作品の概要
基本情報
『ヒットマン』に続く、瀬尾公治の連載作品で代表作の一つ。また、講談社「週刊少年マガジン」誌上では、通算6作目の連載となる。
要旨と舞台設定
神奈川県三浦海岸をモデルとした海辺の町を舞台に、東京大学に現役合格した粕壁隼が、祖母の遺産である喫茶店「Familia」を再建する物語である。喫茶店には5人の女性従業員が住み込みで働いており、隼は彼女たちと共同生活を送ることになる。
ストーリー展開
物語は、祖母の訃報を受け、3年ぶりに帰省した隼が「Familia」を駐車場に建て替えようとする計画から始まる。しかし、祖母の想いや5人の従業員たちとの出会いを通じて、1年間の期限付きで喫茶店の再建を決意する。服飾系専門学校生の幕澤桜花、空手部に所属する高校生・鶴河秋水、元子役の大学生・月島流星、プロ級の料理の腕前を持つ大学生・小野白菊、バンド活動をする鳳凰寺紅葉という、個性的な5人のヒロインたちと隼の関係が徐々に深まっていく。
ジャンル的特徴と位置づけ
本作は、一人の青年と5人の女性による共同生活を描いたラブコメディである。また、粕壁家と資産家である不破家との半世紀以上にわたる因縁も描かれ、シリアスな要素も含まれる。
作品固有の表現技法と特徴
下ネタを含むギャグ描写や漫画・アニメ・ゲームのパロディ表現が多用されているのが本作の特徴である。さらに、ヒロインの一人である鶴河秋水と「ストリートファイター」シリーズのコラボイラストが「週刊少年マガジン」に掲載されるなど、外部作品との連携も行われている。
連載状況
講談社「週刊少年マガジン」2021年12号から2025年49号まで連載。なお、連載開始号には前作『ヒットマン』の最終話も掲載されており、連載終了と開始が同時となっている。
メディアミックス情報
テレビアニメ
第1期:2023年4月から6月までMBS・TBS系列にて放送。制作は手塚プロダクション。主人公の粕壁隼を水中雅章、5人のヒロインはそれぞれ小野白菊を和氣あず未、月島流星を山根綺、鶴河秋水を鈴代紗弓、鳳凰寺紅葉を瀬戸麻沙美、幕澤桜花を青木瑠璃子が演じる。
第2期:2024年7月から9月までMBS・TBS系列にて放送。
あらすじ
両親を早くに亡くし、祖母に育てられてきた粕壁隼。祖母が亡くなったと聞き、3年ぶりに家に帰ってきた隼は、祖母が営んでいた喫茶店「カフェテラス・ファミリア」ごと潰して駐車場にしようと考えていた。隼が部屋に入ると、なぜか見知らぬ下着姿の女が。誰かと間違えて話しかけてきたその女は隼を見て驚き、大きな声を出した。隼はなぜ自分の家に知らない女がいるんだと疑問を持ちながらも逃げ出すが、他の部屋にも着替えようとしている女、風呂上がりの女、寝ている女など下着姿の女が五人もいた。彼女たちに空き巣に間違えられた隼は、空手部の鶴河秋水に蹴られて、腕を後ろに縛られた。話をすると、彼女たち五人は祖母の喫茶店で働いていて「空いている部屋に住んでいいよ」と祖母から言われ、家族のように一緒に暮らしていたのだという。祖母と喧嘩(けんか)して家を飛び出した隼は、そんな話は聞いておらず、祖母の死も役所からの連絡で初めて知ったのだった。薄情な孫だと幕澤桜花から責められた隼は、「オレの家だ。出ていけ」と彼女たちに言い放つ。「お金もないし、今出て行けと言われても困る」と言う鳳凰寺紅葉と皆同意見だった。そこで月島流星は隼にハニートラップを仕掛けることにした。桜花や秋水ではあっさり失敗。酔うと淫乱になる小野白菊に酒を飲ませ、隼の寝室に向かわせるも、秋水に邪魔をされ、またもや失敗してしまう。翌日には隼が呼んだ解体業者が見積もりにやってきた。しかし解体業者の男に店の入り口の看板を壊された時、隼はその男の腕を思わずつかんでしまう。隼は「この店の名前はスペイン語で家族。この店に来るお客さんは粕壁家の家族だ」と祖母が言っていたことを思い出していた。そもそも自分が東大に入ったのも、祖母をバカにした連中を見返すためだった。祖母は「孫の好物だから、自分になにかあったら食べさせてやって」と桜花にピラフの作り方を教えていたのだった。桜花が作ったピラフを食べて涙を流した隼は、店の再開を決意するのだった。
登場人物・キャラクター
粕壁 隼 (かすかべ はやと)
大学生の男性。両親を早くに亡くし、祖母に育てられる。東大に合格し、春から通う予定だったが、1年休学し、「カフェテラス・ファミリア」のオーナーとして経営を立て直すことに。少しつり目で前髪は長く、毛先を遊ばせている。自信家で口が悪く、高飛車だが、反省と努力はきちんとする。噓のつけない正直者。祖母のピラフが好物。タバコの煙が苦手で貧乏が嫌い。
小野 白菊 (おの しらぎく)
「カフェテラス・ファミリア」の女性従業員。大学2年生で、大人しくて人見知りが激しい。家事や料理が上手で、周りの空気を読み、みんなが嫌がることを率先してやるタイプ。あごまでの長さのおかっぱでバスト89センチの巨乳。お酒を飲むと淫乱でスケベになるが、その時の記憶は残っていない。極度の匂いフェチでもある。15年前の粕壁隼を知っている。
月島 流星 (つきしま りほ)
「カフェテラス・ファミリア」の女性従業員。大学2年生で、肩までの長い髪を耳の上でツインテールにしている。粕壁隼にハニートラップを仕掛けようとした策略家。賢くてコミュニケーション能力が高い。無愛想で取引先にきちんと頭を下げられない隼に、店をやる覚悟ができてないと説教するしっかり者。
鶴河 秋水 (つるが あみ)
「カフェテラス・ファミリア」の女性従業員。高校2年生で、明るくて能天気。空手部に所属している。髪型は艶のあるストレートでポニーテールにしている。バスト88センチの巨乳。状況を把握する前に手や足が出てしまうタイプ。少しおバカ。粕壁隼のことを「はやっち」と呼ぶ。
鳳凰寺 紅葉 (ほうおうじ あかね)
「カフェテラス・ファミリア」の女性従業員。19歳。フリーター。バンドを組んでライブをしており、曲も作っている。髪色は金髪で前髪長めのショートでクールビューティ。目つきも態度も口も悪いが、時折可愛い部分も見せるツンデレ。コーヒーを淹(い)れるのがうまい。低血圧で早起きが苦手。
幕澤 桜花 (まくざわ おうか)
「カフェテラス・ファミリア」の女性従業員。専門学校に通う19歳。髪型は腰までの長さのストレートロングで、両サイドの一部を三つ編みにして後ろでひとつにまとめている。服飾系の専門学校に通っており、将来はコスチュームデザイナーになりたいと思っている。「カフェテラス・ファミリア」の衣装も作っている。裁縫は得意だが、洗濯以外の家事は苦手。粕壁隼の祖母に教えてもらったピラフは作れるようになった。
書誌情報
女神のカフェテラス 21巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2021-05-17発行、978-4065234075)
第2巻
(2021-07-16発行、978-4065240083)
第3巻
(2021-09-17発行、978-4065248324)
第4巻
(2021-12-17発行、978-4065262894)
第5巻
(2022-03-17発行、978-4065272909)
第6巻
(2022-06-17発行、978-4065281826)
第7巻
(2022-09-16発行、978-4065286623)
第8巻
(2022-11-17発行、978-4065296332)
第9巻
(2023-02-17発行、978-4065305768)
第10巻
(2023-04-17発行、978-4065312537)
第11巻
(2023-07-14発行、978-4065321850)
第12巻
(2023-10-17発行、978-4065328972)
第13巻
(2023-12-15発行、978-4065339053)
第14巻
(2024-02-16発行、978-4065345665)
第15巻
(2024-05-16発行、978-4065355091)
第16巻
(2024-07-17発行、978-4065361665)
第17巻
(2024-10-17発行、978-4065371275)
第18巻
(2025-01-17発行、978-4065380734)
第19巻
(2025-04-16発行、978-4065390948)
第20巻
(2025-07-16発行、978-4065400043)
第21巻
(2025-10-17発行、978-4065411032)
女神のカフェテラス 特装版 10巻 講談社〈プレミアムKC〉
第10巻
(2023-04-17発行、978-4065312544)







