって重要な場所となっている。生きた人間が迷い込むと存在ごと消える事がある。ただし、八尋寧々のように怪異と契約した者や、祓い手の源光などは、境界の影響を受けにくくなっている。

16時の書庫

かもめ学園の七不思議で5番目の怪異。16時のみに入れる図書館で、生徒の過去と未来を記した本が多数保管されている。生きている生徒の本は白く、すでに死んだ生徒の本は黒くなっている。中には赤い本もあるが、これを読む事は禁じられている。かもめ学園の教師でもある土籠によって管理されている。

カガミジゴク

かもめ学園の七不思議で3番目の怪異。鏡の向こうにある不思議な世界で、そこに迷い込んだ人の心を映し出す力を持つ。人の持つわずかな恐怖や醜さを映し出し、迷い込んだ人にとっての地獄と化す事がある。鴉のような姿をした妖怪が主として支配していたが、のちにミツバが主となる。

その他キーワード

怪異

怪談、幽霊、妖怪、心霊現象などと呼ばれるものの総称で、かもめ学園に多く住み着いている。人々の噂の影響により、その性質が定められる。八尋寧々など怪異に深く関わる人間であれば、噂の改変も可能。噂の改変によって怪異が無害化することもあれば、凶暴化することもある。

依代

怪異に特殊な力を与えている媒介や力の源。同時に怪異にとっての弱点でもあり、この依代が破壊されると、怪異は大幅に弱体化する。

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