概要・あらすじ
自分で学費を払いながら大学留年を続けていた沖本瞬は、根城にしていた雀荘の閉店をきっかけに、すでに就職した学生時代の仲間たちを呼び、麻雀を打つ。社会人となった元仲間たちの冷たい態度を見て、改めて自分の曲げられない麻雀愛を自覚した瞬は、麻雀打ちとして生きていくことを決意。新たな根城となる雀荘を探し始め、生涯の師となる黒沢義明と出会う。
登場人物・キャラクター
沖本 瞬 (おきもと しゅん)
作品開始時、24歳の青年。学生時代から麻雀に明け暮れ、自費での留年を続けていたが、麻雀一本で生きていくことを決意。新宿で麻雀の師となる黒沢義明と出会い、それをきっかけに裏社会の強豪たちとの戦いに身を投じていく。常人よりはるかに優れた記憶力を持つ。「あったかい麻雀」と表現される熱く真摯な打ち筋で、周囲を魅了する。
谷口 隆 (たにぐち たかし)
黒沢義明と行動を共にしている弟分で、沖本瞬や伊藤芳一の頼れる兄貴分。富山の造り酒屋のボンボン。天性の才には恵まれないが、技術は高い。しかし裏プロで生きていくには足りないものがあると黒沢に判断され、引退勧告を受ける。それに反発し、黒沢の元を出て行くが、麻雀が次第に荒れていく。
伊藤 芳一 (いとう よしかず)
黒沢義明の弟子で、同じく黒沢門下である沖本瞬のよきライバル。東京大学工学部の三年生。黒沢も認める確かな技術と感性を持つ実力派で、学生選手権を優勝したことも。しかし学生仲間の妬みから、家庭教師先の家と絶縁され、また瞬に敗北を喫したことも重なり、失意の底に落ちていく。
黒沢 義明 (くろさわ よしあき)
裏社会にその名を知られ、どこの組織にも属していないが、さまざまな雀士に慕われる孤高の麻雀打ち。沖本瞬の才能と、その人を魅了する「あったかい麻雀」に惚れこみ、師として後押しをする。病魔に冒された身体ながら、その闘牌は鋭く、ゆるぎない。
入星 祥吾 (いりぼし しょうご)
かつて裏賭博界に君臨し、「帝王」と呼ばれた麻雀打ち。引退した今も、その腕に惚れこんでいる政財界人と場を持つ。自分を慕う影村遼のことは認めつつも突き放すことで、黒沢義明から託された沖本瞬は自ら卓につくことで鍛え上げようとする。黒流会とのつながりが強く、現役最強と呼ばれる三國健次郎を黒流会に紹介したのも入星。
影村 遼 (かげむら りょう)
学生選手権で出会った、沖本瞬のライバル。強さにこだわり、元裏賭博界の帝王入星祥吾に弟子入りを懇願していたが、雀荘四川で格上の雀士たちと卓を囲んだ際、己の実力の足りなさを痛感。東京を一旦離れ、地方で1からやり直そうとするも、地元暴力団とのトラブルで指を失ってしまう。
新満 正吉 (しんみつ しょうきち)
黒沢義明の師。太平洋戦争での特攻隊の生き残り。黒沢が唯一負け越している相手。老獪な技術と、引きの強さを併せ持った最強の雀士。
三國 健次郎 (みくに けんじろう)
黒流会の代打ち。裏賭博界現役最強との声も高い実力派。危険牌を見切って強い牌を打ちプレシャーをかける打ち筋は、「氷の打牌」と呼ばれる。人望も高く、一声かければ猛者が集う。母親から託された病弱な異父弟菊多賢治の面倒を見ている。
菊多 賢治 (きくた けんじ)
三國健次郎の異父弟。父親から虐待を受け、左脳の大部分を失っている。そのため右脳が異常発達し、すさまじいまでの鋭い感性を持っている。三國から麻雀を教えられて以降、めきめきと腕をあげ、黒流会の代打ちとなる。身体が弱いため、長丁場を耐えることはできない。
津神 元 (つがみ げん)
波城組の代打ち。現役最強として、黒流会の三國健次郎と並び称される実力派。完璧な読みと、自信に見合った天運の良さを持つ。ツモが非常に速い。
北岡 静一 (きたおか せいいち)
波城組の代打ちのひとり。ネット麻雀で頭角を現した、今時の若者で、普段は陽気で軽い言動だが、いざというときはすさまじい集中力を発揮する。
中釜 清蔵 (なかがま せいぞう)
波城組の元代打ち。津神元、北岡静一たちが組に属する前はナンバーワンの代打ちだったが、自分の腕が鈍り始めていることを自覚し、引退。今は後見に務めている。
市居 淳平 (いちい じゅんぺい)
競技麻雀団体全日本麻雀競技審査会の七段を持ちながらも、裏賭博界に精通し、波城組ともつながりを持つ雀ゴロ。
仲邨 ゆか (なかむら ゆか)
沖本瞬に一目惚れし、押しかけ同棲を始めた女優の卵。しかし何事も麻雀優先な瞬との間の溝は埋めきれず、芸能事務所へのスカウトを受けたことをきっかけに別れてしまう。実家は長野のヤクザ。
クレジット
- 原作
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来賀 友志
書誌情報
天牌 116巻 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉
第80巻
(2015-09-09発行、 978-4537133356)
第81巻
(2015-11-09発行、 978-4537133608)
第83巻
(2016-03-09発行、 978-4537134155)
第84巻
(2016-05-09発行、 978-4537134414)
第88巻
(2017-04-19発行、 978-4537135725)
第92巻
(2017-12-29発行、 978-4537136715)
第107巻
(2020-11-30発行、 978-4537143089)
第115巻
(2022-06-20発行、 978-4537145168)
第116巻
(2022-08-19発行、 978-4537145373)