赤鼻のアズナブル

赤鼻のアズナブル

殺人兵器として訓練された元マフィアのヒットマンとFBI狙撃班の敏腕スナイパーが、マフィアの策略により国際手配され、逃亡する過程で手を組み、絆を深め暗躍するハードボイルドアクション。基本的に1話完結の連作であり、「赤鼻のアズナブル」ではニューヨーク、「モンローの白い指」ではロンドン、「パリは誰も愛さない」ではパリ、「ため息を聞きながら」ではヴェニスといったように、エピソードごとに物語の舞台となる都市が異なる。「花とゆめ」1982年2月大増刊号から1983年3号にかけて不定期に掲載された作品。

正式名称
赤鼻のアズナブル
作者
ジャンル
裏社会・アングラ
レーベル
あすかコミックス(角川書店)
巻数
全1巻
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概要・あらすじ

アメリカ全土を恐怖に陥れているヒットマンの赤鼻のアズナブルは、その超人的な腕から存在が不確定な者とされていた。一方、若くしてFBI狙撃班に所属したエリートであるライアン・クリミンスは、アズナブルの雇い主であるマフィアのボスのサム・ギャランテと裏で情報交換をしていた。そしてギャランテの策略により、アズナブルとライアンはお互いに命を狙い合う関係となる。

やがてギャランテの裏切りに気付き、マフィアや警察に追われる身となった2人は、ベリンダを介して奇妙な絆を築き、一足先にヨーロッパへ旅立った彼女を追うように逃亡。しかし彼らは国際手配され、その存在を世界中に知られることになる。逃亡生活を続ける中、彼らは行く先々でさまざまな事件に関わるのだった。

登場人物・キャラクター

赤鼻のアズナブル (アカハナノアズナブル)

サム・ギャランテが抱える凄腕ヒットマンの男性で、パリで生まれた。まだ子供だった17年前にギャランテに拾われ、殺人のためだけに心と身体を徹底的に鍛えられた。アメリカ全土のマフィアが恐れおののく存在だが、その実績があまりにも超人的であるため、実在を否定し神話化するマフィアもいる。ギャランテの指示でヴェノレーゼを暗殺したが、ギャランテの策略によりそれを赤鼻のアズナブル独断の行動とされ、アメリカ中のマフィアから追われる身となってしまう。 さらにギャランテからライアン・クリミンスの暗殺を命じられており、同じくギャランテからアズナブル暗殺を請け負ったライアンと敵対し、撃ち合う。しかしベリンダを通じてライアンとも通じ合うようになり、ギャランテに陥れられた同士として、ともにヨーロッパへと逃亡する。 普段は鼻から下をスカーフで隠しているが、その理由は素顔が童顔で迫力に欠けるためである。

ライアン・クリミンス (ライアンクリミンス)

FBIのスワット狙撃班に所属する男性。狙撃の腕は非常に高く、スワット登用の年齢制限を超えてなお所属しており、周囲からは一目置かれる存在。一方でマフィアのサム・ギャランテと通じており、秘密裏に情報交換を行って金を受け取る間柄である。ある日ギャランテから金を積まれ、赤鼻のアズナブルの暗殺を請け負うことになったが、先にアズナブルに銃を向けられたことからギャランテに裏切られたことを知る。 さらにギャランテと通じていたことがアメリカ全土に報じられ、警察から追われる身となってしまう。アズナブルと撃ち合うことになるも、ベリンダの仲裁によってアズナブルへの殺意を喪失し、ギャランテに裏切られた者同士が殺し合っても意味がないとアズナブルを諭す。 これをきっかけにアズナブルとは奇妙な連帯感を持つことになり、先にアメリカを発ったベリンダを追うように、アズナブルとともにヨーロッパへ逃亡する。

ベリンダ (ベリンダ)

エピソード「赤鼻のアズナブル」に登場する。ライアン・クリミンスと交流のある人妻。かつてはマフィアの情婦であり、ライアンに情報提供をしていた。過去にライアンにプロポーズされているが、年の離れた金持ちの男性と結婚した。しかし夫との生活に嫌気が差しており、時折ライアンに迫ったり突然ライアンの家を訪れたりと、奔放な態度を取っている。 ライアンと赤鼻のアズナブルが撃ち合いになろうかという緊迫した場面にも陽気に現れ、彼らの殺意を喪失させてしまう。やがてアメリカを離れてヨーロッパへ行くと言って姿を消す。

サム・ギャランテ (サムギャランテ)

エピソード「赤鼻のアズナブル」に登場する。アメリカで力を持つマフィアのドンで、不愛想な男性。幼少の赤鼻のアズナブルを拾い、ヒットマンとして育て上げた。しかしヴェノレーゼ暗殺をアズナブル独断の行動であると全マフィアに周知させ、さらに情報交換をしていたライアン・クリミンスにアズナブル暗殺を依頼することで、アズナブルとライアンの双方を陥れる。

ジェフリー・ボガード (ジェフリーボガード)

エピソード「赤鼻のアズナブル」に登場する。FBI捜査官の男性。組織犯罪の匂いがする現場には必ず現れ、執拗にマフィアを追っている。年老いてなお捜査官としての宿命に燃えているが、ライアン・クリミンスにはそのまっすぐすぎる姿勢を諭されることもある。マフィアの間でも神話化されている赤鼻のアズナブルの存在をかぎつけており、アズナブルを生きたまま捕えてマフィアの実態を掴もうと考えている。

ヴェノレーゼ (ヴェノレーゼ)

エピソード「赤鼻のアズナブル」に登場する。ニューヨークのマフィア5大ファミリーの中で、最も力を持つドンといわれる男性。サム・ギャランテの指示を受けた赤鼻のアズナブルに射殺され、その現場をライアン・クリミンスが目撃している。この事件は、ギャランテの策略によりアズナブル独断の行動として周知されたため、アズナブルがすべてのマフィアから追われることとなってしまう。

サッド・クリフト (サッドクリフト)

エピソード「モンローの白い指」に登場する。ナショナル・フロントに所属する男性であり、アドルフ・ヒトラーを信奉し自らをナチと称する。若い青年を配下に置き、彼らを使って暗躍している。その手下を使って赤鼻のアズナブルとライアン・クリミンスにコンタクトを取り、社会問題に対するデモを行うケイト・ブリッジの暗殺を依頼する。

ケイト・ブリッジ (ケイトブリッジ)

エピソード「モンローの白い指」に登場する。18歳にして、水爆保有や人種差別などに反対するデモやロック大会などを主催する女性。ナショナル・フロントについても反対運動をしているため、サッド・クリフトにターゲットとされ、クリフトは彼女の暗殺を赤鼻のアズナブルとライアン・クリミンスに依頼している。「IRSP」指導層の孫娘である。

ワイルド・ローズ (ワイルドローズ)

エピソード「モンローの白い指」に登場する。かつて「IRSP」の暗殺者であった男性。英国の北アイルランド相のエアリ・ニーヴ暗殺事件に関与した、名の知れたテロリストとされている。サッド・クリフトに抱えられ、赤鼻のアズナブルとライアン・クリミンスがケイト・ブリッジの暗殺を敢行するために彼らを監視する。

ループ (ループ)

エピソード「パリは誰も愛さない」に登場する。パリ市警の警部である男性で、ライアン・クリミンスとはよく知った仲である。手柄を立てるためには手段を選ばないため、パリ市民や同僚たちからも疎まれている。ライアンが赤鼻のアズナブルを知っていると聞き、アズナブルと対峙するためにライアンに情報提供を請う。以前はカテリーナ・サンティーニの恋人であった。

カテリーナ・サンティーニ (カテリーナサンティーニ)

エピソード「パリは誰も愛さない」に登場する。マフィアの娘であり、大きな屋敷に1人で暮らしている女性。街中で赤鼻のアズナブルにコートを借りたことがきっかけで知り合う。マフィアのドンである父親とはお互いに干渉しあわずに生活しており、自分は平凡な女であると認識している。過去にテロリストに誘拐されており、その際に左胸に赤い花の入れ墨を彫られた。 以前はループの恋人であったが、別れを告げられている。

アーシュ (アーシュ)

エピソード「ため息を聞きながら」に登場する。5年前、赤鼻のアズナブルにオリジナルの銃を贈った女性だが、その関係はアズナブルを育てたサム・ギャランテにも知られていない。この時、実際にアズナブルが出会ったのはヴェニスでガン・ショップを経営している老人だったが、この老人はあくまでアーシュとアズナブルの仲介者に過ぎなかった。 その正体は、かつてシンジケートのスナイパーとしてその名を轟かせた「アルテミス」という女性。

コクトウ (コクトウ)

赤鼻のアズナブルがサム・ギャランテに拾われたのと同時期にアーシュに拾われた男性で、彼女の息子同然の存在。自身で温室を持っており、アーシュと出会った時にプレゼントされたユリの花を自ら増やして育てている。昔の誇り高いヒットマンだったアーシュに憧れていた。

集団・組織

ナショナル・フロント (ナショナルフロント)

白人の優越性を掲げ、それ以外の人種を排除する活動を行う極右政党。ナショナル・フロントに所属するサッド・クリフトは手下の若者を使い、赤鼻のアズナブルとライアン・クリミンスにケイト・ブリッジの暗殺を依頼している。イギリスに実在する組織、国民戦線がモデルとなっている。

IRSP (アイアールエスピー)

「IRA(アイルランド共和軍)」の予備軍が激しいテロ行為を繰り返し、さらに過激な強硬派として分派した組織。作中では、実際の事件であるエアリ・ニーヴ暗殺事件は「IRSP」暗殺者のワイルド・ローズが関与したとされている。イギリスに実在する組織、IRSPがモデルとなっている。

書誌情報

赤鼻のアズナブル 全1巻 角川書店〈あすかコミックス〉 完結

第1巻

(1988年8月発行、 978-4049240610)

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