増田こうすけ ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々

増田こうすけ ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々

ギリシャ神話をモチーフとした一話完結式のギャグ漫画。古代ギリシャにおける伝説上の神々、および人々の生活を、ユーモアたっぷりに描写している。「ジャンプ改」Vol1より連載していたが、同誌が休刊してからは「小説すばる」で連載している。

正式名称
増田こうすけ ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々
作者
ジャンル
ギャグ、コメディ一般
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊2巻
関連商品
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世界観

古代ギリシャが舞台。オリンポス12神を始めとした神々や英雄などの活躍を、増田こうすけ独自の観点から描いている。神も人も万能ではないことが特徴で、どのキャラクターも短所をあえて目立たせることで人間味を際立たせることに成功している。また、ギリシャが舞台であるにもかかわらず、通貨には円が使われている。

あらすじ

ギリシャの街を闊歩する英雄のヘラクレスに対し、アキレウスという名の青年が勝負を仕掛けてきた。ほぼ不死身の体を持ちつつも、唯一残された弱点・かかとを蹴られただけで死ぬというアキレウス。その極端な体質に懸念を隠せないヘラクレスだったが、軽く擦るだけなら大丈夫という言葉を信じてかかとを軽くマッサージする。しかし、ヘラクレスのミスによってうっかりかかとを掴まれ、大ダメージを受けたアキレウスは撤退を余儀なくされる。ヘラクレスの恐ろしさを肌で感じたアキレウスは、師匠であるケンタウロス族のケイロンのもとで、さらなる修行に励むのだった。

作風

作者の増田こうすけは、本作『増田こうすけ ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々』を生み出すにあたって自分の「ムーミン谷」を作りたかったと語っている。その題材として、ケンタウロス族や半身半魚、牛の怪物など、人の姿をしていないキャラクターが多く登場するギリシャ神話を選択したという。また、「ムーミン」の生みの親であるトーベ・ヤンソンの画集に感銘を受け、それに倣って定規やトーンを一切使用しない手法をとっている。なお、本作は開始時の季節が夏になっているが、これも作者の好きな季節が夏であることに起因している。

作家情報

増田こうすけは愛知県出身の漫画家。『巨大合体鋼鉄戦士イカンダー』で第48回赤塚賞の佳作、『夢 赤壁の戦い』で第49回赤塚賞の準入選に選ばれており、2000年より「月刊少年ジャンプ」誌上で、デビュー作となる『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』を連載している。

登場人物・キャラクター

主人公

ペレウスの息子で、最強の勇者を目指している青年。赤ん坊の時に全身をステュクス河に浸されたことで不死の体を手に入れる。そのとき唯一浸からなかった部位・かかとが致命的な弱点になっており、軽く蹴られるだけで... 関連ページ:アキレウス

ギリシャ最強の英雄として名高い青年。常に頭を小さなライオンにかじられている。戦いを挑んできたアキレウスをペレウスの息子であると一目で見抜き、そのうえで父親そっくりのいい目をしていると称賛する。しかしす... 関連ページ:ヘラクレス

アキレウスの父親で、高名な勇者の一人。普段は温和な性格だが、怒ると怖い。ある日師匠であるケイロンに誕生日を祝ってもらうが、バースデーケーキのろうそくを吹き消そうとしたところ、突如ケーキが爆発してしまう... 関連ページ:ぺレウス

半人半馬の身体を持つケンタウロス族の中年男性。武術、音楽、医学など、さまざまな分野に精通しており、その知識を称えて賢者と呼ばれる。武術に関してはアキレウスやイアソンなどを弟子に取っている。お金に汚い性... 関連ページ:ケイロン

オリンポス十二神の一柱で、「海神」の異名を持つ。上半身は裸で、サスペンダーを付けたズボンを履いている中年の男性。トリトンという息子がいる。ポセイドンランドを経営しているが、どうにも振るわないため、ケイ... 関連ページ:ポセイドン

ポセイドンの息子。下半身が魚の形をしている青年で、基本的には海の中から離れられない。ポセイドンランドではイルカショーの進行を手伝っており、その一環として揚げ菓子のチュロスを200円で販売している。無理... 関連ページ:トリトン

英二

ポセイドンランド唯一の名物であるバンドウイルカ。人間で言うと中年男性程度の年齢である。歳のためかジャンプ力は低いが食欲は旺盛で、1日で10キロほどの魚をムシャムシャと貪り食う。ポセイドンが試しにゆでたまごをあげたことがあるが、見事なまでに見向きもしなかった。

愛を司る神。「エロい」の語源になってしまっていることにコンプレックスを抱いている。エロ本に過敏に反応したり、人の会話をエロい方向に聞き違えたりと、エロいことに関しては無駄にエネルギッシュである。ある時... 関連ページ:エロス

オリンポス十二神の一柱。「デルポイニュータウン地区」で占いの館を開いている。占いにかかる料金は1回1000円が基本だが、内容によっては上乗せを要求することもある。性格は神にしては常識的で、占い自体の的... 関連ページ:アポロン

アイゲウスの息子。父親と共にアテナイ商店街に住んでいる。眼鏡をかけており、一見すると知的な青年で、絵画や料理などに精通していると自身は思っている。しかし、絵画は夢に出そうなほど恐ろしいタッチのもので、... 関連ページ:テセウス

オリンポス十二神の一柱で、戦いの女神。トサカのような前立てのついた兜をかぶり、左手に槍、右手に盾を装備している。ミス・アテナイ商店街の座についているが、肝心の商店街に活気がないため、戦いの女神としてア... 関連ページ:アテナ

テセウスの父親。アテナイ商店街の商店会長で、「喫茶アクロポリス」を経営している。禿げ上がった中年男性で、見た目も中身も典型的なオヤジキャラ。若者が好みそうな俗語を無理して使用しているが、「ゆるキャラ」... 関連ページ:アイゲウス

クレタの街に潜む、牛頭の怪物。「悪い怪物」を自称しており、テセウスやアキレウスなど、ギリシャの英雄たちに狙われている。退治に来る勇者たちを迷わせるため、自分の家を複雑な迷宮に改造するようダイダロスに依... 関連ページ:ミノタウロス

ダイダロス

クレタの街に住む名工で、イカロスの父親。ふくよかな体格をしており、胸にも脂肪が溜まっているため女性と勘違いされることがあり、自らの体型に軽いコンプレックスを抱いている。イカロスの誕生日パーティーでも、自分が太っていることを愚痴ったため、イカロスはこのうえなく微妙な表情を浮かべていた。

ダイダロスの息子。空を飛ぶことを夢見ているが、それを知るいじめっ子たちに「チャレンジャー」、「フロンティアスピリット」などの罵声を浴びせられている。それを聞いて激昂し、空を飛べた暁には大地が水没するほ... 関連ページ:イカロス

アポロンの息子で、ケイロンに師事する医者の青年。「アスクレピオスクリニック」という名前の診療所を開いている。人のみならず神の診療も担当しており、むしり取られてしまったエロスの翼も元通りにする腕の持ち主... 関連ページ:アスクレピオス

冥界の王で、死を司る神。ヴィジュアル系の格好をしている。冥界の掟に厳しく、特に死者を蘇らせたり不死の身体を得るなどして、死という運命を免れようとする者には容赦なく厳罰を下す。アスクレピオスが死者を蘇ら... 関連ページ:ハデス

オリンポス十二神の一柱で、戦いの神。腰に自らの名前が記されたベルトを装着している。戦いの神だけあって力が自慢で、奇妙な掛け声と共にその力を振るう。しかし実際はとてつもなく弱く、ヘラクレス、ペレウスに完... 関連ページ:アレス

オリンポス十二神の一柱。旅人の神で、冥界の案内人でもある。また、饒舌なため、トークライブの司会を任されることもある。世界のどこまででも行ける機動力と仕事の速さに定評があり、お使いや人探しといった仕事も... 関連ページ:ヘルメス

オリンポス十二神の一柱で、鍛冶の神。アポロンが占いに用いる水晶玉が事故によってテセウスに破壊されたため、代わりの水晶玉の製作を依頼される。水晶玉が出来上がるまで手相占いしかできず、ストレスによって徐々... 関連ページ:へパイストス

タイのキックボクサーらしき外見の青年。アポロンが、へパイストスに作ってもらった新しい水晶玉で台風の進路を占った結果、浮かび上がった人物。結婚したばかりで、ハネムーンのためにギリシャを訪れ、偶然通りがか... 関連ページ:タイ風の新郎

オリンポス十二神の一柱で、アレスの母親。首に真珠のネックレスを付けた中年女性。スランプを抱えたイリスが虹を手当たり次第に作っているところを通りがかり、作られた虹のグロテスクな風貌を「子供をなるべく寄せ... 関連ページ:ヘラ

ヘラに仕えている虹の神。その肩書通り虹を作り出す能力を持っているが、メンタル面にやや難がある。その短所が災いし、スランプによって虹と呼ぶことすらおこがましい醜悪な物体を大量に排出してしまい、通りがかっ... 関連ページ:イリス

ペガサスに跨り空を翔ける勇者。禿げ上がって出っ歯、ブリーフ一丁で腹が出ているという、勇者のイメージとは真逆の容姿をしている。さらに性格も面倒なため、行く先々で迷惑をかけたり、イカロスやアリアドネを放心... 関連ページ:ベレロポン

アリアドネ

クレタの街の町長の娘。ミノタウロスを倒したというテセウスに強く憧れており、その憧れは妄想の域に達している。一目だけでも会ってみたいと常々思っているが、彼の外見はまったく知らない。勇者が来たという噂を頼りに訪れても、出会えたのはベレロポンやヘラクレスなど別の勇者で、その度に一喜一憂している。

ナルキッソス

自分自身に恋い焦がれている男性。「ナルシスト」の語源であり、自身を美しいと信じてやまないが、どうすればそう思えるのか不思議なほどの容貌をしている。アポロンのもとを訪れて「自分自身と結ばれる方法」を占ってもらおうとするが、そんな方法は当然のごとく存在しないため徒労に終わった。

かつてケイロンのもとで修業をしていた青年。極端なインドア派で、自覚もしている。何気なしに道端で昼寝をしていたところ、勇者の武勇伝を聞いたことで、自身も勇者となるため、コルキスにあるという黄金の毛皮を求... 関連ページ:イアソン

豊穣の女神であるデメーテルの娘。とてもおかしな思考回路をしており、ヘルメスからは「いろいろな意味でギリギリ」と評される。しかし「そのギリギリさがいい」という理由でハデスに惚れられており、後に彼から酷い... 関連ページ:ペルセポネー

獅子の顔と山羊の胴体、そして蛇の尻尾を併せ持つ怪物。口から炎を吐くことができる。リュキアの街をしょっちゅう襲っているため、住人に恐れられている。町長のイオバテスによって招かれたベレロポンと対決するが、... 関連ページ:キマイラ

イオバテス

リュキアの町長。街をしょっちゅう襲うキマイラの被害に悩まされており、ペガサスを持つベレロポンに退治を依頼する手紙を送る。不自然なほど我慢強く、頭部にキマイラの炎を食らって燃やされながらも、ただひたすらベレロポンの到着を待ち続けた。

ゼウスとヘラの娘。青春の女神と呼ばれており、その異名の通り青春チックな展開を好む。巨大な魚がいると聞いて川に向かうイアソンを見て、川に向けて大声で叫ぶのだろうと勘違いし、その成り行きを見守る。しかし一... 関連ページ:ヘベ

時間の神。ゼウスの父親である農耕神「クロノス」とは同名の別存在である。時間を操る能力を持ち、「時よ戻れ(シャランラ)」の一声で時を戻すことができる。夏休みの宿題を期日までに仕上げられなかったイカロスの... 関連ページ:クロノス

アポロンの妹。オリンポス十二神の一柱で、狩猟を司る女神。ただし本人は狩猟を野蛮だと認識しており、長らく弓を使ってこなかったので、すっかり腕が鈍ってしまっている。勘を取り戻そうと久しぶりに矢を射るが、放... 関連ページ:アルテミス

アキレウスの友人。屈強な体格といかつい容貌が特徴の青年。ある時アキレスに声をかけるが、その様子を遠くから見ていたケイロンが、アキレウスが不良に絡まれたと勘違いしてしまう。迂闊な性格で、ジュースを飲んだ... 関連ページ:パトロクロス

集団・組織

オリンポス十二神

ギリシャ神話における高位の神々。オリンポス山に居を構えていたことが名称の由来となっている。ゼウス、ヘラ、アテナ、アポロン、アフロディテ、アレス、アルテミス、デメーテル、ヘパイストス、ヘルメス、ポセイドン、ヘスティアの12名で構成されているが、ヘスティアの代わりにデュオニソスが該当することもある。

場所

ポセイドンランド

海神ポセイドンと、その息子であるトリトンが経営している動物園。入場料は大人が1200円、子供が1150円。唯一の出し物はイルカショーで、バンドウイルカの英二が跳躍を見せるが、客席とステージがあまりに離... 関連ページ:ポセイドンランド

迷宮

ダイダロスによって改築されたミノタウロスの家。ミノタウロスは英雄を迷わせるため入り組んだ迷路に改築するよう依頼したが、実際にできあがったのは収納設備だけがやけに整った1DKだった。また、寝室に向かうには否応なくキッチンを通らなければならないため、自然とミノタウロスは料理に打ち込むようになった。

アテナイ商店街

ギリシャの一角に存在する商店街。アイゲウスが商店会長を務める。最近ライバルである「ミュケナイ商店街」に客をとられ気味で、活気のなさをアテナに指摘されている。これを挽回しようと、ゆるキャラや名産品の制作、トークライブやスタンプラリーなどのイベントが考案されるが、ことごとく失敗している。

ステュクス河

冥界を流れている大河。この河の水に身体を浸すと不死身となる。ただし浸す時期は赤ん坊の頃でなくてはならず、浸してない部位はむしろ弱体化してしまう。アキレウスは母親である海の女神テティスによってこの河に全身を浸されたが、かかとだけは掴んだままだったので浸せず、弱点となってしまった。

その他キーワード

お願いをひとつきく券

その名のごとく、差し出すことでお願いをひとつ聞かせることができる券。アキレウスは誕生日に、ケイロンから2枚をプレゼントされた。ケイロンのケチっぷりが反映されており、たった5日で有効期限が切れてしまう。アキレウスはへパイストスを訪ねる際に、背中に乗せてもらうためにこの券を使った。

青天の霹靂

アキレウスがケイロンより伝授された必殺技。両手の人差し指をまっすぐに伸ばし、敵の眼を突くという新種の目潰し技。片手で繰り出す目潰しと比較すると防御が困難であるという特徴を持つ。ケイロンはこの技を伝授する代わりに5980円を要求したが、アキレウスは値切りに値切った末に50円で会得した。

書誌情報

ギリシャ神話劇場神々と人々の日々 既刊2巻 〈ヤングジャンプコミックス〉 連載中

第1巻

(2013年5月10日発行、 978-4088795737)

第2巻

(2016年1月19日発行、 978-4088904214)

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