戦国雀王のぶながさん

戦国雀王のぶながさん

重野なおきの漫画『信長の忍び』の派生作品の1つ。麻雀で天下一を目指す織田信長の破天荒な麻雀ライフを描いた4コマの麻雀漫画。「ヤングアニマル増刊嵐」2010年No.7から2012年No.2にかけて連載された。

正式名称
戦国雀王のぶながさん
ふりがな
せんごくじゃんおうのぶながさん
作者
ジャンル
麻雀
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概要・あらすじ

時は戦国。群雄が覇を唱える弱肉強食の時代に、突如として天から舞い降りた1組の麻雀セット。たちまちにして日本全国に普及したこの遊戯は、戦国大名の間にも広まり、彼らの魂を虜にする。麻雀で天下一を目指すことを決意した尾張の武将、織田信長は、全国の猛者たちと死闘を繰り広げ、天下の名勝負を次々と生み出していくのだった。やがてその戦いは、全国でもっとも強い雀士を決める、「天下統一麻雀大会」へと発展していき、名だたる戦国武将が頂点の座を目指し、しのぎを削ることになる。

登場人物・キャラクター

織田 信長 (おだ のぶなが)

尾張の国を治める戦国大名の男性。戦国の麻雀王を目指す。幼少の頃から乳母の乳より麻雀牌を好み、悪童たちと雀荘を渡り歩いていたので、「麻雀馬鹿」という異称で呼ばれていた。父親の葬儀では、位牌に点棒を投げつけたほどの麻雀の申し子。凄まじいヒキの強さと打点の高さで、全国でも有数の麻雀の打ち手とされている。凄腕の大名を相手にしても、一歩も引けをとらない堂々とした打ち回しで勝ち続けていた。 怒りっぽいうえに苛烈な性格をしており、勝負事に対しては特に厳しいが、一方で、甘いものが大好きという意外な面も持ち合わせている。唯一の弱点は奥方の帰蝶で、彼女に対しては頭が上がらない恐妻家。好きな麻雀の役は、団子と形が似ているピンズの清一色。実在の人物、織田信長がモデル。

木下 秀吉 (きのした ひでよし)

武将の男性。織田信長の配下。信長とは頻繁に卓を囲んでいるが雀力は低く、一方的に信長にやられている。気遣いのできる性格をしており、点棒を懐に入れて暖め、信長を感心させていた。正妻のねねに楽をさせるために出世を目指し、日々努力を重ねているが、なかなか強くはならなかった。鳴き麻雀を得意としており、状況を読まずに徹底的に鳴きまくるタイプ。 のちに覚醒して「豊臣秀吉」と改名し、「鳴いても高くアガれる」ほどに雀力が向上する。実在の人物、豊臣秀吉がモデル。

お市 (おいち)

武家の女性。織田信長の妹。戦国一の美女と称えられており、性格もおっとりして優しいため、多くの武将から慕われている。麻雀では早く平和になって欲しいとの想いから、平和の役を積極的に作っている。信長主催で「お市争奪麻雀大会」が開かれた際は、浅井長政をはじめ、彼女に恋をした多くの武将が参加していた。実在の人物、お市の方がモデル。

明智 光秀 (あけち みつひで)

武将の男性。織田信長の配下。かなりの秀才として知られ、戦から政治、交渉までなんでもこなせるマルチな才能の持ち主。麻雀も強く、捨て牌の読み方に定評がある切れ者の雀士。信長に認められ、足利義昭の接待麻雀要員として使われていた。のちに便利屋として使われる自身の境遇に不満を抱き、信長に対して謀反を起こして麻雀勝負を仕掛けた。 実在の人物、明智光秀がモデル。

足利 義昭 (あしかが よしあき)

将軍職の男性。善良だが、麻雀を打っている時は、「アガられたのだ~~」「こんなにいい手だったのだ!!」などと、周りの迷惑を顧みず大声で騒ぐ。そのため、織田信長をはじめとするほかの武将からは、内心鬱陶しがられている。実在の人物、足利義昭がモデル。

武田 信玄 (たけだ しんげん)

甲斐国の武将。「甲斐の虎」の異名を取る、全国でも有数の実力を誇る麻雀の打ち手。徳川家康と手合わせした時は、家康に恐怖を与えるほどの圧勝を収めていた。雀技、「風林火山」を体得しており、攻守ともにスキのない鉄壁の麻雀を実践する。実在の人物、武田信玄がモデル。

上杉 謙信 (うえすぎ けんしん)

越後国の武将。「越後の龍」の異名を取る、戦国最強クラスの麻雀の打ち手。武田信玄の永遠のライバルで、信玄とは川中島で50回以上麻雀合戦をしている。単騎待ちなら必ずアガれるという特殊能力の持ち主。実在の人物、上杉謙信がモデル。

帰蝶 (きちょう)

武家の女性。織田信長の正妻。凄まじいまでの強運を誇り、牌をただ並べただけで役満が揃ってしまう。麻雀が非常に強く、周囲からは信長すら上回る最強の雀士であるとされていた。しかし、あまりにも簡単に役が揃ってしまうため、本人はあまり麻雀が好きではなかった。常識的な性格で、暴走しがちな信長を陰から支えていたが、やや嫉妬深い一面もある。 麻雀が強い人がタイプ。実在の人物、濃姫がモデル。

今川 義元 (いまがわ よしもと)

武将の男性。麻雀には自信を持っており、麻雀最強を名乗る織田信長に挑戦するために、尾張に乗り込んで来た。雀荘「桶狭間」で対決し、信長をあと一歩のところまで追い詰めるが、逆転で敗北する。城を賭けた再戦でも敗北し、野田城と吉田城を失ってしまう。実在の人物、今川義元がモデル。

今川 氏真 (いまがわ うじざね)

武将の男性。今川義元の息子。蹴鞠(けまり)が好きな凡将として、近隣では有名な存在。麻雀の腕もたいしたことはなく、好きな役は蹴鞠の鞠と形が似ているピンズの清一色。持ちネタがかぶってしまうので、信長にショックを与えていた。実在の人物、今川氏真がモデル。

斉藤 道三 (さいとう どうざん)

武将の男性。織田信長の舅。「美濃のマムシ」と呼ばれる凄腕の雀士。勝利のためなら手段を選ばないタイプで、信長との麻雀勝負では、手下のマムシを使って信長の手牌を盗み見させるイカサマをしていた。実在の人物、斉藤道三がモデル。

徳川 家康 (とくがわ いえやす)

武将の男性。幼少の頃は織田家と今川家で、人質として過ごしてきた苦労人。織田信長のもとに麻雀を打ちに来る仲だが、配牌に恵まれないため、我慢の麻雀を強いられることが多い。辛抱に辛抱を重ねた末に、逆転勝利を収めるのを得意としていた。実在の人物、徳川家康がモデル。

朝倉 宗滴 (あさくら そうてき)

武将の男性。多くの格言を残した伝説的な名将にして、クールな性格をした老練な雀士。麻雀でも格言を残そうとしていたが、どちらかというと、麻雀のあるあるネタに近いものだった。実在の人物、朝倉宗滴がモデル。

竹中 半兵衛 (たけなか はんべえ)

武将の男性。天才と称される凄腕の雀士。斉藤家に仕えていたが、戦に嫌気が差して隠居した。しかし、そのせいで麻雀を打つ相手がいなくなってしまい、織田信長の麻雀の誘いを喜んで受けていた。攻守ともに最強クラスの打ち手だが、虚弱体質なため、半荘しか体力が持たない。実在の人物、竹中半兵衛がモデル。

毛利 元就 (もうり もとなり)

武将の男性。西国の覇者。海上では敵なしの毛利水軍を指揮する名将。織田信長との麻雀対決で敗れた際に、信長を自国へと誘い、そこで船団を使った船団麻雀を行おうとしていた。実在の人物、毛利元就がモデル。

松永 久秀 (まつなが ひさひで)

武将の男性。織田信長の配下。智謀機略の名将で、麻雀も相当に強い。戦の最中に女衆を連れ込むほどの女好きで、信長との麻雀勝負では、面子にお市を交えた「脱衣麻雀」を所望していた。実在の人物、松永久秀がモデル。

ねね

武家の女性。木下秀吉の正妻。苦しい家計を支えるために、自らも麻雀をするようになった苦労人。秀吉のことを愛しており、やや浮気っぽい秀吉に対し、嫉妬を爆発させることがあった。実在の人物、ねねがモデル。

浅井 長政 (あざい ながまさ)

武将の男性。かなりの巨漢。織田信長と麻雀を打つ際には、馬を担いでやって来る変人。摑んだ牌にヒビが入ってしまうほどの怪力の持ち主でもある。お市を嫁にするために「お市争奪麻雀大会」に参加し、決勝まで勝ち残っていた。実在の人物、浅井長政がモデル。

石川 五右衛門 (いしかわ ごえもん)

盗賊の男性。麻雀が異様に強く、織田信長の城下で無敗を誇っていたことを聞きつけた木下秀吉に連れられ、信長と卓を囲むことになった。スキを突いて相手の手牌をスリ変えたり、点棒を盗むといった不正を得意としていた。実在の人物、石川五右衛門がモデル。

伊達 政宗 (だて まさむね)

武将の男性。東北最強と謳われる隻眼の名将。織田信長と麻雀を打つために、陸奥から遠路はるばる尾張まで乗り込んだ。左目に、牌が透けて見えるという特殊能力が備わっており、非常に麻雀が強い。極度に集中すると、服まで透けて見えてしまう。実在の人物、伊達政宗がモデル。

片倉 景綱 (かたくら かげつな)

武将の男性。伊達政宗の片腕として仕えている重臣。幼少の頃に右目を患って苦しんでいた政宗の右目を、短刀で抉り取った。かなりの策士で、政宗の右目に麻雀牌を埋め込んで、もしもの時のイカサマに使わせようとしていた。実在の人物、片倉景綱がモデル。

北条 氏康 (ほうじょう うじやす)

武将の男性。鉄壁の小田原城を居城として、武田信玄や上杉謙信の攻撃を退け続けた名将。「相模の獅子」の異名を取る。決して振り込まない凄腕の雀士とされていたが、実際は配下の忍者を使い、対戦相手の手牌を盗み見させるというイカサマで勝っていただけだった。実在の人物、北条氏康がモデル。

斉藤 義龍 (さいとう よしたつ)

武将の男性。斉藤道三の息子。父親に反発して謀反を起こし、美濃の国を賭けた麻雀勝負を仕掛ける。有能だが、それを悟られないように、暗愚を装っている厄介なタイプ。道三に愛されていなかったことが謀反の理由となっていた。実在の人物、斉藤義龍がモデル。

前田 利家 (まえだ としいえ)

武将の男性。織田信長の配下。友人の木下秀吉夫妻とは家族ぐるみの付き合いで、よく卓を囲む仲。正妻のまつとの息のあったコンビ打ちで、秀吉夫妻を圧倒していた。実在の人物、前田利家がモデル。

まつ

武家の女性。前田利家の正妻。利家に付き添い、木下秀吉夫妻と卓を囲んでいた。自分の子供たちが大きくなった時に、家族麻雀を打つことを夢にしている。実在の人物、まつがモデル。

千利休 (せんのりきゅう)

戦国を代表する茶人の男性。究極の麻雀を打つ男とされ、相手に気持ちよく麻雀を打ってもらうための作法を極めている。対戦した織田信長も、卓のあまりの雰囲気の良さに毒気を抜かれてしまった。強そうに見えるが、麻雀の腕そのものは素人同然。実在の人物、千利休がモデル。

足利 尊氏 (あしかが たかうじ)

室町幕府の初代将軍を務めた男性。南北朝の騒乱を鎮めた英傑で、「天下統一麻雀大会」に参加した足利義昭に力を貸すため、霊界からその身へと乗り移った。他人の能力を吸い取ることができる猛者で、織田信長をはじめとする雀士に対し、圧倒的な実力差を見せ付けていた。実在の人物、足利尊氏がモデル。

ベース

信長の忍び (のぶながのしのび)

数々の4コマ漫画を手掛ける重野なおきの代表作の1つ。戦国時代を舞台に、織田信長に仕える女忍者・千鳥の視点から、信長が天下統一に向けて突き進む様子を描く歴史4コマ漫画。白泉社「ヤングアニマル」2008年... 関連ページ:信長の忍び

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