人気女優のお忍びグルメ漫画
「最後の大和撫子」と評される和泉撫子は、ファンのみならずスタッフやマネージャーにも愛される人気女優。そんな芸能界で活躍する撫子には秘密の顔があった。それは誰よりも美食家で、プライベートや仕事帰りに一般人に紛れて居酒屋や大衆料理店を訪れては、一人で食事と酒を堪能していること。撫子にとって美食とは高級な料理だけでなく、蕎麦や餃子、お好み焼きなど庶民的なメニューも多く、エピソードによってはホットケーキなどのスイーツも登場する。
美食家の国民的女優・和泉撫子が主人公
主人公の和泉撫子は、清楚な雰囲気であらゆる役を演じ切り、他者への気配りも忘れない日本で一番愛されている国民的女優。その美貌と抜群のスタイルから、美容や健康を維持するためにストイックな生活をしていると想像されがちだが、彼女のプライベートは謎に包まれていた。そんな撫子のひそかな楽しみは、幸福感のチャージと称して、食べたいと思ったものを我慢せずに食すこと。多忙を極めながらも、その美貌とモチベーションを保ち続ける秘訣は好きなものを食べ、ストレスを溜め込まないことにあった。そんな至福の時を満喫する撫子の日常がリアルに描かれる。
和泉撫子目線の「女優めし」
本作は和泉撫子目線で物語が描かれているが、20歳の新人女優で撫子の後輩・渡辺ゆうのや、撫子の同郷の友人・篠原凛華なども登場し、彼女たちと共に食事を堪能するエピソードも楽しめる。また、撫子が演技派女優ということもあり、映画や演劇に例えて料理の味や感想を表現することも特徴となっている。ただふつうに食べるのではなく、調味料を加えることで「味変」し、その料理をよりおいしくするための工夫にも余念がない。実においしそうに食する撫子を見ているだけで同じものを食べたくなる、正に「女優めし」といえる。
登場人物・キャラクター
和泉 撫子 (いずみ なでしこ)
「最後の大和撫子」「国民のお嫁さん」とも評される国民的女優。年齢は25歳。「撫子」という名前のイメージどおり、楚々(そそ)とした美人。誰に対しても気遣いを忘ない優しい性格で、凛(りん)とした雰囲気を漂わせている。仕事に対する姿勢はつねにまじめで努力を怠らず、どんな役作りにも真摯に取り組むため、関係者からの信頼は厚い。外面だけでなく、内面からにじみ出る美しさを維持するためには、「幸福感のチャージ」が必要だと考えており、食べたいと思ったものを我慢せずに食すことで、モチベーションを維持している。職業柄、高級なものや究極の料理を食べることも少なくないが、実は庶民的な店の料理が一番の好みで、そういった店を訪れる時は女優のオーラを完全に消し去っている。食べたい料理を食べるためなら一般人にまぎれて行列に並んだりと、食べることに関する労力はまったく厭(いと)わない。幼なじみの篠原凛華とは親友同士で上京仲間でもあり、現在も時々いっしょに食事をしている。
篠原 凛華 (しのはら りんか)
ファッション雑誌の編集者を務める女性。広島出身。和泉撫子とは幼なじみで、親友同士で上京仲間。互いに仕事が忙しいため、撫子とはなかなか会うことができないが、時おり時間を作って食事を共にしている。高身長で精悍(せいかん)な顔立ちの美人で、何事もはっきりとした物言いをする勝気な性格をしている。仕事柄ファッションセンスも抜群で、撫子と並んでも遜色なく、周囲の注目を集めている。篠原凛華自身もそれを自覚しており、セルフプロデュースは完璧と自負している。
クレジット
- 原作
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藤川 よつ葉
書誌情報
女優めし 9巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉
第1巻
(2022-09-16発行、 978-4088924311)
第2巻
(2022-12-19発行、 978-4088925394)
第3巻
(2023-03-17発行、 978-4088926247)
第4巻
(2023-06-19発行、 978-4088927619)
第5巻
(2023-09-19発行、 978-4088928210)
第6巻
(2024-01-18発行、 978-4088931050)
第7巻
(2024-04-18発行、 978-4088932088)
第8巻
(2024-07-18発行、 978-4088933085)
第9巻
(2024-10-18発行、 978-4088934143)