姉ログ 靄子姉さんの止まらないモノローグ

姉ログ 靄子姉さんの止まらないモノローグ

弟を「姉に恋するヘンタイ」と勘違いする姉・近衛靄子の送る、妄想まみれの日常を描いたショートコメディ。「週刊少年サンデー」2012年42号から2016年21号にかけて連載された作品。

正式名称
姉ログ 靄子姉さんの止まらないモノローグ
作者
ジャンル
ギャグ、コメディ一般
関連商品
Amazon 楽天

世界観

本作『姉ログ 靄子姉さんの止まらないモノローグ』は、「理想的な姉とは何か」というテーマを持った世界観で構成されている。題名にあるとおり、内容は近衛靄子という少女が、「弟(近衛輝)が、姉である自分を溺愛するヘンタイ」であると勘違いし、妄想と暴走を繰り広げるギャグ漫画。本作品中には、靄子の他にも、十全ふぶき冴木風花といった「姉」ポジションのキャラクターが登場。彼女らは弟を持つがゆえに、理想の姉像とはどのようなものか、と考え続けている。彼女たちは、近衛姉弟のじゃれ合いを理想的な姉弟像と見なし、その姿を観察して、最終的に各々が姉弟とはどうあるべきかという結論に到達する。これが、本作を通す1つのテーマとして描かれる。それら各姉弟のストーリーは、最終的には「近衛姉弟にとっての姉弟関係とは何か」という命題へと展開されていき、本作の「理想的な姉像」を求める世界観やテーマ性の構築における大きな特徴を形作っている。

作品誕生のいきさつ

本作『姉ログ 靄子姉さんの止まらないモノローグ』は、作者である田口ケンジの「遊びで描いて、イラスト投稿サイトにでもアップしよっかな」と、趣味で描いていたプロットが基となっている。そのプロットが担当編集者の目に留まり、気に入られたため話がとんとん拍子に進行。構想期間10日たらずで「週刊少年サンデー」での連載が決定するという、スピーディな展開を見せた稀有な作品である。

クロスオーバー

本作『姉ログ 靄子姉さんの止まらないモノローグ』内の背景に登場する看板広告やポスター、または登場人物のプレイするゲームのキャラクターとして、作者の田口ケンジが「クラブサンデー」で連載していた過去作『DCD』の登場人物が、作品の枠を越えて描かれている。

あらすじ

私立晃天学園に通う高校2年生の少女・近衛靄子には、1つの悩みがあった。一緒に暮らす弟の近衛輝が、ことあるごとに姉である自分に求婚し、あまつさえ我が物としようと企んでいるヘンタイであること。だが、実はこれは靄子の誤解であり、妄想の産物であった。近衛家では両親が海外で働いているため、2人で暮らしている。家事担当の靄子が、晩ご飯のリクエストを輝に尋ねると、返ってくるのは「なんでもいい」という素っ気ない台詞。だが靄子は、その素っ気ない台詞こそ輝の策略であり、倦怠期の夫婦を演出し、ご近所に「近衛さんトコの姉弟って、まるで夫婦みたいね」と思わせるための演出だ、と妄想する。輝の思惑をよそに、勝手に奇妙な妄想を膨らませる靄子は、今日も1人で煩悶するのであった。

作風

本作『姉ログ 靄子姉さんの止まらないモノローグ』は、作者である田口ケンジが好んでいる「弟を溺愛する姉、または姉のような女性キャラクター」というヒロイン要素を前面に押し出した作風となっている。そのため、作品内には主人公である近衛靄子や、十全ふぶき冴木風花を始めとする多種多様な「姉」ポジションのキャラクターが登場し、数多くのブラコンエピソードや、姉としてのこだわりが展開されていく。

定型パターン

本作『姉ログ 靄子姉さんの止まらないモノローグ』は、1話あたり6ページほどの短いギャグストーリーが展開され、ショートコメディとなっている。内容は、姉である近衛靄子が、「弟の近衛輝が実は姉を溺愛し、我が物にしようと、常に企んでいるヘンタイ」である、と思い込んでいることを前提に展開される。靄子は、輝の些細な日常的な行動が、自身を籠絡するための策略であると、常に妄想を巡らせる。その妄想のうえで展開された輝の思惑を回避するために、常識ではあり得ない暴走をして周囲を振り回す――というのが本作における定型パターン。この定型パターンがテンポ良く展開されるため、本作のショートコメディーとしての勢いを形作っており、作品全体の流れを作り出している。

単行本の装丁

単行本カバー下の裏表紙には、デフォルメされた登場人物たちが、各話の象徴的シーンや関係した小話を展開する一枚絵が、複数掲載されている。本編中では描かれていない後日譚や前日譚が、描かれていることもあり、コミックスを読み終えた後に眺めると、くすりと笑える作りになっている。

時事ネタ

作者である田口ケンジは、熱狂的なサッカーファン。年間に400試合以上もサッカーの試合を、テレビ観戦するほどである。その嗜好から、作品内ではサッカー日本代表の試合を扱った時事ネタが、多数登場する。特に2014 FIFAワールドカップの予選や本戦が行われていた時期と連載時期が同一であったので、それらの試合内容が逐一ピックアップされている。作中の登場人物たちに、当ワールドカップ大会の優勝国を予想させ、正解した人物が生徒会長になる、という企画なども行われた。

メディアミックス

ドラマCD

コミッククス2巻の特別版の付録として、ドラマCDが制作された。原作エピソードに加え、新規書き下ろしのオリジナルシナリオを含んだ全16話を収録している。近衛靄子役を小清水亜美、近衛輝役を水島大宙、黒瀬香澄役を明坂聡美が演じている。

OVA

小学館が2014年に展開した「少年サンデー」の人気7作品を一挙アニメ化する、という企画「アニサン」の一環として、OVA化された。これは『姉ログ 靄子姉さんの止まらないモノローグ』の第5巻~第7巻に付属する、「OVA付き限定版」として販売された。アニメーション製作はブレインズ・ベース、監督は市村徹夫、脚本は高橋ナツコが担当。キャストはドラマCDと同様に、近衛靄子役を小清水亜美、近衛輝役を水島大宙が演じている。OVA作品ではあるが、TOKYO MXの「アニサン劇場」内において、2015年10月28日から11月11日まで地上波でのTV放映も行われた。

ファンディスク「姉ログ ~靄子姉さんの本編を飛び出しても止まらないモノローグ~」

アニメイトのレーベルである「あにぷぅ」から、ファンディスクとして「姉ログ ~靄子姉さんの本編を飛び出しても止まらないモノローグ~」が発売されている。内容は、本編6話分を忠実にFlashアニメ化しているほか、「モヤ姉ブートキャンプ」や「世界の姉」「姉電話相談」といった、書き下ろしエピソードも収録されている。キャストはドラマCDと同様、近衛靄子役を小清水亜美、近衛輝役を水島大宙、黒瀬香澄役を明坂聡美が務めている。

作家情報

田口ケンジは「週刊少年サンデー」系列の雑誌で活躍する漫画家。漫画家として活動する以前は、月刊競馬雑誌「サラブレ」の編集部に入社したことがある。入社の翌年には、フリーランスのDTPデザイナーとして独立し、漫画家としての活動を開始。その後、「週刊少年サンデー」の月例新人漫画賞「まんがカレッジ」で、2004年7月期努力賞を受賞。その後は「週刊少年サンデー」に読み切り漫画をいくつか発表していた。2009年には「クラブサンデー新人王決定戦」で第1回クラブサンデー新人王に輝き、連載権を獲得。「クラブサンデー」で初連載作「DCD」の連載が始まった。作風として、弟のことが好きな姉、もしくは姉に相当する女性キャラクターを好んで登場させることが多い。また、サッカーや競馬に詳しく、作中のネタとして登場することも。本作『姉ログ 靄子姉さんの止まらないモノローグ』は連載3作目にあたる。1983年1月生まれ。血液型はO型。

登場人物・キャラクター

主人公

私立晃天学園に通う高校2年の女子生徒。自分が所属する2-Aのクラス委員長を務めている。外見はツリ目がちの瞳に、黒髪のロングヘアーで、カチューシャを着け、制服の上から常にカーディガンを羽織っている。身長... 関連ページ:近衛 靄子

私立晃天学園に通う高校1年の男子生徒。近衛靄子の弟。1-Bに通っている。身長は174センチで、靄子と同じ黒髪をしている。成績は至って普通の水準。両親が海外で仕事をしているため、姉の靄子と2人暮らしをし... 関連ページ:近衛 輝

私立晃天学園に通う高校2年の女子生徒。近衛靄子とは同じ2-Aに通うクラスメイト。靄子や近衛輝と10年以上の付き合いになる幼なじみ。ボーイッシュで、髪を短くそろえたショートヘア。姐御肌な性格をしている。... 関連ページ:黒瀬 香澄

私立晃天学園に通う高校1年の女子生徒。近衛輝と同じ1-Bのクラスメイト。席は輝の隣。ロングヘアーの髪型をしている。無愛想な性格で、また制服の上からパーカーを着込んでいるため、周囲からは不良と見なされて... 関連ページ:冴木 風花

帰国子女の少女。近衛靄子のクラスである2-Aに転校してきた。母親がイギリス人、父親が日本人のハーフ。母親讓りのウェーブのかかった長い金髪を、ツーサイドアップにまとめている。日本の漫画やアニメが好きな、... 関連ページ:梅比良 ブリサ

私立晃天学園に通う高校2年生の女子生徒。クラスは2-Dに所属している。「千厩グループ」という大金持ちの家に生まれた令嬢。プライドが高く、自身の財力と才能に強い自信を持っている。しかし、学校の成績では近... 関連ページ:千厩 雪乃

私立晃天学園に通う高校1年の女子生徒。近衛輝と同じ1-Bのクラスメイト。クラス委員長を務めている。身長は147センチと、小柄な可愛らしい少女。髪色は黒で、肩口で切りそろえられたミディアムヘアの髪型をし... 関連ページ:五十嵐 歩

私立晃天学園に通う高校3年の女子生徒。生徒会長を務めている。銀色の長い髪に、ツリ目がちの鋭利な赤い瞳をしている。174センチと高い身長に、豊満な体つきの持ち主。同じくスタイルの良い近衛靄子と共に「学園... 関連ページ:十全 ふぶき

十全 雷斗

風見鶏高校に通う高校2年の男子生徒。十全ふぶきの弟。銀色の髪に赤い瞳をした美形で、歩くだけで女の子に声をかけられるほどのイケメン。しかし、女性に関しては、実の姉であるふぶきにしか興味がなく、重度のシスコン。近衛靄子との関係から、近衛輝を、自分より遙かに高みにいるシスコンだと勘違いしている。

私立晃天学園に通う高校1年の男子生徒。近衛輝と同じ1-Bのクラスメイトで、中学時代からの悪友。脱色した髪にピアスを着け、制服は着崩したりと、チャラチャラした外見の不良。物事を深く考えない明るい性格で、... 関連ページ:福山 陽平

近衛 霧子

近衛靄子、近衛輝の母親。商社で働いており、現在は海外に出張しているが、休暇をとって一時的に帰国する。黒髪で、垂らした前髪が鼻先でL字を描いて耳元へと流れる、特徴的な髪型をしている。一見無表情な女性だが、内心では子供である靄子や輝を溺愛しており、靄子同様、頭の中で妄想を巡らせている。

近衛靄子や黒瀬香澄が在籍する私立晃天学園の教諭。2-Aの担任を務める25歳の男性。187センチという高身長のイケメンで、女子人気が高い。教師としても優秀な人物だが、「仲睦まじい女子同士の友愛シーンを眺... 関連ページ:東雲 柳太郎

近衛輝や冴木風花が在籍する私立晃天学園の教諭。1-Bの担任を務める25歳の女性。水泳部の顧問も務めている。教師ながら気安い言葉使いをする、さっぱりした性格の人物。生徒たちからは姉のように慕われている。... 関連ページ:南波 渚

西 しぐれ

梅比良ブリサがアルバイトしているメイド喫茶「ぷれしゃす☆カフェ」の店長。セミロングの髪型にメガネをかけている女性。近衛靄子たちが通う私立晃天学園の教師である東雲柳太郎や南波渚とは、学生時代の同級生。東雲と渚の関係を進展させるため、いろいろと手を回している。

下田 優理

私立晃天学園に通う2年生の女子生徒。生徒会の書記を務めている。黒髪のロングヘアを1本にまとめた髪型をしており、メガネをかけている。生徒会長を務める十全ふぶきに心酔しており、過剰で一方的な愛情を迸らせる。身長は155センチ、誕生日は10月1日。

冴木 颯太

小学6年生。冴木風花の義理の弟。風花の父親の再婚相手の連れ子。風花とは最近姉弟になったばかり。そのため距離感が掴めず、風花を「風花さん」と呼んでいる。児童会でしっかり仕事をするほどに真面目で素直な性格。姉である風花の買い物の手伝いをしたりと、優しい面もある。身長は147センチ、誕生日は9月21日。

ダーク輝

近衛輝の別人格ともいうべき存在。近衛靄子の夢や妄想に頻繁に出てくる。本物の輝とは違い、性格は極度のシスコンで、狡猾なものとなっている。日常の行動すべてが靄子を籠絡するための手練手管であり、ありとあらゆる手段を講じてくる恐るべき存在。

梅比良 アウラ

梅比良ブリサの母親。38歳のイギリス人。柔和な笑顔を浮かべた穏やかな人柄だが、ブリサをオタクへと育て上げた生粋のオタク。夫と結婚したのも「某アニメキャラに似ていたから」という理由から。身長は167センチ、誕生日は4月18日。

安曇 直

私立晃天学園に通う2年の女子生徒。クラスは2-Bに所属している。前髪が短く、ショートヘアの髪を後ろで束ねた髪型で、瞳が猫のような三白眼をしている。陸上部の特待生で、抜群の運動神経を誇る。陸上部の練習で校外をジョギングしていた際、近衛靄子に追い抜かれたことがきっかけで、一方的にライバル視している。

私立晃天学園に通う高校2年の男子生徒。近衛靄子と同じ2-Aに通うクラスメイト。同じくクラスメイトである黒瀬香澄から、「朴訥な人物」と評されている。靄子に対して想いを寄せており、プリントを手渡すだけでも... 関連ページ:東島

場所

私立晃天学園

近衛輝や近衛靄子たちが通う高校。共学校で、校則は比較的緩くおおらか。制服についても細かく口出しされることは稀で、靄子などは、制服の上に学校指定外のカーディガンを羽織っている。生徒会が大きな力を持っており、学校行事とは別に、生徒会長である十全ふぶきが考案したイベントが開かれることもある。

ぷれしゃす☆カフェ

梅比良ブリサや近衛靄子がアルバイトしているメイド喫茶。店長は西しぐれが務めている。「オタクのお客様に夢を提供すること」がコンセプトであり、リア充に対しては冷たい一面もある。制服は基本はメイド服だが、店舗イベント時には、ブリサが制作したコスプレ衣装で接客することもある。

その他キーワード

姉力

十全ふぶきによって使用された用語。その人物がいかに姉として相応しいか、を表す力のこと。ふぶきと近衛靄子の間でしか、意味が通じていない。

SHARE
EC
Amazon
logo