天使な小生意気

主人公は小学生の頃、魔法の本に「世界一の男らしい男の中の男」にしてほしいと願うが、「女の中の女」になるという逆の魔法をかけられてしまう。その通りに、天使のような美少女へと育った主人公が、高校入学後に出会った個性的な男子たちと、時に男らしさを競い、時に女らしさを自覚させられながら、「男の中の男」なのか「女の中の女」なのかが問われていくジェンダー・ラブ・コメディ。登場人物に不良が多く、そのケンカを描いた不良漫画の面が強い所や、ギャグが多い点は、作者の代表作『今日から俺は!!』と共通している。話数は全199章に加え、2本の外伝がある。

概要・あらすじ

誰もが振り返る超のつく美少女、天使恵。9歳の頃、魔本『天の恵』から出てきた小悪魔によって、男から女に変えられた記憶を持つ。それは「世界一の男の中の男」になりたいという願いを逆に叶えた魔法だった。15歳の女子高生になり、「世界一の女の中の女」に相応しいほど美しく育ったの周囲には、やがてめぐ団とも呼ばれる4人の男子生徒が心酔して集まってくる。

彼らと協力して小悪魔の魔法に関する情報を集めつつ、物語の終盤では、の親友である花華院美木との政略結婚を企む許嫁、岳山隆雄との戦いが主軸となる。美木を救おうとしためぐ団の奮闘ののち、小悪魔にかけた魔法の真相が明かされる。

登場人物・キャラクター

天使 恵 (あまつか めぐみ)

普通の学校である剣が峯高校に入学する15歳。その名の通り天使のような容姿で、神秘の美少女とも呼ばれ生徒たちを魅了する。柔らかく細い髪、スベスベの白い肌は同性でもドキッとさせるほど。学業は超優秀で、数百の関連会社を経営している富豪一族の令嬢でもある。一人称は「俺」。9歳まで男だったと本人は主張するが、親友の花華院美木以外には信じてもらえないため女として6年間過ごしてきた。 綺麗になること自体は好きだが、中身は男だという認識は譲れず、本当に女らしくなること(特に異性に恋すること)には抵抗がある。とびきり美しく育った反面、心はとびきりピュアな男の子そのもので、ただし美木から見れば「ソフトもハードもほぼ女の子」だと思われているなど、女らしい心理もしばしば垣間見せる。 独自に思い描く「男の中の男」への理想が高く、男らしくない男全般を嫌う。だが男に免疫がない上、美木以外の同世代の女子も苦手。校舎の3階から飛び降りても平然と着地する驚異的な身の軽さと、喧嘩無敗の蘇我源造をも負かす武術を会得している。絵も妙にうまい。 獅子座。

花華院 美木 (はなかいん みき)

天使恵と魔本『天の恵』に関する記憶を共有する幼馴染で、いつも一緒に行動している親友。双子座の15歳。恵の影に隠れがちだが、花華院美木も相当の美少女であり、天使家をも遥かに上回る富豪の令嬢である。溺愛と言っていいほど恵が大好きで、恵のオシャレや長い髪は、花華院美木の強い要望で維持されているところがある。 男を目指す恵に対し、女の子らしい女の子になってほしいという願望が強い。ツッコミが得意なキャラでもある。実家の花華院家は、現当主である祖父の花華院京一(はなかいんきょういち)が「日本の黒幕」と称されるほどの大物。その厳格な祖父の意向で、生まれた時から岳山隆雄を許嫁にされている。 武術も恵ほどではないが心得があり、度胸の塊のような子だと蘇我源造が呼ぶほど芯が強いが、過去に起因する、高所恐怖症という弱点がある。髪型は黒髪のショートカット。一人称は「アタシ」「私」で、恵のことは「めぐちゃん」「恵」と呼ぶ。

蘇我 源造 (そが げんぞう)

剣が峯高校1年男子。天使恵と同じクラスで席が隣になる。8月生まれの15歳。赤月中学(あかつきちゅうがく)出身。子どもの頃、ダンプカーに轢かれて無傷だったという噂もあるほどデタラメな肉体の持ち主。中学から高校入学にかけて、一対一のケンカで敗北したことはなく、人呼んで「闇の悪王」と恐れられる不良だったが、恵に蹴り倒されてから恋に落ち、執拗に求愛する内に彼女を守るめぐ団の一員となった。 その強さから女性にはモテたが、何度もフッては捨ててを繰り返していた。身長は189cm。左目の横についた傷跡と、髪を染めたパイナップル頭が特徴で、闇に浮かぶその髪型が王冠のように見えることから「闇の悪王」の名が付いた。 「返り血が目立たない」という理由で黒い服を愛用。実家は恵の自宅と近所で、蘇我雪花(そがせつか)という、性格もよく似た姉がいる。一人称は「俺」。恵のことは「めぐ」「めぐちゃん」と呼ぶ。

藤木 一郎 (ふじき いちろう)

剣が峯高校1年男子で、天使恵のクラスメイト。10月生まれ。安田太助と共にめぐちゃん親衛隊を結成した最初のメンバーであり、彼女を守るめぐ団の一員。平凡な普通の人間だが、恵には本気で惚れており、いいところを見せようと普通ではない根性を見せることがある。周囲に美少女や変人が集まる中、「普通」であることにアイデンティティを見出そうとするが、そのこと自体がすでに変わっているということを自覚できていない。 逆に高校入学直後は、平凡を脱却するという誓いを立てており、その第一歩として恵に声をかけたのが恵に惚れ込むきっかけとなっている。家庭も平凡で、次郎という弟がいる。一人称は「俺」。 恵のことは「恵サン」と呼ぶ。

安田 太助 (やすだ たすけ)

剣が峯高校1年の、小柄な男子生徒。天使恵の「一の家来」になるのが夢というほど、彼女を女神のごとく敬っている。藤木と共にめぐちゃん親衛隊を結成した最初のメンバーで、彼女に従うめぐ団の一員。女性の直接の裸などより衣服を着たギリギリのラインを好むなど、自他ともに認める筋金入りの変態で、盗撮や尾行が得意。 変態であることにプライドすら抱いているが、「普通」の藤木一郎に比べ、自分は「普通以下」と自称している。やるときは躊躇しない男で、時々周囲を退かせるほどの迫力を見せることも。知識量は豊富で、オタカルトというネットクラブを主催しており、情報収集に活用している。眼鏡を外すと意外とキレイな女顔をしているが、眼鏡をかけていないと自分の変態行為に馴染まないと考え、素顔にならないという妙な信念がある。 勇助(ゆうすけ)という弟がいる。一人称は「僕」。恵のことは「恵サン」と呼ぶ。

小林 一文字 (こばやし ひともじ)

剣が峯高校1年2組の男子生徒。クールな美男子で、同学年はもとより上級生にも憧れる女子が多い。反面、男の友達はほぼいない。性格は正義漢にしてストイック、かつ古風なタイプで、武道家の祖父が「現代を生きる最強の武士」に育てるための教育を子どもの頃から叩き込んだ結果である。その武術のレベルは蘇我源造をゆうに超え、天使恵をも上回る。 恵との出会い始めでは、女らしさのない彼女に反発していたが、次第に惹かれるように変わり、彼女に従うめぐ団の一員に数えられるまでになる。その男らしい態度のため、恵からの好感度は比較的高く、めぐ団の他の男子からはライバル視されることが多い。日本刀の愛好者。 一人称は「僕」。恵のことは「恵サン」と呼ぶ。

頼子 (よりこ)

天使家のお手伝いさんをしている若い女性(天使恵が16歳になる8月の時点で24歳)。恵に対しては「私が男だったら」とこぼすほど魅力を感じている。天使の家系に生まれ、ソルボンヌ大学にも進んだ優秀な女性だったが、恵の側にずっといたいばかりに今の仕事を選んでいる。恵は頼子の生き甲斐と言える。 クールで掴み所のない性格。天使家のガードマンである流坂(るさか)と組んで警察の情報システムに侵入するなど、お手伝いを超えた能力を持つ。恵の元に集まるめぐ団の中では、恵に相応しい相手として蘇我源造を一番気に入っている。髪型は黒髪のショートカットで、通りすがりの男性も振り向く美人。 一人称は「私」。恵のことは「恵様」と呼ぶ。

坂月 (さかつき)

子どもの頃からの花華院美木の護衛役で、常に美木を第一に考えて行動し、美木からも身内のように思われている。旧家である花華院を代々守ってきた武家の中でも筆頭の武人とされる。武術の腕前は神技と呼ばれるほどで、作中でも最強のレベル。小林も「男の中の男」と呼んで憧れの対象とするようになる。 態度は常に石のように固く、天使恵から「石の人」とも呼ばれる。時々、笑えないギャグを真顔で言う性格。一人称は「私」。恵のことは「恵様」と呼ぶ。

田中 桂子 (たなか けいこ)

天使恵や花華院美木と同じ中等部に通っていたが、恵たちを追って剣が峯高校に転校してきたお嬢様。自らも富豪の令嬢で、かなりの美人だがプライドが高く、強く美しい恵への逆恨みを抱いており、遠回しないやがらせを続けていた。そのため、恵が唯一恐れる同世代の女子であった。 笑いのツボが少しおかしい。取り巻きに白鷺良美(しらさぎよしみ)という令嬢の女子生徒がおり、子どもの頃から桂子を尊敬している。一人称は「私」。恵のことは「天使サン」と呼ぶ。

岳山 隆雄 (がくさん たかお)

花華院美木の許嫁。総資産7000億円を超えると言われる岳山コンツェルンの跡取り息子。「本物のエリート」を自認する、傲慢かつ冷酷な野心家である。美木との婚約は、本人たちが出会う前から親同士が決めたことだったが、名門の旧家である花華院家の財産と名声を利用するため、美木を手に入れることに執着する。 本性は悪人そのもので、婚約成立のために美木を仲間たちごと罠に陥れようとし、天使恵にとっても最大の敵となる。エリート教育の一環として格闘技の鍛錬も積んでおり、実力は恵にも匹敵する。熱くなりやすいが完璧主義な性格で、より完全な自分を目指して学習することを好む。黒髪の長髪が特徴。自身の影武者を複数持ち、共に田中一の偽名で行動することもある。 一人称は「俺」。

柳沢 (やなぎさわ)

天使恵と敵対する不良軍団のリーダーをしている男。格闘スタイルはボクシング。勝ち組を目指す野心家だったが、恵と蘇我源造に敗れることで不良仲間からも見捨てられる。さらに岳山隆雄に圧倒的な敗北を喫してからは、脇役として生きることを選び、彼の手下となる。隆雄に用意された矢川拓也という偽名で行動し、その間は白く染めていた髪を、黒髪に戻していた。 恵に仕返しするため、隆雄に協力して彼女とその仲間であるめぐ団を陥れようとするが、本人も自覚しないまま恵に惚れていると指摘されることもあった。一人称は「俺」。恵のことは「恵ちゃん」と呼ぶ。

小悪魔 (こあくま)

小さなピエロの人形のような外見をしており、普段は魔本『天の恵』の1ページで絵になっている。自らを呼び出した者に「どんな願いもひとつ叶えてやろう」と言うが、実際には願い事と逆の結果や、見かけだけの結果を与える。元に戻せと要求すると、寿命を10年ほど奪う契約を持ち込むという、まさに悪魔のような存在。 人の記憶を操作する能力や、相手の運を奪って災いが降りかかるよう呪いをかける力もあるが、実は使える魔法にはある制限がある。呼称は一定しておらず、「小人の妖精」「妖精」とも呼ばれていた。本人曰く、現在の状態で数百年ほど存在しているらしく、それ以前は別の姿をしていた。気まぐれな性格であり、天の恵に血をかけることで出てくることもあれば、自分の意志で出現することもある。 一人称は「私」や「俺」。天使恵のことは「君」「オマエ」などと呼ぶ。

集団・組織

めぐ団 (めぐだん)

『天使な小生意気』に登場する組織。めぐちゃん親衛隊、めぐちゃんを守る会などを前身とする、天使恵を中心に集まったグループ。元々は藤木一郎と安田太助に木村六(きむらろく)という男子生徒を加えた3人で「めぐちゃん親衛隊」を結成していたが、すぐにめぐちゃんを守る会へ改名。そこに蘇我源造が加入するが、明らかに恵にとって悪い虫である蘇我源造から恵を守るため、彼を除いたメンバーによる蘇我の足を引っぱる会も秘密裏に結成されていた。 のちに、恵とは住む世界が違いすぎると実感した木村が会から脱退してメンバーは3名に。そして、魔本『天の恵』を探すために恵が立ち上げた「本を探す会」に組み込まれ、その中に小林一文字や花華院美木も加わっている。 やがてこの5名のメンバーが、美木の提案でめぐ団と称されるようになる。恵から見ると、団長は美木になるらしい。

その他キーワード

魔本『天の恵』 (まほんてんのめぐみ)

人間の血に触れることで、どんな願いでもひとつだけ叶える小悪魔が出現する魔法の本。9歳の頃の天使恵が、魔法使いの格好をした男性から譲り受けた。しかし願いと逆の魔法を小悪魔にかけられた直後、川に投げ捨ててしまい紛失。花華院美木が捜索を依頼した透視能力者、R・スミスによって剣が峯高校に行けば必ず手に入ると教えられ、富豪令嬢である恵と美木が普通の高校に入学するきっかけとなった。 なお、この小悪魔以外を封じ込めた別の「魔本」も存在する。

アニメ

天使な小生意気

9歳の少年天使恵は、魔法使いの格好をした老人が子供たちからいじめられているのを発見。見かねて老人を助けると、お礼として「天の恵み」という魔本をもらう。すると、この本から小悪魔が現れ「ひとつだけどんな願... 関連ページ:天使な小生意気

書誌情報

天使な小生意気 全10巻 小学館〈少年サンデーコミックス スペシャル〉 完結

第1巻

(2008年10月発行、 978-4091215383)

第2巻

(2008年10月発行、 978-4091215390)

第3巻

(2008年11月発行、 978-4091215406)

第4巻

(2008年12月発行、 978-4091215468)

第5巻

(2009年1月発行、 978-4091215475)

第6巻

(2009年2月発行、 978-4091215482)

第7巻

(2009年3月発行、 978-4091215499)

第8巻

(2009年4月発行、 978-4091215505)

第9巻

(2009年5月発行、 978-4091215550)

第10巻

(2009年6月発行、 978-4091215567)

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