あらすじ
第1巻
徳田根サチは、週刊誌のような内容の校内新聞を書いた事で、生徒会執行部の木律まもりに注意を受けてしまう。しかしサチは反省するどころか、言論弾圧だと抗議を始める。そして、非難したまもりに対抗すべく、サチは部員募集をするために校門へと向かう。(#1「ペンは剣よりも強し(笑)」)
サチは部活動をテーマにした記事を書くために、さまざまな部に体験入部していた。サチの熱心な姿を目にしたまもりは、彼女の新聞にかける情熱を認めると共に、なぜ彼女が新聞を書くのかが気になり、その理由を尋ねる。するとサチは、面白そうな事をみんなにも知ってほしいのだと、新聞にかけるその意気込みを語る。(#2「クローズアップ現在」)
サチは地区予選2回戦で敗退した野球部に取材を行い、敗因を根掘り葉掘り聞こうとする。まもりは、そのデリカシーのない取材を止めようとするが、野球部はこれをきっかけに話し合い、敗北から立ち直る事となった。まもりは、結果論とはいえ、サチの強引な取材にも意味があった事を認めるが、一方の野球部は、飲酒や喫煙などの不祥事を起こして、次の大会の出場停止処分を受けてしまう。(#3「ONE FOR ALL ALL FOR ONE」)
サチは、体育館裏に宇宙人が出現したというゴシップ記事を、勢いで校内新聞に載せた。その事実確認をすべく、サチとまもりは調査を開始。その過程で宇宙人の正体は、新聞部の宇鶴えいぞうの変装によるものである事が発覚。マッチポンプだと批判するまもりに対し、サチはこの顛末をどう記事にしようかと悩んでしまう。(#4「KY」)
校内新聞で自分の恥ずかしい姿を暴露された柿戸目つづりは、まもりといっしょにサチに抗議するが、取り合ってもらえない。そこでつづりとまもりは、逆にサチの恥ずかしい秘密を探るために、調査を開始する。(#5「内偵」)
まもりは放送室を借りて、チャリティー募金の結果と、そのお礼をアナウンスしていた。二臼アナからそれを教えられたサチは、まもりの様子を見学しに行く。サチは放送に慣れないまもりが、ガチガチに緊張している姿を見て、彼女の緊張をほぐそうとする。(#6「頭が真っ白」)
近所の喫茶店の紹介記事を書いたサチのもとに、生徒達が抗議のためにやって来た。その抗議の内容は、校内新聞に載せた喫茶店が有名になったせいで、落ち着いた雰囲気が壊れてしまったというものだった。サチは素知らぬ顔でやり過ごすが、生徒の抗議を耳にしたまもりは、その喫茶店の視察に行く事にする。(#7「宣伝広告」)
サチがサッカー部に取材に行くと、取材を拒否されてしまう。サチはサッカー部の姿勢を横暴だとして、活動を禁止するようまもりに要求する。まもりはその要望を断りながらも、一応はサチの言い分も聞こうと、どんな取材を願い出たのかと尋ねる。するとサチは、サッカー部員とマネージャーの三股疑惑の真偽を確かめようとしたのだと聞き、呆れるのだった。(#8「外堀から埋めていくスタイル」)
生徒会副会長の佐羽カクシは、まもりの弱味を探ろうと、密かに新聞部に協力を申し出る。だがサチは受け入れず、逆にこの事をネタにカクシを脅す事にする。そしてカクシは、予算会議で新聞部の予算の増加を検討するべきだと、新聞部に有利な意見を述べる事になる。(#9「ノーマネーでフィニッシュです。」)
写真を撮る事に情熱を燃やすえいぞうに対し、まもりはなぜ写真部ではなく、新聞部に所属しているのかと尋ねた。するとえいぞうは、写真部では風景や動物昆虫などの静物ばかりを撮っているのに対して、新聞部では女子を撮る事ができるからと答える。まもりは、女子の写真への情熱が行き過ぎている事を問題視し、えいぞうに自重を促すべくサチに意見する。(#10「真実を写す」)
新聞部に弱味をにぎられているカクシは、頻繁に新聞部の部室に出入りしていた。そんな中、新聞部の部室から出るところで、偶然つづりと鉢合わせになり、なぜ新聞部から出て来たのかと尋ねられてしまう。それをカクシが誤魔化そうとしたところで、サチがやって来てカクシをかばう。カクシはなぜサチが自分をかばったのかと疑問に思うが、サチは人質は生きているからこそ価値があるのだと、その理由を述べる。(#11「密偵」)
まもりはつづりから、新聞部を検問するよう強く勧められていたが、まもりはあくまで新聞部には自省する事を望んでいた。そこでまもりは、つづりがサチを説得してみてはどうかと提案する。それを受けてつづりは新聞部まで出向くが、サキと話す事で、まもりとサチがお互いにいがみ合いつつも、一方で信頼し合っている事を理解する。(#12「デモクラシー」)
サチは化学部を取材していた際に勝手な振る舞いをして、爆発事故を起こしてしまう。そして、サチはそれを記事にしたものの、若干の印象操作をした事で、まもりによる抗議を受けてしまう。まもりは真実を書かなかった事を問題視し、訂正記事を書くようにとサチに求める。(#13「報道する自由しない自由」)
アナは中学時代、共に放送部員だったサチといっしょに、昼休みのラジオ放送を担当しており、また当時のように活動をしたいとサチに持ちかける。その申し入れを断るサチに対して、アナはまもりと喧嘩している今の方が楽しいのかと、サチに詰め寄る。(#14「顔が見える活動」)
サチは校内新聞に載せる記事のネタに困っていた。そんな中、まもりは夏に向けての注意事項や、生活態度の見直しを記事にすればいいと提案するが、サチはそんな記事を書いても生徒達は喜ばないと否定する。すると、まもりが生徒達に意見を募ってはどうかと提案し、二人で校内新聞にどんな事を書けばいいかのアンケートを行なう。(#15「街頭アンケート」)
サチはまもりに、不透明な活動内容の部を調査してほしいと依頼を受ける。そこでサチは、アニメーション研究部などの活動実態を強行調査して、ただ遊んでいるだけだとわかると、彼らの持っていた道具などを押収してしまう。しかし、まもりは彼らの居場所を強制的に奪うような真似をしてはいけないとして、話し合いでの解決を目論む。(#16「遊びでやってんじゃないんだよ!」)
まもりは男子生徒から告白を受け、その様子をえいぞうにより激写されてしまう。それをネタにサチによって弄られると、まもりはどうして自分に告白したのかと疑問を持ち始める。すると、サチは校内新聞で実施したアンケート調査を見せ、まもりがなぜ男子生徒にモテるのか、その理由を説明し出す。まもりはそれを知って恥ずかしがり、生徒会長としてみんなの前で登壇する際に、照れてしまうのだった。(#17「知らなきゃよかった」)
サチは校内新聞で「好きな先生部門」と「嫌いな先生部門」のアンケートを実施した。そのアンケートで1票も投じられなかった教師の白日ユメミは、生徒にまるで関心を持たれていない事に大きなショックを受けてしまう。そこでユメミはどうすれば人気の教師になれるのかと、サチに尋ねる。(#18「金八シンドローム」)
つづりは聖ピスタチオ学園に風紀委員がない事を疑問視して、校内の風紀を取り締まる風紀委員の発足を提案した。そこで風紀委員の代表を務める事になったカクシは、メンバーの募集を始めるが、まるでメンバーが集まらない。その原因をサチが調査したところ、新聞部が悪事や校則違反を暴いているので、風紀委員は要らないと生徒達が考えている事が判明する。(#19「栄枯盛衰」)
梅雨になって新聞部では、それぞれの部活動が雨の日の過ごし方を調査し始めた。するとえいぞうが、雨に濡れた女子の写真が撮れると張り切り出して、周囲を気持ち悪がらせるのだった。(#20「沁み込み」)
夏が近づくに連れて熱中症で倒れる生徒が出るようになり、新聞部では注意喚起や対策を記事にする事になる。するとサチは普通の記事では面白くないと、人間はどの程度まで暑さに耐える事ができるのかを調べるために、えいぞうを被験者として実験を始める。しかし人体実験は危ないからと、まもりにその実験を中止させられてしまう。するとサチは熱中症で倒れた生徒達に足湯をさせ、熱中症克服の特訓を開始する。(#21「予防線」)
生徒会主催の会議中、出席していたサチは眠ってしまう。まもりに叱責されたサチは、確認作業のための会議なんて時間の無駄だと主張。一方のまもりは、その重要性を理解できないのは無知ゆえだと返し、会議の場は一触即発のギスギスした空気になってしまう。(特別出張番外編「私は寝てないんだ!」)
第2巻
徳田根サチは、次の試合でライバルと戦う予定の柔道部エースに取材を申し込むが、選手から取材拒否を受けてしまう。そこでサチは、そのライバルの選手に取材を申し込み、他校のライバルは快く取材に応じたと言って、再度柔道部エースに取材を申し込む。(#22「〇〇道」)
宇鶴えいぞうは、学食で昼食を取っていた佐羽カクシの横に座り、木律まもりと柿戸目つづりのどっちが本命なのかと尋ねる。カクシが両方を否定すると、えいぞうはカクシはゲイなのかと極論を言い出す。そこでカクシは、まもりを越えたい壁として目標にしているのだと、えいぞうに本音を漏らす。(#23「御恩と奉公」)
サチはまもりの巨乳を見て、どうしてこんなに大きくなったのかと尋ねる。そして、つづりもその言葉に便乗し、まもりは困ってしまう。すると、まもりはサチの胸を見て、そのくらいの胸がよかったとつぶやく。(#24「大は小を兼ねるも杓子は耳かきにならず」)
期末テストを控え、サチはまもりに勉強を教わりにやって来る。すると、サチはまもりに対して「頭がいい女はエロい」という噂は本当かと尋ねるが、まもりはその質問をはぐらかそうとする。(#25「いつやるの?」)
サチとまもりは、生物部が無断で飼育していたカブトムシを校則違反だとして押収した。生物部は育てたカブトムシを販売しており、まもりはそれを問題視していたのだ。しかし生物部の部長は、金儲けではなく次のカブトムシを育てるための資金を作るためだと、弁解を試みる。(#26「昆虫王者」)
学食の料理を担当する美良野なぽりはケチャップが大好きで、なんにでもケチャップをかけてしまう癖があった。そのため、学食の料理はすべてケチャップ味になってしまい、生徒達のクレームがサチのもとに寄せられた。サチがそのクレームをなぽりに伝えると、なぽりはケチャップを使う事を自粛する。(#27「赤い昼食」)
サチは、幼なじみの二臼アナが所属している放送部の取材をする事に決める。いつも一人で活動しているアナに、ほかの部員はいないのかとサチが尋ねる。すると、アナはサチと昔やっていたラジオ放送を再開するために、敢えてほかの部員を募っていないのだと答えた。(#28「アナちゃんの献身」)
サチは校内新聞で、海派か山派かのアンケートをする事にした。すると、えいぞうが海を選ぶ連中はいけ好かない奴ばかりだと、海派の人達を馬鹿にするような発言を繰り返す。そんな中、えいぞうはつづりが日に焼けている事に気づき、さらに彼女がプールでビキニをつけていた事を知り、大きなショックを受けてしまう。(#29「メラニン色素」)
まもりは新聞部を監督する顧問が必要だと考え、サチに顧問を探すように要請する。そんな中、教師の白日ユメミがサチが顧問を探していると聞きつけ、自ら顧問になる事を志願する。そして、ユメミは新聞をチェックする役割を担うものの、サチに嫌われたくない一心から問題の指摘ができない。(#30「顧問 Come on」)
ユメミはサチに好かれるために、用がないにもかかわらず新聞部の部室を出入りするようになる。そんな中、サチはユメミにお薦めの本を紹介する記事を書いてはどうかと提案し、ユメミはその記事をはりきって書き始めた。そして、その記事は生徒のあいだで好評を博し、ユメミは生徒達からの人気を少しずつ集め始める。(#31「先見の明」)
サチは向島拓郎に取材を申し込み、年上の彼女に魚のコスプレをさせているという噂の真相を確かめたいと申し出る。拓郎がその噂は誤解だと答えると、サチはその誤解を解くために彼女に合わせてほしいと言い出す。そこで拓郎とサチはいっしょに噂の彼女に会いに行く事にする。(#32「徳田根さんと疑惑の男」)
つづりは見た目に反して大食漢だと話題になり、つづりも自分は太らない体質だと言い切る。そんな中、サチがつづりのお腹を触ってみると、少し太っている事に気づく。つづりは中学時代にバスケットボール部に所属していたために、食べた分のカロリーを運動で消費していただけで、決して太らない体質ではなかったのだ。つづり自身もその事実を知り、ダイエットに励む事を決意する。(#33「キロカロリー」)
生徒が運転する自転車に轢かれそうになったサチは、学校全体で自転車マナーの徹底を呼び掛けようとまもりに提案する。そしてサチとまもりは、黒柳の許可を取ろうとするが、黒柳はサチの提案には否定的な姿勢を取ってしまう。そこで、仕方なくサチは自転車を運転する生徒達に口頭での注意喚起を始める。(#34「チャリンコ」)
サチはまもりとつづりに、カクシに対してどんな印象を持っているかと尋ねる。すると、二人はカクシにいい印象を持っているが、あまり彼の事を知らないからと、答えに困ってしまった。(#35「優秀な人」)
サチはえいぞうの撮った写真をチェックしていて、構図に工夫がない事に気づく。それを指摘されたえいぞうは、サチに見限られないために新たな工夫をして写真を撮る事にする。そして、普段とは違う被写体を撮る事で新たな発見はないかと、動物や植物などを撮り始めた。(#36「自然の美」)
サチは落ち葉掃除をしている最中、焼き芋をする事を思いつき、その許可をまもりに申請する。しかし、まもりはほかの生徒が真似をしたら危ないからと、その申し出を断る。その様子を傍から見ていたユメミは、サチの行動力を改めて評価する。(#37「It's my life」)
漫画研究部の部員が、自分の描いた作品が美術部の部員に盗作されたと騒ぎ、新聞部にその真偽を確かめてもらうよう依頼する。サチは美術部部員に話を聞きに行くが、美術部員は盗作したのではないと、その疑いを否定した。そこでサチは盗作疑惑をテーマに記事を書き、生徒達の意見を集め始める。(#38「類似」)
つづりは犬の散歩をしている最中、ランニングをしていたサチに偶然出会う。そこでサチがつづりにあれこれと質問するため、つづりは自分の事を知ってどうなるのかと、サチに疑問を投げ掛ける。(#39「ランナー」)
まもりとつづりが作業をしている最中に、サチの事が話題に上がった。そこでサチの頭から生えている2本の「アホ毛」が気になった二人は、なぜあんな「アホ毛」が生えているのかと、冗談交じりで議論を始める。(#40「アンテナ」)
サチはえいぞうの見た目について言及し、もっと身なりに気遣えばいいのではと提案する。しかし、一向に身だしなみに興味を示さないえいぞうに対して、サチはえいぞうの見た目を変えてみる事にする。そこでヘアワックスを使って、えいぞうの頭をかっこよくしようと試みるが、うまくいかない。(#41「ポジショニング」)
聖ピスタチオ学園の学園長の十姉妹は、ペットのジュウシマツに小型の拡声器を付け、別の場所からそのジュウシマツを通して生徒達に話し掛けるという奇天烈な人物だった。つづりは十姉妹の正体が気になり、新聞部なら何か知っているのではないかと、サチのもとを訪ねる。しかし、サチは十姉妹についての憶測ばかりを語るだけで、真相は何一つ知らなかった。そこでつづりは自ら十姉妹について調べる事に決め、十姉妹の飼っているペットを調べ始めた。(最終話「Pちゃん」)
アナは喉風邪を引いてしまい、しゃべるのも辛そうにしていた。サチはそんなアナを気遣っており、その様子を見たまもりは二人の友情を羨ましく思うのだった。(特別番外編「感染拡大」)
登場人物・キャラクター
徳田根 サチ (とくだね さち)
聖ピスタチオ学園に通っている高校2年生の少女。新聞部の部長を務めている。金髪のポニーテールで髪質が固く、前髪から2本の「アホ毛」が生えている。背が低く幼児体型を気にしており、普段から牛乳を飲むなど身長を伸ばすための努力をしている。思い立ったらすぐに行動に移す行動力があるほか、生徒会執行部の佐羽カクシの弱味を握って新聞部の予算の増加を狙うなど、打算的な性格をしている。 また自分の利になるとわかれば、若干性格に難のある宇鶴えいぞうも、味方に引き込むような求心力も持ち合わせている。新聞部として精力的に活動しており、2、3日に一度は校内新聞を発行している。記事を書く際は読む人が面白く読めるようなエンタメ性の高い内容を心掛けており、そのためならば人の弱味を記事にする事も厭わない。 生徒会執行部の木律まもりにはつねに問題のある記事を書かないように注意されているが、あまり聞く耳を持たない。しかし、発行している校内新聞は生徒のあいだでは比較的人気が高く、同時に徳田根サチ自身の人望も厚い。また、人の悪事や校則違反などをスクープして校内新聞として発行する事によって、意図せずして校内の治安維持に貢献している。
宇鶴 えいぞう (うづる えいぞう)
聖ピスタチオ学園に通っている高校1年生の少年。新聞部に所属している。黒髪短髪の優男風の見た目をした男性で、写真を撮る際に前髪が邪魔にならないように普段からヘアバンドを巻いている。女の子の写真を撮るのが大好きで、特にカメラ慣れしていない初々しい所作の女子を撮るのが好き。また女の子の蒸れた姿に興奮したり、女の子同士が絡み合う姿に興奮するなど、少々マニアックな性癖を持っている。 しかし、徳田根サチの下着姿などを前にしても、いっさいの反応を見せないなど興味対象にムラッ気がある。そのほか、チャラチャラした見た目の人物や尻軽な女性などを毛嫌いしており、それらの人物に対してははっきりと嫌悪感を示す。新聞部に入る以前は、無許可で女子を撮影していた事から変質者扱いされていた。 そんな中、サチに新聞部に勧誘され、新聞部のカメラマンを務めるようになった。新聞部ではサチの指示によって記事を書く際の無茶な実験に付き合わされる事も少なくないが、精神的にタフである事やサチに恩義を感じている事から、あまり苦に感じていない。スクープを激写するために木の上に潜伏するなど、新聞部の活動に大きく貢献している。
白日 ユメミ (しらひ ゆめみ)
聖ピスタチオ学園に勤務している女性教師。担当は現代国語。年齢は24歳。徳田根サチの在籍するクラスの副担任も務めている。癖のある紫色の髪で、ショートヘア。人気教師になりたがっているが、まだ2年目の新米教師のために、生徒からの人気はいまいち。校内新聞で実施された「好きな先生部門」と「嫌いな先生部門」のアンケートでは1票も入っておらず、生徒からも感心をまったく持たれていない。 生徒からの人望を得ようと、新聞部の顧問を引き受けた。新聞部の発行する校内新聞の内容に問題がないか、検閲する役割を担っているが、サチに嫌われたくない一心から多少の問題であれば目をつぶってしまう。のちに校内新聞で本を紹介するコーナーを担当する事となり、若干ながら生徒からの支持を集めるようになった。
木律 まもり (きりつ まもり)
聖ピスタチオ学園に通っている高校2年生の少女。生徒会執行部の会長を務めている。青髪のセミロングの髪型で、眼鏡をかけている。胸が非常に大きい。生まじめな性格で責任感が強く、特に勉学には秀でている。しかし、天然なところやドジなところがあり、そのスキのある姿が男子生徒のあいだで人気が高く、校内新聞で行った「同学年の男子の彼女にしたい女子ランキング」では堂々のランキング1位だった。 過激な内容の校内新聞を発行している徳田根サチに何度となくその是正を求めているが、あまり相手にされていない。一方で精力的な活動をしているサチの事を認めており、彼女の事を信頼している。そのため検閲などで新聞部を統制するような手段をあまり取りたがらず、あくまで自制してもらえる事を願っている。
佐羽 カクシ (さは かくし)
聖ピスタチオ学園に通っている高校2年生の男子。生徒会執行部の副会長を務めている。黒髪短髪で眼鏡をかけており、知的そうな雰囲気を漂わせている。負けず嫌いの努力家で、普段から木律まもりに勝つための努力を欠かしていない。野心家である事から生徒会長の座を狙っており、そのために新聞部に話を持ちかけて、まもりの失脚を画策した事がある。 しかし、それを徳田根サチに弱味として握られ、新聞部の予算増加に協力させられる羽目になってしまう。その後も新聞部の活動に協力させられる事となった。ただし、サチの行いが行き過ぎていると判断した場合は、弱味を握られていようと是正を求めていた。
柿戸目 つづり (かきとめ つづり)
聖ピスタチオ学園に通っている高校1年生の少女。生徒会執行部の書記を務めている。赤髪のショートヘアで、純真そうな見た目をしている。その事から宇鶴えいぞうには「つづりたん」と呼ばれ、好かれている。ただし、見た目に反して勝気なところがあり、比較的ハッキリとした物言いをする。カレーが大好きで、1か月程度であれば連続で食べても飽きないほど。
二臼 アナ (にうす あな)
聖ピスタチオ学園に通っている高校2年生の少女。徳田根サチの幼なじみでクラスメイト。放送部の部長を務めている。癖のある紫色の髪のショートヘアで身長が高く、スタイルがいい。サチの事が大好きで、サチと木律まもりの関係に嫉妬する事が多い。中学の頃も放送部に所属しており、当時は同じく放送部だったサチといっしょに昼休みのラジオ放送を担当していた。 サチが放送部のラジオをやりたいと言う時に備え、放送部では部員を募らずに一人で活動している。
向島 拓郎 (むこうじま たくろう)
聖ピスタチオ学園に通っている高校3年生の男子。フィッシング部に所属している。黒髪のショートヘア。年上の彼女に魚のコスプレをさせているという噂が流れており、その真偽を確かめるべく、徳田根サチから取材を申し込まれた。魚を釣る際は必要なサイズだけを釣り上げ、分不相応な魚はリリースするという、釣りにおける自分なりの哲学を持っている。
前田 シモネ (まえだ しもね)
聖ピスタチオ学園に勤務している女性養護教諭。年齢は28歳。黒髪のロングヘアで胸が大きく、その胸元を大きく露出させるようなセクシーな恰好をしている。優しい性格で、少しエッチな言動をする事が多い。新聞部が実施した「好きな先生部門」のアンケートで1位を獲得している。
黒柳 (くろやなぎ)
聖ピスタチオ学園に勤務している男性教師。数学を担当科目としているほか、生活指導も務めている。全身黒ずくめでサングラスをかけ、胸元を大きく露出させるなど教師としては少々型破りな恰好をしている。また生徒の前でくわえタバコをしているなど、およそ教師らしくない行動が目立つ。自転車通学をする生徒の前に飛び出すなど、危険な行動の多かった徳田根サチに、罰として園児服を着せつつ子供役を務めさせ、自転車通学の講習会を行った。
十姉妹 (じゅうしまつ)
聖ピスタチオ学園の学園長を務めている人物。苗字が同じというだけで鳥のジュウシマツを愛好しているほか、恥ずかしがり屋のために生徒の前でしゃべる際は、ペットのジュウシマツに小型の拡声器を付け、別の場所からその鳥がしゃべっているように見せかけている。そのため、その外見が生徒のあいだで噂となっており、人間以上の知能を持った天才ジュウシマツが学園長に就任したとか、ペットのジュウシマツが学園長のサイボーグ化した姿など、さまざまな憶測が飛び交っている。 その真偽は定かではないが、それらに大きな疑問を抱いて調べ始めた生徒には、教師が暗示をかけるようにしており、暗示をかけられた生徒は、十姉妹について大きな疑問を抱かなくなってしまう。徳田根サチも過去にこの件を調べようとして、多くの生徒と同様に暗示をかけられ、この真相を調べようとは思わなくなっている。
美良野 なぽり (みらの なぽり)
聖ピスタチオ学園の学食で働いている女性。愛称は「なぽりたん」。おさげ髪で、小柄な体格をしている。幼い頃からケチャップが大好きだったが、周囲にマヨネーズ派やしょう油派しかおらず、肩身の狭い思いをして育った。その反動から自らの手でケチャップ好きを増やしたいという願望があり、どんな料理にもケチャップを入れる癖がある。そのため、学食の料理のほとんどがケチャップ味になる事から、生徒によりほかの味も増やしてほしいとお願いされてしまう。 その後、ケチャップ味以外の料理を生徒達が美味しそうに食べているのを見て半狂乱し、生徒達の料理に次々とケチャップを入れて、学食内をケチャップまみれにする事件を起こした。