概要・あらすじ
通学途中にヤクザに絡まれていた女子高生・篠倉寿乃は、そのヤクザの自動車を事故で壊してしまった謎の女と出会う。彼女に自動車を壊した責任を押し付けられたあげく逃亡されてしまい、ほうほうのていで学校に到着した寿乃は、文部省推薦のエリート教師としてクラスの新担任となった人物が、先ほど会った女性であることを知って愕然とする。
おまけに、四方堂麻里亜と名乗ったその女教師が、コンピューターのミスで偶然選ばれてしまったただけの、同姓同名のとんでもない外道だったことも判明。寿乃はなんとかして彼女を校内から排除しようとするが、当の麻里亜はどこ吹く風。それどころか、そのアクティブな外道さが、多くの人間をハリケーンのように巻き込んでいくのだった。
登場人物・キャラクター
四方堂 麻里亜 (しほうどう まりあ)
「私立天林高等学校」に赴任して来たうら若き女性教師で、全国の教師の中からコンピューターが選んだ、文部省推薦のスーパーエリート。しかしその実態はコンピューターのミスによって契約まで至ってしまった同姓同名の別人であり、文部省がミスの隠蔽を計ったため、そのまま教師を続けることになってしまった。表向きはエリート教師として猫をかぶっているが、本心はギャラのみを目的にしている外道で、生徒の教育に対してもほとんど関心がない。 また、給料日まで2週間あるなかで全財産が560円という悲惨な状態に陥ることもあるなど、基本的に計画性が皆無で、後先を考えないタイプ。腕っ節は強く、不良生徒を右ストレート一発でのしたり、ヤクザにハイキックを食らわせて昏倒させるほどの武闘派。 本人は真面目に教師をやるつもりはこれっぽっちもないのだが、そのバイタリティと破天荒さが、いつまにか周りの人間を巻き込んでしまい、それが結果的に多くの人々を助けることにつながっていく。
篠倉 寿乃 (しのくら ひさの)
「私立天林高等学校」に通う女子高生。クラス委員長も務めている明るく真面目な少女。文部省推薦のエリート教師がクラスの新担任になることを心待ちにしていたが、そのエリート教師が通学途中で出会った外道女の四方堂麻里亜であると知って驚愕する。麻里亜がコンピューターのミスによって選ばれた、どこの馬の骨ともつかぬ人物であることを知ったあとは、なんとしてでも彼女を学校から追い払おうと画策する。 しかし、麻里亜がボロを出す決定的な瞬間を狙おうと監視しているうちに、麻里亜の前向きな破天荒さに惹かれていく。
校長 (こうちょう)
「私立天林高等学校」の校長を務めている、口髭を生やした中年男性。文部省が選んだエリート教師の赴任先に自分の学校が選ばれたことを、誇らしく思っていた熱心な教育者。赴任して来た四方堂麻里亜が、単なるコンピューターのミスで選ばれた素性の怪しい人間であることを知り、大いに動揺するものの、やり方はどうあれ結果的に多くの人々を救済している麻里亜を最終的には容認する。
田口 和正 (たぐち かずまさ)
暴力団「銀龍会」の幹部。パンチパーマに度の強いサングラスをかけた強面の男性。四方堂麻里亜に愛車を破壊され、落とし前をつけようと「私立天林高等学校」に乗り込んで来る。実は「私立天林高等学校」のOBで、かつては大学への推薦入学が決まっていたほどの有力なボクシング選手だった。チンピラに襲われていた女性教師を助けて傷害罪で逮捕され、そのまま道を踏み外して極道まで身を落とした。
覇王院 我王 (はおういん がおう)
「私立天林高等学校」に通う男子高校生で、威風堂々とした巨漢。中学時代からの喧嘩屋で、4つの高校の空手部を廃部へと追い込み、高校入学後も2人の教師を辞任させている札付きの不良。篠倉寿乃に恋をしており、彼女といつも一緒にいる四方堂麻里亜に嫉妬心を抱き、配下の生徒を率いて麻里亜を「私立天林高等学校」から追い払おうとする。
山本 マサオ (やまもと まさお)
「私立天林高等学校」に通う男子高校生。おとなしい性格のせいで不良生徒から激しいイジメを受けており、まるで犬のような酷い扱いをされていた。できるだけ目立ず、隠れるように生きていたが、四方堂麻里亜から「生きてても死んでるんだな」と発破をかけられ、一念発起していじめっ子に立ち向かうことになる。
大久保 味希 (おおくぼ みき)
「私立天林高等学校」に通う女子高生。4年前に父親を失い、それ以来母親と2人で暮らしてきた。失恋と母親が再婚するという2つのショックが重なり、自分が誰からも必要とされていないと絶望。衝動的に飛び降り自殺をしようとするが、その時に四方堂麻里亜のなけなしのお金を吹き飛ばしてしまったため、弁償を求める麻里亜にしつこくつきまとわれる。
天野 三日月 (あまの みかづき)
「私立天林高等学校」に赴任して来た新任男性教師。容姿端麗なうえにスポーツ万能な完璧超人。喧嘩も異常なほど強く、覇王院我王をタイマンで軽くのしてしまうほどの腕前を持つ。実は文部省が送り込んだスーパー教師で、麻里亜の素行調査のために「私立天林高等学校」へとやって来た。
石田 (いしだ)
「私立天林高等学校」に通う男子高校生。パンチラ写真を撮影することに生きがいを感じている生粋の変態で、「写ガール」という校内盗撮集団のリーダー。四方堂麻里亜を転ばせてパンチラをゲットするために、同士を率いて校内に油をまいた。