地雷震

新宿署の刑事・飯田響也の活躍を描いたハードボイルド作品。冷徹かつ非情な判断力と死を恐れない行動力を武器に、さまざまな凶悪犯罪に挑む。作者高橋ツトムのデビュー作。続編として『地雷震 -Diablo-』がある。

概要・あらすじ

大都会・東京で日夜繰り返される凶悪犯罪。新宿署の刑事・飯田響也は、死を恐れない強靭な精神力と鋭い洞察力、そして冷酷ともいえる判断力を武器に、狂気の殺人者から国際的なマフィア組織、さらには法の裁きが及ばない悪人たちまでをも追い詰めていく。

登場人物・キャラクター

飯田 響也 (いいだ きょうや)

新宿署の刑事。男性。ノンキャリアだが、英語が堪能。喫煙者。クールな性格で、感情をほとんど表に出さない。強靭な精神力と優れた洞察力を持つ優秀な刑事であると同時に、目的のためなら手段は選ばない冷徹さを備える。犯罪者を裁くことに対する執念が深く、危険がともなう行為も平然と行う。また、必要とあれば犯罪者を射殺することもためらわない。 犯罪に対して独自の見解を持ち、かつ自分が死ぬことも、他人が死ぬことも恐れていないため物事の判断に迷いは皆無。ときに行き過ぎと思われる言動もあるが、それ故に犯人検挙という点では優れた成果を発揮し、同僚たちからも一目置かれている。反面、その強引なやり方から恨みを買うことも多い。

成田 (なりた)

新宿署の刑事で、飯田響也の上司。定年間近のベテランで、両親を失った子供を自宅に引き取るなど情に厚い。ただし、刑事としての信念は固く、たとえ身内であっても犯罪者はきっちりと裁く。飯田との信頼関係は厚く、互いにとっつぁん、キョウスケと呼び合う仲。ときに行き過ぎる飯田の行為を諌めつつも、彼の刑事としての能力・姿勢を高く評価し、サポートする。 妻とは死別しているが、成田敦子という娘がいる。

八巻 剛志 (やまき つよし)

ニックネームはハチマキ。新宿署の刑事で、飯田響也の後輩。飯田のパートナーとして、ともに事件の捜査に当たる。ある殺人事件の捜査で殉職した。ゆかりという妻がいる。

相沢 江理子 (あいざわ えりこ)

新たに新宿署に配属された女性刑事。殉職した八巻剛志に代わる、飯田響也のパートナー。25歳独身。浅田公平というエリートサラリーマンの彼氏がいる。語学が堪能で英語と中国語、少しだがスペイン語もできる。人を救いたいという気持ちが警察官にとってのエネルギーという信念の持ち主。

中原 (なかはら)

警察病院に勤務する男性医師。飯田響也とは顔なじみの仲。妻とふたりの娘がいる。のちに警察病院を辞めて、ニューヨークの病院へと転職した。

成田 敦子 (なりた あつこ)

飯田響也の上司である成田の娘。飯田たちからはあっちゃんと呼ばれる。飯田に密かに想いを寄せているが、手の届かない相手だと気付き、別の男性と婚約した。しかし、その男性が犯罪に手を染めていたため破談。もう結婚はしないと誓うが、のちに再び飯田に想いを寄せるようになる。

アレキサンダー・フォン・デア・ヒューネン

ドイツ人の男性。佐藤夏美という日本人の妻がいる。表向きはドイツのハンブルグで貿易商を経営する実業家だが、裏ではヘロイン売買や売春などの裏ビジネスを仕切っている。左右の目の色が違うことから、裏社会ではデアカルテ(氷の目)という通称で知られていた。日本に滞在中に妻の夏美が死亡。 警察は自殺と判断するが、夏美がヘロイン中毒者であったことから、飯田響也はアレキサンダーに犯罪者の匂いを感じ、単身で捜査に当たる。

山形 (やまがた)

新宿署の元刑事である男性。刑事時代は飯田響也のパートナーだったが、飯田のやり方についていけず6年前に退職。現在は実業家をしている。妻の秀美は元々は石田という鉄工所の社長と結婚していたが、別れたのちに山形と再婚。その石田と秀美の子であるあかりという連れ子がいたが、のちに秀美との間に加代が生まれた。 加代を何者かに誘拐されたことから、捜査にやってきた飯田と再会。

篠見 千秋 (しのみ ちあき)

株式会社MAOの会長を務める男性。社長時代に自らがプロデュースした健康飲料水MAOを大ヒットさせ、会社を飛躍的に発展させた。このことから、業界では通称MAOと呼ばれている。幼い頃に母親と電車への飛び込み自殺を行い、母親は即死。自分だけが助かったという経験を持つ。これがトラウマとなり、社会に対しての復讐を計画。 サブリミナルによる暗示を使い、東京ドームのコンサートでの客同士の殺し合いによる大量殺戮を目論んだ。

遠藤 (えんどう)

警視庁国際捜査課の刑事。男性。「たわけ」が口癖。ぶっきらぼうな性格だが、仲間想いで刑事としての使命感に厚い。飯田響也が逮捕した杉田康之という男性が、大量のトカレフに加え、プルトニウムも所持していたことから、国際犯罪の可能性があるとして新宿署へとやってくる。容疑者の杉田を連行して捜査を引き継ごうとするも、新宿署の駐車場で、クラープという名のロシア人の襲撃に遭い杉田は死亡。 杉田の経歴などから事件解決の手がかりが北海道の国無島にあると睨んだ遠藤は飯田とともに、非公式で国無島へと乗り込む。

小池 彩 (こいけ あや)

9歳の女の子。大人や現実に強い嫌悪感を持ち、自分は成長しないと信じている。世の中を「スリル」と「リアル」というふたつの概念でのみとらえており、人の痛みや生命の尊さといった観念が薄い。子供ながら人を操る術に長け、遊び感覚で同級生の少年が自殺するように仕向けた。さらに少年の父親である戸倉裕を殺人に走らせて、刑事である飯田響也に捕まえさせようとした。 ごく普通の家庭に育つが、両親からは半ば放置されており、一種のネグレクトを受けている。

岡崎 ちよ子 (おかざき ちよこ)

女性。姉のちひろを弄んだ挙句、レイプして自殺に追い込んだホストクラブ経営者の塚本直樹への復讐を誓う。覚醒剤の所持で服役していた塚本の出所を待ち、恋人の賢と共謀して塚本の殺害を企てた。

(ちゃん)

上海に住む中国人の男性。短気で向こう見ずな性格の若者。貧しいが野心家で、デカイ仕事を成し遂げて一旗上げたいと思っている。地元の顔役から依頼され、王可凡という中国人実業家の男を殺すため、兄貴分の劉とともに日本へとやってきた。劉のことを心から尊敬しており、劉の妹である夢蘭に恋心を抱いている。

アンドリュー・ジョンソン

横須賀基地に配属されている米兵の男性。ニックネームはアンディ。友人の彫り師の娘が学校で陰惨ないじめを受け、廃人同然になったことに逆上。その復讐を果たすため、いじめを行っていたクラスメイトをひとりずつ殺害していく。

小佐野 浩樹 (おさの ひろき)

19歳の男子大学生で、新鋭の小説家。マコという恋人と、キンタという友人がいる。父親は元大蔵大臣だったが、不正融資斡旋疑惑で議員辞職。その際、秘書が罪を被って自殺した。その秘書の息子に襲撃され、殺されかけたところを飯田響也によって救われる。生に執着することは醜いという独自の美意識を持った人物で、人の生き死にを恐れずに笑って楽しめる異常者。 美しく死ぬことにこだわりがあり、テレビの生放送で自殺宣言をして世間を騒がせる。

リサ・ルイス

ニューヨークの病院に勤務する看護師の女性。産婦人科に勤務する。元警察病院の医師でアメリカへ移住した中原の同僚。子供の頃に養子先の父親にレイプされていた過去があり、13歳のときに自ら自宅に放火して養父母を殺害したと考えられている。人身売買に手を染めており、病院で出産した母子を誘拐して売ろうとするが、偶然ニューヨークに滞在していた飯田響也によって計画が看破されてしまう。

斉木 一也

元戦場カメラマンの男性。1993年のマルセド内戦で撮った「民と民の間に」という写真で数々の賞を受賞している。その後、戦場カメラマンを引退し、国内で活動していた。人の殺意の量を撮りたいという欲求があり、人が殺人を犯す瞬間をカメラに収めていた。

林 菲 (りん ふぇい)

台湾マフィアのボス・范天民の妻。妹の林鈴を溺愛していたが、林鈴は日本で殺害される。司法解剖にまわされた林鈴の遺体を警察から強引に取り戻そうと画策。妹の遺体を返さないと1日4人ずつ警察官を殺すとのメッセージを送り、実際に警察官を狙った無差別殺人を引き起こす。

鈴木 明 (すずき あきら)

14歳の男子中学生。父親は警察官。生まれてからずっと母親に監禁されていた少女Aの事件に興味を持ち、その後、少女Aになりすましていた女性とのチャットを通じて、自身の妄想が拡大。少女Aのことを崇拝するようになり、彼女のことを悪く書いたマスコミの人間を次々と殺害する。その際、現場に「A」の文字を残したことから、マスコミからは「マーダーA」と呼ばれた。

尾崎 友憲 (おざき とものり)

前科者たちが集う権利主張の会の会長を務める男性。自身も前科者で、娘をレイプして殺した男を殺害し、自首した過去を持つ。殺害された娘の夫・草野清次や、前科者たちとともに、東京郊外で農業を営んでいる。かなりの人格者で、会員たちからの信頼も厚い。前科者の権利を広く社会に認めてもらいたいという動機から、参議院議員選挙に出馬する。

天美 ケイ (あまみ けい)

裏社会で生きる殺し屋の女性。冷酷無比な性格で、人を殺すことにためらいはない。子供の頃に母親に殺されたかけた過去を持つ。4年間闘病生活にあったが、ある人物の心臓を移植されたことで生き延びた。だが、この手術により、かつての冷酷な自分はけっして抱かなかった、愛や情といった感情が顔を出すようになる。 この感情が殺し屋として致命的であると感じた彼女は、本来の自分を取り戻すため、飯田響也たちに接近する。

書誌情報

地雷震 全10巻 講談社〈講談社漫画文庫〉 完結

第1巻

(2003年5月発行、 978-4063602128)

第2巻

(2003年5月発行、 978-4063602135)

第3巻

(2003年6月発行、 978-4063605624)

第4巻

(2003年6月発行、 978-4063605631)

第5巻

(2003年7月発行、 978-4063605648)

第6巻

(2003年7月発行、 978-4063605655)

第7巻

(2003年8月発行、 978-4063605662)

第8巻

(2003年8月発行、 978-4063605679)

第9巻

(2003年9月発行、 978-4063605686)

第10巻

(2003年9月発行、 978-4063605693)

地雷震 全10巻 講談社〈アフタヌーンKC〉 完結

第1巻

(2009年2月発行、 978-4063145588)

第2巻

(2009年3月発行、 978-4063145595)

第3巻

(2009年4月発行、 978-4063145625)

第4巻

(2009年5月発行、 978-4063145663)

第5巻

(2009年6月発行、 978-4063145731)

第6巻

(2009年7月発行、 978-4063145755)

第7巻

(2009年8月発行、 978-4063145823)

第8巻

(2009年9月発行、 978-4063145922)

第9巻

(2009年10月発行、 978-4063106015)

第10巻

(2009年11月発行、 978-4063106060)

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