概要・あらすじ
英才教育を施された少年と、本屋の少女との交流を描いた『赤星』。空想の世界に入り込んでまった妹を持つ二人の兄を描いた『水平線JPG』。社長が起こした事故の責任を取るために自殺を命じられた青年が長い遺書を書く『昼休み』。毎年誕生日の日に死んだ恋人からプレゼントが届く『ダンくんの心配』。少年が父親から貰った銃で弱虫を克服しようとする「銃」。
重い心臓病を抱える少女のある計画を描いた「娘の計画」。町の建物を爆破して遊ぶ少年たちの「成人ボム 夏の日」。妻の様子が手術後に違うと言う、「ネッシー」を信じる男性の話を描いた「飛んだ車」。背が異常に小さく、親に成長抑制剤を打たれているという少年と、彼と教習所で出会った少女との交流を描いた「紙村のさわやかな変体」。
以上9編を収録した、宮崎夏次系の短編集。孤独や弱さを抱えた人々が解放されていく姿が独特のシュールなタッチで描かれている。