概要・あらすじ
本名佐々木竜一こと殺し屋さんは、依頼されたターゲットは必ず殺す、自称日本一の殺し屋。しかもそのターゲットの人の命だけでなく、夏休みの宿題や主婦の家内労働までというターゲットの広さ。押しかけ弟子の少年や、殺し屋さんを親の仇として追い回す少女など、どこか風変わりな面々に囲まれながらも、殺し屋さんは今日もターゲットを殺すのだった。
登場人物・キャラクター
佐々木 竜一 (ささき りゅういち)
本名は佐々木竜一だが、周囲からはもっぱら殺し屋さんと呼ばれている。顔立ちは整っており、体つきも傷だらけながらも精悍。服装は常に黒のスーツと白い開襟シャツである。殺し屋としての腕は二年制の専門学校で学んだ。モットーは「依頼があれば何が何でも殺せ!」で、実際のターゲットは間違いなく殺す。 だが、依頼が無ければゴキブリすら殺そうとしない。依頼があればネズミやスズメバチ、果ては夏休みの宿題や家庭内労働まで殺す。要は「殺す」という表現を使って依頼すれば、なんでもしてくれるのである。ただし、食通気取り相手の殺しはノーギャラで引き受けるのが彼の作法。とはいえ、ときには殺しのシミュレーションに没頭しすぎて依頼が無かったことになることもある。 日本全国津々浦々で殺しをしてきたが、鳥取県だけはスルーしている。趣味は献血でライバルは妊婦。基本的に一匹狼だったのだが、いつの間にか彼を親のように慕う、少年の弟子がついてしまった。犬や猫に好かれやすいが、スタンダード・プードルだけはなんとなく苦手としている。
弟子 (でし)
本名は不明。殺し屋さんに憧れて、押しかけ弟子となる。生まれてすぐに父親が死に、母親からは捨てられ、引き取り先でも虐待を受けて育ったため、師匠の殺し屋さんを親のように慕う。殺し屋さんの方も自分が弟子を持つことに当初は難色を示していたが、やがて弟子の授業参観に出たりするなど、まんざらでもない様子。 ちなみに学校の成績はあまり良くない。殺し屋さんの日本一の相棒を目指しているが、朝の食事の支度などといった生活の面倒を見たり、殺しの依頼者への取り次ぎをしたりするなど、ときとして弟子や相棒というよりマネージャーみたいな立場になることも多い。また、ダジャレを中心とする殺し屋さんのボケにつきあわされることも多く、作中では数少ないツッコミ役にもなっている。
父の仇女 (ちちのかたきおんな)
本名は不明。5年前、殺し屋さんに父親を殺され、その仇を討とうと日々つけ狙っている17歳のセーラー服巨乳美少女。しかし、1年以上経っても仇討ちはならずしまい。服装は白いセーラー服に白いハチマキ。衣服は一着しかなく、繕いものを重ねてボロボロになっている。ときに変質者に襲われたり、服を盗まれたりもするが、相手を倒して服を奪還している。 武器は当初、竹刀をだったが、やがて父親の遺品だった日本刀に変わる。出身は福井県の内浦半島。殺し屋さんとしては余裕でいなせる相手だが、彼女の発する言葉にいちいちエロを感じてしまい、、つい鼻血を出して倒れてしまう。そして、父の仇女の発言は実際、エロいことを創造させてしまうものばかり。 無心になって地面や窓に文字を書くこともあるが「獣姦」や「恥毛」などといった猥褻な単語をつい記してしまう。仇討ちのためいつも放浪しており、生計は特技を生かした似顔絵や肉体労働で立てている。本人は仇討ちが成功したら、普通の女子高生に戻って立派な公務員になりたいらしい。ちなみに母親は故郷で健在。
原田 (はらだ)
中年の渋みがかった刑事。本名は原田だが、周りからはもっぱらデカ長と呼ばれている。家族は妻と小学生の娘がいる。当初は追っている連続殺人犯が殺し屋さんであることも見抜けず、その後も間の悪い恋人のように殺し屋さんとすれちがいを続ける。やがて殺し屋さんと本格的に対峙するようになったが、そのやりとりがどうにも恋人みたいになってしまい、殺人の被害者がいまわの際に「あんたら、つきあっちゃいなよ」とまで言う事態になってしまう。 一度は殺し屋さんのことを忘れるために旅にも出たが、訪れた屋代湖から「殺し屋」を連想するなど、どうしても殺し屋さんが頭から離れられない。もはや殺し屋さんとの関係は、追いつ追われつというよりも友情、いや愛情に近いものとなっている。
ゴロー
『殺し屋さん』の登場する犬。警察犬で、警察内部で殺し屋さんの正体を知っている数少ない存在。犬種はシェパード。しかし、いくら殺し屋さんを捕まえようとしても、ついつい彼に懐いてしまって逮捕することができない。殺し屋さんの前では従順な飼い犬みたいになってしまい、警察からも「最近役に立たないので飼ってくれませんか?」とまで言われる始末。 ときには殺し屋さんがゴローのためにお見合いを企画したこともあったが、ゴローはそれらを敵だと思って撃退している。回を増すごとに、ゴローはどんどん殺し屋さんのペットみたいな立場とになり、犬のゴローもそのことで悩むようになった。
神父 (しんぷ)
殺し屋さんや父の仇女が懺悔しに行く教会の神父。一見すると善良そうに見えるが、語る言葉がとんでもないセクハラになっている。特に父の仇女が懺悔に来たときは、問答の全てがセクハラになっており、近くにいた殺し屋さんが鼻血で失血死しかかるほどであった。セクハラ以外でも、「死にたくない」という殺し屋さんの懺悔に対し、告げた言葉が無敵コマンドだったりするなど、なかなか侮れない。 毎回懺悔に行っては最低な言葉を聞かされる殺し屋さんとしては、神父の本性を言いふらしたいらしい。
そっくりさん
殺し屋さんのそっくりさんで、彼が殺しの仕事をしている時間にあちこちうろついたり、目立った行動をするなどしてアリバイを作るのが仕事。ときに、女子高生に胴上げされるなどうらやましい行動をすることもあり、殺し屋さんにうらやましがられることもある。一方、そっくりさんはアリバイのために街をうろついていると、老若男女からやたらと感謝されてしまい、つい殺し屋さんが何をしているのか疑問に思うことがある。
ラッキーな10名 (らっきーなじゅうめい)
『殺し屋さん』のキャンペーンに申し込んで当選した愛読者の人たち。1052通の応募から10人が選ばれ、作中で殺し屋さんに「できるだけかっこいい形で」殺された。応募に外れた人たちの中には、「夫を殺してください」と男性の写真を同封してきたご婦人の投稿が5通もあって、さすがの殺し屋さんも「恐ろしい」と思ったらしい。
インターポール
殺し屋さんを廃ビルに追い込み、自爆用ダイナマイトを使わせる寸前まで追い詰める。だが、殺し屋さんの「ダイナマイトボディとは、ダイナマイトの形のように寸胴で、チョロッとアホ毛のある女の子かもしれない」という問いかけに反応してしまい、「この~犯罪者予備軍!!」となじられてしまう。
デカ長の部下 (でかちょうのぶか)
デカ長の部下で、髪型は左右に分けている。デカ長の独り言を深読みしたり、犯人(殺し屋さん)の遺留品らしきDVDからアナグラムを読み取ったりするが、どれも的外れなものばかりとなっている。
いつも殺される男 (いつもころされるおとこ)
『殺し屋さん』の初期話で、殺し屋さんにいつも殺されていた人。見た目はチンピラっぽく、殺される方法は千差万別。基本的に殺され方にはいつも納得がいかないようで、抵抗はするが殺されてしまう。
女刑事 (おんなけいじ)
デカ長とは別に殺し屋さんによる迷宮入り殺人事件を追っている。ぬいぐるみの声が聞こえるタイプらしい。多数の部下を率いることもあるが、たとえ話がどうにもおかしい(「ペアはどちらか一方が死んでも、もう一方が動けば任務を遂行できる腎臓のようなもの」と伝えるつもりが、相手には金玉と伝わってしまうなど)。
イベント・出来事
日常で殺されている人 (にちじょうでころされているひと)
『殺し屋さん』に出てくる出来事。各話の冒頭1コマ漫画で、「段差殺し(バリアフリー)」、「拭き残し殺し(ウォシュレット)」、「待機電力殺し&漏電火災殺し(コンセント抜き)」、「カルキ殺し(水道水のカルキ抜き)」など、生活の不便を色々と殺されているいうか、改善されている人。本人の知らないところで殺されているので、やったのはおそらく殺し屋さんと思われる。
場所
殺し屋専門学校 (ころしやせんもんがっこう)
『殺し屋さん』に登場する施設。2年教育で、毎月様々なカリキュラムを通じて殺し屋を育成していくらしい。殺し屋さんもこの専門学校を卒業している。