大室家の三姉妹を主人公にした公式スピンオフ
本編『ゆるゆり』は、七森中学校「ごらく部」に所属する四人を軸に、女子中学生たちのゆるい日常を描いた、百合漫画を代表する作品。2008年、一迅社「コミック百合姫S」VOL.5にて連載開始以降、長期連載となり、2011年7月からは3度のテレビアニメ化を果たした人気作である。本作は、本編の登場人物、大室櫻子と、姉の撫子、妹の花子という大室三姉妹の日常を、なもり自身が描いた公式スピンオフである。2012年7月、テレビアニメ第2期『ゆるゆり♪♪』の放送開始を記念し、毎週、アニメ最新話の放送終了直後にニコニコ静画にて公開するという形で開始された。
大室三姉妹に関連した新たなキャラクターが登場
本作の主な舞台となるのは、大室三姉妹の自宅や、撫子、花子の学校である。したがって、本編の主要人物は基本的に登場せず、大室三姉妹を中心にした新しいキャラたちがメインである。ただし、単発のゲスト扱いでの登場はまれにある。例えば、ごらく部の吉川ちなつが大室家に遊びにきて、花子がちなつのもふもふ髪を触りたくて仕方がないといったエピソードなどである。本編主要人物でありながら本作にも登場する唯一の例外は、大室家のご近所で櫻子の幼なじみである古谷向日葵。彼女は、撫子、花子とも仲がよく「ひま子」「ひま姉」といったあだ名で呼ばれている。
撫子と花子の学校生活が描かれる
本編ではあまりスポットが当たらない、撫子と花子の学園生活が描かれているのが本作の特徴である。撫子の高校生活は、いじられキャラの園川めぐみ、おっとりした性格の三輪藍、ドSな性格の八重野美穂といつも一緒であり、三人の中の誰かと交際していることが示唆されている。一方、花子にも小学校で仲の良い友だちが三人いる。そのうち、小川こころと相馬未来の二人は、花子を尊敬し「花子様」と呼ぶほど。しかし、高飛車な高崎みさきだけは、花子を一方的にライバル視し、勝負を挑んでは軽くあしらわれる様子がたびたび描かれる。
登場人物・キャラクター
大室 櫻子 (おおむろ さくらこ)
大室家の次女。七森中学校の生徒会に所属する13歳の中学1年生。くせっ毛のセミロングヘアと赤青のヘアピンが特徴。明るく元気なお調子者。運動は得意だが勉強は苦手。誤解されやすいが、家族のことを大切に思っている。
大室 撫子 (おおむろ なでしこ)
大室家の長女。成績優秀な18歳の高校3年生。クールな性格でたまにSっ気を発揮する。妹たちをあたたかく見守る優しさもある。学校では、三輪藍、八重野美穂、園川めぐみとの仲良し四人組で行動している。いつも一緒にいる三人の中の誰かと交際している。
大室 花子 (おおむろ はなこ)
大室家の三女。ロングヘアが特徴の8歳の小学2年生。牛乳が大好き。語尾に「~し」「~だし」とつけるのが口癖。落ち着きがあり、勉強、スポーツともに得意な優等生で、友人からは「花子様」と呼ばれている。小川こころ、相馬未来、高崎みさきといつも一緒にいる。櫻子のことは、残念な姉だと思っておりケンカも多いが、根底ではお互いを思いやる気持ちがある。