世界観
舞台は侍の国である江戸。20年前に天人と呼ばれる異星人が襲来。高圧的に開国を迫る天人に対し、危機感を覚えた侍たちが一斉蜂起する。この戦争は攘夷戦争と呼ばれ、戦いは熾烈を極めたが、天人の強大な力を見て弱腰になった幕府は彼らと不平等条約を締結。その後、天人の台頭と廃刀令により、侍は弱体化の一途をたどった。生き残った攘夷志士の一部は、攘夷浪士として地下に潜り、現幕府の転覆を狙っている。
幕末の日本がモデルとなっており、情勢はペリー来航から尊皇攘夷の気運が高まるまでの流れとよく似ている。ただし、文化レベル的には当時の日本と大きくかけ離れており、宇宙船やロボットなどSF的なギミックも多く登場する。
主人公坂田銀時が住むかぶき町は、新宿歌舞伎町がモデル。ただしその雰囲気は、現在の歌舞伎町ではなく、歌舞伎町浄化作戦施行前のものに近い。町には多くの風俗店が並び、地下には巨大な遊郭吉原もある。
なお、天人というのは異星人に対する総称で、住んでいる星ごとに個別の名称を持っている。基本的には地球人とよく似たヒューマノイドタイプが多いが、中にはモンスターのような外見を持つ者も存在する。
作品が描かれた背景
本作の連載が始まった2004年には、SMAPの香取慎吾主演で大河ドラマ『新撰組!』が放送を開始。このドラマの影響で、当時新撰組人気が盛り上がった。本作もこのドラマの影響を受けており、単行本の質問コーナーで作者は「大河ドラマ『新撰組!』に便乗する形で『銀魂』をスタートさせた」と関連について触れている。ちなみに本作は、企画当初は土方歳三が主役で、「新撰組が悪い天人を倒す」という内容だった。しかし、実在の土方歳三のイメージが強すぎたため、キャラ立てが上手くいかず、このアイデアは採用されなかった。
作品構成
作者曰く「SF人情なんちゃって時代劇コメディー」である本作は、ドタバタコメディーや人情話、剣戟バトルなどさまざま要素が盛り込まれている。主人公が成人ということもあってか、下ネタもかなり多い。また、登場人物たちが人気投票の順位を気にしたり、アニメ化に一喜一憂したりとメタ的なネタも扱っている。
基本的には一話完結のエピソードが多いが、複数話からなる長編も存在する。一話完結のエピソードがギャグ中心なのに対し、これら長編はシリアスな展開のものが多い。また長編にはそれぞれ、「紅桜篇」「吉原炎上篇」といった象徴的なタイトルが付けられている。
あらすじ
異星人天人の来襲によって価値観を変えられてしまった町、江戸。廃令刀が発布され、多くの侍たちが職と戦う気力を失っていたなか、侍の魂を持ち続けるひとりの男がいた。彼の名は坂田銀時。かぶき町で万事屋銀ちゃんを営む何でも屋だ。銀時は、彼の男気に惹かれて万事屋で働くことになった少年志村新八、戦闘民族夜兎の少女神楽、巨大犬型宇宙生物定春と共に、かぶき町で巻き起こるトラブルに首を突っ込んでいく。おもな長編のストーリーに関しては以下を参照。
星海坊主篇(第57話~第63話)
神楽を連れ帰るため、彼女の父親星海坊主が江戸にやってきた。地球に残ると言い張る神楽だったが、銀時は一緒に帰れと彼女を冷たく突き放す。そして、ついに神楽が地球を去る日がやってきた。だが出発直前、彼女の乗った宇宙船で密かに積まれていた巨大エイリアンが暴れ出し、神楽は絶体絶命のピンチに。それを知った銀時は単身で神楽の救出へ向かう。万事屋の紅一点、神楽にスポットを当てたエピソード。
紅桜篇(第89話~第97話)
江戸の町に辻斬りが出没。その正体は、妖刀紅桜を携えた人斬り岡田似蔵だった。桂小太郎が凶刃に倒れ、銀時も岡田似蔵との戦いで深手を負ってしまう。一方、正体不明の船に潜り込んだ神楽は、事件の黒幕である高杉晋助によって囚われの身になってしまう。銀時はすべてに決着をつけるため、仲間と共に高杉の船に乗り込む。
銀時のかつての仲間で、武装集団鬼兵隊を率いる高杉晋助が初登場。数ある長編の中でも人気の高いエピソードで、『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』のタイトルで映画化もされた。
柳生篇(第110話~第123話)
志村新八の姉、妙の前に現れた柳生九兵衛。九兵衛は妙を自分のものだと宣言。妙も何故か反論することも無く、従ってしまう。妙の去り際の表情に何かを感じた銀時たちは、真撰組の3人と共に柳生家に乗り込む。隻眼の美少女剣士柳生九兵衛が初登場。いつもは凶暴な妙の意外な一面が見られるエピソードだ。
芙蓉篇(第140話~第146話)
機械家政婦の首を拾ったことがきっかけで、万事屋はとある殺人事件に巻き込まれる。殺人事件の犯人と疑われた首を必死で守る銀時たち。そして事件の裏に、あるプロジェクトの存在があることを突き止める。おとぼけキャラで人気の高い機械家政婦たまが初登場。
真選組動乱篇(第158話~第168話)
謎の妖刀に取り憑かれ、失敗続きの土方十四郎。さらに真選組の乗っ取りを企む伊藤鴨太郎の罠にかかり、隊を辞めるはめになってしまう。しかし、伊藤が局長近藤勲の暗殺計画を企んでいることを知り、再び剣を取る。 万事屋メンバーと肩を並べる人気キャラ、真選組の面々にスポットを当てたエピソード。
吉原炎上篇(第210話~第228話)
ある日、銀時は晴太と名乗るスリの少年と出会う。晴太は江戸の地下にある遊郭吉原の花魁、日輪太夫が自分の母親ではないかと考え、彼女に会うために必死に金を稼いでいた。事情を知った万事屋の面々は、晴太を日輪太夫に会わせようと動き出す。しかし、そんな彼らの前に吉原の支配者鳳仙の命を受けた百華が立ちふさがる。
長編の中では紅桜篇と並ぶ人気エピソード。レギュラーキャラである月詠、そして神楽の兄神威はこのエピソードが初登場となる。
紅蜘蛛篇(第254話~第262話)
吉原に麻薬を流している商人の探索を依頼された銀時。月詠と共に捜査を進め、ついに商人の正体が月詠のかつての師、地雷亜であることを突き止める。しかし、地雷亜の反撃に遭い、月詠はさらわれ銀時も傷を負ってしまう。銀時は月詠を助け出すため、地雷亜と対決する。
百華を率いる月詠の過去に注目したエピソード。幼い銀時と師吉田松陽の出会いも描かれている。
かぶき町野良猫篇(第275話~第279話)
猫の墓に立ちションしたせいで猫の姿にされてしまった銀時が、同じく猫になった桂小太郎、ゴリラになった近藤勲と共に、かぶき町を治めるボス猫ホウイチのために一肌脱ぐ。
陰陽師篇(第282話~第289話)
お天気お姉さんにして陰陽師の結野クリステル。彼女の予報が当たるのを妨害しているのが実家の結野家と考えた銀時は、新八、神楽と共に結野家に乗り込む。しかし、妨害していたのは、結野家ではなく、彼らと敵対する尻野家だった。両家の争いに巻き込まれた万事屋のメンバーは、式神タッグ呪法デスマッチに参戦することになる。
かぶき町四天王篇(第297話~第309話)
銀時のもとに、「人斬り」の異名を持つ椿平子が弟子入り志願でやってくる。同じ頃、かぶき町では町を治める四天王の間で軋轢が生じ始めていた。しかし、これはすべてかぶき町に抗争を起こし、それに乗じて独占支配を狙う四天王華陀の計画だった。罠にかかって抗争の火種にされる銀時。さらに恩人であるお登勢まで傷つけられた銀時は、この抗争に決着を付けるため、仲間たちと共に立ち上がる。これまであまり触れられることのなかった万事屋の大家、お登勢の過去が明らかに。
蓮蓬篇(第353話~第360話)
桂小太郎に頼まれ、姿を消した彼の相棒エリザベスを捜すことになった銀時。行方を捜すうちに、エリザベスの正体が地球侵略を狙う蓮蓬のスパイであることが判明する。銀時たちはエリザベスを取り戻すため、そして蓮蓬の地球侵略を阻止するため、宇宙へ向かう。初登場以来、正体不明のキャラとして描かれてきたエリザベスにスポットを当てたエピソード。『機動戦士ガンダム』ネタがふんだんに盛り込まれており、アニメ化の際にはその再現ぶりが話題になった。
バラガキ篇(第365話~第370話)
真選組に名門佐々木家の次男、佐々木鉄之助がやってきた。キレ者として知られる見廻組局長・佐々木異三郎を兄に持ち、その兄に対するコンプレックスに悩む鉄之助。そんな彼に昔の自分を見た土方十四郎は、彼を一人前の隊士に鍛え上げようとする。しかしその最中、鉄之助が攘夷浪士にさらわれてしまう。鉄之助を犠牲にして攘夷浪士を殲滅しようとする異三郎に、土方はたったひとりで立ち向かう。
新撰組副長・土方十四郎の、亡き兄への思いを知ることができるエピソード。
金魂篇(第372話~第380話)
ある日、銀時が万事屋に帰ると、そこには坂田金時を名乗る人物が。しかも、周りの人間もみんな銀時のことを忘れてしまっていた。自分の居場所を取り戻すため、銀時は唯一自分のことを覚えていたたま、そして定春と共に戦いを開始する。
『銀魂』が坂田金時に乗っ取られたという設定で、連載時は坂田金時が登場する第372話から作品タイトルが『金魂』に変更された。
一国傾城篇(第386話~第399話)
吉原の伝説の花魁、鈴蘭太夫。彼女が長年待ち続けている客を捜すことになった銀時は、その客が先代の将軍であった事実を突き止める。鈴蘭太夫の願いを叶えるために城へ乗り込んだ銀時たちだったが、将軍の暗殺計画に巻き込まれてしまう。 のちのストーリーで重要な役割を果たす天導衆、そしてその配下である八尺烏がこのエピソードで初登場した。
ビームサーベ流篇(第402話~第409話)
長い間行方不明だった恒道館道場の塾頭、尾美一が帰ってきた。数年ぶりの再会に喜ぶ志村親八と姉の妙。二人は尾美一と共に天堂無心ビームサーベ流を立ち上げ、道場復興に向けて動き出す。時を同じくして、地球に脅迫メッセージが届く。彼らの要求を呑まなければ、送り込んだビーム砲が惑星同盟の星々に向けて発射されるというのだ。そしてそのビーム砲の正体こそが他ならぬ尾美一だった。
男女逆転篇(第437話~第441話)
国際指名手配中の宗教団体デコボッコ教がばらまいたウイルスによって、かぶき町の住人たちの性別が入れ替わってしまう。ウイルスの影響で男になってしまった柳生九兵衛は、本当の自分を取り戻すために、女になった銀時や真選組のメンバーらと共に立ち上がる。
死神篇(第463話~469話)
ある晩、銀時は死神を名乗る少女から介錯を頼まれる。少女の名前は山田朝右衛門。元公儀処刑人である彼女は、江戸を騒がしている辻斬りの犯人として指名手配されていた。彼女を助けたことから、銀時たちははこの辻斬り事件に巻き込まれていく。そして事件の背後に、10年前のある出来事が関係していることを知る。それは銀時自身の過去にも関わることだった。
快援隊篇(第477話~第480話)
銀時のかつての仲間で、快援隊を率いる坂本辰馬にスポットを当てたエピソード。坂本辰馬の相棒である陸奥の口から、彼が快援隊を作るに至った経緯が語られる。また、陸奥が実は神楽と同じ夜兎であることもこのエピソードで明らかになった。
将軍暗殺篇(第502話~第524話)
銀時たち万事屋の3人は、真選組の近藤勲、土方十四郎と共に、京へ向かう将軍の護衛を任される。だがその行く手には、将軍暗殺を企む高杉晋助とその相棒神威、そして裏切り者の伊賀の忍びたちが待ち受けていた。そして迎えた伊賀の里での最終決戦、銀時と高杉晋助はついに刃を交えることになる。 ついに表舞台に現れた天導衆、銀時と高杉晋助の直接対決など、物語が大きく動いたエピソードである。
さらば真選組篇(第525話~)
将軍暗殺を防げなかった責任を取らされ、真選組は解散。局長である近藤勲は斬首と決まった。真選組を辞めた土方十四郎は、一度は一警察官として生きることを選ぶが、近藤を助けるため再び剣を取る。そしてかつての敵だった攘夷浪士たちと手を組み、真選組の仲間と共に局長救出へ向かう。 「将軍暗殺篇」に続く長編エピソードで、新たなキャラクター・天導衆の虚が登場。その驚愕の正体が話題を呼んだ。
パロディネタ
作中には多くのパロディネタが盛り込まれており、ジャンルは漫画、アニメ、ゲームと多岐に渡る。漫画に関しては『週刊少年ジャンプ』関連が多く、『聖闘士聖矢』『北斗の拳』『ドラゴンボール』といった過去の名作から、『ONE PIECE』『NARUTO-ナルト-』『黒子のバスケ』といった最近の人気作まで幅広い。漫画に続いて多いのがゲーム関連のネタで、こちらも『ドラゴンクエスト』などのメジャー作品からマイナーなファミコンネタまで様々。『ラブプラス』がブームになったときには、これをパロディにした『ラブチョリス』が作中に登場した。意外に多いのが時事ネタで、当時問題になった「青少年健全育成条例」改正案もしっかりネタにされていた。
特殊背景
幕末の日本がモデルということで、登場人物にも幕末の有名人がモデルと思われるキャラが多く登場する。主役坂田銀時のかつての仲間である桂小太郎、高杉晋助、坂本辰馬は、それぞれ幕末に活躍した桂小五郎、高杉晋作、坂本龍馬がモデル。江戸の武装警察である真選組のメンバーも、それぞれ新撰組の隊士がモデルになっている。また、平賀源外、猿飛あやめ、服部全蔵といったように、幕末以外の有名人の名をもじったキャラも多い。
メディアミックス
TVアニメ
2006年よりテレビ東京系にて放送開始。第2期では『銀魂’』、第4期では『銀魂゚』とシリーズごとにタイトルが変わっている。原作のパロディネタの再現に並々ならぬこだわりを持っており、そのあまりの再現ぶりに版権元からクレームが来たことも。アニメ完結編と銘打った映画『劇場版 銀魂 完結編 万事屋よ永遠なれ』後に放送が始まった第4期では、劇中で主役坂田銀時による謝罪会見が行われた。
映画
2010年に人気が高い長編エピソード「紅桜篇」を映画化した劇場版第1作『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』が公開。観客動員87万人、興行収入10億円を越す大ヒットとなった。2013年には「アニメ『銀魂』完結篇」と銘打たれた劇場版第2作『劇場版 銀魂 完結編 万事屋よ永遠なれ』が公開された。
小説
「赤マルジャンプ」に掲載された学園パロディ漫画『3年Z組銀八先生』をオリジナルストーリーで小説化。ダメ高校教師坂田銀時と彼が受け持つ3年B組の面々が繰り広げるドタバタ学園コメディーで、志村親八、神楽、土方十四郎などおなじみの面々が生徒役に扮している。
ゲーム
万事屋の生活を疑似体験できるシミュレーションゲーム、坂田銀時と土方十四郎のダブル主人公で物語が進むアドベンチャーゲーム、すごろく型ボードゲームとジャンルはさまざま。いずれも原作の売りである悪ノリとパロディが満載。
作家情報
空知英秋:「週刊少年ジャンプ」にて『だんでらいおん』でデビュー。本作が初の連載作品となる。『銀魂』単行本内で新撰組のファンであることを明かしている。
登場人物・キャラクター
坂田 銀時 (さかた ぎんとき)
江戸のかぶき町にある何でも屋万事屋銀ちゃんのオーナーで、自分なりの武士道を持った侍。万年金欠気味であることから、基本、万事屋へ依頼されたことは何でも引き受けている。普段はだらしのない生活を送っているが、いざというときは頼りになるため、周囲からの支持は高い。特に好きなものは漫画誌ジャンプと甘い食べ物。 極度の甘党であり、ファミレスなどを訪れた際には、パフェをはじめとした甘い物を注文することが多い。定期的に甘いものを取らないとストレスが溜まってしまうようで、医師から糖尿病寸前の状態だと診断されてしまう。剣の腕は一級品で、かつて、地球人と天人と呼ばれる異星人の間で勃発した攘夷戦争に参加していた頃は「白夜叉」と呼ばれ恐れられていた。 現在は木刀洞爺湖を愛用している。
志村 新八 (しむら しんぱち)
幼少期に両親を亡くして以来、姉志村妙と実家恒道館道場でふたり暮らしをしている。かつてかぶき町にあるファミレスでアルバイトをしていたが、客として居合わせた坂田銀時が起こした騒動に巻き込まれてクビに。その後、借金取りの天人(異星人)に連れて行かれた妙を銀時と共に救出した際、銀時の侍魂に惹かれ、彼が経営する何でも屋万事屋銀ちゃんで働き始める。 個性が強いメンバーたちに囲まれているため、ツッコミ役を担うことが多いが、たまに銀時たちとボケに回ることもある。よく自身がかけているメガネのほうが本体だと言われたり、地味だと言われたりしてイジらるが、剣術の腕前は高く、いざというとき頼りになる。 江戸の人気アイドル寺門通のファンで親衛隊の隊長を務めている。
神楽 (かぐら)
戦闘民族夜兎の血を引いている。出稼ぎを目的として地球にやって来たが、用心棒稼業に嫌気がさし、足を洗おうとヤクザたちから逃げていたところ、坂田銀時、志村新八と遭遇。彼らに救われたことがきっかけで何でも屋万事屋銀ちゃんの仲間となり、普段銀時が生活をしている住居と店舗を兼ねた借家に住みつき始める。 初め、万事屋でのアルバイトは故郷へ帰るためのお金が貯まるまでの予定だったが、現在は自分の意思で万事屋に留まっている。可愛らしい容姿に反し、しょっちゅうヒロインにあるまじき言動を起こすが、時折年相応の態度を見せることも。語尾に「~アル」や「~ネ」などをつけた中国人口調で話すことがほとんどだが、共通語を話すときもある。
定春 (さだはる)
巨大な犬型宇宙生物。何でも屋万事屋銀ちゃんの前に捨てられていたところ神楽に拾われた。珍獣コレクターのハタ皇子に回収されそうになったが、坂田銀時に救出される。以降、万事屋のペットとして飼われることになった。実は龍穴を守護する狛神と呼ばれる希少種で、一時、狛神の力が目覚めて暴走してしまったが、定春を捨てた張本人である巫女の阿音と百音の力を借りて元の姿に戻った。
桂 小太郎 (かつら こたろう)
「狂乱の貴公子」との異名を持つ攘夷志士。倒幕を掲げて江戸各地でテロ活動を行っているため、幕府から指名手配されている。幼馴染の坂田銀時や高杉晋助らと共に、地球人と天人と呼ばれる異星人との間で勃発した攘夷戦争に参加していた過去を持っており、剣の腕前は高いほう。銀時から「ヅラ」のあだ名で呼ばれる度に「ヅラじゃない、桂だ」と返している。 謎の宇宙生物エリザベスと行動を共にすることが多い。
エリザベス
攘夷志士の桂小太郎が溺愛する謎の宇宙生物。拾い主は桂の幼馴染である快援隊の坂本辰馬。坂本が桂の元を訪れた際に置いていったため、以後桂のペットとして彼の傍らにいる。基本、プラカードを用いて会話をするが、ごく稀に言葉を発するときがある。オッサンのような足が見えることもしばしば。
高杉 晋助 (たかすぎ しんすけ)
過激派武装集団鬼兵隊の首領。幼少時代、坂田銀時や桂小太郎たちと寺子屋で学問や剣術を学んでいた。銀時らと共に、異星人天人との攘夷戦争に参加した過去を持つ。当時の師匠吉田松陽を強く慕っており、彼が処刑されたことがきっかけで世界を恨むようになった。世界崩壊を目標にクーデターを起こしていく。
坂本 辰馬 (さかもと たつま)
宇宙で貿易活動を行っている快援隊の設立者。坂田銀時たちのかつての同胞で、異星人天人との攘夷戦争に参加していた際には、いち早く攘夷戦争に未来がないと察していた。天然ボケな部分が目立つが、大義を貫く強い意志を内に秘めている。銀時のことを「金時」と呼んでおり、地球を出る際には彼へ一緒に行こうと誘ったことがある。
陸奥 (むつ)
戦闘民族夜兎の血を引くクールな女性。父親が宇宙海賊千鳥の総督だったため、かつては千鳥の第二師団副団長を務めていた。そこで、千鳥の奴隷船に拾われてやってきた坂本辰馬と出会う。現在は、千鳥の奴隷船内にいた奴隷たちを買い取った坂本が設立した快援隊の副官的ポジションを担っている。
志村 妙 (しむら たえ)
坂田銀時が経営する何でも屋万事屋銀ちゃんで働く志村新八の姉。かぶき町内にあるスナックすまいるに務めている。客人としてすまいるにやってきた特装警察真選組局長の近藤勲から悩みを打ち明けられた際、気遣った言葉をかけたことがきっかけで近藤に惚れられてしまい、以後、しつこく迫られるようになってしまった。 穏やかそうな外見とは裏腹に、高い戦闘能力を持っている。さらにはダークマターを生み出してしまうほどに料理の腕が壊滅的。
柳生 九兵衛 (やぎゅう きゅうべえ)
先祖代々将軍家に仕えてきた名家柳生家の御曹司として育てられた女の子。迅速な剣の使い手で、周囲から高い評価を得ている。幼馴染である志村妙のことが大好きで、彼女を許嫁として屋敷へ迎え入れようとした。妙を借金取りから守ろうとして戦った際に左目を失ってしまい、以後、眼帯を付けながら生活をしている。
お登勢 (おとせ)
本名は寺田綾乃。坂田銀時がオーナーとして営んでいる何でも屋万事屋銀ちゃんの大家で、かぶき町を支配するかぶき町四天王のひとり。万事屋の1階にあるスナックお登勢でママとして働いている。面倒見のいい性格で、店の売り上げを持ち逃げしようとした異星人天人のキャサリンを許してしまうほどの懐の深さを持つ。 家賃の滞納を繰り返す銀時と口論をすることが何度もある。
長谷川 泰三 (はせがわ たいぞう)
元幕府の入国管理局局長。坂田銀時が営む何でも屋万事屋銀ちゃんへ政府の要人ハタ皇子のペット捜査を依頼した際、銀時の生き様に感銘を受け、自己中心的なハタ皇子を殴ったことがきっかけで職を失う。その後は妻のハツに逃げられてしまい、マダオ(まるでダメなオッサン)人生を送っている。 とにかく金と運がない。
猿飛 あやめ (さるとび あやめ)
元お庭番衆のくノ一。現在は悪人を退治する裏稼業者で、始末屋を営んでいる。最初は任務を完遂するために坂田銀時を騙し、利用できる駒としてしか見てなかったが、一緒に仕事をしたことがきっかけで銀時に惚れてしまい、その後は激しいアプローチを繰り返すようになった。M属性にも目覚めてしまう。 ド近眼であるためメガネがないと何も見えない。
服部 全蔵 (はっとり ぜんぞう)
名家服部一族の跡取りで、「摩利支天」の異名を持つ忍者。ピザ屋のアルバイトなどをして生計を立てている。坂田銀時に負けないくらい漫画誌ジャンプが好きで、銀時と初めてコンビニで出会ったときには1冊しか残っていなかったジャンプ(後に増刊号だったと発覚)を巡って激しい争奪戦を行った。 その後、ジャンプを読むたびに銀時の顔がチラつくようになる。現在、痔を抱えて苦しんでいる。
近藤 勲 (こんどう いさお)
江戸の治安を守る特装警察真選組局長。人柄が良く、真選組の隊士たちから絶大な信頼を集めている。かぶき町にあるスナックすまいるで出会った志村妙に惚れて以降、ストーカーの域に達した行動を起こすようになった。その度に妙から報復攻撃を受け拒絶されているが、諦めずにアプローチをし続けている。 坂田銀時たちから「ゴリラ」というあだ名で呼ばれることも。
土方 十四郎 (ひじかた とうしろう)
江戸の治安を守る特装警察真選組副長。「鬼の副長」と呼ばれ隊士たちからも恐れられている。真選組の中では一番の常識人だが、重度のマヨラーなため、これでもかというほど料理にマヨネーズをかけるといった奇行を起こす姿も見られる。また、ヘビースモーカーでもあり、松平片栗虎の提案で江戸一帯に禁煙令が施行された際は、タバコを吸うためだけに宇宙へ飛び立った。
沖田 総悟 (おきた そうご)
江戸の治安を守る特装警察真選組一番隊隊長。真選組局長近藤勲のことを強く慕っている。だが、真選組副長を務める土方十四郎のことは気に食わず、あらゆる手段を用いて彼を亡き者にしようとしている。組内随一の剣の使い手なのにもかかわらず、バズーカを使った攻撃をすることが多い。爽やかな見た目に反してかなり腹黒で、自他ともに認めるドSな性格の持ち主。 短時間で女性を調教するテクニックを持っている。
山崎 退 (やまざき さがる)
江戸の治安を守る特装警察真選組監察。監察として優秀な成績を収めているものの、周囲からは地味な存在だと認識されている。理不尽な上司に振り回されることが多く、万事屋銀ちゃんで働く志村新八とはよく気が合う模様。仕事の合間に特技であるミントンやガバディをすることもあり、その都度真選組副長の土方十四郎に怒鳴られている。 張り込み中はあんぱんと牛乳以外は食さない。
松平 片栗虎 (まつだいら かたくりこ)
警察組織の頂点に君臨する存在。頻繁にキャバクラへ通い、湯水のようにお金を使っていることから「夜の帝王」としても君臨している。一人娘松平栗子を溺愛しており、彼女がデートへ出かけた際には、特装警察真選組の近藤勲、土方十四郎、沖田総悟を引き連れて尾行。デート相手と彼女の仲を裂こうと工作した。
佐々木 異三郎 (ささき いさぶろう)
名門佐々木家の嫡男。名門出の俊英たちで形成された特装警察見廻組の局長を担っている。剣をとれば「二天」、筆をとれば「天神」と謳われるほど高い才を持つ。対を成す特装警察真選組のファンだと公言しているが、実際のところは彼らのことを軽蔑していた。重度の携帯依存症で、頻繁にネット用語を用いたメールを相手へ送る。
今井 信女 (いまい のぶめ)
特装警察真選組と対をなす特装警察見廻組隊士のひとり。かつて、国の実権を事実上握っている天導衆の暗殺部隊天照院奈落に所属しており、天照院奈落の首領朧からは「骸」という名で呼ばれていた。常に無表情で感情が全く読み取れない。真選組随一の剣士沖田総悟と互角にやり合うほどの剣の腕は天才的。
神威 (かむい)
戦闘民族夜兎の血を引いた、宇宙海賊春雨の最強部隊第七師団の団長。優男のような外見に反して、異常なほどの戦闘狂である。強者を好む性質であり、吉原桃源郷内で坂田銀時の闘い様を目の当たりにしてからは侍に興味を持ち始めた。かつて、夜兎族の廃れた風習に倣って、父星海坊主を殺そうとしたことがある。 実妹神楽に対しても容赦なく襲い掛かる。
阿伏兎 (あぶと)
戦闘民族夜兎の血を引いた、宇宙海賊春雨の最強部隊第七師団の副団長。団長の神威に付き添っていることが多く、自由奔放な彼に手を焼いている姿が見られる。神威と、吉原桃源郷一帯を牛耳っていた神威の師匠鳳仙が戦いを繰り広げた際には、自身の左腕を犠牲にしてふたりを止めた。
月詠 (つくよ)
江戸の地下に存在する遊郭吉原桃源郷の自警団百華を率いる最強の番人。クナイを使って攻撃をすることが多い。廓言葉を使って話すのが特徴的である。「死神太夫」の異名を持ち、周りから恐れられているが、親しい人物や部下からは絶大な信頼を得ている。酒に弱い体質であり、少量でも泥酔して暴れ出してしまう。
ハタ皇子 (はたおうじ)
央国星の皇子で、地球へやって来てはその都度騒動を巻き起こす異星人天人。ワガママで周囲を顧みない性格のため、長谷川泰三から殴られたことがある。薄紫色の顔色と、頭に触覚が生えているのが特徴。珍獣コレクターでもあり、犬型宇宙生物の定春を初めて見た際には、回収しようとした。少し古典的で独特な口調を用いる。
天人 (あまんと)
『銀魂』に登場する異星人たちの総称。地球人たちと長期にわたる攘夷戦争を繰り広げた。その後は江戸全域を支配し、価値観を変えていく。豹やカエル、河童といった地球人と外見が大きく異なる天人もいれば、地球人とあまり変わらない外見の天人も存在する。廃刀令発布により刀を奪われて職を失った侍たちのことを哀れな目で見たり、蔑んだりしている者が多い。
一橋 喜々 (ひとつばし のぶのぶ)
将軍家につながる血筋でありながら、裏で高杉晋助らと結託し、十四代征夷大将軍徳川茂茂らを追い落とし、自分が将軍の座に着こうと企んでいる。
徳川 茂茂 (とくがわ しげしげ)
徳川幕府十四代征夷大将。そよという妹がいる。他人のことを思いやる心が強く、臣下から慕われている名君。坂田銀時らとの交流があるが、彼らと行動を共にする際は、おおむね酷い目にあっている。
徳川 定々 (とくがわ さださだ)
天人襲来の折、十三代目征夷大将軍の座に就き、彼らに屈服した。引退した後も、隠然たる力を振るい、幕政に干渉している。寛政の大獄で、吉田松陽を処刑させた張本人である。
徳川 そよ (とくがわ そよ)
第十四代征夷大将軍、徳川茂茂の妹。神楽と親友であり、彼女を江戸城に招待してお泊り会をするなどしている。
岡田 似蔵 (おかだ にぞう)
盲目ながら居合い斬りの達人。「人斬り似蔵」の異名をとる。妖刀、紅桜を暴走させたところを坂田銀時らに倒された。
日輪 (ひのわ)
脚が不自由ながら、吉原一の花魁であり、その毅然とした生き方から、吉原の遊女たちから尊敬を集めている。晴太の養い親。
平賀 源外 (ひらが げんがい)
江戸一番のカラクリ技師。息子の三郎が攘夷派として処刑されたため、かつてテロを実行したことがある。
吉田 松陽 (よしだ しょうよう)
松下村塾を開き、坂田銀時らを教えていた恩師。寛政の大獄の際、高杉晋助らの命を救うために、銀時の手によって斬られた。
星海坊主 (うみぼうず)
神楽や神威の父。夜兎であり、宇宙最強クラスの人物。
寺門 通 (てらかど つう)
志村新八が熱狂的に支持するアイドル。強引な駄洒落を交えての会話が特徴。
河上 万斉 (かわかみ ばんさい)
鬼兵隊に所属する剣豪。高杉晋助に対して、唯一対等に口をきける鬼兵隊隊員。つんぽという名で音楽プロデューサーとしても活躍している。
来島 また子 (きじま またこ)
鬼兵隊に所属する二丁拳銃の使い手。高杉晋助を信奉している、ほのかに恋心も抱いている女性。
武市 変平太 (たけち へんぺいた)
鬼兵隊に所属し、参謀を務める。自称フェミニストのロリコン。
朧 (おぼろ)
天導衆の暗殺部隊である、天照院奈落の首領であり、かつて攘夷戦争において坂田銀時らと刃を交えたことがある。剣の腕が立つだけでなく、針を相手に経絡に打ち込んで動きを止めるという技を駆使する最強クラスの男。
集団・組織
真選組 (しんせんぐみ)
『銀魂』に登場する特装警察。モデルは新選組。攘夷志士捕まえたり将軍の護衛をしたりしながら、江戸の治安を守っている。主に局長の近藤勲や副長の土方十四郎、一番隊隊長の沖田総悟が中心となって行動をすることが多い。全部で十隊存在する。地域住民からの評判があまりよくないため、一時、人気アイドルの寺門通を迎えてイメージアップを図ろうとしたことがある。 土方が考えた局中法度を破った者は切腹しなければならない。
夜兎 (やと)
『銀魂』に登場する種族。宇宙最強の戦闘民族と呼ばれており、戦うことを好んでいる。圧倒的な怪力を持っているうえに、傷の治りが早く、さらには食欲旺盛なのが特徴。外見は地球人とさほど変わらないが、直射日光に弱い性質のため日傘を差して行動することが多く、肌は白い。何でも屋万事屋銀ちゃんで働く少女神楽や彼女の兄神威などがこれにあたる。
徳川幕府 (とくがわばくふ)
『銀魂』に登場する組織。江戸に拠点を置く政権。天人(異星人)からの支配を受けている。
攘夷志士 (じょういしし)
『銀魂』に登場する集団。天人による江戸の支配に抵抗して武力蜂起した、侍たちの総称である。幕府が先んじて天人に屈し、傀儡政権となったため、攘夷志士らは弾圧の対象となり、数々の組織に別れて潜伏活動を行っている。
鬼兵隊 (きへいたい)
『銀魂』に登場する集団。高杉晋助が、攘夷戦争中に率いていた部隊。現在は、高杉が指導者となり、倒幕を目的とした組織となっている。河上万斉、来島また子、武市変平太、岡田似蔵らが所属する。
お庭番衆 (おにわばんしゅう)
『銀魂』に登場する集団。徳川幕府を陰から支える忍者集団。徳川幕府が天人の傀儡政権となった後、表向きは解散した形を取っていた。
快援隊 (かいえんたい)
『銀魂』に登場する集団。坂本辰馬がリーダーを務めている、宇宙を股にかけた貿易艦隊。
見廻組 (みまわりぐみ)
『銀魂』に登場する集団。佐々木異三郎が長官を務めている警察組織。徳川幕府内の名門の子弟が主に採用されている。
一橋派 (ひとつばしは)
『銀魂』に登場する集団。徳川茂茂に代わって、将軍の座に就こうとする一橋喜々を中心とした幕府内の権力派閥。
徳川定々派 (とくがわさださだは)
『銀魂』に登場する集団。前将軍、徳川定々を中心とした幕府内の権力派閥。
天導衆 (てんどうしゅう)
『銀魂』に登場する集団。幕府を陰から操っている集団であり、暗殺部隊の天照院奈落をはじめ、強大な武力を抱えている。
天照院奈落 (てんしょういんならく)
『銀魂』に登場する集団。幕府を陰から操っている集団で、天導衆が抱える暗殺部隊。朧を主領としている。
場所
万事屋銀ちゃん (よろずやぎんちゃん)
『銀魂』に登場する店。かぶき町にある何でも屋で、オーナーは坂田銀時。大家のお登勢が経営するスナックお登勢の2階に構えている。現在志村新八神楽らと共に3人で営んでいるが、新八と神楽が働き出す前は、正体不明の黒人たちが働いていたこともある。人探しから大工仕事まで、仕事を選ばずに何でも行う。